鶴見俊輔のレビュー一覧

  • 戦艦大和ノ最期

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    大和は出撃すべきではなかったと思います。ただ、明治維新後70年ほどであれほどの巨大戦艦を国産できるほどの工業力は凄いと思います。

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    2025年08月14日
  • 戦時期日本の精神史 1931~1945年

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    鶴見俊輔さんの著作に触れるたびに
    自分の無知を自覚する
    本書は
    カナダの大学で学生たちに向けて
    語られた講義である
    生身の人間が生身の人間に
    向けて語られることには
    大きな意義が生まれる
    鶴見さんもあとがきで
    ーこれほど手ごたえのある聴取を前にしたことは、それまでの大学の経験にはなかった、この手ごたえを、話に生かそうと努力をした
    その場(講義)の緊張感と浸透度が伝わってくる素晴らしい一冊です。

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    2025年02月15日
  • 教育再定義への試み

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    ネタバレ

    教育を再定義するというような固い本ではなく、鶴見の体験を語った本であった。
     ちまたでは、アメリカに行って日本に戻って兵隊に行ってまた戻ってきたというようにはしょって語られているが、本人の説明として本書を読むと、そう簡単には説明できない様々な事情があることが分かる。自分の大学生活のことも語っているし、大学生のことも語っているし、教師との体験についても語っているので、教員養成系の大学生にとっては読んでおくといい本であろう。

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    2025年01月18日
  • ぼくはこう生きている君はどうか

    QM

    購入済み

    何を書いても薄っぺらい感想になってしまうのが申し訳ない。だけど、この薄さにしてはすごく内容が濃かった。昔の時代を生きた人たちが培ってきた知恵など、現代を生きる自分たちにとってもすごく勉強になるところが多い。今の箱詰め式の教育じゃなくて、テストの点数よりももっと大事なところを伸ばしていけるような教育環境になっていったらいいなぁと思う。

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    2024年12月15日
  • 戦艦大和ノ最期

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    「戦艦大和の最期」読み終わった。最後の50ページ程は一気に読んだ。いろいろこの人の本には賛否、毀誉あるだろう。人間十人様々な思いが渦巻くでしょう。ましてやあの戦争、あの特攻を題材にしてるのだから。ただ言えるのはこの作品は超弩級の文学作品であることだ。

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    2024年10月22日
  • ドグラ・マグラの世界/夢野久作 迷宮の住人

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    「ドグラ・マグラ」、今まで確か三回読んでいて、最初は茫然、二回目は面白く読んで、三回目は鼻白んだ記憶がある。その三回目が最後の読後感なわけで、あまり読み返そうとは思っていなかったのだが、あの鶴見俊輔がこれだけの興味を示すのであれば、とまた読んでみようという気になった。本文だけを読むのも面白いが、背景を知ったうえで読んでみるのもまた興味深い。

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    2024年02月19日
  • 戦艦大和ノ最期

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    戦記物して書かれた体験文学の傑作。全部が文語体で書かれているのがかえって迫力になっています。悲壮感、戦場の不合理がビンビン伝わる。古文勉強の導入として音読してもいいんじゃないかなと思います。

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    2024年02月14日
  • 戦艦大和ノ最期

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    筆者の吉田満は、学徒動員の一環として応召され、副電測士(電測士というのは、レーダー要員と理解した)として、沖縄特攻作戦に参加する戦艦大和に乗り込む。1945年春、終戦まであと4ヶ月の時である。
    既に米軍は、沖縄を勢力圏に置いており、そこを本拠地とした本土攻撃を遅らせるために、日本軍は本土防衛作戦の一環として「天号作戦」を立案する。「天号作戦」には、一号から四号まであり、戦艦大和が参加したのは、「天一号作戦」である。700機の特攻機が沖縄の米軍を攻撃するのを支援するために大和は、計10隻の艦隊の中心艦として参加するが、帰還は想定されておらず、行きの燃料のみを積んで、広島県の呉港を出港した。
    本文

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    2023年08月12日
  • ぼくはこう生きている君はどうか

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    私にドンピシャな一冊。
    1行ごとにふむふむふむふむふむ、首が折れるくらい納得の話ばかり。

    鶴見 哲学の問題というのは、自分で自分に問題を与えて、自分で答えを見つ けなければいけないんです。

    すばらしい言葉の数々、胸に刻みます。

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    2023年07月13日
  • 思い出袋

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    鶴見さんの作品を読むのは初めて。いろいろすごい思想と文章を積み重ねて、80代のときにたどり着いた表現という印象を受ける。平易な言葉でくり返し同じエピソードがつむがれる中に、ドキッとするような一文がまぎれこんでいる。

    中でも大江健三郎のことを描いた「内面の小劇場」は圧巻。内面のせめぎ合いなしに、何かを主張することはできない。迷いながら、問い直しながら、生きていきたいと思った。

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    2021年12月26日
  • 戦時期日本の精神史 1931~1945年

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    戦前から戦後に至るまでの日本の歴史を、まさしくその時代を生きてきた当事者が、自分の実感と、それをきちんといろんな文献で検証した結果を、何も知らない外国人のために英語で講義した、その記録。現代の日本人は、もうその外国人と知識においては変わりないわけだから、まずはとっかかりとしてこの本を読むといいと思う。やはり、事実の把握と、失敗はそれと認めて反省する勇気を日本人は持つべきだと思う。

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    2021年12月13日
  • 現代日本の思想 その五つの渦

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    久野収・鶴見俊輔の両氏による1956年に共著。白樺派、日本共産党、生活綴り方運動、超国家主義(北一輝とか)、戦後の世相の5つに対して、鋭い分析が加えられる。本書刊行時、久野さんは46歳、鶴見さんに至っては34歳ということにまず驚く。

    超国家主義は久野、それ以外は執筆が執筆している。あとがきによるとあくまでも全体が共同討論の結果とあるが、やはり鶴見さんの執筆部分には独特のウェットさが感じられる。たとえば、戦前の日本共産党の運動方針を手厳しく批判しつつも、「私たちは、思想を大切なものと思うかぎり、日本共産党の誠実さに学びたい」と付け加えたりするのは、久野さんにはない筆致である。また、生活綴り方運

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    2021年10月25日
  • フランクリン自伝

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    読む前まで、フランクリンについては避雷針発明に寄与した人くらいの知識しかなかったが、この本を通じて、彼は有能な社会起業家だと感じた。
    それを特徴付けるのは、彼の優れた調整力と構想力だと思う。

    まず調整力について、彼は自らが立案したことであっても敢えてその起案者をかくしたり、あるいは他人を立案者に仕立て上げたりすることで、その案に反対する人が出ないような努力を惜しまない。また、言葉の表現にも拘り、どのようにすれば案が通りやすいかを真剣に考えている。

    次に構想力について、彼は世の中がこうあるべきだろうという規範意識に基づき、それを具体化している。それは人間関係のあり方から、より広く社会制度のあ

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    2021年04月12日
  • フランクリン自伝

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    訳者(鶴見俊輔)のあとがきの通り、近所のおじさんおばさんが語ってくれるような親近感を、私は受けた。「読みやすい」という評判は訳者のおかげもあるのかもしれないが、フランクリン自身の語り口も謙虚で率直であって、その意味でも読みやすい本だった。ベンジャミンフランクリンという18世紀の「アメリカ合衆国建国の父」という肩書きからは予想もできないほどの読みやすさにとても驚かされたのが、まず大きい感想。

    内容としては幼少期〜丁稚奉公〜独立〜公共事業への参画〜という一つのサクセスストーリーを辿る筋があるも、その中での失敗や学びを当時のエピソードを交えて反省しながら話していることが、面白さの秘訣かもしれない。

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    2021年03月05日
  • 思い出袋

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    重いキーノートをバックに美しく複雑な音楽を聴いたような読後感。凄まじい知性と感受性。受けとる側(私)が未熟なため受け止めきれていない感があるが。

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    2019年05月21日
  • 歴史の話 日本史を問いなおす

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    知の巨人が対談というと大袈裟かもしれない。
    対談なだけに話が飛ぶ飛ぶ。同じ時代を語っても
    様々な思想家、歴史家の観点が織り交ぜられて
    万華鏡のようにコロコロと色彩が変わっていく。
    だが、それがこの対談の最も大きなテーマだろう。
    冒頭で鶴見氏は「ものは自分の視点でみるしかない。
    だが別の何かを気配で感じれる。それが感じれるか
    どうか」という投げかけが、まさにそれだ

    基本的に内容は現在を形作った近代史が軸である。
    明治、戦争、高度成長。さらに視野を広げて江戸時代、
    また庶民の生活などスコープが様々に変わる
    だが、この二人が軸にしているのは間違いなく
    現代で、そこからの未来を見つめている。

    明治

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    2019年03月10日
  • 思い出袋

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    80歳を超えた思想家が、自らの人生を振り返るエッセイといっていいのだろうか。雑誌の短い連載をまとめたものということもあってか、少し断片的な感じがあり、同じ話が何度か出てくるものだから、思想家の人生を問わず語りに聞かされているような、恍惚の人、夢うつつな感覚もなくはない。それでもしっかりと芯を感じさせるのは、やはり著者の生きざまゆえだと思う。

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    2018年12月08日
  • 現代日本の思想 その五つの渦

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    現代というのは本書が書かれた1956年のことである。戦後派の思想として、最後に実存主義でしめるが、それに至る過程として、白樺派に始まる日本の観念論、日本共産党に始まる日本の唯物論、生活綴り方運動に始まる日本のプラグマティズム、戦争に向かっていく日本の超国家主義、について、公平な立場で論考。古い本ではあるものの、今に生きる論考も多い。思想は世の中を変えることができるが、それは自己同一と持続が大切であるが、他の流派と交わり、学び合うことが前提である。

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    2017年11月26日
  • 戦艦大和ノ最期

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    ネタバレ

    著者のご遺族に知り合ったこともあり、大学生の頃読んで感動した、戦後文学の名著。
    戦争中、出征していった若者がなにを考え、なんで戦い死んでいったのか。
    最近多い単なるナショナリズムとその反発のような軽薄な議論するの暇があれば、一読することをお勧めする。
    自分たちは、彼らが犠牲を払って託したものを本当に生かせているのだろうか

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    2015年06月20日
  • 思い出袋

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    吉本隆明「追悼私記」
    「中井英夫戦中日記」
    「おだんごぱん」
    「いっしょうけんめい生きましょう」
    内山節

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    2014年12月11日