あらすじ
浪人生の渡辺夕佳の元に届いた、壮麗な西洋館への招待状。恋人で天才ピアニストの、イエ先輩こと八重洲家康と訪れた『夢路邸』には、謎を秘めた招待客が集まっていた。そこに突如現れた能面の鬼女が、彼らの過去の罪を告発し、連続殺人の幕が切って落とされる。孤立した館に渦巻く恐怖と疑心。夕佳とイエ先輩は、『マイ・フェア・レイディ』の殺意に立ちむかうことができるか!?
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「天帝ワールド」って呼んでええものかはともかく、これも「天帝」シリーズにリンクする作品だった。
骨子は真っ当な本格で、でもやはり古野スタイルに溢れる、期待を裏切らないものだった。
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一気に読んだ。
いや、読まされた。
キャラもお膳立ても、どちらかと言えば好ましく、ストーリーとしても面白い。
にも関わらず、なにか釈然としないものがある。
その理由が自分でも判らないが、☆一つ減。
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”群衆リドル Yの悲劇’93”古野まほろ著 光文社文庫(2013/08発売)
(2010/12 光文社単行本の文庫版。解説:有栖川有栖)
・・・謎の招待状によって集められた九人の男女。雪に閉ざされた山荘を舞台にした惨劇。彼らを繋ぐ糸と連続殺人の犯人の謎に挑むの天才ピアニスト。
・・・古典作品をモチーフにした作品。(”Yの悲劇”ではなく”そして誰もいなくなった”の方が近い。)
雪の山荘、暴かれる過去、マザーグース、ミッシングリング、密室と盛りだくさんなのですが、ちょっと好みに合わないトリックもあったのが残念でした。
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さすがに天帝シリーズの新訳とは違い、文庫化にあたって大きな変化はない。
改めて読むと、終盤のとある伏線に笑った。
巻末に作品世界・人物相関図つき。
二条さんが水里兄の先輩とか、イエ先輩と例の彼女がピアノ師弟だとか、本編で書かれてたっけ?
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再読。天才ピアニスト八重洲家康を探偵役としたイエユカシリーズ第一弾。昔読んだ時は知らなかったんだけど天帝シリーズの「天帝のやどりなれ華館」とも繋がりがあったんだね。それを踏まえるとこの事件の裏方にもあの子がいるんだなぁ…としみじみ。全体的なトリックとしてはちょっと肩透かし気味だけど犯人の動機は真に迫るものがあった。
Posted by ブクログ
今まで読んだ、まほろ作品の中では1番読みやすかったです。天帝シリーズのような、溢れんばかりの衒学趣味や、二条シリーズのような長ったらしい講釈がなかったせいでしょうか…
何やら示唆的でセンチメンタルなプロローグはいつも通り。
帯にもあるように、本格ミステリのあらゆるガジェットを放り込みながらも、散漫せず、ここまで綺麗に集約した手腕は流石です。
絶対に意識したであろう、某有名古典トリックの一部流用には笑ってしまいましたが、それすらロジカルに解明してみせるのですから、この著者の理論への傾倒ぶりには凄まじいものを感じます。
次作も手元にあるので、近いうちに読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
夢二邸に招待されたユカと天才ピアニストのイエ先輩、全く共通点の客が次々と「ロンドン橋落ちた」になぞらえて殺されていく。 犯人マイフェアレティは誰だ?