鶴見俊輔のレビュー一覧
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題名どおり 戦艦大和の最期。
全部文語体 読みにくいことこの上なし。
しかも諸事情により読まざるを得なくなっただけの読者である私にとっては本当に面倒なだけ、、と 最初は感じていたが・・・
読みなれてくると この文語体が非常に効果的。スピード感 切迫感 今と違う空気 感情がついていかない不安感 とても内容にマッチしてるようなきがしてきた。そして驚くべき乗員達の第三者的な意見の数々、なんだ、、、こんなに分かっていたのか という衝撃。悲惨な状況 それに慣れている人 やはり辟易する人 今と違うようで同じ人。隠されてない当時の人の思いが書いてあったり でも格段驚きはしなかった。そうだよなあ、と思う。著者 -
Posted by ブクログ
リベラルと戦後の市民運動を代表する哲学者・鶴見俊輔氏と保守を代表するノンフィクション作家・故上坂冬子女史の「異色対談」
肩書きだけ見るならば、左右対決、核心と保守の対峙とイメージしがちですが、早計することなかれ。
市民「である」ことを立ち上げる鶴見氏と、日本「なるもの」に固執するふたりには共通することも多く、初期の『思想の科学』での幅広い交流、物事に対する二人の異なる視座と同じ心情を垣間見ることができる一冊で、単純な思想的対立構造でものごとをスパッと理解することなんて不可能であるということを丁寧に浮き彫りにしてくれる一冊。
であると同時に、戦後日本の追悼史ともなっている。
リベラル、 -
Posted by ブクログ
戦時中、戦艦大和の乗組員としてその特攻出撃に参加した著者による、記録文学。
硬派な文体で、虚飾や読者への媚びを一切廃し、ただ淡々と自分の体験した大和出撃を描く。途轍もなく貴重な書である。
ここには戦争に対する反省やら、人間の生き方についての哲学めいたものは登場しない。何を読み取るかは読者次第なのだろう。
乗組員の実体験に基づいている為全体的に臨場感あふれるが、特に轟沈から救出されるまでの下りの迫力は凄まじい。
こういった本を読むと、本当に今の我々の世代というものは戦争から遠ざかり、その教訓を実感として感じることがすっかり不可能となっていることを痛感する。