鶴見俊輔のレビュー一覧

  • 戦艦大和ノ最期

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    呉の大和ミュージアムにて購入。
    こういうのは最高評価以外につけようがない。

    確か再読だったなぁ。子供の頃読んだ時はこういうのの捉え方がわからなかったしカタカナ読みづらいしで困ったけど、今はすんなり読めるね。ミュージアムで駆逐艦等の知識得てからだから余計面白い。
    臼淵少佐の言葉は至言。国や時代が違っても兵隊の普遍の答えじゃないかと。
    そういえば終戦のローレライはこの人をモデルにしたんでしょうかね。

    そして解説を「限界芸術論」の鶴見俊輔がしていて喜ぶ。同じ歳とは…。

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    2014年05月17日
  • 戦艦大和ノ最期

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    凄かった。泣いた。「永遠のゼロ」で感動しているヒマがあったら是非この名著を。一読して(他の批判を待つまでもなく)これは「小説」であり「記録」ではない。余計な修飾や後付け、伝聞は目立つ。しかしそれを差し引いても圧倒的。僅か二時間の戦闘の如何に凄惨なことか。その後の脱出行の如何に無常なことか。僕はこの小説を忘れないだろう。戦争反対。

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    2013年11月25日
  • 身ぶりとしての抵抗 鶴見俊輔コレクション2

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    鶴見俊輔氏のような行動する知識人は日本ではほとんど稀有な存在ではないだろうか。本書では戦時下の抵抗、ハンセン病の人びととの交流、べ兵連、朝鮮人・韓国人との共生と、ほとんどの人が避けてとおりたい、見て見ぬふりを決め込みたい問題にごく自然体にコミットしていく姿が印象的で、ほんとうに志の大きな素晴らしい人だと思います。また、Ⅴ章「先を行くひとと歩む」にある『田中正造』の小伝を通じて、荒畑寒村著『谷中村滅亡史』を読んでみる気になりました。こうして知りたいことの連鎖が繋がっていきます。

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    2013年09月14日
  • 戦艦大和ノ最期

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    「大和轟沈 一四二三」

    昭和20年4月7日12:20
    「目標捕捉 イズレモ大編隊 接近シテクル」
    戦闘開始から2時間後のことである。

    カタカナの文語調の文体には緊張感が漂う。
    時系列、日記的な記載により臨場感が増す。
    基点(大和)から、話題がぶれないために、時局の把握は容易にできる。(時代背景や軍備)説明はは少ない。

    天号作戦は、死出の作戦。出航後の帰還はしない。
    緊&緩の繰り返す波、艦上と下船の会話。これは軍隊と家族、戦争(死)と生活(生きる)との対峙なのだろう。会話中に登場する、許婚、父母や、妹があり。
    戦闘(攻撃)の描写は息を飲む、目前での死別あり。無言の最期があり。死に直面しての

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    2013年08月15日
  • 戦時期日本の精神史 1931~1945年

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    歴史的事象とは、人々の思想・感情の潮流がその時々に記録した「結果」だ。
    だからこそ出来事の羅列ではなく、精神史をストーリーの形で語ることでしか
    見えてこないものがある。
    しかし精神史を広く平等な視座で語れる人がどれほどいるのか。
    なにしろ思想・感情の話である。
    その難解な仕事に、鶴見俊輔ほどふさわしい人物はいないだろうと思わされる本作だった。

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    2012年09月15日
  • 思い出袋

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    ネタバレ

    不良少年として生きる……国家と個人との関係を思考し続けてきた鶴見俊輔氏の力強い回想録。

     「くに」にしても「かぞく」にしても、それは現象として仮象的に存在するものにすぎず、モノとしての実体として存在するわけではない。しかし、誰もが一度は「くに」や「かぞく」を巡って「引き裂かれてしまう」のが世の常だろう。戦後思想史に独自の軌跡をしるす哲学者・鶴見俊輔さんは「不良少年」としてその歩みを始めた。名家・後藤新平の孫として生まれるが「不良少年」は日本を追われるように15歳で単身渡米、ハーバード大学へ進学して哲学を学ぶ。日米開戦とFBIによる逮捕、そして交換船での帰国と軍属の日々……。
     本書を著した時

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    2012年04月16日
  • 思い出袋

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    言葉が、心にしみいる感覚がたまらない
    一気に読んでしまいました。あふれでる言葉が少しの抵抗もなく、心にしみいる感覚が好きです。ほんとうに文章を読むことの心地よさを充分に味わいました。この一年間に何度も読み返しています。たしかになによりも名文ですね。知人、友人に幾度となく一読することを進めています。ひとつのエッセイに千文字ほどの文字からあふれる言葉から、文章に含まれた普通の人生哲学が、ふっと湧き上がるのを感じます。疲れた気持ちを解きほぐすエネルギーが、かすかに力強く満ちてくる息遣いを感じ取るのです。戦前戦後の日本と世界について、良きも悪いもすべてをはっきりと見据えた個人としての思考が著者の八十年

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    2015年03月27日
  • 思い出袋

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    著者、鶴見俊輔が80代で連載していたエッセイを纏めた本。著者は、ハーバード大の哲学科卒の哲学者であるが、文章は平易で読みやすい。
    青年の頃にアメリカに留学(放逐された?)した経験もあり、日本への視点も鋭い。その主義・主張・軸は加藤周一に通じるものがある。
    この主義・主張・軸は明治を知り、戦前、戦中、戦後を知る者の感性から生まれてくるものであり、現代社会の我々も心に留めておきたい。

    (引用)
    ・ベネディクトが日本文化を「恥の文化」としておおざっぱに規定したのに対して、作田啓一は、日本文化の流れに恥とは別に「はじらい」の感覚があることを、太宰治の作品の分析をとおしてくり広げた。

    ・「〇〇は古い

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    2012年02月04日
  • 戦艦大和ノ最期

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    学徒動員で海軍に入隊した著者が、大和の特効出撃と自らの生還を描いたのが本書です。

    慣れるまでは全編文語体であり、読みにくいことこの上ありませんでした。しかし読んでいくうちに、文章から異常な緊張感と迫力が伝わってくるようになりました。出撃を命ぜられた時の著者の心情。出撃前夜の若手士官たちの論争。激戦と沈没、そして漂流から生還まで、まさに当事者だから書き得たものといえるでしょう。

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    2011年05月14日
  • 思い出袋

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    やんちゃな少年時代を過ごした作者。楽しく読ませていただいた。
    思い出に「2・26事件」や「安部定」があり感慨深かった。

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    2010年11月26日
  • 思い出袋

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    その時代(戦中)を生きたインテリの方の思い出で、
    とってもリアルな感じでよかったです。
    著者と年の近い実家の父(数年前に死去)に読ませてあげたら、
    さぞ面白がったことでしょう。

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    2010年07月04日
  • 思い出袋

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    心がささくれ立つようなことがあった日、鶴見さんの文章を読むと,なんとほっとすることか。

    書き始めの一文で,そうなんだと思い、2行目で妙に納得する。

    お肌には美容液だろうが,私の,乾いた心の何よりの美容エキス。

    週末、ゆっくり味わいたいな♪

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    2010年05月27日
  • 教育再定義への試み

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    教育者養成にとってのたいせつなこと、子どもが好きだというのが、成績より前に来るのが当然、

    1,必要に応じた明晰、
    2,成長のゆとりをのこすあいまい、

     この二つの理想の共有、よむたびに胸をどきんとさせられるこの言葉たち。

     

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    2010年05月06日
  • 戦艦大和ノ最期

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    Kodama's review
    凄まじいの一言に尽きます。
    「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ…
    …俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」(臼淵大尉)
    コメントも出来ません。
    (06.11.30)
    お勧め度
    ★★★★★

    Kodama's review
    この時期に2冊の本を本棚より取り出し、再読したうちの1冊。
    臼淵大尉の言葉には、何度読んでも心打たれるものがあります。
    (09.8.2)
    お勧め度
    ★★★★★

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    2009年11月20日
  • 対論・異色昭和史

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    ちょうど出たばかりのこの本を、さていつ読もうかな、などと思っている時に、残念なことに、上坂冬子の訃報が入りました。

    思えば彼女は、筋金入りの保守派でした。どちらかというと、まぎれもなく、真剣に対峙するとしたら、とんでもない許し難い保守反動でした。

    悪しき改憲論者で、韓国従軍慰安婦への無理解や、夫婦別姓反対で、戦中派に相応しく皇国史観を残存した前世紀の遺物=シーラーカンスに似た化石に近い存在でした。(けなしているように見えますが、私流にちょっとお茶目に、面白可笑しく装って、誉めそやそうとしているのですが、あまり成功していません・・・)

    そういう、どちらかというと敵なのに、でも何故か、彼女の

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    2011年08月06日
  • 現代日本の思想 その五つの渦

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    「過渡期掲示板」という掲示板で管理者の「高望み」さんにより紹介されていました。「僕個人が、1980年代前半から思想的に彷徨いながら、ようやく去年辺りからつかめてきた近現代の日本の思想構造について、すでにこの本はあますところなく定式化していたこと自体は、たんに個人的な回り道の問題にすぎません。しかし、この本の出版年次はなんと1956年なのです。日本の「新左翼」はともかくとしても、吉本隆明氏の1960年代前半の試みすらが、ある面ではまったく、すでに1956年にだされている水準の釈迦の掌の上で踊ったものにすぎなかったのかと思うと、なかなか夏風邪が抜けない状態です。」とのこと。この本を読んで、今「綴方

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    2009年10月04日
  • 戦艦大和ノ最期

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    昭和20年、必敗の特攻作戦のために呉港を出港した戦艦大和。
    海軍少尉として大和に乗艦した吉田満が、出港から沈没、漂流までを綴った。

    死を目前にした乗組員たちのエピソードは、「涙なくしては読めない」との評判通り。
    中でも自分の死に意味を持たせたい士官たちの議論は、我々にあらゆる問いを突きつける。

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    2009年10月04日
  • ひとが生まれる 五人の日本人の肖像

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    戦後日本を思索し続けた思想家・鶴見俊輔が1972年に筑摩書房より刊行されたものの新書化。ジョン・万次郎、田中正造、金子ふみ子・・・時代に抗った人々を通して戦後日本を代表する思想家が描く極上の人生論!

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    2025年05月28日
  • 戦艦大和ノ最期

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    戦艦大和の最期

    全編、漢字とカタカナの文章をこんなに読むのは初めてかも知れない。最初読み難いかも知れん…と思ったが、読み出したら特に問題ないのは不思議な気がした。流石にカタカナも日本語だと言うこと笑笑。でも何故戦中は平仮名ではなく片仮名表記だったのかな?平仮名よりも文字の見間違いとかが起こらない…とかそんな理由が有るのかな?なぞと考えてしまうw。主人公が活字ジャンキーなのは好感が持てる笑。出航後、遠い岸の桜のエピソードは微笑ましく。やはり桜は日本人の心に深く染みる花なんだなぁ〜と感心した。
    戦闘が始まった後の激しい攻撃と戦艦内部の苛烈な状況描写が生々しくて「連合艦隊」「男たちの大和」とかいろ

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    2024年07月31日
  • 思い出袋

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    戦中からの戦後へと。著者の経験が語られ、出会い、影響を受けた本、体験。著者の記憶を追体験しながら、読み手も過去に出会い、鶴見俊介に影響を与えた構成要素に触れていく。

    登場する本の一部を書き出してみる。
    『余白の春』『何が私をこうさせたか』『詩人の愛』
    『ゲド戦記』『釈迦』『反動の概念』
    『おだんごぱん』『星の牧場』
    『思い出の作家たち』、漫画の寄生獣なんかの話も出てきて、大正生まれの著者の読み物として、その柔軟さと共になんだか嬉しくなる。

    言葉は読み、なぞり、発し、いつの間にか自分のものになる。染みつき、思考化し身体化される。そんな要素が伝わってくる。

    例えば、金子ふみ子。
    ー 今この時

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    2024年05月17日