氷室冴子のレビュー一覧
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氷室さんの作品は実は読んだことがなかったが、面白そうだと思って手に取った作品。まず、この作家さんの物事に対する視点と、語彙力、表現力に驚かされた。流れるように読めるのに、深くて、そしてすごく面白い。これが33歳で書かれたもの、ということに驚愕。自分は33歳よりも大部年上なのに、例え作者と同じようなことを感じたとしても、このように表現する言語能力を持ち合わせていない。まあ作家さんと素人の自分を比べることがおこがましいですが。。
内容としては、作者の考えていることを、実体験で起きた出来事を基に描いていく構成で、その対象となる映画やらを知らないとついていけない部分もあるが、それでもなお楽しめる。な -
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ネタバレ1992年発行の単行本を新版として再刊行。
懐かしい。私にとっては『なんて素敵にジャパネスク』の原作者さん。小説は原作として読んだかな?というぐらいの記憶しかないのが申し訳ない(;'∀')
「詠嘆なんか大嫌い」…昔の女友達にたまに会うとこういう感じ(現在の愚痴をずーっと言う)になるのかなぁ。もう会ってないのでなんとも言えない。
「一番とおい他人について」…女性の「それ分かる(共感)」について。
「レズについて」…女が女にあこがれること、について。女性が「こうなりたい」と思うときの対象って女性なのが普通なのでは?
「なるほど」…セクハラについて。この時代の一部の男性 -
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購入済み
登場人物の表情が残念
小学生の時に読んだコバルト文庫の氷室冴子さん作品が懐かしく、ライトノベルで読み直しました。大好きな作品で、ストーリーは抜群に面白いです。
ライトノベルの文章だけでは想像がつかない平安時代の家屋やインテリア、小袿などの当時の貴族の着物などを絵で見たくて、マンガも購入しました。
目的は果たし、小袿と十二単の違いや、几帳って襖みたいな紙じゃなくて暖簾みたいな布なんだ、とか色々知ることが出来ました。
ですが、登場人物の表情にがっかりする部分が多く(例えば、瑠璃姫が真剣に怒っているシリアスな場面が、ただのズッコケドタバタ劇風のタッチで描かれていたり、などなど)、小説を先に読んだ人にはちょっ -
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実家の片付けをしていたら氷室冴子作品をゴッソリ発掘。
四半世紀ぶりに再読してみました。
初版は昭和54(1979)年!40年も前とは。。
最初期の四短編を収録。表題作は作者が大学3年時に書いた「小説ジュニア(雑誌コバルトの前身)」の公募作品。
表題作は自意識過剰で、周囲に持て余されがちな文化系少女たちの葛藤と矜持を描く。
二篇目「アリスに接吻を」は14歳という、大人でも子どもでもない年代の少女心理を、珍しい二人称で描いた作品。語り手は大人になった本人かな?
三篇目「妹」は、母を亡くし、歌人の父、美しい姉と暮らす少女の物語。古式ゆかしい少女小説の佇まい。妹属性へのこだわりは氷室作品の重要 -
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みなさんすごいわー。
ああ、あの「ジャパネスク」の世界が現代によみがえったわー、という。
そりゃ各先生の筆致とか特徴あるし、まんま氷室冴子先生というワケではないのでしょうけれど(そして誰も「真似る」ことは求めてない)、世界観のようなもの、ベースとなる方向や位置があの世界なんですよねー。
空気感っていうか?
その後の瑠璃姫と高彬の結婚生活を描いた岡本千紘せんせの「女郎花の宮」も良かったけど、しかし煌姫のあの頃と変わらない活躍を描いた松田志乃ぶせんせの「ジャパネスク・ネオ!」が好きかなー。
煌姫のグイグイ感が楽しいw
それとやぱし「ジャパネスク」といえば山内直美せんせの画っていう部分も大きいと -
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先日、「迷宮」の方を読み返したのでこちらの「ミステリー」の方も読み返してみました。やっぱりこちらも懐かしかった~
シンデレラの国から戻った利根は、高校で親友もでき部活にも励み、幸せな生活を送っていた、はずなのに・・・また、あの世界に戻ってきてしまいます。
はじめてできた親友と好きな人のどちらかを選択しなければならないような気がしたり、親友とは別の時間を持つことに不安を感じたり、思春期ならではの繊細な気持ちの揺れがやっぱりとても上手。大人の目線からみたらなんてことないのにね。
こうやって一歩づつ大人になって行くのかな。がんばれ利根ちゃん!
次はジャパネスクシリーズを読み返そうかな。。 -