古野まほろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お嬢様刑事が財力と権力をふんだんに使って事件を解決・もみ消すお話
収録は3編
・消えた八、五七二万円を追え!!
・"警察に不祥事なし"
・あの薬物汚染を討て
筒井康隆「富豪刑事」と発想は似ているけど、こっちは設定をもっと作り込まれてある
西有栖宮綾子
本名:メアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリ
父親がイギリス公爵、母親が宮家
警察内部の不祥事を秘密裏に捜査処理する「監察特殊事案対策官」として事件の調査を依頼される
(この若さで警視正は無理じゃないか?とも思うけど、その無理を可能にする裏事情もあるのだろうなぁと推測)
公爵家の執事である安藤警視と共に自家用オスプレイに乗って現場へと向かう
・消えた八、五七二万円を追え!!
I県警の安芸中央警察署で拾得した現金が警察署の中で紛失した事件
容疑者は警察署内の人間すべて
遺失者からの訪問連絡もあったため、呑気に捜査する時間はない
誰が何のためにどうやって消したのか?
お金をふんだんに使った捜査方法とは?
・"警察に不祥事なし"
小規模警察署の署長が署員と署長室で腹上死してしまったという連絡
検察やメディアが現場に到着するまでにとった大規模な工作とは?
・あの薬物汚染を討て
県警本部や警察署に覚醒剤が蔓延していた中、新たに着任した県警本部長が爆弾で瀕死の重傷となる
事件のもみ消しと、「敵」への反撃の方法とは?
「富豪刑事」とは違って明確な「敵」が存在していて
尚且つこちら側も違法な手段も取ってる
その設定も歴史的な背景に基いているけど、実際はどうなんでしょうね?
検察が捜査権を取り戻したがっているというのはあり得るのか?
ま、その辺は検察側も同じく特異な存在によって率いられているから、そこも含めての設定なのですね
不満な点としては、セリフの「」内で改行するのは読みにくい
あと、視点が第三者神視点なのか?あまり馴染みがないのでちょっと違和感を覚える -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目
で、完結という事でよいのだろうか?
今回のお茶はキャンディとアッサム
自分用に淹れる場合、アイスティーのミルクダウンはもう諦めている
私は薄めのアイスティーをガブガブ飲むのが好みなので、作中で失敗作として扱われているのに似たもので十分なんですよね
なので、それなりのお店で出てくるアイスティーの濃さに戸惑う事がある
お店のアイスティーの茶葉で多いのがアールグレイとキャンディなのは、ミルクダウンが起こりにくいからであって
果たしてアイスティーとして飲むのに美味しさの面で適しているかどうかは別問題だと思っている
自分の好きな茶葉を楽しむのがいいと思うよ
作中で紹介されていた、茶葉を増やして抽出時間を短くするという方法
でも、タンニンは高温のお湯で先に溶け出すので、他の成分をしっかりと抽出することで相対的に渋みを感じさせなくするという考えもある
なので、私の場合は茶葉の量はそれほど増やさず、抽出時間を10分以上の長時間にしているかな
それと、水出しのアイスティーにするなら、茶葉は通常の2倍以上使うくらい必要だと思う
ま、この辺は茶葉の種類と個人の好みの問題もあるかもね
それにしても、英子さんは何故気づかなかったんですかね?鈍すぎでは?
自分の親ならマスクとサングラスしててもわかりそうなもんですけど……
正朝さんが、何か特別なカモフラージュしているような描写ってありましたっけ?
全部読み終わって思ったことだけど、正朝さんと麿の関係も同じようだというのを示唆しているのか?
他者から見たらわかりきっているものでも、肉親というフィルタがかかっていると目が曇って本質が見えないとか?
麿と正朝さんの対峙
麿から前巻の最後で見せたような「死んでもいいや」という感じがない
最後の一歩手前で加減しているような?
英子さんも気づいていたように、何か導くような態度に変化していましたねぇ
お姉さんの態度からも、ラストの展開はそんな感じになる可能性は考えていた
とりあえず、大団円な終わり方でよかった
シリーズ通しての、ちょっと気になったところ
「誰視点?」と惑う箇所がいくつか
一人称でも他の人視点っぽい表現だったり、一部分だけ三人称になってるようにも思えるところがいくつか
あと、キャラがシーンの展開に都合よい事ばかり喋っているところがいくつか
そのせいでキャラ設定がぶれているように感じる
描写されていないところに裏設定があるのか、それとも私がキャラの性格を読み取れていないのか……
地方国立大出のバカが読み解くには向かない本かもしれないですね
でも、設定とか、紅茶と陰陽道に関する外連味は面白かった
紅茶に関する知識も、私の知っているものとそんなに齟齬はなかった
でも、紅茶関係の知識って、本によってまったく違う事が書かれてあったりするんですよね……
ちなみに、ジャンピングについての発言が一番気になったかな
ジャンピングの有無が美味しさを左右するのではなく、ジャンピングが起こるような条件(特に水に関する)で淹れるのがいいだけという理解をしている
まぁ、この辺は本当に紅茶関係の本によって書かれてある事が違うから、どれが正解とかは最終的には個人で決めろという事になってしまう気がする -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目
今回も3編収録
正朝さんの追っている者の正体も判明
そして、姉と呼ぶ人との関係も……
登場したお茶
・ローズヒップティー
・ラプサン・スーチョン
・アールグレイ
一般的なローズヒップティーの味が何に起因するのかは、他の作家さんのハーブティー系の小説を読んで知っていた
なので、二つの違いは何かは読んでいて用意に推測ができた
しかしまぁ、警察の所属部署によるネガティブなイメージはやはり古野まほろっぽいと感じる
普通の会社で言えば、営業部の第一線で長年活躍してた人が、新人がとりあえず配属されるような部署に異動という認識で合ってる?
それに、親父さんも前時代的な価値観というかね……
ラプサン・スーチョンは前に飲んだ事がある
レピシエで買ったけど、確かに安くはないもののそれほどの値段ではなかった気が……
「正統」なラプサンスーチョンなだけで、使ってる茶葉もキームンとかその辺に松の燻香を付けたフレーバーティーだった可能性もある
確かに癖が強いし、常飲したいと思えるようなものではない
でも、葉巻のような捉え方なら納得
水の汲み方は、紅茶の水の性質について前フリがあるので、推測するのは容易
この方法って新鮮な水を用意できない場合のテクニックとしてよく紹介されてあるんですけどね
ま、一般の人にとっては「そんな方法でいいの?」という意外性はあるかも
所轄庁を気にするのも、古野まほろっぽさを感じてウケる
宗教として捉えるなら文化庁だし
陰陽寮の流れを汲むなら、宮内庁でもおかしくない気がするし
様々な要素を含んでいて分類できないので内閣府というのが妥当にも思える
実際、どこの管轄なんですかね?
あと、前巻でも気になっていた「バリスタ」という表現
バリスタは今やコーヒーを主に取り扱う職業を示す言葉になっていて
セリフで言う分にはその人がそう認識しているとか便宜的にそう言っていると思えるけど、地の文でバリスタと書かれるとちょっと違和感
かといって、バリスタの紅茶版を示す単語としてティーマスターに置き換えるとイメージが掴みにくくなるし、難しいところですね
最後の話で判明した正朝さんのあれこれが結構重い
前巻やこのエピソードの前までは、悪意を感じるものの致命的な可怪しさまではいってなかったんだけどね
ただ、お姉さんの態度から察するに、完全な悪というわけでもないような気がする
さて、次巻ではどんな展開になるのか
一気に読みますかね -
Posted by ブクログ
魂が離れかかっている程に気持ちが不安定な人だけがたどり着ける、陰陽師がいる紅茶屋のお話
住みやすいと人気の街である吉祥寺
普通は行くことができない、しかし店が欲する人だけたどり着ける紅茶屋らぷさん
陰陽師がいるそのお店は、気枯れた人を紅茶で癒やし、占星術などで問題解決の糸道を示してくれる不思議な存在
父の期待に応えられない女子大学生
周囲に不幸を招くという女子高生
何かと理由をつけて結婚式を延期した彼に悩む書店員
彼女らは何に悩み、原因は何なのか?
自らを語ることで解かれる因果の物語
5年前くらいに一度読んでいて、続編を買ったので一気に読んでしまおうと改めて再読
内容はほとんど覚えてなかったわ
「一巻で完結してねーじゃん。続編を読む時に読み返すだろうなぁ」と記憶の片隅に追いやったような気がする
蠱毒のイモムシは珍しいので記憶に残ってたけどね
ってか、古野まほろの小説を読んだのは今作が初めてなんだよね
紅茶や陰陽道に関する蘊蓄がこれでもかと詰め込まれている感じ、嫌いではない
急いでいる動物を追いかけて異世界に迷い込むというのは不思議の国のアリスをモチーフなんだろうか?
ま、これは牛の式神だし、お茶会ではなく茶商だけどね
人を見ただけで詳細なホロスコープが分かってしまうという設定はぶっ飛びすぎている
陰陽師がそれできたら何でもできてしまうではないか
けど、最初から「そういう人だ」と言われてしまえば納得するしかない
のっけからファンタジー描写をしている設定に、明確な理由を求めてはいけない
(本当にファンタジーという認識でよいのですよね?)
陰陽師兼店長の本多正朝
そして、姉と呼ぶ本家の人
蠱毒にしても黒い本にしても、正朝さんの求めている物というか、追っているのは人なんでしょうねぇ
佐々木英子さんが期せずしてたどり着いてしまったのは、これもまた必然な理由があったりするんだろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む人によってめちゃくちゃ感想が左右されそうな内容でした。まほろさんに慣れていないとこんな長編最後まで読めないかもしれないですね。
事件内容がかなり凄惨なのでまず読む人を選びます。何回も描写されるし。最初読んだ時はうわ...って思いました。あと、後半怒涛のタイトル回収がなるほど、と思わされました。
どうやったらこんな人間関係思いつくねん、というくらい複雑なので、ちょっとずつ頭の中で整理して読みました。名前がとにかく多い。薙ちゃんがもう少し大事なキャラなのかなと思っていたら別にそうでもなかった感。
まさかあんなに色んな人が死ぬとは思わなかったです。最後に亡くなった(自殺だけど)方は一瞬話が飛んで???になったけど、理解できてすっきりしました。人間関係整理して覚えるのが難しい人にはちょっとしんどい。救いはとりあえず無くて悲しかったですね。スカーフ届けてあげれたのがせめてもの...って感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ古野まほろさんの文体は合う合わないがめちゃくちゃに分かれるので本当に難しいところですが、私は好きです。
毎回初見では全部理解しきれないので、今回も3回、4回読みました。
「セーラー服」シリーズのようにキャラがかなり立っているから、立ち絵が是非欲しいなと思ったところ...。文字のみでの区別が、毎回巻頭のキャラ紹介を見ないと消化しきれませんでした。
最後の辺りのバラの描写がものすごく綺麗で好きです。
戦闘シーンの描写もスピード感を感じさせるのに俗っぽくなく、全て「古野まほろ」の言葉で書かれているからなかなか面白いです。常人にはできない言葉遣いが多分この人の売りなんだろうな。
古野さんを読み始めて10年ほど経ちますが、いつも最初は警察小説とか純粋なミステリに見せて最後らへんに「実は人間じゃないです」「実はとんでもなかったです」系のネタバレがバンバンくるから、それがしんどい人は読めないかも。
私はこれが気持ちよくて読んでいます。 -
Posted by ブクログ
交番勤務の年野警部補が後頭部を撃たれて死亡しているのが発見され、同僚の青崎巡査が行方不明 という通報を受けた監察官室長姫川理代警視が、女性のキャリアとして男社会の警察の中で、様々な障害を蹴散らして奮闘する物語だが、彼女のバイタリティと支援してくれる女性群がうまく噛み合って進むストーリーが秀逸だった.県警トップの深沼本部長のサポート、晴海地域管理官からの助言等で次第に真相に近づく理代だが、男社会を墨守する連中の横車の中で、全体を俯瞰できる伯方署長、上原刑事部長との討論で大筋を掴めたと自信を深めた、ただ、深沼の全体構想とはやや方向がずれていることも判明し、全体としてはややすっきりしない点が気になった.
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Posted by ブクログ
警察という特殊な役所の話ではあるが、オールドタイプの組織と官僚主義が継承されている大きめの会社で、風土としてはスマートよりも泥臭さを尊ぶ傾向があるところであれば、こんなものではないかな。
時代の証言者として、内部の(ややマニアックな性質もある)関係者が詳細な記録を残すというのは、未来の人に文献を残すという意味では、なかなかよいのではないでしょうか。よく〇〇会社50年史とかあるが、あれはヒューマンウェアのところには綺麗事しか書かないし、後世の社会学者にはイベント記録の確認にしか使えない物足りないものに違いないので。それに対して、その組織の中枢も経験したジャーナリストや作家さんが、リアルな組織設計やコミュニケーションの実像を描写した記録は、出来が良ければ、はるかな後世まで残るでしょう。