古野まほろのレビュー一覧
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ネタバレ古野まほろ新シリーズ。
表紙に騙されがちだけど、『天帝』の供物的な衒学趣味も『二条』の警察写実主義も、これでもかと削ぎ落としたロジックミステリ。壮大なクイズみたいなものである。にしてもか、わ、い、す、ぎ、た←
設定的にトンデモでミステリとしては反則だろうと思われる唯花の《障害》も、限定条件としてしか使われてないので置いていかれることもないし、
少なくともこの事件に関しての情報や背後関係に関して唯花と読者のライブラリには差がなく、
超大学生的な知識を駆使されるわけでもなく、
探偵役と読者が対等になるように苦心されているというのがGood。
ここまで純粋論理に徹していると、読者への挑 -
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タイガにまほろが参戦の新シリーズ。
著者も発売前に「『ぐるりよざ』以来のロジックミステリ」と自己解釈している通り、本格ミステリの枠内目一杯で繰り広げられるパズラー。
起承がやや駆け足気味で、あれよあれよという間に解決編に突入してしまったのは残念だが、解決編の探偵っぷりは斬新で見もの。
特に、何重にもなった真相が次々明かされていく展開でも、後に進めば進むほど衝撃度が高まっていく感触は、いうほどなかなか味わえない。最初の謎解きまでは先読みできたが、以降は本格を堪能できた。本編ラストなど、本当に思いもよらない。
個人的には、舞台設定はより重厚で、キャラ設定は今回よりは軽めの、『ぐるりよざ』のが好みだ -
Posted by ブクログ
相変わらず、序盤はリーダビリティ皆無。5年経ち、新たな配属先に就いた二条君の周辺機構を、丁寧に、過剰に、ねちっこく100頁以上に渡って説明しています。
しかし、そこを抜ければ息もつかせぬスピードで、人質、犯人、交渉人との叡智の限りを尽くしたバトルが展開されます。コンゲーム風な展開に、ただただ翻弄されていると、突然降って出る不可能殺人に、これは本格ミステリなのだと気付かされ、また一段と引き込まれました。
そして、終盤は例によって例の如く、しつこいくらいのロジカルな推理が待っています。ここで、冗長に見えた前半にも伏線が張ってあったことに気づかされ、さらに、思いもよらぬ伏線が大量に回収されると、もう -
Posted by ブクログ
宮内さん目当てで購入し、やっぱり「空蜘蛛」が一番好みだったし、この短さの中で、物語と人物描写のみならず細かな部分(音楽や服装等々)も「抜かりなし」で満足。
影響されて、しばらくパッサカリアばかり聴いてしまった。
アンソロジーゆえ、他4人の、今まで読んだことがないラノベ系作家さんの作品に触れられたことも良かった。失礼ながら、どなたも存じ上げなかったし、好みはあるものの、購入して損はなかった。(アンソロジー集は、半分以上の作品を気に入らないと、失敗したと思う)
他作品では、椹野さんの軽めの探偵ものが特に気に入った。舞台がイギリスなのも好み。貴族探偵エドワードシリーズを読みたくなった。