蜂飼耳のレビュー一覧
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方丈記は、鴨長明の無常観を感じ、隠遁生活の中で作られた作品である。本文自体が短く、読みやすかった。その上で、世間の暮らしを忠実に記し、人間の何かに迫られながらする生活を嘆いているように感じた。例えば、死ぬ人と生まれる人、建物を壊しては作る人、人間関係を気にする人がいるが、どれも一定のものではない。移り変わってゆくのである。可変的なものによって保身を図り、欲を満たすのは愚かであると長明は言っている。
私は誰もがこの事実に気づいているのに、見て見ぬふりをしている様に思う。その事実を淡々と語っているので、読者は「方丈記」を読んでいるときだけでも、達観した気分に浸ることができる。少なくとも、心を -
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ネタバレ無常観と人間味のいい感じの混じり具合。さいこ〜。
なんとなくフェルナンド・ペソアにも通じるところがあるなとも思った。
テンション爆上がり秘曲披露事件とか、長明個人のなんかユーモラスなところとかも愛らしいなと思った。
飢餓に見舞われた貴族の人がいまだそれとわかるいでたちで物乞いをしているというのも、そこまで触れられている感じではなかったけど、皮肉味があるというか、なんというか。
付録の『発心集』の一篇が思いのほかめちゃくちゃ面白かった。最後の最後で、予想を裏切る終わり方というか、おおー!そっちいく?!みたいになった。やるじゃん!!!と思った。ぜひ『発心集』の方も全篇読んでみたいな。 -
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最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
受験勉強しているわけではないのですが)
そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
なので割と気に入っています。そこで読み終わった
今回のこの本。
川崎の桐光学園高校に様々な
論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
こんな高校生はとても幸せだと思いますが
多分自分が高校生だったときはあまり興味を
覚えなかっただろうなあと思います。
でも、それでもそういうことを言っていた -
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「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。」
このあまりにも有名な冒頭は、読むたびに静かに胸に響く。漢語の硬質な響きとは異なる、大和言葉ならではのやわらかな響きと深い余韻が、意味を理解する前に情感を伝えてくれる。その余韻の中で、無常の感覚がすっと胸に染み入る。『平家物語』や『草枕』の書き出しにも通じるこの感覚から、改めて日本語の豊かさと力強さを味わうことができる。
本書は鎌倉時代に鴨長明によって記された随筆である。全体は大きく二つに分けられる。前半では度重なる災厄の -
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1000年以上前の書物なのに現代にも通じる考えや共感出来ることばかり。冒頭の「ゆく河の流れは絶えずして」、この一文で社会を表しているのがすごい。そうだよね。誰もが羨む成功者も豪華な家々も、川を流れている水と同じで、ずっと留まることは出来ない。時間が経てば、豪邸は朽ち果て、どんなにイケメンやスーパースターでも歳をとって老けるし、病気にもなって、次第にみんなから忘れられ、最後は一人で呆気なく死ぬ。この世の全てのものは栄枯盛衰である。大災害が起きれば、建物も人も全て一瞬で無くなってしまう。だったら家とか物に拘泥するのはバカバカしくないか?そんな、良くよく考えてみれば、当たり前だけど、大切で忘れがちな
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この世の儚さと、そんな状況での幸せな生き方についての思いを親しみを込めて綴られる、800年前に書かれた歌人のエッセイ。短すぎる本編に驚く。
物に拘った生活に対し、最低限の衣食住環境で自然との触れ合いを喜びとして楽しく生きることの満足を語っていて、断捨離やミニマリスト、ノマド生活者の共感を得るのではないだろうか。
どんなに大きな屋敷を作っても自分が起住する場所はせいぜい5畳程度だし、災害で儚く消失することを思えば、簡単に移動できるよう身辺のものを厳選し、月や自然に親しむ、無料で得ることのできる趣味を持つ、といった物との決別。
不必要な労働で得た財産を守るために心身をすり減らすことをやめ、心穏やか