鶴見俊輔のレビュー一覧

  • ぼくはこう生きている君はどうか

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    確かにカッコいい人だ。だいたいカッコいい人は物事を測る軸を持っている。しかもその軸は色々な経験に基づいて出来上がってきたもので、誰かに教えてもらったり、影響を受けただけのものではない。影響は受けても最後は自分で考えて自分なりの回答を出す。それが間違っていると判ればすぐにそれを改める。そうやって積み上げ、築き上げてきたものが滲み出てくる人、というのはカッコいいはずだ。
    日露戦争の終わりとともにこの国の本当の教育は終わった、と鶴見先生は仰るがそれから100年以上経った現代もまだ落下を続けている。そう考えると自分の子供達には好きな勉強をしてもらいたいと思う。教養は身につけてもらいたいと思うが、残念な

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    2024年02月23日
  • 歴史の話 日本史を問いなおす

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    網野善彦さん、
    その歴史観に圧倒的な刺激をもらいました。
    鶴見俊輔さん、
    その思想に大いに触発されました。
    そのお二人の対談集
    面白くないわけがない

    この本が世に出るまでのお世話をされた
    中川六平氏に力いっぱいの拍手と感謝を贈ります

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    2024年02月11日
  • 人生相談 谷川俊太郎対談集

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    著者には何となく縁があるのか、複数回、空港や駅で遭遇したことがある。素朴な偉ぶらない方で、本対談でも、その味がいかんなく発揮されている。しかも対談は3,40年前にしたものをまとめたものであるが、古さを感じない。冒頭からの親子の対談は読みごたえがあるが、鶴見俊介との対談も丁々発止で面白い。90歳を超えた野上弥栄子との対談も味がある。解説が文筆家内田也哉子というのもよい。

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    2024年01月20日
  • 不定形の思想

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     鶴見俊輔の前半期、早いもので1949年発表のものから1960年代の論考が収録されていて、特にコミュニケィション論は読み応えがある。
     今から見れば、コミュニケーションという言葉は当たり前に用いられているが、敗戦後間もない時期から言語とコミュニケーションについて考察を深めていったところに、鶴見の問題意識が感じられる。
     特に、『二人の哲学者ーデューイの場合と菅季治の場合』。菅季治という名前は、共産党のいわゆる徳田要請問題に絡んで自殺してしまった人という程度しか知らなかったので、この論考はとても参考になった。コミュニケーションとディスコミュニケーション、両方を考えなければならないということ。

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    2023年02月15日
  • 思い出袋

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    感想
    本を読むだけでは知識人は作られない。肌に触れ耳に入ったものから多くのものを吸収し血肉とできる人。一朝一夕でできると勘違いしてはいけない。

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    2023年01月15日
  • 人生相談 谷川俊太郎対談集

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    全部は読んでない。お父さんの徹三さんとのおしゃべりと、鶴見俊輔さんとのおしゃべりだけ読んだ。

    大人のおしゃべりはおもしろいな。

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    2022年12月22日
  • 戦艦大和ノ最期

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    副電測士の少尉であった著者による、戦艦大和の最後の出撃をえがいた記録文学です。

    太平洋戦争の敗色が濃厚になっていくなかで、大和は片道の燃料だけを積んで、生還を期することのない「天一号作戦」の実行をおこないます。「日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」と語る臼淵大尉と、それでもなお戦いのなかで死んでいかなければならないことの理由を求めようとする者との認識のちがいが浮き彫りになりつつも、大和は進路を進めていきます。たびかさなる集中砲火を浴び、著者も死の淵をさまようことになりますが、生きたいという「希求」ではなく、生きなければならないという「責務」によって、著者はロープをつかみ、救出さ

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    2022年10月02日
  • 戦艦大和ノ最期

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    吉田満 「戦艦大和ノ最期」 戦艦大和の電測員であった著者が、天一号作戦における戦艦大和の出撃から自爆までを記録した本。


    戦争の不条理、悲哀、残酷さ、昂揚感など戦争の全てを再現している感じ。カタカタ文語体の文章が 軍隊を象徴しているように感じる〜規律的というか、ガラパゴス的というか。


    天一号作戦は、往路のみの燃料を搭載し、敵国の標的となれというもの。もはや作戦ではない。この時点で降伏せず、原爆投下まで国家の損失を広げた理由を知りたい


    敵国の的確な攻撃力に対して「敵ながら天晴との感慨湧く。達人の稽古を受けて恍惚たる如き爽快味あり」と感じるあたり、後に日本銀行で日本経済を復興させた人物だ

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    2022年01月30日
  • 戦艦大和ノ最期

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    文語体

    特攻部隊。自分が死ぬとわかりつつも、戦いに一部興奮、やりがいを求める部分もあり。

    大和と米軍機動部隊の攻防。波状攻撃。
    大和沈没後の誘爆、駆逐艦で救助されるまでの出来事。ここが一番生々しかった。
    生きているのが苦しい、死んでやろうか。

    駆逐艦のスクリューで巻き込まれて、、

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    2022年01月22日
  • 戦艦大和ノ最期

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    本文は文語体で、馴染みがない文章なので難しかったが、その後の著者の解説を読むとなぜ文語体が用いられたのかが分かる。大和の特攻、必敗の作戦に赴き、援護もなく立ち向かっていくがやられ放題、最後には沈んでいく様がなんとも悲しい。生き残ってもまた苦悩、、、

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    2020年08月26日
  • 思想をつむぐ人たち 鶴見俊輔コレクション1

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    ネタバレ

    ●本の概要
    様々な人物の思想を鶴見俊輔が語ったものを編集者が纏めている。そのため、テーマとして何かしら一貫したものはない。それぞれの枚数もバラバラである。何名かを書きだそう.
    イシ(先住アメリカ人ヤヒ族最後のひとり)、ジョージ・オーウェル(英国人作家)、金子ふみ子(アナキスト)、ハヴェロック・エリス(性心理学者)、ガンジー(インドの弁護士、思想家、政治指導者)、由比忠之進(エスペランティスト、反戦運動家)、新島襄(同支社創立者) etc

    ●好きな場面
    いくつかを抜粋、※で補足や所感を記述する
    尚、長文が多いため、一部を省略し、辻褄を合わせるために、文章を一部編集している

    イシは文明人を知識

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    2020年07月05日
  • ぼくはこう生きている君はどうか

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    ネタバレ

     鶴見さんの「教育」に対する考え方がコンパクトに分かる。現代日本の「人材払底」の理由が分かる。
     

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    2020年06月18日
  • 戦艦大和ノ最期

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     吉田満は1923年に生まれた。1945年に22歳。九死に一生を得て戦後を迎えるが、1979年、高度経済成長の最中、56歳という若さで亡くなっている。
     20代に、初めて読んでい以来、沈没寸前の大和艦上の凄惨な描写が忘れられない。臼淵大尉はじめ、少壮の将校たちの特攻に対する議論が、戦後日本の浮かれた経済成長を批判する言説として読み継がれてきた一面が強い作品だ。しかし、ここに描かれている、艦上の凄惨にこそ、「死」と「国家」を天秤にかけた議論以上に、吉田の国家や戦争の持つ、本質的な「人間蔑視」批判のメッセージを読むべきではないのかと、最近気づいた。
     先日、呉の「大和博物館」(?)の前を通った。金

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    2019年04月08日
  • 歴史の話 日本史を問いなおす

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    網野と鶴見という今は亡き二人の1993年の対談である。鶴見に引き出されて、網野の天皇制への主張の核がはっきりと示されている。内なる天皇制などとは言わず、生活の各層に潜む天皇制の在りようをつかまねばならないとする意志が明確である。平成が終わる今、以下の発言を記しておきたい。
    「王は自分に独自の力があるから王なのではなくて、まわりが王と思うから王になれるのだ、といわれますけど、全くそうだと思うんです」「権力は社会の合意があって初めて維持し得るので、その合意が崩れるような事態が起こり、それを多数の人民が意志として表現したらあっという間に消し飛ぶと思うんです。人間は断じて力だけで押さえつけられているも

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    2019年03月03日
  • 教育再定義への試み

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    小学生の息子から、自殺をしても良いのか、と問われた著者は、自殺をしても良い場合があるとして2つの具体例を挙げて答えた。これは著者自身がさまざまな痛みを伴う人生の体験を通して探り得た自分だけの答えであり、決して学校教育で教えられる模範解答のようなものではない。私自身親として子供からこのような切実な問いかけをされたとき、ある種の覚悟を持って自分の言葉で答えることができるのか、しばし考えさせられてしまった。

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    2018年03月31日
  • 戦艦大和ノ最期

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    映画「男たちのYAMATO」を見て、この有名な本のことを思いだし、読んでみました。

    著者は21歳の海軍少尉として戦艦大和に乗りこみ、その撃沈を生き延び、終戦直後、わずか1日でこの小説の初稿を書き上げたということです。

    大和の最後を描いたこの作品、映画の幾つかの印象的なシーンは、この小説からそのままとられています。たとえば、長島一茂演じる臼淵大尉が、激しく言い争う士官の間に割って入って語るときの言葉とか、特攻作戦を伝える特使にくってかかる若手艦長のシーンとか。

    映画では、戦闘シーンは15分程度だったと思いますが、実際には約2時間、壮絶な(というか制空権、制海権が失なわれた海を行く大和へのほ

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    2017年11月20日
  • ぼくはこう生きている君はどうか

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    2015年に亡くなった哲学者鶴見俊輔さんと、作家重松清さんの、2009年に行われた対談集。

    主に教育をテーマに対談が続いていくが、印象的だったのは両者のお互いへの敬い方。
    鶴見さんの重松作品を読み込んで対談に挑む姿勢。重松さんの相手を尊敬しているからこそできる質問、会話の引き出し方。こんなふうに人を尊敬をすることのできる人間に憧れる。

    最近重松さんの作品は読めてないけど、「尊敬する人は誰か?」という質問を見ると、今のところ「重松清」が自分の頭の中にでてくるのは何年も前から変わらない。

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    2016年09月11日
  • フランクリン自伝

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    中公文庫版と岩波文庫版と比べると
    訳者のお陰で読みやすいと思います

    富へ至る道は未掲載ですがリチャード暦の抜粋が載っています

    ページの途中に注釈が書かれていますので初回にの方には読みやすいと思います
    フランクリンの成り立ちから思想などアメリカンドリームと言われる形も見えるかもしれませんが
    ただ、己の信念を信じること
    学ぶ事が大事だと語りかけてくれる書籍です

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    2015年12月13日
  • フランクリン自伝

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    ネタバレ

    食べ物や、飲み物を節制すると、頭がとてもはっきりして、理解力が進み、勉強が大いにはかどった 控えめな言葉で、自分のことを主張する習慣だけを残す イギリスの諺に「金持ちになるかどうかは女房を見れば分かる」というのがある 13の望ましい徳:節制、沈黙、規律、決断、倹約、勤勉、誠実、正義、節度、清潔、平静、純潔、謙譲 最初に100ポンドもうけてしまえば、次の百ポンドは簡単にもうけられる

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    2015年10月06日
  • 戦艦大和ノ最期

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    よくもまあ,当時のことをこれだけ詳しく書けるものだ…と感心した。こういう本があることは知っていたが,「今さら読んでもなあ」と思い,敬遠してきた。が,最近,政治の動向がきな臭くなってきたので,なんとなく,こういうものにも触手が動くようになったのだ。

    最後の解説は鶴見俊輔氏が書いている。

    大和の特攻は,ムダなのか…オレらの死の意味はなんなのか…艦船上で悶々とする兵士たち。「負けて目ざめることが最上の道だ」とは,自分達の死を意味づける究極の言葉だ。「日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じじゃないか」
    もっと前に,降伏していれば,大和の死もなかったのに…。

    全編文語体で書かれている本書から伝わっ

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    2015年08月13日