古野まほろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの手の小説なので、人物が描けてないとか、設定があまりに現実離れしているとかの批判はすべきでないかもしれない。ただ登場人物にもほとんど感情移入が出来ず、あまりの理屈っぽさに投げ出しそうになった。ホームズ役のユイカちゃんにもう少し可愛げがあれば、もっとこの作品を楽しめそうな気がした。
それでも読み進め解決篇に至ると、ものすごい力業での解決で、「それはないでしょ」と心の中で叫びながら読み終えたが、論理的には破綻してる所はないので、見事に作者の手管に騙されたというべきなのかもしれない。
途中で感じた違和感を大事にしていたら、自分でも謎解きが出来たかもしれない。
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Posted by ブクログ
以前から気になっていた著者の作品。
小学校で起きた無差別大量殺人事件をベースに、引きこもりや、組織の功罪について問いかける様な内容となっている。
著者はいわゆる「キャリア」だった。
経歴から見るに、おそらく30代で退職しているのではないか…加えて、女性かなという気もしたが、そこはあまり作品には関係のないことだ。
さて、本筋。
隠された真実、読み飛ばしていたパーツには「やられた」と思った。
真実のうち、一部は予想できたが、こんな終わり方になるとは。
肝心の人々がほとんど口を開けず終わるのは、謎解きとしては難しくなる。
そしてこの結末。
納得はできない。真実も責任も果たさぬまま、隠されたままで -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下、印象的作品。
◆東川篤哉『陽奇館』。予想外の結末でびっくりしました。まさか探偵が死ぬなんて。
◆一肇『銀とクスノキ』。館はあくまで舞台装置という印象。(そういう意味では、澤村さんの作品の方がまさにその舞台って感じかな。)メインは一人の女の子の心を救うお話。罪善くんのキャラ良かったなー。
◆周木律『煙突館の実験的殺人』。一番びっくりしたのがこれ。急に世界が、スケールが大きくなったな。
◆六作共通して言えるのは、登場人物の名前が特徴的。あと、なぜ「白」なのかはよく分からない。
唯一はまれなかったのが古野さんの『文化会館の殺人』。登場人物、特に探偵役の言葉使いとか、改行の感じとかかな~。その -
Posted by ブクログ
警察社会のディティールの書き込みがスゴイ。
それゆえの心の揺れが感じられ、好きな人にとってはたまらない世界観で物語が展開していく。
でも、警察ではないけれど、会社組織に身を置く私は、本書の描く組織のダイナミズム世界に入り込みたいとは思わない。また、物語の核になる事件が、主人公の中でのみ消化されてしまう様が、本作品を著者の論文に仕立て上げてしまっている。
結末は、警察世界の住人にとって驚きの結末かもしれないが、外界の住人にとっては理解の範疇を越えてしまっている。特に後半、抽象的な心理描写が多いので、とばし飛ばし読み進めることになった。
少し残念な印象。 -
Posted by ブクログ
古野まほろ初心者にはおすすめできないな、と個人的に思った。まほろ節がめちゃくちゃに効いてて(10年弱まほろさんを読んでいる私でも)表現がすごいしつこかった。嫌いじゃないけど!
あとは、まほろさんにしては結構事件の犯人が想像出来る感じに構成されてたなと思った。途中から「あ〜この人かな」っていうのがなんとなく分かって、いつもよりドキドキ感とかスリルみたいなのがちょっといつもより足りなかったかなと私は感じた。まほろさんの本は集めておきたいから買ってはいるけど、読み直すのはきっと何年後とかだな〜…短スパンで噛み砕くために読み直すのはちょっときついくらいのしつこさだった。面白くないわけではないから星3で