古野まほろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
警察社会のディティールの書き込みがスゴイ。
それゆえの心の揺れが感じられ、好きな人にとってはたまらない世界観で物語が展開していく。
でも、警察ではないけれど、会社組織に身を置く私は、本書の描く組織のダイナミズム世界に入り込みたいとは思わない。また、物語の核になる事件が、主人公の中でのみ消化されてしまう様が、本作品を著者の論文に仕立て上げてしまっている。
結末は、警察世界の住人にとって驚きの結末かもしれないが、外界の住人にとっては理解の範疇を越えてしまっている。特に後半、抽象的な心理描写が多いので、とばし飛ばし読み進めることになった。
少し残念な印象。 -
Posted by ブクログ
古野まほろ初心者にはおすすめできないな、と個人的に思った。まほろ節がめちゃくちゃに効いてて(10年弱まほろさんを読んでいる私でも)表現がすごいしつこかった。嫌いじゃないけど!
あとは、まほろさんにしては結構事件の犯人が想像出来る感じに構成されてたなと思った。途中から「あ〜この人かな」っていうのがなんとなく分かって、いつもよりドキドキ感とかスリルみたいなのがちょっといつもより足りなかったかなと私は感じた。まほろさんの本は集めておきたいから買ってはいるけど、読み直すのはきっと何年後とかだな〜…短スパンで噛み砕くために読み直すのはちょっときついくらいのしつこさだった。面白くないわけではないから星3で。 -
Posted by ブクログ
新本格30周年記念アンソロジー。
1.「陽奇館(仮)の密室」(東川篤哉)2…建築途中の館での密室殺人
2.「銀とクスノキ〜青髭館殺人事件〜」(一肇)4…目の上のたんこぶである女友達と幽霊屋敷探訪
3.「文化会館の殺人—Dのディスパリシオン」(古野まほろ)3…演奏コンクールでの失敗からの悲劇
4.「噤ヶ森の硝子屋敷」(青崎有吾)4…すべてがガラスでできた透明な館で起こった殺人事件
5.「煙突館の実験的殺人」(周木律)3…「CUBE」的不条理状況での連続殺人
6.「わたしのミステリーパレス」(澤村伊智)4…遊園地のびっくりハウスに拉致監禁された女性
本書は「白」だが「黒」もあるのでそちらも楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ある地方都市で、発砲音が聞こえたという通報がきた。該当する周辺を捜索したところ、交番内で警察官が射殺されていた。当時、女性巡査と2人1組となって勤務していたのだが、その女性巡査は行方不明であった。後にミニパトで逃走し、車内で自殺となって、発見された。
警察を揺るがす事件に監察官室長の理代も緊急出動した。なぜこのようなことが起きたのか?
上司のパラハラ?あるいはセクハラ?様々な憶測が飛び交いながらも、上層部は早々に事件を切り上げようとしている。
果たして、事件の真相とは?
男社会で生きる女警察官の生き様や本音などが垣間見れました。本格的な捜査というよりは、監察官の立場上、一歩引いたところから捜査されている印象がありました。
加害者と被害者の両方の関係者からどんな人物だったのか?どんな悩みを持っていたのか?など証言を重視した捜査をしています。
ふと頭に浮かんだのが、
「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きているんだ!」
有名な映画の1シーンのセリフですが、この作品では、会議室という狭い空間での会話劇を中心に事件解決へと導いていきます。
なので、ひたすら詳細に語っているので、ちょっと退屈感はありました。約500ページくらいあるので、もう少し凝縮しても良かったのではとも思ってしまいました。
関係する二人の印象が、登場人物が入れ替わるごとに変化していくので、人の印象による恐さを感じました。なので、どれも真実かと思いますが、ミスリードするかもといった懸念も感じられました。
事件の真相に迫るというよりは、事件の背景の方にメッセージ性があるように感じました。「昭和」気質のある男社会の中で、女性がどのようにして対応されたのか。
色んな苦悩や不満が登場するのですが、そういった部分では、男として反省しなければと思う所もありました。
良かれと思ったことが実はアウトだったのでは?
色んな解釈があるかと思いますが、気をつけなければならないと思いました。
色んな証言から、理代はある真実に辿り着くのですが、警察官射殺事件に隠された真相に辛すぎると思ってしまいました。ただし「死人に口なし」なので、本当かどうかはわかりませんが、着々と道順を辿りながら、推理していく理代の描写は惹きつけられました。
それまで、ずっと証言のシーンだった分、最終章は、「何かが動いた」ようなリズムだったので、楽しめました。
警察に限らず、昔気質のある現場は数多くあります。今の時代にどうアップデートしていくのかで、大きく変わっていきます。組織で生きてことへの理想と現実にため息をしてしまいましたが、「変える」努力もしていかなければならないなとも思いました。