鶴見俊輔のレビュー一覧

  • 戦時期日本の精神史 1931~1945年

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    東大新人会や共産党のことをはじめ、「転向」の問題など、知識の不足が目立つ。

    鶴見はこれらの問題を説明しているのではなく、そうしたことをある程度は前提にしつつ語っているので、まず土台がぐらぐらだと彼の論を十分にわからないだろう。

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    2012年11月20日
  • 現代日本の思想 その五つの渦

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    昭和31年初版にもかかわらず言葉遣いに引っかかることない読みやすさ。
    歴代の思想家・実践家たちの いい仕事っぷりに感服。
    特に、「日本のプラグマティズム」と「日本の超国家主義」は読んだあとの満足感が高い。

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    2012年10月27日
  • 竹内好 ある方法の伝記

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    竹内好が「大日本帝国万歳」であったこと。戦後、その視座を否定するのではなく、むしろそこを見詰めながら出発したという指摘がされている。
    興味ある話題もあった。
    「回教圏研究所」というのが戦中にあり、竹内好が在籍していた。
    内蒙古から新彊に住む回教徒のことを知り、扇動して中国を分裂させようという目的が軍部にあったという。
    さながら、現代でもウイグル・新疆の会議が日本で開催されることに対して、中国は不快感を示している。60年以上経過しても、日本の意図が中国分裂にあると考えられているのだろうか。

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    2012年06月23日
  • 対論・異色昭和史

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     昭和史の対論という表題に惹かれて読んでみたが、鶴見俊輔という巨大な知性が光った本であると感じた。
     鶴見俊輔は、ベ平連で有名なリベラリストであるとは知っていたが、本書でその生まれや過去、考え方がよくわかった。鶴見俊輔は、後藤新平の孫にあたり、戦争前の1938年(昭和18年)16歳時にアメリカに単身留学し、1942年(昭和22年)日米開戦後に交換船で帰国するなど、いいとこのぼっちゃんである一方で冒険的な人生を謳歌した過去を持つ。リベラルといっても、様々な過程があることを伺えさせ、多種多様の多くの知人を持ち、幅の広い人間であることが対談の内容からもよくわかる。それにしても、この知識の広さ・深さはすごい。
     たとえば「日本国憲法」の話題が出れば、打てば響くように、その周辺事情を詳細に語り、関係者の個人名もスラスラ出てくる。その内容も、一家言あり、読んでも面白い。知性とはこういうものかと驚嘆した
     鶴見俊輔は、昭和32年の総理大臣吉田茂の防衛大第1期卒業生の訓示についても語る。「君たちは自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり歓迎されたりすることなく終わるかもしれない。非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。ご苦労なことだと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を変えれば、君たちが『日陰者』扱いされている時の方が、国民や国家は幸せなのだ。耐えてもらいたい」。こう言う言葉を語る吉田茂もすごいが、この言葉がスラスラ出てくる鶴見俊輔もすごい。多くの歴史的エピソードを語る時も、出てくる歴史的人物の多くが個人的知り合いであることは、当時の日本のエスタブリッシュメントのインナーサークルの狭さも伺える。
     「教育勅語」について語る時も、単純な批判ではなく、教育勅語を書いた元田ながざねや、その先生である横井小楠について語ると共に、その内容の「諌争」について、また「軍人に賜りたる勅愉」についても語る。とにかくすごい知識だと感嘆した。
     上坂冬子氏は、小説家だが、その鶴見の知性をふんだんに引きだす力は、やはり知性のひとつのあり方と感じた。二人の長い人生がところどころでクロスするところがこれもまた面白い。
     本人たちも楽しんで対談している雰囲気がよくわかるし、読んで、あまり記憶に残る内容ではないが、歴史のエピソードを知ると共に、より広い視点と知識を得ることもできる本であり、本書は、素直に面白い本であると感じた。

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    2011年12月21日
  • 北米体験再考

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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年05月17日
  • 戦艦大和ノ最期

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    題名どおり 戦艦大和の最期。
    全部文語体 読みにくいことこの上なし。
    しかも諸事情により読まざるを得なくなっただけの読者である私にとっては本当に面倒なだけ、、と 最初は感じていたが・・・
    読みなれてくると この文語体が非常に効果的。スピード感 切迫感 今と違う空気 感情がついていかない不安感 とても内容にマッチしてるようなきがしてきた。そして驚くべき乗員達の第三者的な意見の数々、なんだ、、、こんなに分かっていたのか という衝撃。悲惨な状況 それに慣れている人 やはり辟易する人 今と違うようで同じ人。隠されてない当時の人の思いが書いてあったり でも格段驚きはしなかった。そうだよなあ、と思う。著者のめぐらす思いにいちいち反響してしまった。ただその時代にいた人達の叫びがやたらめったら染み入って 何度も涙がこぼれた。感動とは違う、打たれる という感じ。
    きっとみんな分かっているのに どうしていまだ解決できないんだろう 大和を沈ませるのに成功した米でさえ そのご復興したたくさんの国でさえ みんなして解決できないこの大問題。誰かを紛糾したところで解決の糸口は見いだせない、この問題が解かれるのを そう長くは待っていられないのに・・・ただ焦りと悲しさを覚える。いろいろ著者には頭が下がる思いもした

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    2011年05月14日
  • 対論・異色昭和史

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    リベラルと戦後の市民運動を代表する哲学者・鶴見俊輔氏と保守を代表するノンフィクション作家・故上坂冬子女史の「異色対談」

    肩書きだけ見るならば、左右対決、核心と保守の対峙とイメージしがちですが、早計することなかれ。

    市民「である」ことを立ち上げる鶴見氏と、日本「なるもの」に固執するふたりには共通することも多く、初期の『思想の科学』での幅広い交流、物事に対する二人の異なる視座と同じ心情を垣間見ることができる一冊で、単純な思想的対立構造でものごとをスパッと理解することなんて不可能であるということを丁寧に浮き彫りにしてくれる一冊。

    であると同時に、戦後日本の追悼史ともなっている。


    リベラル、市民派を自称する人、そして保守を自認する人こそが読むべき対談であろう。

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    2010年11月23日
  • 戦艦大和ノ最期

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    戦時中、戦艦大和の乗組員としてその特攻出撃に参加した著者による、記録文学。

    硬派な文体で、虚飾や読者への媚びを一切廃し、ただ淡々と自分の体験した大和出撃を描く。途轍もなく貴重な書である。
    ここには戦争に対する反省やら、人間の生き方についての哲学めいたものは登場しない。何を読み取るかは読者次第なのだろう。

    乗組員の実体験に基づいている為全体的に臨場感あふれるが、特に轟沈から救出されるまでの下りの迫力は凄まじい。

    こういった本を読むと、本当に今の我々の世代というものは戦争から遠ざかり、その教訓を実感として感じることがすっかり不可能となっていることを痛感する。

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    2010年09月20日
  • 戦艦大和ノ最期

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    賛否両論あるが、私は読むべき本であると思う。
    今、自分のあるこの国がどのような経緯を持って今あるのか。
    それを知らずして、今を過去を批判することなどできまい。
    そのための一冊である。

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    2009年10月04日
  • 戦後日本の大衆文化史 1945~1980年

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    このころの大衆文化っていうのはほんとに大衆文化。と、いうのは、老若男女が同じ方向に動いてる感じがある。やはり戦後復興から経済絶頂へ向かう時期だけあって、いまでは見られなくなった活気がある。このあとに『新人類』がでてきて、文化に断層が見え始めるんですなぁ。

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    2009年10月04日