氷室冴子のレビュー一覧
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あとがきにあるように、1冊目がワタルくんの物語なら、2冊目は蓉子の物語。
お友達の弓岡さんや、元かれのジュンチくんとのお話が出てくる。
母親からは甘えん坊で何もできないと思われても、実は芯の強い子、でもその環境で自分を貫くために甘えん坊を演じる処世術、だなんてキャラが面白い。
女の子は空気読んで、いい子キャラを演じるところがあって、氷室先生の小説に、そういう話はよくあるけど。(さようならアルルカンとか)
しかし、ワタルと再会した気まずさを、そのまま本人に言って、今後どうこうするとか宣言するって、すごく強いよ。
気まずくなったら無視、が世の常だけれども。
強い子を書いてて、人間理解がすごいん -
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男の子主人公の三人称。
氷室先生にしては珍しい形態。
まあ、海がきこえるもそうだけど。
三人称は今の流行りなので、これを読んで勉強したいところ。
ちょっとウブでどっちかといえば鈍臭い優等生の男の子と、女の子らしい感情で彼を振り回すツンな子のカップリング。
高知が出てきたり、海がきこえるに似てる感じ。
大学うんぬんの話は、コバルトでは新鮮だけど、自分が受験も一人暮らしも体験してる分、すごく共感できる。
クララアグネス多恵子ガールの読者の、成長にあわせて書いた感じ?
あとがきの、高3のはじけっぷりからくる後悔の話は面白かった。小説を書こうというきっかけって、こういうワンアイディアからなんだな -
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(No.12-77) 氷室冴子さんの原作を山内直美さんがコミック化したもの。
小説を読んでネット検索したら、このコミックスの評判がとても良い。
だったら読みたいと購入。
原作をとても大切にしていて、大満足。
原作どおりだったらあえて漫画化することないじゃない?なんて思ったあなた、ちょっと待って。
この漫画は原作そのままにそこに絵が付いているという雰囲気なのよ。
現代だからコミックスなんだけど、これに一番近いのが平安時代なら絵巻物かな。
これを絵にするのはかなり難しかったのではないかしら。それぞれの人の想いをこんなに上手く表現してることに感動しました。
氷室さんの作品をこんなに素敵に描 -
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(No.12-76) 文庫・単行本に未収録だった「月の輝く夜に」が読めます!コバルト史上最も分厚い本ではないかと思う。
買ってすぐ「月の輝く夜に」を読み、「ざ・ちぇんじ」はとばして「少女小説家を殺せ!1」は読んだけどその先で挫折、そのままにしてあった本。
だって「ざ・ちぇんじ」は持ってて、何度も読んだことがあったし、「少女小説家」や「クララ白書」はやっぱり好みじゃなかった。
ふと思い立って「ざ・ちぇんじ」を読む。だってせっかく買ったんだから。
おお~、やっぱり面白いよ!最後に落ち着くとこに落ち着くので気持ちが良いしね。
勢いで続けてまた「月の輝く夜に」を読む。
なんだか氷室さんがコバルト -
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2008年6月に逝去された氷室冴子さんの(多分)最期の作品「月の輝く夜に」が収録された作品集です。
3㎝弱ある分厚い一冊ですが、単行本未収録作品は全650頁のうち200頁のみです。
その殆どは「ざ・ちぇんじ!」の再録が占めているので。
でも氷室作品は「なんて素敵にジャパネスク」シリーズのみしか手元に残していないので(山内直実版は持ってますw)、久しぶりに読んだ活字の「ざ・ちぇんじ!」は良かった!
山内さんの再現率の高さも今更ながら感心してしまいます。
そしてこの濃い目のピンクの背表紙は私の中学時代のど真ん中に在していました。
手にした時にはあの頃の青い思い出たちが鷲掴みに目の前へと突きつけら -
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故・氷室冴子さんの文庫未収録の短編&絶版の本の再録。
中身は少女小説にコメディに平安モノとまぁごった煮(笑)
タイトルの「月の輝く夜に」はマンガを先に読んだせいか、「ああ、原作に忠実に漫画化されていたんだね」と言う感想。あと小説のほうが少しだけ伏線が分かりやすく容赦ない。漫画の方がミステリの謎解きとしては面白いかなと思ったり。でも先に読んだ順で面白いのかもなぁ。
クララ白書は噴いた。すごい高校生たちである。
こんな感じで、過去の未収録作品とか、草案とか出るなら読みたいなぁ(でも出されたくないものは生前にきっちり片付けておられそうだよね)
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氷室冴子×山内直実の新作! って記事を見て、「え、氷室さんって亡くなったって思ってたけど、思い違いで生きてはるん? よかったー!」って一瞬喜んだんだけどなあ、、、亡くなってはったのはホントだったなあ。。。て思いながら、買いました。雑誌コバルトに掲載されただけで、文庫にはなってない作品だったとか。。。「なんジャパ」や「ざ・ちぇんじ」の元気な作風を思い浮かべながらページをめくると、あまりの落差に「え?」ってなりますが。その2作より、よほど”少女小説”らしい、センシティブな作品でした。読んでいると、いろんな立場の”女”が出てきて、または”男”は見た目ではわからないなあ、という万華鏡のようにくるくると
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一巻を買ってみたら予想以上に面白くて六巻まで一気に購入。
本編が4巻で終了?してしまうのは残念でしたが、とても楽しめました
(ちなみに4巻後半~5巻は時間軸の前後する番外編が数本、最終巻は番外編を読んだ上での本編の続きといった感じです)
こういう時代物はあさきゆめみしが若干トラウマになっており(人物が多くて名前が多くて見分けもつかなかった…)ハマれるどころかちゃんと読めるかも不安だったのですが、この作品は絵柄的にも登場人物の多さ的にも一般的な少女漫画と大差なく、当時の言葉などには注釈がついているし、またナチュラルに英語を混ぜて喋っていたりと非常に取っ付きやすく、不安がっていた自分がバカらしく思