あらすじ
著名な作家でもあった大学教授が悲劇的な死を遂げてから25年。その追悼式がひらかれる前日、教授の教え子たちが大学の施設に宿泊することになった。かつて作家を志し、教授の下で創作に鎬を削った彼らが旧交を温めるなか、激しくなっていく吹雪。ある部屋のベッドではカラスの死骸が発見され、ベストセラーを生んだ同窓生のひとりは姿を見せようとしない。そして翌朝、階段の下で首の骨を折った死体が見つかり──。実力派作家がミステリファンの心をくすぐるあの設定を、練達のテクニックで描く傑作!/解説=三橋曉
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Posted by ブクログ
長い月日を経て、かつて同じ大学の英文学部の文芸団体「レイヴン・ソサイエティ」で物書きとしての腕を磨きあった旧友達が再び集う。
きっかけは師の没後25周年を偲ぶ式典。
当初来る予定のなかった友人達の中心人物レインから突如届いた参加の意。
学校そばにある″氷の洞窟″で古い人骨が発見されたことに端を発しているとしか思えない。
表面的な懐かしさもそこそこに、各自に去来する過去の秘密、レインと交わした誓約に思いが巡るそわそわ感。
「もし彼女の死体が発見されたら、私たちはこここに戻ってきて、全員で目前の問題に対処する」。。。
旧友邂逅に潜む語られない秘密、創作を学ぶ場を下地にした物語展開、海外ミステリあるある全開な設定なんだけど、やっぱり惹きつけられる。
現在と過去を行きつ戻りつしながら語られる、現在地点から見たときの友人達との関係性のギャップ、いびつさが、この隙間を埋めるはずである秘密を際立たせ、一体何があったのかとどんどんページが進む。
語り手であるエレン(レインの親友)の人柄が癖なく誠実で好感が持てるのも、この王道な展開にして飽きを感じさせずに物語に没入させてくれることに効いているのだと思う。
何と言っても当の嵐の中心、レインの不在。
突然の出席の意が届いた後は、ぱったりと音信不通。
待てど暮らせど現れる気配はない。
外は猛烈な吹雪が始まっており、立ち往生している可能性もあるという現実的な説明もあるにはあるが、やはり何か魂胆めいたものを想像してしまう面々の内面に巣食う不安の表し方が秀逸。
話の筋は全く違うけど、この「不在の力」は『レベッカ』を思い起こさせるものがあった。
終盤のクリスティオマージュ的な展開になってからは、ばたつきが多く逆にちょっとありきたり感の方が優ってしまったが全体として中々に面白かった。
デビュー作『乙女の湖』以来、22年ぶりの邦訳とのこと。
解説三橋さんによれば、当時は『飛蝗の農場』や『半身』が席巻していて(懐かしい!!)埋もれてしまったとの見解だが、本国ではその後2度のエドガー賞(メアリ・ヒギンズ・クラーク賞)を受賞しているサスペンス作家としての実力者。
今後、過去作の邦訳も期待な作家さん。
Posted by ブクログ
積み上げた前半から怒涛の後半と犯人の正体に驚いた。
いいミステリ読んだ感覚に至る。
とにかく人間たちを今と過去を描きながら積み重ねる様はいい。
3030冊
今年258冊目
Posted by ブクログ
25年前に悲劇的な死を遂げた大学教授の追悼式にあつまった当時の教え子たち。
吹雪に閉ざされ、やむなく大学の施設に泊まることに。
翌朝教え子の1人が階段の下で死んでいた…
この物語、超有名作家の書いたあの設定が思い出される。あの作品もラストに向けてかなりの緊迫感があったけど、こちらも負けず緊張感連続の展開。
過去大学で起きた事件の真相と現代の事件の真相が共にラストで明かされ、そうだったのか!と唸ってしまう。
Posted by ブクログ
後半の畳み掛けで、グイグイ読まされました!
みなさん大好き雪の山荘。洞窟。スリル満点でした。
ただ、前段が長すぎて、読むのに信じられないくらいの日数をかけてしまった笑
ミステリーというよりミステリ風サスペンスという感じか?「ミステリー」を読みたかった人からすると?となるかも。
物語としては一級!
Posted by ブクログ
なんだろうな、設定や要素は面白いのだけど、不完全燃焼だった。
一つひとつの殺人の明確な状況もわからないし、語り手も親友もキャラクターがイマイチ好きになれず。面白くなりそうなのに惜しい、と思ってしまった。
雰囲気は好きです。