古野まほろのレビュー一覧
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ネタバレ古野まほろさんの文体は合う合わないがめちゃくちゃに分かれるので本当に難しいところですが、私は好きです。
毎回初見では全部理解しきれないので、今回も3回、4回読みました。
「セーラー服」シリーズのようにキャラがかなり立っているから、立ち絵が是非欲しいなと思ったところ...。文字のみでの区別が、毎回巻頭のキャラ紹介を見ないと消化しきれませんでした。
最後の辺りのバラの描写がものすごく綺麗で好きです。
戦闘シーンの描写もスピード感を感じさせるのに俗っぽくなく、全て「古野まほろ」の言葉で書かれているからなかなか面白いです。常人にはできない言葉遣いが多分この人の売りなんだろうな。
古野さんを読み始めて1 -
Posted by ブクログ
交番勤務の年野警部補が後頭部を撃たれて死亡しているのが発見され、同僚の青崎巡査が行方不明 という通報を受けた監察官室長姫川理代警視が、女性のキャリアとして男社会の警察の中で、様々な障害を蹴散らして奮闘する物語だが、彼女のバイタリティと支援してくれる女性群がうまく噛み合って進むストーリーが秀逸だった.県警トップの深沼本部長のサポート、晴海地域管理官からの助言等で次第に真相に近づく理代だが、男社会を墨守する連中の横車の中で、全体を俯瞰できる伯方署長、上原刑事部長との討論で大筋を掴めたと自信を深めた、ただ、深沼の全体構想とはやや方向がずれていることも判明し、全体としてはややすっきりしない点が気になっ
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警察という特殊な役所の話ではあるが、オールドタイプの組織と官僚主義が継承されている大きめの会社で、風土としてはスマートよりも泥臭さを尊ぶ傾向があるところであれば、こんなものではないかな。
時代の証言者として、内部の(ややマニアックな性質もある)関係者が詳細な記録を残すというのは、未来の人に文献を残すという意味では、なかなかよいのではないでしょうか。よく〇〇会社50年史とかあるが、あれはヒューマンウェアのところには綺麗事しか書かないし、後世の社会学者にはイベント記録の確認にしか使えない物足りないものに違いないので。それに対して、その組織の中枢も経験したジャーナリストや作家さんが、リアルな組織設計 -
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再読。セーラー服と黙示録シリーズ第一弾。孤島に建設された探偵養成学校・聖アリスガワ女学校を舞台とした長編ミステリ。これだけでもうお腹いっぱいともいえる設定だが、事件自体もかなり突飛で摩訶不思議としか言えない。はたしてこの事件は神の奇蹟なのか、それとも人が起こした犯罪なのか。再読なので大体は覚えていたのだけれど、設定からしてもう有栖川有栖リスペクトが凄まじい作品であることに疑いの余地はない(水村という名前も出てくるぐらい)。探偵役は三人いるが、それぞれがフーダニット、ハウダニット、ホワイダニットに特化しており、その犯人の指摘の仕方にそれぞれの個性が表れているところも面白い。天帝シリーズとも繋がっ
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真夜中に起こった火災現場から発見された男女の遺体。それは女子高生集団監禁・暴行事件の末に起こったものだった。唯一の生存者にして被疑者の一人である少年が語る、あまりに惨い虐待の実態。疑いの余地のない、完璧な被害者と加害者の構図。一見単純に見えた事件に潜む真実を暴く、あまりにやりきれない思いの残る警察ミステリ。
あまりに悲惨で残酷な事件の様相は、読むのもつらいほどだし、それを嬉々として語る被疑者少年の態度には怒りしか覚えないのですが。すべての真相が判明したあとになると180度印象が変わります。だからといってこの事件が許されるものではなく、到底肯定できるものでもありませんが。ならばいったい誰を憎むべ -
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物語の雰囲気は、同じ著者の『新任巡査』とは結構異なります。
『新任巡査』の方は、お仕事小説よろしく、警察官の仕事をそれこそ丁寧に、解説書のごとく書いてありましたが、こちらは最初から小説然として物語が始まります。既に、警察官になったという前提なのでしょうかね?
なので、最初から事件があって、事件解決のための捜査が進むんですが、「あれ?意外にあっさりと解決?下巻どうするの?」と思ったら、上巻の最後で飛ばれてしまいましたね。下巻で、どう巻き返してくのか?
ところで、この愛予県って、どうしても愛媛県がモデルっぽい気がするんですけどね?どうなんでしょう?愛媛で、伊予国だから、愛予とか。