蜂飼耳のレビュー一覧

  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~

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    今まで読んだ古典の現代語訳で最もライトで読みやすかった。「虫めづる姫君」の生き様が格好いい。
    現在の視点から外在的に楽しむ、というところから、当時の人の気持ちになって内在的に楽しむ、ということができてくると古典は楽しいのかもしれない。
    古典とSFは、どちらも現在と異なる世界を見せてくれる。でも、SFの世界はその物語限りのものである一方、古典の世界はその物語を超えて広がっている。そこに面白さがある。と思った。

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    2021年12月04日
  • 方丈記

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    三大随筆の一つ『方丈記』。読むまで知らなかったのだが、全体の分量がとても少なく、400字の原稿用紙20枚程度の文章しかないのはあまり知られていないのではないだろうか。

    前半は五大災厄について、後半は方丈の庵について記されている。どちらも精緻な描写で読む者の前に現れてくる。

    人生の節目に読むと見えてくるものが変わるのが古典なので、また、時間を空けて読み直したい。

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    2021年08月09日
  • 方丈記

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    ミニマリストの思想。最初の1行が名文。住居について強いこだわりを持っているので、何かトラウマがあったのかとも思う。不遇の身にあっても誇り高く生きようとの気位を感じる。
    1、ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。→全ては変化する。
    2、家屋にいくらお金をかけても、天災(火事、竜巻、飢饉、地震 )、人災(遷都)により状況はいつでも変わる。身一つの方が災いなく、煩わしくない。
    3、落ちぶれ、3メートル四方=方丈 の庵に暮らそうとも心は安らかなのでハッピーだ。大事なのは心の持ち方なのだ。

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    2021年01月03日
  • 方丈記

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    どんな栄華を誇ろうとも心が貧しくては満足することはない。大事なことに気付いて、平凡と安らぎに満ちた生活を送る鴨長明が、とても身近に思えました。昔の方も同じようなことを考えているとわかると励まされます。

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    2020年11月23日
  • 方丈記

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    こんなにも鴨長明に親しみを覚える日が来るとは思わなかった。
    悠々自適の生活、移りゆく自然を愛で和歌と琵琶を嗜む穏やかな日々。それなのに俗世への想いを捨てきれない鴨長明の葛藤、生きる上での苦悩…。作者の息遣いと共に、学校の授業では分からなかった『方丈記』の魅力を知ることが出来た、記念すべき一冊。

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    2020年08月22日
  • 方丈記

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    方丈記の
    ゆく河の流れは絶えずして〜
    の文章が好きで、手帳にも書いている。
    有名なところのみ。
    全部読んでみると方丈記って長いんだなという事を知った。

    鴨長明は自然を愛して、自分の気の向くままに、一人だけの小さな草庵で暮していたようだ。

    今からずっと昔の鎌倉時代の人でさえ、現代人と何ら変わりなく、お金持ちを見ると惨めな気持ちになったり、ボロを着ていると恥ずかしいと思う。
    そんな気持ちになるくらいなら、町から離れて一人きりで暮らす。そうすれば天気や四季の移ろいや自分の食べるものなど、それだけに気を配っていれば良いと言う事になる。
    自分はそんな生活は現実的にはできないけれど、心の中では鴨長明イ

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    2020年05月22日
  • 方丈記

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    私には素直で行き届いた現代語訳に感じられ、解説を含め本全体として伝わって来るものがありました。深刻な自然災害が急増する中で、以前より身近になったのかもしれません。個人的には、幼い少年と友だちになるようなタイプだったんだ、というところが一番ぐっときました。

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    2019年12月12日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~

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    いつの時代も人は物語を求めるのだなと感じた。

    訳は読みやすく平易な文章だが詩情があり、古典への入り口に適していると思う。

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    2016年12月27日
  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~

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    短編集なんだけど、どうして、なかなかおもしろかった。個性派の粒ぞろい。

    どの物語も情景を想像すると美しく、1つの話を覗いては、最後はどうなったんだか?という処終わりを迎え、結果をはっきりとは描いていないので、可愛そうな話も少しオブラートに包まれる優しい短編集。

    花桜折る中将
    月の光を朝日と勘違いして、女性の家を後にした中将。数寄屋を発見し、覗き見る。かわいらしい姫君を見染め、手引きを求めるが、心配した侍女の告げ口のため、姫の代わりに、年寄りの女性が部屋にいたのを間違えてさらってしまう。
    まぬけぶりが、ちょっと憎めない。

    このつゐで
    天皇の御渡りの頻度が最近下がっている女御さま

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    2016年06月08日
  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~

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    ネタバレ

    訳がライト過ぎて、あまり平安朝の雰囲気が楽しめなかった。ジュニア向けかな?

    20220917表題作のみ再読。常識にとらわれない生き方をする姫君。現代におきかえて読むとなかなか味わい深い。 

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    2022年09月17日
  • ひとり暮らしののぞみさん

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    挿し絵が、大きめの小鳥も小さめの小鳥ものぞみさんも足だけ見えたり、全体を見せないのが良い。
    独特の空気感のある文章が、美しくて好きだった。

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    2014年12月26日
  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~

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     春夏秋冬の順に編まれた物語集で、殆どが成立年不明、作者不詳だ。どういう人がどんな想いで書いた物語なのだろうと想像を膨らませながら読むのが楽しかった。人の心の動きはいつの時代も同じだなと感じた。だからこそ読み継がれ、共感を呼ぶのだろう。

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    2025年08月10日
  • 虫めづる姫君~堤中納言物語~

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    ネタバレ

    原文が載ってないのが残念。
    訳は読みやすく、話もわかりやすい。短く切ることを意識したのだとか。

    「思わぬほうにとまりする少将」は現代の昼ドラみたい。姉と妹をそれぞれの恋人が間違えて、「ま、いっか」って。。。

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    2025年03月19日
  • 吉本隆明詩集

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    吉本隆明さんの詩集ですね。
    吉本隆明さん(1924ー2012、東京生まれ)
    詩人、評論家。
     独自の言葉と表現を駆使する作家さんなので、正直よく分からない。
     生誕百周年の昨年刊行された詩集です。

         『詩』

     銀杏が音を立てて落ちる様な冬の夜だった
     私はせっせと詩を書いて見た
     どれもこれも大した詩は出来なかったが
     鳥が上をあふいでそれから下を求める様な
     豊かな心が判る程だった
     「今の私は詩が出来ないから駄目ですよ」
     そんな風に口にしてゐた頃の私もあつたが
     詩の出来るやうな淋しさも
     存在してゐるのが判った
     こんな時 私が何時かいぢめた「ちび」が
     「暗い精神的な物の

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    2025年02月11日
  • 方丈記

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    ネタバレ

    大火や飢饉、大地震が立て続けに起こり、物に執着しても仕方が無いと痛感し、簡易な方丈の庵で暮らす。出家して山に暮らしながらも、短歌や楽器は断ち切れず、人間味がある。
    ストレスからは逃げれば良い、簡易な庵と趣味さえあればどこででも生きていけると。
    肩の力が抜けて、そんな暮らしも良いかもしれない。

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    2024年11月23日
  • 方丈記

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    いつでも他の選択肢を取り得ることの心の余裕というのは何においても言えることだと思ました。
    いくつかの選択肢を抱えておきたいです。

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    2024年09月01日
  • 方丈記

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    はるか昔も科学が進歩した現代も人の畏れるものや悩めるものは変わりなく、拠り所となるものも変わらないものだな、と思いました。

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    2023年09月29日
  • 9月のおはなし お月見テンテン

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    2年。お月見の日にねね子さんのおうちで出会ったポコポコ星からきたテンテンとのお話。宇宙やかぐや姫の話題など、お月見から広がるテーマをほっこりと描いた作品。不思議な出来事を友達と共有する気持ちが良い。

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    2023年09月14日
  • 方丈記

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    【読もうと思った理由】
    個人的に好きでよく見ている養老孟司氏が、自身のYouTubeチャンネルで語っていた。「僕が日本の古典で一番好きなのは、方丈記である。なぜなら方丈記の中には、人生で直面する災厄が全て語られている。また現代人が忘れかけている、花鳥風月の大切さにも気づかせてくれる」と仰っていた。
    日本三大随筆にの一つにも数えられている「方丈記」を恥ずかしながら最後まで読んだことが無かったため、この機会に読もうと思った。

    【鴨長明とは?】
    下鴨神社の禰宜(ねぎ)・鴨長継の子として生まれる。歌人として活躍し、後鳥羽院による和歌所設置に伴い、寄人(よりうど)に選ばれる。琵琶の名手でもあった。12

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    2023年02月24日