古野まほろのレビュー一覧

  • 全日本探偵道コンクール セーラー服と黙示録

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    探偵を競技として、ルールの中で繰り広げられる推理合戦である前半と、それにまつわる前日譚の後半。ともに傑作でしたが、最後の大技には驚かされました。
    どちらの事件も不確定な状況から探偵が証拠を積極的に、きっちりと決めきるために掴みにいくスタイルで、推理だけではない探偵の役割を楽しめました。
    前半は出題者がいる事件であり、後半も含めて作者の後期クイーン問題への解答にも思えます。
    過去シリーズを読んでいるとさらに楽しめます。大満足。

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    2025年01月29日
  • ねらわれた女学校 セーラー服と黙示録

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    かなり特殊な設定の短編集。その特殊さも丁寧に説明され、本格ミステリが展開されています。宗教、神話、伝承、数学からガンダムまでいろいろな会話を追うだけでも楽しい作品でした。別シリーズとの関連もちらっと見えて次も楽しみ。

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    2025年01月06日
  • ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録

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    傑作。
    ミステリの楽しさが詰まっている。動機、トリック、犯人当て。過不足なく開かれて閉じていく感覚。会話のテンポも気持ちがいい。説明がかなり必要な内容も多い中で飽きずに読めました。
    見立て殺人に関するまとめもミステリ好きにはたまらない。

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    2024年12月27日
  • 臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族

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    この表紙はズルい…そして嬉しい懐かしい!

    横溝ファンは杉本先生にお世話になりましたから!


    内容も傑作!


    ぜひ〜

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    2024年11月18日
  • 新任警視(下)(新潮文庫)

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    下巻は事件が動いた。
    警察小説だが、刑事物とは違って諜報、心理戦等のスパイ小説である。

    スパイなのだが、登場人物達は普通の人達でとても素敵だ。
    通勤中に読んでいたらグッときて、「ヤバい、泣く」と思って本を閉じたことがあった。
    面白かった。

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    2023年12月24日
  • ロジカ・ドラマチカ

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    ネタバレ

    合う人を選ぶミステリ。私は大好物。ケメルマンのオマージュ。

    「新任警視」の司馬達が再登場。冬の章を、成れの果ての蛇足ととるか、大団円ととるかも読み手次第。私は再び彼に会えて嬉しかった。幸せそうで何より。

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    2023年06月24日
  • 禁じられたジュリエット

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    舞台の舞台の舞台とどこまでも入れ子は想定可能だし、舞台と現実の境界もあいまい。ミステリ論あり、オマージュあり。新本格の体裁をとった、アンチミステリではないでしょうか。

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    2023年05月03日
  • オニキスII―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子―(新潮文庫nex)

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    このケレン味を、たまに味わいたくなる不思議。終章などは、スケバン刑事的なアレだし。富豪刑事をまほろんが書くとこうなるよねと、ミステリというよりスラプスティックな本シリーズを結構気に入っている。

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    2023年01月19日
  • 警察手帳

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    警察官の業務について詳細に書かれていて、面白くページをめくる手が止まらなかった。もし「警察官について知りたい」という問い合わせがあれば1番に薦めたい一冊。

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    2022年10月24日
  • 老警

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    「独特な味わい」が在る物語であると思った…
    前代未聞という感の異常な事件を巡って、県警幹部が事の真相を解き明かそうとするような物語で、少し夢中になってしまう。
    本作の冒頭部、少し長い序章が在り、作中の出来事のカギを握ることになる劇中人物達の描写が在る。
    この序章に、「執筆活動」と称して昼夜逆転な様子で引き篭もっている男と、その父親という人物が出て来る。加えて何人かなのだが、彼らが作中の事案のカギとなって行くのだ。
    本編に入ると“事件”が発生してしまう。運動会を開催中であった小学校に刃物を手にした者が乱入し、教員や児童、居合わせた警察官等を殺傷してしまう。十数人の被害者が生じるというとんでもない

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    2022年09月16日
  • 身元不明 特殊殺人対策官 箱崎ひかり

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    ネタバレ

    本当に読みにくい。読みにくいけど、私にはこの古野まほろ節が刺さります。めちゃくちゃ好みが分かれます。集中力を一瞬でも欠くと本当に理解できなくなります。
    決め打ち、みたいな時のセリフが好きです。セリフの言葉選びがなかなかクサいけど、小説らしくていいなと。
    まほろさんは安定に終盤での怒涛の展開の詰め込みですね。「え?そうなの?」のオンパレードで、初めて読む人は疲れるかも。私も3回くらい読んで毎回噛み砕くようにしています。
    あと、語り手が実は犯人だった系もまほろさんには多いですね。そういうの割と好きです。
    陰陽道とかはよく知らないけど、そういうのしっかり調べて(知って)から書いているんだろうなという

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    2022年06月27日
  • 事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ

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    事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ。古野 まほろ先生の著書。警察官にはいつも市民の味方、弱い者のの見方でいてほしい。困ったことを相談しても被害が出るまでは対応してくれないなら警察官は何のために存在するのかな、警察官なんていらないし必要ない、警察官はいるだけで一般市民に役に立っていない、警察官には不信感しかない、そういう気持ちになってしまう人の疑問に答える良書。不良警察官が排除されてまじめで一般市民の見方でいてくれる警察官が働きやすい警察組織であってほしいです。

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    2022年06月27日
  • 職務質問(新潮新書)

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    刑事ドラマや小説の中に出てくる「職務質問」。
    実際の職質について詳しく書かれており、勉強になった。

    私自身、職務質問ではないが「聞き込み」に来た刑事さんの質問に答えたことがある。近くで起きた強盗事件についての目撃情報を集めていたようだ。
    その事件、私の同級生は「職務質問」を受けたそう。
    なぜ、職質を受けたのか、この本で理解できたような気がする。

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    2022年05月24日
  • 警察官の出世と人事

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    警察官の制度について詳細に書かれており、とても勉強になった。そして、名探偵コナンが好きな私としては、「目暮警部はこうやって警部になったのか」「佐藤刑事は結構出世が早かった」などコナンの作品での刑事の立ち位置についても知ることが出来てとても面白かった。

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    2022年05月24日
  • 警察官僚――0.2%未満のキャリアの生態

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    警察官としての生活、官僚としての生活、ともに垣間見ることができて面白い。警察官僚として生きた読み物は佐々淳行さんのものが有名と思うが、平成時代の官僚が綴ったものににはなかなか巡り会えなかったので、非常に興味深く読むことができた。

    改めて、「なぜ私はこういった警察ものに魅かれるのか」を考えてみたが、やはり現場がある職場であることに親近感を覚えるからなのではないかと思う。本書にも『常在戦場』『指揮官先頭』『一歩前へ』『人の嫌がることをやる』『みずぼらしい神輿は誰も担がない』『指揮官の辞書に困難はない/指揮官に難しいもヘチマもない/そんな覚悟で事件ができると思っているのか‼︎』を始め、現場で困難な

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    2022年05月08日
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上巻のキャラ紹介、交番警官のお仕事紹介から本筋の連続女子高生行方不明事件への謎に迫るサスペンス。罠を張るアキラ、巻き込まれ負傷するライト。ふたりの未来は!?。

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    2022年02月23日
  • 職務質問(新潮新書)

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    「知っているようで何も知らない」というような事柄、「特殊なようでいて、一般的な様々な事柄に通じる」という内容は、この種の新書の特長ということになると思う。そんな特長が感じられる良書であったと思う。
    本書とは無関係ながら、少し前に永く刑事として活躍された方が綴った本を興味深く読んだ。その中に、警察官として活動し始めた頃に所謂“駅前交番”で勤務した際の経験談が在った。一定の頻度で見掛け、見掛ける都度にコインロッカーを利用していた人物が気に掛かり、声を掛けると件の人物の持物の中には「侵入盗」に使う道具が詰まっていて、常習犯である旨が判明したというのだ。
    本書で扱う「職務質問」の、実際に在り得る事例と

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    2022年02月14日
  • 女警

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    題名の「女警」とは「女性警察官」を略した語である。自身で使用中のパソコンでは「じょけい」と打ち込んでも変換漢字として「女警」は出て来なかったが…
    本作は、事件が発生して警察官達が登場する物語ではあるが、何か「一味違う」という感じに仕上がっている。『女警』という題が示すように、女性警察官の物語ではあるが。
    とある県警の監察官室長を務める女性のキャリアである姫川理代警視が主要視点人物となる。物語の中心となる事件は、警察内部の事件だ。
    或る夜、交番で現場のリーダーたる警部補が銃弾を受けて死亡していたのが発見された。一緒に勤務していた女性巡査の姿が無かった。そして女性巡査は拳銃自殺を遂げたと見受けられ

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    2022年02月07日
  • 征服少女~AXIS girls~

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    『終末少女』続編
    ファンタジーロジック本格ミステリー

    閉ざされた天国から遂に地球への再征服作戦が開始された
    選ばれし使徒8天使は少女の姿となり、方舟「バシリカ」を駆り一路地球を目指す

    一枚岩とは言えない予感と、悪しきものたちの襲来に翻弄されながら
    片道分の燃料しか積載していない、天使たちの運命を見届けろ…!


    前作未読でも楽しめます
    既読の方がより没入します

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    2021年11月06日
  • 警察官の出世と人事

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    警察官の99%以上を占める地元採用のノンキャリア警察官を対象に、出世と人事について、階級・職制・専務の切り口で解説。警察内部での人事・組織構造が極めて分かりやすい語り口で書かれている良書。

    特に面白かったのは、以下の点。
    ・無試験昇任のキャリアと違って警視までは基本的には試験を通らなければ昇進できない。警視正以上で普通の人事の中で選考される。
    ・現場実務は警部補まで、警部以上は内勤や管理業務が多い管理職
    ・警部補をハコ長とする交番と、警部補をトップとする警察署の係は同格同構造。警部をトップとする警察署の課と警部をトップとする県警本部の係は同格。警視をトップとする県警本部の課長と警視である警察

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    2021年08月05日