古野まほろのレビュー一覧

  • 新任刑事(下)(新潮文庫)
    ミステリー仕立てであるが、フーダニットとして楽しむ以上に、著者あとがきでもいうように、お仕事小説として捉えるほうがよさそうだ。全体のフォーマットは著者の前作と共有している。
    誰もが知る「愛予市」であるがゆえに、Suica?という言葉は悪目立ちしすぎるように思った。
  • 新任刑事(下)(新潮文庫)
    なんと言ったらいいのか、最後にとんでもない、まさに思ってもいない大どんでん返しがあって、そこは紛れもなく警察ミステリーなんだけど、そこへ至るまでの経過がちょっと変わっていて、異質の警察小説だ。
    このどんでん返しに至るまでの流れは、はっきり言ってつまらない。タイトル通り、新任の刑事が現場に入ってどんな...続きを読む
  • 臨床真実士ユイカの論理 ABX殺人事件
    話された文章の客観的な真偽と話した人が嘘をついているか否かを判別する障害を持つ臨床真実士本多唯花シリーズ2作目。前作で設定が理解出来ていたからか結花独特の語りも気にならずさくさく読める。今回は唯花の元に届いた連続殺人を止めてみろ、という挑戦状に障害を元にした論理を武器に挑む話。サブタイトルの元ネタと...続きを読む
  • オニキス―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子―(新潮文庫nex)
    メアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリという本名を持つ主人公は、英国のビーコンズフィールド連合王国公爵と日本の皇族西有栖宮家の女王との間に生まれた「家格と財力とにめぐまれすぎた令嬢(本文9ページ)」です。
    そして、警察庁直属の警視正で、全国の警察内部の不祥事を秘密裏に捜査処理する「監察特殊事案対...続きを読む
  • 時を壊した彼女 7月7日は7度ある
    未来からやってきたタイムマシンがなぜか爆発、その影響で一人の友人が死んでしまう。彼を理不尽な死から救うため、未来人と現代人は過去に記憶を転写して事故を防ごうとするものの。何故か失敗の連続。これは本当に運命なのか、それとも誰かの作為なのか。サスペンス感も溢れるSFミステリ。
    過去に戻るにおいてのルール...続きを読む
  • 外田警部、TGVに乗る
    日仏の警察や高速鉄道、大使館や外務省を中心とする官庁に関する蘊蓄を、後半は外見や口調からはうかがい知れない外田警部の推理を堪能。さすがだ!シリーズ2作目のようだが1作目も読んでみようかな。
  • 全日本探偵道コンクール セーラー服と黙示録
    セーラー服シリーズの聖アリスガワ女学校の三人娘と天帝シリーズの勁草館高校の三人娘が高校生探偵の日本一を決める「全日本探偵道コンクール」の決勝戦を争う話。古野まほろファンとしては夢の作品!横溝正史ばりの世界観とそこで起きる事件の謎を解決するわけだけどこの作品はまだまだ前哨戦にすぎない…!というわけで続...続きを読む
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)
    古野まほろについては、警察組織解説?の新潮新書を読んだだけだったが、小説へ転身、それも「新潮文庫」とは!。上巻は、新人警察官の交番配属一日目を、本当にみっちりと書きこんであり、驚き。
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)
    上原頼音、22歳。職業、今日から警察官。はじめての24時間交番勤務。立番・巡回連絡・職務質問・無線の使い方・出前の取り方…「バカヤロウ」と何度も怒鳴られながら、組織で働く社会人としての、そして地域を守る警察官としての心構えをたたき込まれる。そんな新米巡査の日常の中に、少女連続行方不明事件の手がかりが...続きを読む
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)
    内田希、22歳、女警。飛び抜けて優秀な彼女には秘密がある―。少女連続行方不明事件の目撃情報と、警察署内の「開かずの間」の噂。わずかな手がかりから事件の真相に迫る二人の新任巡査の背後に襲いかかる凶刃、そして命の危機…。巧緻に張り巡らされた伏線の先に浮かび上がる驚愕の真犯人とは。
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫nex)
    ー 新幹線には、手荷物検査がない。乗客は、駅弁だろうと ペットボトルだろらと、文庫本であろうとキャリーケースだろうと、自由に持ち込める。持ち込めるし、要らなくなったモノを捨てるのもカンタンだ。誰でも知っている。新幹線の車両には、御丁寧にも、ごみ箱が設置されている。

    しかも。
    この密室の動静をコン...続きを読む
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)
    上原頼音、22歳。職業、今日から警察官。はじめての24時間交番勤務。立番・巡回連絡・職務質問・無線の使い方・出前の取り方…「バカヤロウ」と何度も怒鳴られながら、組織で働く社会人としての、そして地域を守る警察官としての心構えをたたき込まれる。そんな新米巡査の日常の中に、少女連続行方不明事件の手がかりが...続きを読む
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)
    警察学校での講義から始まり、初任務の交番勤務=立番や巡回連絡等と、新任警察官が歩むコースが丹念に描かれている。
    警察の仕事及び警察官に興味があり、あるいはその職を求めようと思うなら、読んでおくべきお仕事小説と言っていい。
    よくもまあ、ここまで緻密に描かれるものだと思ったら、著者はキャリアとして警察庁...続きを読む
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)
    警察情報小説、あるいは新人巡査の成長物語の小説かとの思いは、下巻に入り見事に裏切られた。
    新人巡査の交番勤務が丹念に綴られる上巻から一変し、少女連続行方不明事件がメインとなって、とんでもない展開となる。
    新人巡査たちはどうなるのか予断を許さぬ状況で、そして犯人は予測もつかない人物・・・
    思い返せば様...続きを読む
  • 警察官白書(新潮新書)
    母集に属するものが作るステレオタイプと、母集団の外にいるステレオタイプは異なることに注目して、警察官自身が描く典型的な警察官象を部門・専門ごとに書き出していくのが本書。

    警察官の無形資産としての豊富な信用、社会人になってからでも階級を上げるために度重なるテスト、刑法の事件を扱う警備から事件扱い何で...続きを読む
  • ヒクイドリ 警察庁図書館
    古野まほろが好きな人のための作品。
    他の人が読むと、なんじゃこれ、的な。
    でも、ちゃんとミステリーになっていて面白い。
    ジャンルは叙述トリック。

    アルルカン、コロンビーヌ、ピエロ、K、ワクチン、アイツ、アプリコット、杏、、、コードネームでの諜報活動報告のやりとりと、各登場人物による事象の主観的な描...続きを読む
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー
    新本格30周年を記念して作られた「館」をテーマにしたミステリアンソロジー。もうそれだけで踊りだしたくなるほど嬉しいのですよ。
    執筆陣は東川篤哉、一肇、古野まほろ、青崎有吾、周木律、澤村伊智と比較的新しめの作家が集まっています。新本格何世代になるのでしょうね。感覚的に孫曾孫世代という感じですが。

    ...続きを読む
  • 身元不明 特殊殺人対策官 箱崎ひかり
    『救う組織には、顔があった。(顔があった…私が求めるもの。私がほしいもの。顔)

    しかし、その人々の顔を思い浮かべると、凍てついていた自分の心さえ熱くなる。自分の人生は、自己の救済と復讐ー自分の正義に捧げると決めていた心さえ。』


    古野まほろ節炸裂で面白い。
    古野まほろ好きのための作品なので、ここ...続きを読む
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー
    館ミステリアンソロジー。館好きにとってはたまらない、変な……もとい、魅力的な館がいっぱい登場します。
    お気に入りは青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」。一番魅力的な館かなあ。住めないけど(笑)。そしてまさかのトリックに、キャラ立ちの名探偵。そして何よりも気になるのが墨壺コレクション! 他の館でもなんか事件が...続きを読む
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー
    黒より白の方が万人にお薦めできそう。
    こんなのありかと思う一方、自分の中で可能性を排除していたのでやられた感はある作品や、もしかしたらが当たった作品、ちょっと怖いテイストの作品もありました。
    でも、お薦めの一冊です。
    どんな仕掛けがあるかは読んでのお楽しみに。