氷室冴子のレビュー一覧

  • 海がきこえる〈新装版〉

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    あなたは『修学旅行先』で、他のクラスの親しくもない異性から突然こんなことを言われたとしたらどうするでしょうか?

     『杜崎くん、お金かしてくれない?』

    そもそも『お金』の貸し借りというものは親しき仲であっても慎重を要するものです。”お金は人を変える”とも言われるくらい、その存在は人の心を支配もするものです。ましてや親しくもない相手から旅先でそんなことを言われても戸惑うばかりでしょう。

    しかし、そこにこんな前提条件がついたとしたらどうでしょうか?

     『あのね、持ってきた全財産、落としちゃったみたいなのよ』、『ぜんぜん使わないうちに、見当たらなくなったのよ』。

    持ってきた『全財産』と言えば

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    2024年05月04日
  • 海がきこえる〈新装版〉

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    とっても良かった。何が?って言われたら難しいけど、自分が経験した高校生活とは違うけど、でもなんか「わかる」って感じで。
    この本を理解できるんだぜ〜って威張りたい訳じゃなくて、読んでもらえばきっと分かって貰えると思う。時代が全然違う私でもこんなに分かるんだから、きっと誰でもわかるんだと思う。てかだからジブリになるし名作なんだと思う。

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    2024年04月19日
  • 海がきこえるⅡ アイがあるから〈新装版〉

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    ネタバレ

    1990年代、女の子に連れ回される男の構図も今はないものだから新鮮だった。爽快でもなく、ハートフルでもないのに読み終えた後にじんわりくるのは、アイという主題と、里伽子が見せた弱みと、手を繋いだ二人を読めたからか。
    作中のおばあちゃんのビデオを見た後の気持ちと同じような気持ちになることを狙って作者は作ったのかも。
    昔の大学生の話で、村上春樹とは違って遠くに感じなかったのは、親の姿を物語に見たからか。
    あと女のひと同士の静かな争い、読み応えがある。展開が大きかったからドキドキしたのか。
    里伽子っぽい知り合いが全く思い浮かばなかったことで憧れパワーで楽しく読めたのかも。
    あとは、最後がすごい良い、「

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    2024年03月24日
  • 海がきこえる〈新装版〉

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    大学進学で高知から上京した青年。その一年と少し前に、東京から高知へ転校してきた少女は、とんでもなくわがままで気が強くて、でも…。高校時代の邂逅と東京での再会。
    若さ、恋愛、友情、成長…そんな青春要素がギュッと詰まった、世辞抜きの素敵なお話。この年だから言えるんですけどね(笑)

    ジブリのアニメ化時から知っていましたが、今回初読み。
    青春が、瑞々しく、かといって過度に美化することもなく、描かれています。
    読む年齢によって読後感が変わると思います。

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    2023年12月05日
  • 海がきこえるⅡ アイがあるから〈新装版〉

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    1巻を入手できたことでやっと2巻を読むことができた。

    1巻では、里伽子も千沙も男を振り回す女性で同じタイプだと思っていた。
    2巻を読むうちに、全く違うタイプだと思えてくる。彼女らは男性を振り回すタイプでも、里伽子は両親のことから派生することに目を背けようとして、拓を振り回していくが、人の痛みがわかるのではないだろうか。
    千沙は妻子持ちとの不倫の解消から精神不安定に陥り、人の痛みには鈍いのでは?と思うようになってきた。

    バブル絶頂、90年代前半を舞台にした青春であり、出てくる大学生の男子は皆いい人ばかりでした。
    歳を重ねた今、読んであまり理解できていないけれどまた読んだらもっと理解できるのだ

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    2023年10月16日
  • 海がきこえるⅡ アイがあるから〈新装版〉

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    東京を舞台とした大学生編。1990年代の空気感が、モワモワと蘇ってくる。携帯のない時代ならではの物語。

    「銀金」と共に、作者が存命していてくれたら続きが読めただろうに思ってしまうシリーズ。

    大人になった拓と里伽子の姿も見てみたかった。

    余談ながら、『海がきこえる』のその後を考えると、90年代半ばなので既にバブルは弾けていて、拓も里伽子も就活は大丈夫だったのかと心配になる。

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    2023年09月13日
  • 海がきこえるⅡ アイがあるから〈新装版〉

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    里佳子が相変わらず拓を振り回してて面白かった!
    アッシーでもいいと割り切って里佳子を想い続ける拓が、純粋でかっこいいなと思った。そんなまっすぐさに周りの人達は惹かれていくんだろうな。
    男の友情も素敵だった。
    映画しか観てないけど、1冊目も読みたくなった。

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    2023年08月30日
  • 海がきこえるⅡ アイがあるから〈新装版〉

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    『海がきこえる』の続編。周りの女性たちに振り回されてばかりの杜崎拓は「the 都合のいい男」って感じ(笑)
    里伽子や津村知沙が好き勝手に杜崎のことをたぶらかすことができるのも、2人とも美人という強みがあるからなんだろうな〜と思うけど、この続編では2人の弱さや脆さが描かれていてすごく人間味を感じます。
    20歳前後のキラキラした感じがとても羨ましいお話でした。

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    2023年07月21日
  • 新版 いっぱしの女

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    氷室冴子さんのエッセイ。
    私は学生時代、小説を読まずに漫画に浸かっていたので、大人になるまで氷室冴子さんの作品を読んでなかった。そして大人の私の感想は、独特の空気感と女の子たちの心情や言動がとても好きだ、だった。
    そんな氷室冴子さんのエッセイ。
    作品に通ずる、愛の深さと潔さと多彩さを感じた。深くもあり、けれど一瞬にしてそれが飛散するような儚さもある。でも、ゼロにはならない、ような。そんな、感じ(私の感じた雰囲気の話なので、それを伝えようとしてたというわけではない、と思う、多分)
    どん、と胸に重みを感じる言葉がたくさんあった。そしてほんの少し、昔だったり今の私が思い浮かんでくることも。

    そして

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    2023年07月09日
  • 冴子の東京物語

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    最初に刊行されたのはまだ昭和時代だったので今ならありえないまさに昭和な話もありつつ、数十年経った今でも通じる話もあり懐かしさとエバーグリーンさが入り混じった気持ちで読み直しました。氷室冴子さんがご存命だったら今はどのようなエッセイを書くのかなぁなどとも思ったり。

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    2023年04月18日
  • ジャパネスク・リスペクト! 氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク』トリビュート集

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    本家ジャパネスクをリアルタイムで読んでいた世代です。どのお話も漫画もハズレなくおもしろかった!氷室冴子さんへのリスペクトをめちゃくちゃ感じました。とくに10年後の瑠璃姫・高彬のお話と煌姫たちのお話は文体もそっくり。コバルトは優秀な作家さんが続いていたのですね。ご本人が読んだら喜んだだろうな。

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    2023年02月24日
  • なんて素敵にジャパネスク 人妻編 11巻

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    ネタバレ

    ついに決着の時…。

    ほんと、女っていざという時に肝が据わってるというか…男性である高彬には理解し難い強さがあるんでしょうね。
    そんなわけで、女御様一の女房・大弐は命を懸け、高彬の妹・由良姫は女の命(=髪)を懸けて、帥の宮と女御様の命乞いをする。
    こんな時でも変わらない調子の煌姫には本当に救われるわ~。笑

    いつでもお役目第一の高彬だけど、今回ばかりは忠節を曲げて、二人を遠くへ逃がす算段をつけてくれることに。(後の藤宮様談によれば、このような働きをしたのは“瑠璃姫に惚れた弱み”とのこと♡)
    でもよく考えたら吉野君の時もそうだったしなぁ…やっぱ、より惚れた側が負けみたいなもんなんでしょうかね?笑

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    2022年12月30日
  • 冴子の東京物語

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    氷室さんが20代後半から30才になるにかけての時期にしたためた名エッセイ。当時の空気感、氷室さんの人柄、すべてがぎゅっと詰まっていた。基本的に笑いありでサクッと読めるけど、ところどころに見られる世間に対する痛烈な皮肉が効いている。この方が今の世の中を見たら何を書くんだろうと考えると、若くして亡くなってしまったことがほんとうに惜しい。

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    2022年11月12日
  • 新版 いっぱしの女

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    氷室冴子さんの作品を初めて読んだが、日々の鬱憤や違和感を、こんな風に自分の言葉にしていることってすごいな、と思う。元は1992年に刊行された本だが、30年経ても良くも悪くも変わらないことはたくさんあり、すんなりと読めた。

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    2022年06月15日
  • 新版 いっぱしの女

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    女が生きる上で感じている違和感を描くエッセイ。
    時代が変わっても変わっていない部分が大きいことに驚く。

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    2022年05月29日
  • ジャパネスク・リスペクト! 氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク』トリビュート集

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    没後10年ということに驚き。もうそんなに経つんですね。
    そうするとジャパネスクを読んだのはさらに遡ること何年前・・・?
    もう内容忘れたんじゃないかなと思いつつ読み始めたところ、全てが懐かしい。瑠璃姫あきひめやゆら姫ちゃんと覚えてました(笑)
    うーん読み返そうかな

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    2022年04月08日
  • 新版 いっぱしの女

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    30年前に刊行された本とは思えない。

    いつの時代も同じように生きづらい。
    氷室さんのカラッとした語り口が痛快でクセになる1冊。

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    2022年03月27日
  • 新版 いっぱしの女

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    さようならアルルカン、白い少女たち、クララ白書、アグネス白書、シンデレラ迷宮、シンデレラミステリー、恋する女たち、雑居時代、少女小説家は死なない!、ざ・ちぇんじ、なんて素敵にジャパネスク、なぎさボーイ、多恵子ガール……

    ちょいとマセた小学生が児童文学に飽き足らず、大人の階段のぼる読書にハマるにうってつけのコバルト文庫。
    そういえば、シンデレラ迷宮のあとがきに登場人物ジェーンの由来があって『ジェーン・エア』を手に取ったのだった。11歳だった。

    復刊エッセイ。
    いっぱしの女として。独立して生きていく上で、断絶する社会と、友人たちとの違和感。少女小説家は世間とどう抗っていたのか。その怒りと行動に

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    2021年10月14日
  • 新版 いっぱしの女

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    30年前の作品とは思えないほど現代に通じるフェミニズム&シスターフッド。そのような言葉はまだないのでレズと表現されているのに時代を感じる…
    ただ、「男は奢って当たり前」という価値観はこの頃には最新だったというのが驚きなんだけど、本当か?!

    30歳過ぎて(私はまだ過ぎてないけれど)女友達が昔とちょっと変わってしまった淋しさ、男は男でオトナぶっていて、それを冷ややかに見たい一方で自分だけオトナになれていないようなやはり淋しさ、でも自分はプライド持って生きてるしどこかに仲間だっているんだから、という意地に大いに共感、元気が出た。
    なんなら最後の対談の貧乏暮らしエピソードにもめちゃくちゃ元気

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    2021年10月08日
  • 新版 いっぱしの女

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    子供のころよく読んでたコバルト文庫。その中でも特に人気で、映像化もたくさんされているのがこの著者。久しぶりに新版が出たと知って、懐かしくなって読んでみた。

    30年近く前に出版された本を、2021年に新装版で出版したもの。解説(町田そのこ)が追加されている。町田そのこと言えば、今大人気の「52ヘルツのクジラたち」の著者だ!

    氷室冴子は小説以外も読んでいたので、この本ももしかしたら昔読んだのかもしれない、覚えてないけど。
    30歳前後で独身、小説家という自由業、そして女であるということでの世間の風当たりの強さなどが書かれている。今では結婚しない人も多いし、当時もセクハラという言葉はあったみたいだ

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    2021年09月26日