逢坂剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ3作目、やっと馴染んできた感じがする。
重蔵の上司が松平佐金吾から太田運八郎に代わった。一旦、元の役職に戻ったが前の火盗改の実績があったので、再度の火盗改となった。この時に前任で一緒だった余一郎を貰って、元々部下の団平と3人での仕事。鬼平は相変わらずの火盗改。
1話 突っ転がし:相手を転がして財布を奪う犯罪
2話 鶴殺し:江戸時代は鶴は将軍家の食事に出るので大事にされていたとの事。勝手に狩ると犯罪。旗本が殺すが名家のため、別な鳥で誤魔化される。
3話 猿曳遁兵衛:猿に喉笛を噛まれて殺される犯罪が続く。おかしいと思った重蔵は推理を重ねる。
4話 盤石の無念:重蔵達が通う居酒屋の夫婦が犯罪に巻き込まれる。盤石という相撲取と結婚の話しがあった女将。居酒屋夫婦の嫉妬を利用した犯罪も重蔵が放置したように見せかけ・
5話 簪:重蔵の想い人の「とわ」が犯罪に巻き込まれる。敵の狙いを外してしまった重蔵。
再三、盗賊として出てくる女賊の「りよ」。特に団平が何度も取り逃すので、将来的に団平と一緒になるのかと思ったが、真逆に行ってしまった。
女賊の狙いは何か、次が気になってしまう。 -
Posted by ブクログ
MOZUシリーズ第6弾
前作からだいぶ間があいてしまって、人間関係も半分ぐらい忘れてしまっています(笑)
しかし、今までの登場人物と事件をうまく説明してくれて、そういうことあったかなってなんとなく思い出しながら読み進めることが出来ました。
結局、この主役って探偵になった大杉?
美希は警視になっていて、やはり二人はよい仲になっていました。
ストーリとしては、
武器用部品を不正輸出している会社を探る大杉。
一方で大杉の娘のめぐみも警官となっていて、同じ事件を内定していました。
父娘でおうこの事件の真相は?
そして、この事件に絡むように、事件の当事者や以前の事件の関係者が百舌のような手口で殺されます。
今度の百舌は誰?
という展開なのですが、なんとも終わり方があれ?
っていう感じ。
そして、エピローグで語られる百舌の独白。
これ、続きますね。
ぐぐってみたら、すでに発売されていました。
「百舌落とし」
それで完結とのこと!読まないと...
このシリーズは、順番に読まないとだめですね。
気を付けましょう。
って確認したら「裏切りの日日」が第0弾としてでているんですね。なんじゃそりゃ(笑) -
Posted by ブクログ
著者、逢坂剛氏の作品は読んだことがなかった。
今回初めてエッセイから読んでみて、面白い作家経歴と
その趣味の多さに興味を惹かれた。
多分、全ての作品は読まないだろうけど、
最低、デビュー作と直木賞の作品は読みたい。
『暗殺者グラナダに死す』
『カディスの赤い星』
気になるケ所の箇条書きメモ。
・できるだけ長く好きな小説を書きたい。
そのモチベーションを保つために一番の刺激は
『よきライバル』の存在。
北方謙三氏が同年代で90歳まで書くと宣言しているので、その頑張りが刺激になる。
・自分を暇にさせない、退屈にさせないで、
これからも、わが人生を味わい尽くします。 -
Posted by ブクログ
ヒロイン美希が年月とともに変転していくハードボイルド。
非情な運命を非情な心で受け止め、淡々かつ冷ややかにたどっていくのがハードボイルドというジャンルである。哲学とか思想を期待せず、軽く読めばいい。
「幻の翼」で倉木尚武と結ばれた美希は息子真浩を授かった。しかし、その家庭は平和にはならない。事件事故が次々と起こって、警察官の同じ職業の夫とともに警察機構の中の陰謀に巻き込まれていくと言うストーリー。
内容のおもしろさという「横糸」と前作とのつながりの「縦糸」を、キャラクターの特徴で色づけされているので、引っ張っていかれた。逢坂剛という作家魂で読ませる。
続編は「よみがえる百舌」「ノスリの巣」 -
Posted by ブクログ
たしか百舌は「ケケケッケーーー!…」と叫んで飛んでいく。暗闇に不吉な余韻を残して。餌も蛙とかトカゲを木の枝に串刺しにしておいて食す。という印象が強くある。
そんな異名を持つ殺し屋が現れたのではないか、と思わされるプロローグのひとつが「怪」を呼ぶ。本書には三つのプロローグがあり、これが百舌の叫び声の余韻ように全編を読んでいると絶えずよみがえる。
ハードボイルドではあるが、むしろ愛と憎しみの人間臭い悩みを抱え、過去、深層心理、血縁の血のなせるわざにうごめく沢山の登場人物たちの克明なストーリーである。
作者は警察の組織(公安と刑事)に場をとってはいるが、この社会のどの場をとっても当てはまる人間社会の機構宿命のようだ。
私は女性主人公のハードボイルド「明星美希(あけぼしみき)部長刑事」を知りたくて読んだのであるが、この書では多彩な登場人物の一人としてのみ。シリーズが続くようだから今後活躍するのだろうか?
とても凝ったすじ立てではある。章立ての数字の上下に最初から気がつき、過去、未来、現在と判じて読み進むのも面白かった。 -
Posted by ブクログ
<御茶ノ水警察署シリーズ6冊目>
逢坂剛によるシリーズ短編もの。
ユーモア・ポリス・ストーリーという触れ込みだが、ドタバタやギャグではなく、落ち着いた、若干シニカルな味わい。中年男2人が主軸で、彼らは特段ヒーローでもなければ悪漢でもない。
生活安全課保安二係に所属する彼らの扱う事件は、さほど派手ではなく、流血やドンパチもない。
係長の斉木斉(さいき・ひとし)と平署員の梢田威(こずえだ・たけし)は、実は幼馴染。昔は、悪ガキだった梢田が斉木をさんざんいじめていた。大卒で現在警部補となった斉木の下に、高卒・平刑事の梢田が偶然配置された、という形。2人とも何となく居心地が悪い。
梢田は昇進試験を受けようとしているが、斉木に邪魔されてばかり。斉木は何かというと梢田に食事代を立て替えさせてはなかなか清算に応じない。それもこれも子供の頃の恨みなのかもしれない。
保安二係にはこの2人以外に五本松小百合という女性警官がいる。肩書は巡査部長なので、梢田より上、斉木より下、というところ。淡々と業務をこなすが、実は結構な切れ者らしく、変装も得意らしい。
御茶ノ水警察署というのはもちろん架空の署で、界隈にあるのは神田警察署である。この署をモデルとしているのかどうかはよくわからないが、作中の事件は御茶ノ水周辺で起こり、土地勘のある人だと街の風景や佇まいなども思い浮かべられて、そのあたりも味わいどころだろう。
収録作は
・影のない女
・天使の夜
・不良少女M
・地獄への近道
の4篇。
麻薬捜査、飲食店とタウン誌の関係、不良少女と題材はさまざま。
ちょっとおもしろいのは4篇目の表題作。
「地獄への近道」というのは、古いマイナー洋画のタイトルで、原題は"Short Cut to Hell"。原作はグレアム・グリーンの「拳銃売ります(A Gun for Sale)」である。
神保町の裏通りに予約制の小さな映画館がある。映画館とはいっても、定員は20名程度で、フリースペースで映写もできる部屋という体裁。客は事前にネットバンキングで料金を支払わないと入場できない。週2回、1日1作品のみを上映し、同じ作品は原則として2度と流さない。上映作品が何になるのかは当日、来場してのお楽しみという変わったシステム。作品は古い洋画ばかりで、日本では上映もされず、DVD化もされていないものがほとんどである。字幕は映画館の関係者がつけている。
そこで流れるのが「地獄への近道」というわけ。
映画通らしい五本松に連れられて梢田もこの映画館を訪れるが、果たしてこの変わった映画館の背景にあるものとは何か。
街の描写も細かく、将棋や映画の蘊蓄もすごい。
派手な作品群ではないが、根強いファンがいそうなシリーズである。