古野まほろのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
悩みすぎて身体から魂が離れかけている重症な人にしか見えない不思議な紅茶屋の話です。
陰陽師も紅茶も好きなので楽しく読めました。
ストーリーも小難しくなくハッピーエンドだし。
しかもぬいぐるみ型式神も一途で可愛い!
いんだちゃんは私が巳年のせいか1番好きです。
候う口調なのも面白い(笑)
他の式神も同じ口調なのかな?それとも違う個性があるのかな?
紅茶の詳しい描写からまほろさんの紅茶愛がよくわかりました。
ミルクも砂糖も入れないと飲めないし道具も作法も入れ方もわからない。
そんなんちゃって紅茶好きの私にはどれもピンとわかるものではなかったけれどとても美味しそうだな、と思いました。
茶請けと -
Posted by ブクログ
舞台は1975年(昭和50年)左翼系過激派セクト「革命的人民戦線」と「革命的学労同盟」が血で血を洗う激しい闘争を繰り返している日本帝国。
かつての学生運動の闘士でありながら、キャリア警官としての生活をスタートしたばかりの二条実房は、埼玉中央署 刑事第一課強行係の新任係長として、かつての恋人 佐々木和歌子を奪った元同志であり、親友でもある我妻雄人を取り調べることになります。佐々木和歌子殺害の容疑者として。
罪は認めているものの、一切の動機を語らない我妻と二条の、取調室での息詰まる駆け引きの行方は…
昭和50年の過激派闘争?日本帝国?
そう、これは古野まほろさんのデビュー作から続く、一連の「天帝 -
Posted by ブクログ
果実を読んだのが半年前。その文体が余りにも独り善がりで、好きになれなかったのですが、ここ最近の多作ぶり、先輩からの熱烈な勧めを鑑みて、合わないからと無視するのはミステリ読みとしてどうなのかと、自問自答した末に“まほろ慣らし”として選んだのが本書です。
結果、慣らすどころかすっかりハマってしまいました。動機を極めて理論的に解明する。というのが本書の目指すところですが、その企みはまずまず成功したと言っていいと思います。一部、後出しジャンケンのような情報の出し方もありましたが、大きな瑕疵ではないでしょう。
このロジカルさに惹かれたのも勿論なのですが、何より魅せられたのが、目眩く因果の果てに訪れる悲運