あらすじ
何度、何度、何度くり返しても彼の死だけが変わらない星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。命がけの青春を、私達は生きている。運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ☆☆☆7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。原因は、未来からきた少女2人。彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい──遡れるのは計7回、無限に思える選択肢。繰り返す青春の1日は、命がけだ。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
未来からやってきたタイムマシンがなぜか爆発、その影響で一人の友人が死んでしまう。彼を理不尽な死から救うため、未来人と現代人は過去に記憶を転写して事故を防ごうとするものの。何故か失敗の連続。これは本当に運命なのか、それとも誰かの作為なのか。サスペンス感も溢れるSFミステリ。
過去に戻るにおいてのルールや因果律など、SFを読みなれない者にとってはややとっつきづらい要素がいろいろとありますが。そこがミステリとしての要でもあったので、これはがんばって読んでおかないといけません。前置きが少し大変だったものの、入り込んでしまえばあとは一気。繰り返される試行の中でもまたしても繰り返されてしまう死。さらに増える犠牲者。特に四回目が酷い……まさかの展開には絶句するばかりでした。いったい何故こんなことに!?
明かされた「犯人」とその動機にも愕然。だからあれほどにややこしいあれやこれやが詳細に語られていたわけか。そしてそこここに仕掛けられていた伏線の数々にもやられました。
そして高校生たちの友情と恋愛感情がない交ぜになって発生しうる様々な思惑。そこから事件へと誘導されてしまう心理がなんとも悲しくて。隠された未来の姿も希望に満ちたものでもないようだし、本当にこれは幸せに終われる物語なのだろうか、とどきどきしっぱなしでした。未来なんて知らないほうが幸せかもなあ。
Posted by ブクログ
2020年7月7日、七夕の夜に高校の屋上に集まった吹奏楽部の光夏、真太、一郎、英二、詩花の5人。演奏中に突然爆発が起き、気がついたら真太が転落死していた。爆発の原因は未来から来た、ハルカとユリという2人の少女。真太の死の未来を変えるため、吹奏楽部の4人と2人の少女は時を巻き戻すことに…。
2段組の500ページ越えの超ボリューム、正直書いてあることの半分ぐらいしか理解できてる気がしない。終盤に来て明かされる吹奏楽部の人間関係絡み合いすぎ。感情が重すぎやしないだろうか。ハルカと一郎だけでも幸せになれそうでよかった。
Posted by ブクログ
古野まほろらしく凝りに凝りまくったプロット。
だいたいタイムリープものは複雑だけど、古野まほろが書くとここまでになるのね~、と疲労感で笑ってしまった。
真犯人の動機はまあまあ斬新&理解できるものだったけど、その前の高校生たちの拙い恋愛模様には、ちょっと食傷。片想いだらけで、しかもそれが殺人の動機になるかというと、弱い気がした。
まあ、しあわせになった人たちもいる。
良かった。
読後感がよかったので、救われたなぁ、この作品。
Posted by ブクログ
練習中の吹奏楽部員を突如襲った謎の爆発、原因は未来からきた少女たちが乗っていたタイムマシンだった…。ただでさえ考えながら読み進めることが多い作者さんの作品なのに、今回のタイムリープモノはさらに苦労し冒頭で降参し、速攻で文末100Pへリープ。それでも十分楽しめた。さすが!