栗木さつきのレビュー一覧
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ネタバレTED講演で知られるサイモン・シネックの代表作を、原著出版から15年を機に著者自身が加筆・修正した改訂版です。主張はシンプルで、人をインスパイアするリーダーと組織は例外なくWHY→HOW→WHATの順に考え、語っている、というもの。
巧いのは、この命題を並べ替え実験で体感させるところです。「すばらしいコンピュータをつくっています。美しいデザイン、シンプルな操作法。1台いかがです?」と「現状に挑戦し、ほかの人とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。……その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました」。情報量は同じで順序だけが違うのに、届き方がまるで変わる。手元の提案書や求人票ですぐ検算できます。
さらに著者は「これは持論ではなく生物学だ」と踏み込みます。WHATは言語と合理的思考を担う新皮質、WHYとHOWは感情・信頼・意思決定を担う大脳辺縁系に対応し、後者には言語能力がない。だから人は決断の理由をうまく説明できず、市場調査は外れる。洗剤の消費者は「白いものはより白く」と答えたのに、乾燥機から出した衣類にまずしたのは匂いを嗅ぐことだった、という逸話がこの線を証明します。
事例の置き方も誠実です。成功譚の隣には必ず「同じHOWでWHYがない」対照例が並ぶ。サウスウエスト航空の「安くて、愉快で、シンプル」を模倣したソング航空とテッド航空は4年で消え、陸軍省から5万ドルを得て一流の人材を揃えたラングレーはライト兄弟に敗れ、その数日後に研究をやめました。第5部「成功は最大の難関なり」を厚く割いたのも強みで、ウォルマートを傷つけたのは競合ではなく、ウォルトンの死後に社内で起きたWHYの喪失だったと説きます。
一方、最大の問いである「自分のWHYをどう見つけるか」は「過去を振り返れ」「発明ではなく発見だ」という向きの指定までで、演習やワークシートはありません。成功例から事後的に言語化した構図ゆえ、反証しにくい理論だという印象も残ります。それでも、値下げをやめられない事業、名詞だけのバリュー、創業者が去ると数字しか残らない組織——15年前の指摘は、いまのほうが多く見かけます。「読めば自分のWHYが見つかる本」ではなく「WHYという物差しを手に入れて自社と経歴を測り直す本」として読むのが正解でしょう。 -
Posted by ブクログ
コレは単なるto doノートの管理方法ではない!一番は、自己と向き合う深〜いロギング方法なのだと思う。かつ、シンプルであり、毎日何回も見直して更新して。。やる事リストだけでなく、やりたい事リスト、感謝ログも書いてもよいし。そしてノートが終わる頃、気付けば自分が生きてきた証にもなる一冊の本(ノート)となる!
より深く貴重なものとするには、自分の内側(気持ち)と向き合うこと!それを書くこと!ツラツラ長く書くことが目的ではないのでハードルは低め。かつ、その時のどんな状況・状態の自分だったかが分かりやすいので見返した時も全体像が掴みやすいかも。
とにかく始めたら、大切な一冊になること間違いなし!
具体的なやり方は、本よりネットを見た方が分かりやすい。本は心に刺さる自分との向き合い方が書かれている方が強いかな。 -
Posted by ブクログ
ノート術の本は今までも何冊か読んで自分なりにタスク管理をしていたけれど、もう少し質を上げたくてバレットジャーナル本家の本を読んでみた。
正直、実際のバレットジャーナル法を手短に知りたいなら著者のYouTubeチャンネルを数個見た方が全体の理解が速い。でもその動画で実際のノート構造を理解した上でこの本に戻ってくると、バレットジャーナルを通してどのようなことができるのか論理的なところが理解できる。
この方法は単なる日々の「やらなければいけないタスク」管理のためだけではなく、人生の中で「自分がやりたいこと」をコントロールするためにあるのだと感じた。
今までノートをとっていても、どこに何を書いたのか振り返りが難しいこともあったので、一つのノートにまとめてインデックスを使って整理する、という点はすぐに開始したい。
この著者もやはり、大きなゴールは小さなステップに分割して日々のタスクに落とし込むことで、小さくても多数の達成感をつくり、長い目でみると大きな目標に少しずつ近づくという実践的なプロセスを踏んでいる。様々な魅力的な電子アプリがある中で、敢えてノートとペンのみで自分の人生をコントロールする、というところに魅力を感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレビル・ゲイツがオススメしていたから読んでみたけど、『世界の本当の仕組み』の人だったのね。どうりでこんなに面白いわけだ……!
昆虫食、スーパーフード、培養肉……。将来起きる”食糧不足”に対し、様々な案と技術が必要とされている昨今の実情に対し、ファクトをベースに「それは本当に代替可能だろうか?」と問いかける一冊。いやー、こういう本があるから読書はやめられない……。
本書の軸はいくつかあるんだけど、『世界の本当の仕組み』で触れられてないところとしては、小さい集団を食べさせることは可能かもしれないが、大きい集団(それが90億)にもなると実現不可能な案が殆どになってしまう、という点かな。
そんな不確定な案ではなく、廃棄食料をなんとかすれば90億人を養うことは出来ますよ、ってのが科学的に証明されるのがバーツラフ・シュミルの慧眼だね。 -
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「人類超長期予測」に関する話は出てこないし、2100年の話も出てこない。だが抜群に面白い。ラーメンを注文したら絶品のカツ丼を提供された。
本書は一貫して、人口統計から導かれる世界の現状や将来を分かりやすく説明している。フラットかつ構造的な視線が特徴であり、日本に居たら「少子化が問題だ」という話しか出てこないのに、本書を読めば人類全体の幸福を考えるなら多産社会を優先して解決するべきだと感じるだろう(もちろん日本をはじめとした各国の少子高齢化についても多くの紙幅が割かれている)。
特に、「従来型の労働集約型産業を途上国に導入したところで大した雇用を生まない。なぜなら既に自動化が進んでいて大勢の労働者は不要だから。」という話に衝撃を受けた。工場の自動化は人をいわゆる3K職場から解放するという意味で人を幸せにすると信じていたし、そのための新製品は常に迅速・正確・安価・高品質を目指してきた。しかし、それが常に人類の福祉を向上させるとは限らないという情報に接し、足元が崩れていくような気分になっている。
以下、印象深い内容をいくつか箇条書きで。
●多産について
・人口は基本的に多ければ多いほど良い。しかし、人口増に対応できる土台が無いところで人口だけ増えると、待っているのは暗澹たる未来。
・例えばナイジェリアは国全体が非常に若い。しかし、若すぎる国は統治しづらい。新たに産まれる数百万もの子供たちの食糧を確保するための、経済成長の方法は見つかっていない。
・人口ピラミッドの底辺がせり上って生産年齢人口が増えたなら、その分の職場・雇用がないと生活の糧が得られない。働き口の無い若者は、未来が閉ざされたと感じ、革命に時間を使う。(2060年に世界の人口は100億人に達すると予想されている。つまり、あと40年で20億~30億人分の雇用を創出しなければならない。)
・先進国でも途上国でも、工場において人間の代わりにオートメーションを利用する傾向がある。今日の途上国では、労働集約型産業でかつての東南アジアと同様の成長をすることはできない。大勢の労働者がいるという人口ボーナスに恵まれても、職場に労働者の需要がない。(これからはフィジカルAIが労働者を代替するようになる。)
・多産を解決するには、女性が希望する子どもの人数と実際に産む子どもの人数とが一致しなければならない。そのためには家族計画プログラムへのアクセスを容易にする必要がある。
●少子化について
・女性は家の外で第1のシフトをこなし、自宅にもどると第2のシフトをこなしているせいで疲労困憊している。女性の負担を減らし、家事を分担する方法を見い出せば、子供を産みたいと望んでいる女性を効率よく支援できる。フィンランドは充実している。
・人口縮小それ自体は、本質的には悪いことではない。ただし、経済学にこのシフトを理解するための知識が蓄積できていない。
・高齢化と人口減少は、ようやく安心して小さな家庭で満足するところまで人類が到達したと考えれば、悲劇と捉えるのは軽率。
・経済成長は難しくなる。ただし高齢者向けのサービスなどは伸びるだろう。
・社会の調和のためには、同化政策だけでなく、移民の教育、雇用、貧困に対応する政策を進めなければならない。そうでなければ移民は不満と不安を溜め込む。自分の将来が明るいと見通せなければならない。 -
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名著。私はこれまでマルチタスクをしすぎて注意散漫になっていたけれど、一点集中を徹底すれば人生が変わるかもしれないと感じた。
特に印象的だったのは、「マルチタスクは脳の構造上できない」という点だ。人は複数の作業を同時にこなしているように感じていても、実際には0.1秒未満の間隔でタスクを高速に切り替えている「タスク・スイッチング」に過ぎない。また、脳が一度に使える注意資源には限界があるため、それを分散させると集中力は持続しない。
この考え方にはかなり衝撃を受けた。
振り返ってみると、自分も「マルチタスク」と言いながらいくつものことを並行して進めていたが、結局どれも中途半端で終わってしまうことが多かったように思う。だからこそ、これからは一つのことに集中して取り組むことを徹底してみたい。そのほうが幸福度も高まるとされており、一石二鳥だと感じた。
またメモとして、脳の使う領域が異なる場合にはマルチタスクが可能だという点も興味深い。例えば、私が好きな「ポッドキャストを聴きながら、慣れたコースをランニングする」といった行為は、この意味でのマルチタスクには当たらないはずだ。 -
Posted by ブクログ
《シングルタスク》という言葉を初めて聞いたが、ぜひ実践したい考え方であった。
今までの自分のミスを振り返ってみると、マルチタスクをしていて注意散漫な時ばかりだった。逆にひとつの事に集中しているときは充実感や達成感を得られていたことに気が付き、もっと早くこの本に出会いたかったと思った。
私はおそらくスマホ依存症で、何をするわけでもないのに常にスマホを手に握りしめていた。
しかしそれは集中力を自ら削っていると学び、スマホ依存症を治すためにも、本を読んでいる間はスマホの電源をオフにしてみた。
すると驚いたことにとても集中でき、おまけに本を読み終えると充実感でいっぱいだった。
今回この本では、多くの学びを得られ、自分の時間への考え方や管理の仕方を深く考えさせられた。
ぜひ口癖が「忙しい」の人に読んでもらいたい。