栗木さつきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ帯にビルゲイツの推薦文があって、「人々がスターウォーズの新作を待ち望むように、私は著者シュルツの新作を待つ。彼は徹底して数字を尊重し、すべてのトピックをデータで例証している。〝博識〟とはまさにシュミルのためにある言葉だ。」というので買ってしまいました。そして、確かに。何でこんなに詳しいんだと思えるほどに次から次に、それも様々な分野の数字を示し、解説する。「博識とは正にシュルツのためにある言葉だ」は本当にアグリー。テーマは「世界の人々」「世界の国々」「食」「環境」「エネルギー」「移動」「機械」。日本に対する記述も多い。改めて、日本はいい国なんだなと思ってしまった。もちろん、幸福度の高い国はほかにもあるけど。シュルツは日本をこう書いている。
「現代の日本。数字の上では豊かだが、人々は狭苦しい家に暮らし、満員電車に長々と揺られて通勤し、夜遅くまで残業を強いられる上に、休日は少なく、今だに大勢の人が喫煙していて、因習的なヒエラルキー社会に従うよう大きな圧力を掛けられている。そのうえ、常に大地震に見舞われるリスクがあり、国土の大半で火山が噴火するおそれもあり、季節によっては巨大台風や熱波の脅威にもされされている。北朝鮮が隣国であるという脅威も言わずもがなだ。それでも日本人の平均寿命はどの国よりもい。」
ボロクソだけど、そうでもないって思ってしまった。長寿の結論は「腹八分目」の食生活という結論だったけど、その前に「物質よりも精神を重んじる考え方」という指摘もあって、多分それが「腹八分目」にもつながるし、ある種の幸せにも通じているような気がする。「食」の章にあった「長寿国日本の食生活の秘訣」に書いてあったこのことがこの本全体で一番印象に残った。
「環境」から先は主に技術て的な話がほとんど。一つ一つ面白かったし、シュルツの博識ぶりが凄まじい。とても面白い本でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自然の中にいるとリフレッシュする感覚。
自然がこのような人の気分やウェルビーイングだけではなく、思考力にも及ぼす影響を数値で示そうとしている。
記憶し、計画を立て、創造性を発揮し、集中する力、社交能力までもが自然によって左右される。
自然の中で15分過ごせば血圧とストレスが低下して気分がよくなり、45分過ごせば認知機能や活力、熟考する力が増し、3日間過ごせば創造性が50%向上するという実験結果もある。
バイオフィリアとは
人間が他の生きた有機体と情緒の面で生まれつき密接な関係をもっていること
注意回復理論(ART)カプラン夫妻
自然の風景の写真をみた後や実際に戸外で過ごしたあとには被験者の思考が明晰になり、不安感が減る
自然には脳を回復させる力がある。それはトップダウン処理を行う部分が解放されて、そのあいだにじっくり時間をかけて回復できるから。
自然は視覚だけではなく、五感に作用する。
森の香りや鳥のさえずりもリラックスさせる効果がある。
フラクタルパターンとは(数学者マンデルブロ)
一見複雑で混沌としている膨大な配列のなかに単純な幾何学的ルールがあること
荒削りな自然の中によく見られる。
フラクタルパターンが脳を活性化させる
視覚系のフラクタル構造が、視野に入ったフラクタル映像と適合すると、生理学的な共鳴が起こり、ストレスがやわらぐ
うつうつとした気分を改善するには、1ヶ月に5時間自然の中で過ごす。一回あたり30分程度を週に二回過ごせばよい。
スウェーデン、デンマーク、フィンランドは世界幸福度は高いが、自殺率も高い。(長く暗い冬が原因か?)
電話で話しながら歩く人たちは、トップダウン処理を行っている注意ネットワークが休まず動き続けている。歩く、聞く、話すというマルチタスクを行っている。特に話す行為は多大な注意を向けなければならない。
自然の中で過ごすと、反芻思考(うつや不安につながる)が改善される
発達過程にある子供の脳には自然が必要
自然の中で遊ぶと、子供の認知機能と情緒的発達において、運動と探検遊びが強化される。
4才から18才のこどもが体を動かすと、脳内物質の働きが活性化し、知覚能力、IQ、言語能力、数学的能力が向上するうえ、学習に向けた下地もできる。
思春期のこどもの前頭前野は、環境刺激によって形成される
都市部で活かす方法は、身近な場所に自然があること。
都会の隅々まで緑で埋め尽くすには、政府の確固としたビジョンが必要(シンガポールの例)
ところどころに少し野性味を加えると、都会の自然は最大の効果を発揮する。
ネイチャーピラミッド(ビートリー)
毎日;庭、観葉植物、街中の公園で一息つく
毎週;緑豊かな大きな公園、川辺などでリラックスする
毎月;ハイキングや森林浴に出かける
毎年;大自然に畏敬の念を抱く
準備、エネルギー、感性がこの本の源泉
樹木は地球のお役に立つべく、すでに気をつけの姿勢で立っている -
Posted by ブクログ
ネタバレ今年度ベスト1候補。断トツスゲーノンフィクションである。
あの「EAT&RUN」の主人公、ウルトラマラソン、100マイルトレイルで数々の驚愕記録を打ち建てた、レジェンドランナーのスコット・ジュレクとその妻ジェイルーの新たなる挑戦。
年齢を重ね、レース第一線から身を引いたジュレクが挑む、アパラチアトレイル(AT)最速完全踏破記録(FKT)の物語。
技術や知識的な記録を期待して読むと残念なのかも知れない。なぜなら、この本は限界を超えた挑戦に対するジュレク・ジェレミーからみた、夫婦の絆、友情、自然との対峙、絶望と希望…あらゆる感情と真摯に向き合う物語だからだ。
俺は限界まで何かに挑んだことはあるだろうか?体のエネルギーを使いつくし筋肉を分解する酢のような体臭を放つまで、疲労困憊しきれないほど憔悴し憔悴しきれないほど疲労困憊し、原始人のように野生動物のように未来も過去もない今だけを生きる…そんな極地まで自分を追い込んだことはあるだろうか?
どうせやるならトコトンやる。そんな気持ちにさせてくれた1冊。それが仕事だったらとっとと逃げ出すけども(汗)、ランやクライミングなら、そこまでの境地じゃなくても、この本を思い出してあと1つ、もう一つ次のステップを踏めるんじゃないか?
この本は、この挑戦記録は、俺にそんな勇気を与えてくれる1冊になってくれた。頑張るぞ、楽しむぞ! -
Posted by ブクログ
なぜ私は自然が好きで、走ることや園芸が好きなのか、その理由がわかった。
本から
Nature Fix
「どこにいるか」が幸福度を左右する
予測誤差
人間の細胞が環境を敏感に察知するのを知っていた
人はどんな文化であれ時代であれ「見晴らしが良く、かつ安全に身を隠せる」自分の城が欲しいと思っている
自然には人間を元気にする力がある
「自然欠乏症」
「ネイチャー・ニューロン(自然の神経細胞)
自然こそが人のふるさと
芳香性揮発物質、フィトンチッド
土から採取したカビの胞子からペニシリンをはじめ重要な抗生物質を人工的に作ることが出来る。土には人間を癒す力があるのだ。
マインドフルネス その時の自分の内面的・外的経験にフルに注意を向け、あるがまま受け入れること。
スマイスによれば、ごく短時間でも自然に触れるようにすれば、いま脚光を浴びている瞑想などのストレス解消法より大きな効果が得られるそうだ。
ジョン・ワッツラスキン
「静寂なる大気は甘美にあらず。音ともつかぬほどのものがあたりに息ずくとき初めて心地良さが生まれるー鳥が奏でる三連音符、低く高く鳴く虫の音があってこその静寂である」
「聴力は、僕たちのて天賦の才だ。積極的に外に出て、繊細で美しい音を聞き逃さないように努力しなければ、宝の持ち腐れになる」
緑がある環境にいると向社会的行動をとりやすくなり、地域社会との連携感も強まる。
「低木、木立、岩々を眺めていると、人間が欲する共鳴がつ伝わってくる」
べートーベン
新奇性効果
目新しい新鮮な経験をしていると気分が明るくなる
歩き始めると私たちの足はひとりでに草原や森に向かいます。もし庭園や木陰のある散歩道しか歩かないとしたら、どうなるでしょうか。
ソロー
「歩くことで解決する」 聖アウグスティヌス
「真に偉大なる思想は散策の賜物だった」 ニーチェ
「黙想できるのは歩いている時のみである。足を止めると、思考も停止する。私の頭が働くのは、足を動かしている時だけだ。」 ルソー
自然はカフェインのようなものだ。いや、ヘロインのようなものか。もっと、もっと欲しくなる。
一日に四十分間、ゆったりとしたペースでウォーキングを続ければ、加齢による脳の認知機能の衰えを防げるうえ、実行機能と記憶力が向上し、判断力と行動力のスピードが増す。 クレイマー
「賭けてもいい、自然に囲まれていれば前頭前野に負荷がかかり過ぎることなどありえない」 ストレイヤー
スピリチュアルな感覚は信仰心のみから生じるものではない。自然の中での超越的な経験からも生じるのだ。
スウェーデンの研究によれば、自然の多い環境では男子と女子の運動量のさgあ縮まるという。運動量の男女差を、自然が詰めると言ってもいい。森の幼稚園に通う子どもは、室内で過ごす時間が多い園児に比べて病気になりにくく、より多様でより健康的な細菌叢が体内に大量に宿っている。
ADHDの子どもたちはいわば前衛部隊だ。環境をその子どもたちの脳に順応させる方法がわかれば、ADHDでない者にも道が開ける。ひとつだけ、明確なことがある。人間の脳はそれなりの時間を戸外ですごしているときにもっとも成長する、ということだ。
脳は水が好きだ。ゆえに、川などを都市計画の中心に据えるのは理にかなっている。