あらすじ
自我について、性について、家庭について、老年について、偽善について。詩人が壮年期に哲学者の父・谷川徹三をはじめ、外山滋比古、鮎川信夫、鶴見俊輔、野上弥生子、そして息子・谷川賢作と胸の内を明かし合った比類なき対話。解説・内田也哉子。
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Posted by ブクログ
著者には何となく縁があるのか、複数回、空港や駅で遭遇したことがある。素朴な偉ぶらない方で、本対談でも、その味がいかんなく発揮されている。しかも対談は3,40年前にしたものをまとめたものであるが、古さを感じない。冒頭からの親子の対談は読みごたえがあるが、鶴見俊介との対談も丁々発止で面白い。90歳を超えた野上弥栄子との対談も味がある。解説が文筆家内田也哉子というのもよい。
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「父と子」の対談を含む全7つの対談集
過去の対談が多く含まれているが、世の中すごい勢いで変化しているモノ・コトが多い一方で、変わらないことも多いことを実感させられる。
『書き言葉と違って、話し言葉には聖なる一回生の如きものがある』と谷川俊太郎さんがおっしゃっているそうだが、本当にその通り。「詩」とは違った谷川さんの一面が感じられる一冊。
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「人生相談」とまとめてしまうと、荒っぽい感じがするので。各対談の表題を。
・動物から人間になる時/谷川徹三
・月征服は人間に幸福をもたらすか/谷川徹三
・日本語のリズムと音/外山滋比古
・「書く」ということ/鮎川信夫
・初対面/鶴見俊輔
・昔の話 今の話/野上弥生子
・いま、家族の肖像を/谷川賢作
谷川俊太郎の、自分が恵まれて育ってきたことへのありがたさと、だからこそ立てない視座があることへの辛さ?が繰り返されていて、驚いた。
父、谷川徹三との対談、息子、谷川賢作との対談から、息子というのは、どこか父とは離れた位置にいる存在なんだなと、ふと感じた。
「人間」と「人類」という言葉の持つニュアンスの違いについて語られた部分が面白い。
「ほんとうは、われわれが人類というほど、かならずしも地球上の人間たちはひとつになっていないにもかかわらず、月へ行くという非常に強烈なドラマチックな事件が起こると、われわれはわざわざ安易に人類というような理想像を持ち出してしまう。
ところが、人間というのは、もっと生々しい観念であって、それこそ人の間であって、自分と妻との関係、自分と友だちとの関係、自分と上役との関係、そういう日常的ないやらしい、それこそ人間的ないやらしい関係全部を含んでいる概念だと思うんですよ」
平等と差異についても。
「結局、つまり、もし人間が人間を平等にしたいんだったら、文化的な差異もね、生活程度の差異も全部なくさなきゃあいけないみたいなことに行きついちゃうわけでしょ。それを社会的制度として認めなきゃいけないとしたら、そんなことはありえないと思う。地獄だと思うんですけどね」
「そういういろんな文化の中で人間がいろんな生活をしていて、なおかつどっちが優れていてどっちが劣っているという視点を持たないでね、自分の精神的な一種の豊かさの中で平等になるっていうのが、いちばん望ましいって気がしてしようがないんですけどね」
これ、1973年に言ってるんだよなー。
すごいな。