古野まほろのレビュー一覧

  • 新任巡査(下)(新潮文庫)

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    ミステリー部分は大きすぎてリアリティはないが、新人お仕事小説としてはとてもよいだろう。組織による新人育成物語としても面白いだろう。
    自分の思ったのと違う!って低評価つける人が多いようだが、、、警察出身者にしか書けないものなので本書には価値があるだろう。薄っぺらい聞きかじりで量産される警察小説とは一線を画す作品だろう。

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    2021年05月06日
  • 警察官白書(新潮新書)

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    警察キャリア出身の作家が、交番、生安、刑事、交通、警備などの専門分野別に徹底プロファイル。全国26万警察官の生身の姿をリアルに描き出す。(2018年刊)
    ・まえがき
    ・Ⅰ 警察太郎ー26万警察官の「むりやり平均値」
    ・Ⅱ 刑事太郎たちー誇りを懸け、鎬を削る専門家集団
     ・第1章 生安太郎
     ・第2章 刑事太郎
     ・第3章 交通太郎
     ・第4章 警備太郎
    ・あとがき

    本書では、交番のおまわりさん(地域警察官)である警察太郎と4つの専務をわかりやすく解説している。中の人だったので、記述に重みがある。(交通の経験は無く、わからないことはわからないと言っているのも好印象)公安については、意外であった

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    2021年04月11日
  • 警察手帳

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    元警察キャリアの方が書いた警察の組織、内部事情を紹介する話。
    元キャリアの人が書いたとは思えないほど、フランクな表現でとても読みやすい。

    警察組織(署と本部、警察庁と都道府県警、公安委員会)、警察官のキャリア(交番と専務部門)、警察内部の人間関係などなどについて分かりやすく書かれており、警察への理解をとても深めることができる。

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    2021年04月05日
  • 警察の階級

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    警察ドラマや小説が断然面白くなる。警部がどれだけ偉いのか。コナンでいえば小暮警部はかなりの出世である。古畑任三郎だって警部補なのである。ただ、そこにはもちろんその人の生き方が反映される。警部となると管理職となってしまう。あえて警部補までなら昇進してもいいという人は沢山いるそうだ。踊る大捜査線のスリーアミーゴスは実はめちゃくちゃ昇進している人達である。警視や警視正クラスである(笑)

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    2021年03月21日
  • 警察の階級

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    巡査、巡査長、巡査部長、警部補の実働部隊
    警部、警視、警視正の指揮命令
    警視長、警視監、警視総監、警察庁長官の経営、企画
    それぞれの役割を見た時に、警察という組織が縦にも横にも上手く機能するものだと感心しました。
    また、警視正以上を国家公務員とすることて、国が都道府県の利害を調整するというのも良くできたシステムだと思います。警察という組織が普通の会社組織と変わらず、出世競争の組織とも実感。

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    2021年02月09日
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫nex)

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    台は、2020年東京オリンピック後の厄災により東京が崩壊、首都機能が中京都に移転したパラレルワールドの日本。治安の悪化した状況の中、セーラー服集団、赤い瞳の獣達からなる総理直属の治安部隊が謎のテロリストワスレナグサを追う。文体、描写、展開…独特だが好きだなあ。癖になる作者さん。ACT2,3へ続く…

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    2021年02月03日
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACTIII(新潮文庫nex)

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    サッチョウ・ローズ、赤い瞳の獣たち、異能集団が人身売買解決のためにフランスに乗り込みやりたい放題!全編アクションの連続、スピード感がたまらない。なぜ政権幹部は人身売買に手を染めたのか?少女売買ルートは壊滅させたものの物語は新しい展開へ…

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    2021年01月30日
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫nex)

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    舞台は、2020年東京オリンピック後の厄災により東京が崩壊、首都機能が中京都に移転したパラレルワールドの日本。治安の悪化した状況の中、セーラー服集団、赤い瞳の獣達からなる総理直属の治安部隊が謎のテロリストワスレナグサを追う。文体、描写、展開…独特だが好きだなあ。癖になる作者さん。ACT2,3へ続く…。

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    2021年01月30日
  • 警察官の出世と人事

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    「警察」という組織のリアルが丹念に描写されている良書。警察ものは色々と読んできたが、タイトル通り、まさしく「出世」と「人事」に特化した内容で非常に興味深い。

    それぞれの会社にはそれぞれの出世と人事の法則はあるのかと思うが、警察という組織をひとつの会社として見たとき、ここまでわかりやすく具体的に書かれているものは他の組織のものも含めてこれまでは無かったように思う。


    警察24時等に興味がある人や「ハコヅメ」を読んでいる人におすすめしたい。

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    2021年01月31日
  • 警察官の出世と人事

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    尋常でない詳しさで、警察組織の階級、役名、組織、昇進の原理について紹介してある。そこに語られているのは、全国に支店支社支所が散らばるような大きなカイシャであれば、そのまま適用できそうな組織運営と人事異動、登用の原理である。軽量軽快でトップの決断が即、組織のアクションにつながる先端的な一握りのギョーカイは別として、実際に日本の社会のマス部分を支えている組織は、お役所であれインフラ企業であれ国を代表するメーカであれ、ケーサツと同じような原理で組織運営をしているものだ。お若い方にはなかなか腑に落ちないでしょうが・。

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    2020年12月28日
  • その孤島の名は、虚

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    女子高吹奏楽部員が異次元の島に飛ばされ先住民(先に飛ばされた先輩たち)+仲間と殺しあうという奇想天外・荒唐無稽な設定と難解な謎解きストーリー。にも拘らず読まされてしまうという作者さんに脱帽!『新任〇〇』から入った読者としてはちとつらかったが。

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    2020年12月01日
  • 終末少女~AXIA girls~

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    世界の終わりは突然始まった!迫りくる無数の口そして虚無、なぜか孤島に流れ着いた少女たち、仲間に潜む敵との戦いが始まる…。伏線や思いがけない設定、謎解き…この作者さんとの知恵比べはいつも敗北に終わるが今回も同様。気持ちよく騙されたといかないのは…

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    2020年11月23日
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACTIII(新潮文庫nex)

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    シリーズ第3作目。いよいよフランス編。
    海外に舞台を移して、とにかく暴れまくる防ニメンバー。日本のタガが外れたおかげか、暴れ放題、やりたい放題、殺し(!)放題。
    前回の続きの巨悪は一旦叩き潰したように見えて、新たな展開が始まる。いったい、どこに終着させようとしているのか?
    本当の戦いは、これから始まるような予感。

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    2020年11月14日
  • 警察の階級

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    巡査から警察庁長官まで。全ての警察官は11の階級等を与えられる。常に指揮系統を明確にすることで、どんな事態にも乱れなく対処できるようにしているのだ。各階級の任務、処遇は?。元警察官僚のミステリ作家が、30万人を束ねるスゴい仕組みの全貌を描き出す。「警察モノ」ファンだけでなく、全組織人必読の一冊。(2020年刊)
    ・まえがき 
    ・序 章 警察における階級のあらまし
    ・第一章 巡査
    ・第一章の2 巡査長
    ・第二章 巡査部長
    ・第三章 警部補
    ・第四章 警部
    ・第五章 警視
    ・第六章 警視正
    ・第七章 警視長
    ・第八章 警視監
    ・第九章 警視総監
    ・終 章 警察庁長官

     どうも著者の文体が合わない

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    2020年11月08日
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫nex)

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    厄災により首都機能が中京都なる暫定首都に移転した設定のパラレルワールドの世界(どうも静岡と愛知の間辺りのようだが)。
    主人公たちの超人的な能力と、著者の(どうでもいい?)警察のウンチクで成り立っている小説。
    この文体のせいなのか、せっかくの格闘シーンがあまり生き生きした感じがしないのは残念。設定も、イマイチなぜこうなっているのかも分かりにくく、入りこみにくい。ストーリー展開とキャラの個性で読ませている。面白いけどね。
    続編以降を読み進めていくうちに、少しずつ分かってくるのを期待。

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    2020年11月08日
  • その孤島の名は、虚

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    表紙で面白そうだったので購入。
    内容は独特な語り口調と展開で、苦手な人は読み辛いかもしれない...(自分も諦めかけた)
    後半は数学的要素をふんだんに盛り込み、文系の自分には知らない世界で物語が展開されていくので非常に面白かった
    フィクションと数学と音楽と謎解きを全てを味わいたい人にお勧めです。読むのはめっちゃ疲れます。

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    2020年11月04日
  • 新任刑事(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上巻星4.0, 下巻星4.3

    「捜査書類に語らしめる」というコンセプトで編集された小説スタイルが掛け値なしに素晴らしかった。これは前作の『新任巡査』でも使っていない大技であり、『刑事』に歩を進めてよかったと思えたところ。しかもそれを示すことが実質的に「読者への挑戦状」となっていることも、物語の示す刑事職の「文書主義」「法律で戦う者たち」という気概が込められているように感じられた。ほかの刑事小説にはないユニークな味わいがあった。結末の対決シーン相当の描写も良かった。

    ただ、主人公が影で同僚を応援する風に〆たのは、義心を感じる一方、なんだか気味が悪くも感じた(あまり手放しでカッコ良いものとは感

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    2020年10月21日
  • 新任刑事(上)(新潮文庫)

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    上巻星4.0, 下巻星4.3

    先行してこのあたりの警察文化を面白く紹介する漫画『ハコヅメ』を一気読みしたこと、また『ハコヅメ』でも説明しきらない交番勤務や地方警察の職務実態を紹介し、内容的にも衝撃の大きかった『新任巡査』を読み終えた直後に進んだことなどから、「おや、だいぶ既習事項が多いな」と感じられた。女性刑事はまるでハコヅメの藤部長のようにテキパキと働いて回る。同期の原田貢はカメラアイとして立ち回る。

    下巻の方が点数が高い理由は下巻の方で書く。

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    2020年10月21日
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上巻星4.8, 下巻星4.2

    二冊全体としては上巻の点数に準じるが、クライマックスの展開が、往年の「戦闘美少女」的などぎつさがあり、万人に薦められる展開でなかったため、他人の顔を気にしてやや点数を下げたくなった。個人的にはなんとか納得してついていけたが、アキラに色々背負わせすぎな世界を作り出すこの古野まほろという作家の……冲方丁『シュピーゲル』『マルドゥック』シリーズのにも似た女性身体の扱い方は、独特だと感じた。

    話のつながっていない後継作である『新任刑事』ではそうしたどぎつさはほぼなかったので、安心して読めたけれど、「警察文化を知りながら読める」という点で助かったのはこの『巡査』のほうだ

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    2020年10月21日
  • 禁じられたジュリエット

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    ネタバレ

     それを本当に愛するものだけが、
     それを本当に殺すことができる。



     物凄く苦しい序盤、大きく転換する中盤からの、希望とも絶望ともつかない終盤を読み切って、エピローグでこんなに救われるなんてこれは賛否両論だろうけれど、別に夢オチとかも嫌いじゃないので私は素直にすっきり読み終わりました。その夢をちゃんと活かせればいいんだと思っている。夢だから虚構だからってそのすべてに意味がないというのなら、書を開いている自分の手と対話するところからやり直してきなさいほんとに。

     この絶望も希望もおなじ想いの元に描かれていると思うと、それを書かせる本格のエネルギィというものに改めてアテられるわけだけれど、

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    2020年10月20日