古野まほろのレビュー一覧

  • 池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟 II―グラン・コン編―(新潮文庫nex)
    カジノもののストーリーが好きなので、この巻からやっとそれらしい場面が始まって安心した。諸々に貼られた伏線の回収っぷりと、読者に気づかせる表現と気付かせない表現の使い分けで最後にはなるほど、と唸らせてくる構成が見事だった。
  • 池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟 I―プチ・コン編―(新潮文庫nex)
    なかなか面白かった。詐欺にはめる側と嵌められる側の思考がリアルに描かれているし、主人公達同級生4人がそれぞれのコネや能力を活用する様が読者に高揚感をもたらしてくれる。
  • ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録
    前作より更に設定が細かく、ページ数も多く、読みごたえがありました。横溝正史的な閉鎖した村で起こる見立て殺人とかわいい女子高生。謎解き部分が長くとられているのが良いです。フーダニット担当今日子は痺れました。古野まほろさん面白いです~。
  • 命に三つの鐘が鳴る~埼玉中央署 新任警部補・二条実房~
    舞台は1975年(昭和50年)左翼系過激派セクト「革命的人民戦線」と「革命的学労同盟」が血で血を洗う激しい闘争を繰り返している日本帝国。
    かつての学生運動の闘士でありながら、キャリア警官としての生活をスタートしたばかりの二条実房は、埼玉中央署 刑事第一課強行係の新任係長として、かつての恋人 佐々木和...続きを読む
  • 命に三つの鐘が鳴る~埼玉中央署 新任警部補・二条実房~
    果実を読んだのが半年前。その文体が余りにも独り善がりで、好きになれなかったのですが、ここ最近の多作ぶり、先輩からの熱烈な勧めを鑑みて、合わないからと無視するのはミステリ読みとしてどうなのかと、自問自答した末に“まほろ慣らし”として選んだのが本書です。
    結果、慣らすどころかすっかりハマってしまいました...続きを読む
  • 群衆リドル~Yの悲劇’93~
    「天帝ワールド」って呼んでええものかはともかく、これも「天帝」シリーズにリンクする作品だった。
    骨子は真っ当な本格で、でもやはり古野スタイルに溢れる、期待を裏切らないものだった。
  • 新任警視(下)(新潮文庫)
    単行本で読んだ時すごく良くて、文庫が出て自分が異動になったら読んで勇気をもらおうと思っていたのを実行。
    好きだなーとやっぱり思えたし、がんばろうと思えた。
  • 女警
    ●さすが警察官僚の著者。詳細や略称に詳しい。マニアを唸らせる描写。
    ●ストーリー自体はほぼ読めるから、あとはその細かさが売りだが、途中途中に説教臭さが出てしまうのは御愛嬌。私は好きだけどね。あと、なんとも言えない語り口調も笑。
    ●ラストの本部長のラスボス感はよい。半沢みたいにドラマ出来そうな勢いだ。...続きを読む
  • ロジカ・ドラマチカ
    今年読んできた小説の中では最もクセのある作品でした。

    警察組織のキャリア男性と言語能力が秀でた女子高生が、日常で耳にした他人の会話の一端を題材にし、それを口にした人の真意を、会話内容のみから互いにロジックを組み立て証明するというゲームに興じる話。

    言葉の意味や日本語の文法から論理を構築し合う過程...続きを読む
  • ロジカ・ドラマチカ
    古野まほろさんといったらこのしつこいくらいの確認と推理ですよね。読み慣れていない人はかなり読むのがきついと思います。
    古野さんの作品の中でもなかなか上位にくるくらいの好きな終わり方でした。幸せでよかった!と思いました。
  • 新任警視(上)(新潮文庫)
    早々に事件が起きるが、上巻は550ページを警察情報紹介に費やして終わった。個人的にはそれはそれで面白かったが、人によっては、事件捜査が進まないことや、課長室内部の細かな間取りや調度品の描写はイラつくかも知れない。
  • 禁じられたジュリエット
    古野まほろが2017年に発表した「禁じられたジュリエット」の文庫版。炎上事件のせいで微妙な位置に追いやられてしまった感がありますが、読み応えのある作品です。「ミステリ小説」が退廃文学として禁書となっている日本が舞台。禁書に触れてしまった女子高生たちの矯正プログラムが幕を開ける。終始、舞台を見ているよ...続きを読む
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)
    最初は独特な表記と丁寧すぎる警官のお仕事描写にウッとなったが、徐々に慣れた。
    ミステリ謎解きの部分はとても良かった。
    作者の方が元警察キャリアだけあって、内情がとても詳しく書かれていたので、パトロール中のお巡りさんを見て『お勤めご苦労様です!!!!』って心の中で叫ぶようになってしまった
  • 復活―ポロネーズ 第五十六番―
    侵略と蹂躙の描写が酸鼻を極めるため、読み続けるには我慢が必要。もう少し、カタルシスがあればよかったのにと寂しくなるくらい終局はばたばたと。紅死神の正体は匂わせていたけど、そういうことでよいのかな。
    p186「今を春辺と咲くやテロゲリ――」
  • 侵略少女~EXIL girls~
    これは……!
    なんて形容したらいいか分からない!
    多分、ジャンルとしては本格ミステリなのだろう。しかし、ストーリーが難解すぎる。
    表面上のストーリーは分かりやすすぎるくらい分かりやすい。そこに宗教学や政治学も絡まっており、ストーリー以外の厚みを与えている。
    あえていうなら、著者の思想小説と言えるかも...続きを読む
  • 叶うならば殺してほしい ハイイロノツバサ
    620ページという長編ながら、一気に読み終える勢いがある
    箱崎ひかるという個性あるキャリア警察官と、捜査官たちにより、未成年者による凄惨で鬼畜な事件が明らかになっていく
    被害者と加害者の立場と贖罪が、交差しての複雑な構図
    かなり重い内容でありながら、読ませる筆力は、警察官僚?であった筆者ならではかも...続きを読む
  • ロジカ・ドラマチカ
    わたしも、日本語の細かいところが気になってたまらない質なのでとても楽しめました。
    登場人物を変えてシリーズ化してもらえるとうれしいです。
  • 女警
    某駅前交番で警察官が射殺された状態で発見され、当時勤務していた実務1年目の女警が行方不明となり、4時間後自殺体で発見される。2人の間に何があったのか。
     警察組織やしきたりの説明が長くスピード感がない。それよりも何よりも結末が、どうもスッキリとはしない幕切れに感じてしまった。
  • 新任警視(上)(新潮文庫)
    一般人には知る由もない警察キャリアの日常を描く、しかしこれが本題じゃないんだからどこで話が切り替わるかとワクワクと読み進めていたら上巻終わっちゃったな。
  • 新任警視(上)(新潮文庫)
    キャリアの警察官が、愛媛県警と思われる警察本部の公安課長に就任。
    テロ集団と化した宗教団体と戦いに挑む。
    人情味、会話劇がたっぷりとあって、面白かった。
    下巻の最後の大どんでん返しは、前振りが多すぎるけど、ギリギリ感がたまらない。