古野まほろのレビュー一覧

  • 警察官白書(新潮新書)

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    警察組織の話。各現業部門の平均的な考え方や思考パターンがわかって面白い。なんとなく感じてはいたものが、言語化されている、といった印象。

    肩肘張らずに読める。「ハコヅメ」「警察24時」などが好きな方にはお勧め。

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    2020年10月17日
  • 警察の階級

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    いままでの著者の著作と変わらず、軽快な語り口で警察組織に関する説明が厚く加えられている。

    今回は警察の階級を通した視点での話であり、この切り口でここまで詳細に記された文献は見当たらない。

    例えば、警部になるには何が必要で、昇進したらどのような仕事となるか、何をしなければならないか、さらに昇進するには、平均年齢は…などなど、事細かく説明が加えられている。

    警察組織に興味がある人は一度読んでほしい。

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    2020年10月17日
  • オニキスII―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    ファンタジー系本格警察小説
    やんごとなき血筋
    父に課せられる浪費義務(3000憶円は少ない!)
    謎の一会桑・・・一捜会(悪の検事復権組織)
    面白いし部下にへいきで寝技をさせる

    ロシア関係も歴史調べないといかんな(´・ω・`)

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    2020年09月30日
  • 終末少女~AXIA girls~

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    こわいけどおもしろかった。
    どういうことなのかなぁとずっと曖昧に気になってた設定がいきなり最後に提示された瞬間、ストーリーがくっきりして気持ちよかった。
    おもしろかったな。

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    2020年07月23日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    新本格30周年を記念して刊行されたアンソロジー。東川篤哉、古野まほろ、青崎有吾、周木律の作品は読んだ事があったけど一肇と澤村伊智は初めて。どの話も長くはないもののその短さでしっかりとまとまっていて尚且つどれも面白かった。別のアンソロジーを読んだ時はちょっと落胆したものだけど今作は全然がっかりせずに最後まで楽しく読めたなぁ。気に入ったのは一肇の「銀とクスノキ ~青髭館殺人事件~」かな。

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    2020年06月20日
  • 新任刑事(下)(新潮文庫)

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    ミステリー仕立てであるが、フーダニットとして楽しむ以上に、著者あとがきでもいうように、お仕事小説として捉えるほうがよさそうだ。全体のフォーマットは著者の前作と共有している。
    誰もが知る「愛予市」であるがゆえに、Suica?という言葉は悪目立ちしすぎるように思った。

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    2020年05月09日
  • 新任刑事(下)(新潮文庫)

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    なんと言ったらいいのか、最後にとんでもない、まさに思ってもいない大どんでん返しがあって、そこは紛れもなく警察ミステリーなんだけど、そこへ至るまでの経過がちょっと変わっていて、異質の警察小説だ。
    このどんでん返しに至るまでの流れは、はっきり言ってつまらない。タイトル通り、新任の刑事が現場に入ってどんな仕事をしているのか、という、いわば刑事のお仕事小説の体をなしているからだ。
    変わった手法の謎解きだ。再読はないけど。

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    2020年05月02日
  • 臨床真実士ユイカの論理 ABX殺人事件

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    話された文章の客観的な真偽と話した人が嘘をついているか否かを判別する障害を持つ臨床真実士本多唯花シリーズ2作目。前作で設定が理解出来ていたからか結花独特の語りも気にならずさくさく読める。今回は唯花の元に届いた連続殺人を止めてみろ、という挑戦状に障害を元にした論理を武器に挑む話。サブタイトルの元ネタと同じく一見関係なく見える被害者達、調べていくと意外な繫がりが見えてきて…なんだけど関係者それぞれが認識している事実から真実を構築して微妙に隠された嘘を暴く展開は相変わらず精緻。結構置いてけぼりにされる作品が多い中で今回は最後までついていけた。まほろ入門編にはいいかも。でもこれシリーズ一作目読むのしん

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    2020年04月13日
  • オニキス―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子―(新潮文庫nex)

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    メアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリという本名を持つ主人公は、英国のビーコンズフィールド連合王国公爵と日本の皇族西有栖宮家の女王との間に生まれた「家格と財力とにめぐまれすぎた令嬢(本文9ページ)」です。
    そして、警察庁直属の警視正で、全国の警察内部の不祥事を秘密裏に捜査処理する「監察特殊事案対策官」でもあります。
    ひとたび上官たる警察庁長官から命令が下ると、普段は公爵家の執事である安藤警視と、同じく二級従僕である鳥居巡査部長を率いて、自家用オスプレイで現場(当然どこかの警察本部あるいは警察署)に急行し、明晰な頭脳と(桁外れの)実弾の力で事件に挑むのです。
    古野まほろさんの他作品ともリンク

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    2020年02月09日
  • 時を壊した彼女 7月7日は7度ある

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    未来からやってきたタイムマシンがなぜか爆発、その影響で一人の友人が死んでしまう。彼を理不尽な死から救うため、未来人と現代人は過去に記憶を転写して事故を防ごうとするものの。何故か失敗の連続。これは本当に運命なのか、それとも誰かの作為なのか。サスペンス感も溢れるSFミステリ。
    過去に戻るにおいてのルールや因果律など、SFを読みなれない者にとってはややとっつきづらい要素がいろいろとありますが。そこがミステリとしての要でもあったので、これはがんばって読んでおかないといけません。前置きが少し大変だったものの、入り込んでしまえばあとは一気。繰り返される試行の中でもまたしても繰り返されてしまう死。さらに増え

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    2019年12月15日
  • 外田警部、TGVに乗る

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    日仏の警察や高速鉄道、大使館や外務省を中心とする官庁に関する蘊蓄を、後半は外見や口調からはうかがい知れない外田警部の推理を堪能。さすがだ!シリーズ2作目のようだが1作目も読んでみようかな。

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    2019年10月12日
  • 全日本探偵道コンクール セーラー服と黙示録

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    セーラー服シリーズの聖アリスガワ女学校の三人娘と天帝シリーズの勁草館高校の三人娘が高校生探偵の日本一を決める「全日本探偵道コンクール」の決勝戦を争う話。古野まほろファンとしては夢の作品!横溝正史ばりの世界観とそこで起きる事件の謎を解決するわけだけどこの作品はまだまだ前哨戦にすぎない…!というわけで続きはよはよ!

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    2019年10月05日
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)

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    古野まほろについては、警察組織解説?の新潮新書を読んだだけだったが、小説へ転身、それも「新潮文庫」とは!。上巻は、新人警察官の交番配属一日目を、本当にみっちりと書きこんであり、驚き。

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    2019年10月05日
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)

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    上原頼音、22歳。職業、今日から警察官。はじめての24時間交番勤務。立番・巡回連絡・職務質問・無線の使い方・出前の取り方…「バカヤロウ」と何度も怒鳴られながら、組織で働く社会人としての、そして地域を守る警察官としての心構えをたたき込まれる。そんな新米巡査の日常の中に、少女連続行方不明事件の手がかりが潜んでいた。

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    2019年09月19日
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)

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    内田希、22歳、女警。飛び抜けて優秀な彼女には秘密がある―。少女連続行方不明事件の目撃情報と、警察署内の「開かずの間」の噂。わずかな手がかりから事件の真相に迫る二人の新任巡査の背後に襲いかかる凶刃、そして命の危機…。巧緻に張り巡らされた伏線の先に浮かび上がる驚愕の真犯人とは。

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    2019年09月19日
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫nex)

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    ー 新幹線には、手荷物検査がない。乗客は、駅弁だろうと ペットボトルだろらと、文庫本であろうとキャリーケースだろうと、自由に持ち込める。持ち込めるし、要らなくなったモノを捨てるのもカンタンだ。誰でも知っている。新幹線の車両には、御丁寧にも、ごみ箱が設置されている。

    しかも。
    この密室の動静をコントロールするのは、乗務員と、防犯カメラしかない。日本を象徴する、新幹線という絶好の舞台なのに、だ。これがテロゲリの対象にならなかったことは、むしろ奇跡だろう。

    しかし…
    …その奇跡は、今朝で終わる。 ー

    スピーディーな展開、警察庁にある異能の特殊部隊というぶっ飛んだ設定、捜査のリアリティ、自然と

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    2019年07月14日
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)

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    上原頼音、22歳。職業、今日から警察官。はじめての24時間交番勤務。立番・巡回連絡・職務質問・無線の使い方・出前の取り方…「バカヤロウ」と何度も怒鳴られながら、組織で働く社会人としての、そして地域を守る警察官としての心構えをたたき込まれる。そんな新米巡査の日常の中に、少女連続行方不明事件の手がかりが潜んでいた。圧倒的な熱量とリアリティで描き出す“警察お仕事小説”。

    以前から気になっていたが、初めて読む作家の作品。どこまでリアルなのか、ぜひ現場の方々にたずねてみたい。

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    2019年05月04日
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)

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    警察情報小説、あるいは新人巡査の成長物語の小説かとの思いは、下巻に入り見事に裏切られた。
    新人巡査の交番勤務が丹念に綴られる上巻から一変し、少女連続行方不明事件がメインとなって、とんでもない展開となる。
    新人巡査たちはどうなるのか予断を許さぬ状況で、そして犯人は予測もつかない人物・・・
    思い返せば様々に張り巡らされた伏線があり、読み手も手玉に取られたの感。
    「警察小説史に残る大作」との文庫帯は伊達ではなかった。

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    2019年04月17日
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)

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    警察学校での講義から始まり、初任務の交番勤務=立番や巡回連絡等と、新任警察官が歩むコースが丹念に描かれている。
    警察の仕事及び警察官に興味があり、あるいはその職を求めようと思うなら、読んでおくべきお仕事小説と言っていい。
    よくもまあ、ここまで緻密に描かれるものだと思ったら、著者はキャリアとして警察庁に入庁した経歴の持ち主だそうだ。
    新米巡査が、指導官などに怒鳴られながら成長してゆく様は、青春小説の趣き。
    大きな事件もなく、このまま警察情報小説で終わるのかと思っていたら、そうは問屋が卸さなかった。
    この署管内で数年前から、少女連続行方不明事件が起きているという。この事件が、今後どう展開するのか、

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    2019年04月17日
  • 警察官白書(新潮新書)

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    母集に属するものが作るステレオタイプと、母集団の外にいるステレオタイプは異なることに注目して、警察官自身が描く典型的な警察官象を部門・専門ごとに書き出していくのが本書。

    警察官の無形資産としての豊富な信用、社会人になってからでも階級を上げるために度重なるテスト、刑法の事件を扱う警備から事件扱い何でも屋の生安(生活安全部)に時代が経つにつれて犯罪の主流がズレてきたことなども興味深い。ただし本書の一番の見どころは、部門によるあまりにも大きなステレオタイプの違いだと思う。

    地域・専務(生安・刑事・警備・交通)と大きく別れるこれらの組織は、何かいろいろ警察はやってるのだろう、で部門の名前さえ公安以

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    2019年03月19日