古野まほろのレビュー一覧
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警察キャリア出身の作家が、交番、生安、刑事、交通、警備などの専門分野別に徹底プロファイル。全国26万警察官の生身の姿をリアルに描き出す。(2018年刊)
・まえがき
・Ⅰ 警察太郎ー26万警察官の「むりやり平均値」
・Ⅱ 刑事太郎たちー誇りを懸け、鎬を削る専門家集団
・第1章 生安太郎
・第2章 刑事太郎
・第3章 交通太郎
・第4章 警備太郎
・あとがき
本書では、交番のおまわりさん(地域警察官)である警察太郎と4つの専務をわかりやすく解説している。中の人だったので、記述に重みがある。(交通の経験は無く、わからないことはわからないと言っているのも好印象)公安については、意外であった -
Posted by ブクログ
巡査から警察庁長官まで。全ての警察官は11の階級等を与えられる。常に指揮系統を明確にすることで、どんな事態にも乱れなく対処できるようにしているのだ。各階級の任務、処遇は?。元警察官僚のミステリ作家が、30万人を束ねるスゴい仕組みの全貌を描き出す。「警察モノ」ファンだけでなく、全組織人必読の一冊。(2020年刊)
・まえがき
・序 章 警察における階級のあらまし
・第一章 巡査
・第一章の2 巡査長
・第二章 巡査部長
・第三章 警部補
・第四章 警部
・第五章 警視
・第六章 警視正
・第七章 警視長
・第八章 警視監
・第九章 警視総監
・終 章 警察庁長官
どうも著者の文体が合わない -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻星4.0, 下巻星4.3
「捜査書類に語らしめる」というコンセプトで編集された小説スタイルが掛け値なしに素晴らしかった。これは前作の『新任巡査』でも使っていない大技であり、『刑事』に歩を進めてよかったと思えたところ。しかもそれを示すことが実質的に「読者への挑戦状」となっていることも、物語の示す刑事職の「文書主義」「法律で戦う者たち」という気概が込められているように感じられた。ほかの刑事小説にはないユニークな味わいがあった。結末の対決シーン相当の描写も良かった。
ただ、主人公が影で同僚を応援する風に〆たのは、義心を感じる一方、なんだか気味が悪くも感じた(あまり手放しでカッコ良いものとは感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻星4.8, 下巻星4.2
二冊全体としては上巻の点数に準じるが、クライマックスの展開が、往年の「戦闘美少女」的などぎつさがあり、万人に薦められる展開でなかったため、他人の顔を気にしてやや点数を下げたくなった。個人的にはなんとか納得してついていけたが、アキラに色々背負わせすぎな世界を作り出すこの古野まほろという作家の……冲方丁『シュピーゲル』『マルドゥック』シリーズのにも似た女性身体の扱い方は、独特だと感じた。
話のつながっていない後継作である『新任刑事』ではそうしたどぎつさはほぼなかったので、安心して読めたけれど、「警察文化を知りながら読める」という点で助かったのはこの『巡査』のほうだ -
Posted by ブクログ
ネタバレそれを本当に愛するものだけが、
それを本当に殺すことができる。
物凄く苦しい序盤、大きく転換する中盤からの、希望とも絶望ともつかない終盤を読み切って、エピローグでこんなに救われるなんてこれは賛否両論だろうけれど、別に夢オチとかも嫌いじゃないので私は素直にすっきり読み終わりました。その夢をちゃんと活かせればいいんだと思っている。夢だから虚構だからってそのすべてに意味がないというのなら、書を開いている自分の手と対話するところからやり直してきなさいほんとに。
この絶望も希望もおなじ想いの元に描かれていると思うと、それを書かせる本格のエネルギィというものに改めてアテられるわけだけれど、