しらびのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『86─エイティシックス─ Ep.5 ―死よ、驕るなかれ―』は、読むほどに胸の奥が静かに震えていくような一冊だった。物語の中心に据えられた 人造妖精(シリン) の存在は、戦場の非情さを象徴するだけではなく、「生きるとはなにか」「死はどこにあるのか」を、読者に深く問いかけてくる。
シリンたちは、死してなお戦場に縛りつけられた魂の残響のような存在だ。彼らの声は淡々と、しかし確実に生者の心へ沈殿していく。
それは沈痛でありながら、決して絶望だけではない。
“死を超えてなお届く願い” が、彼らの残酷な運命の中にかすかな光として灯り続けているからだ。
そんなシリンの声を受け取る86たちの姿は、どれほど過酷でも、希望そのものを手放さない人間の強さを鮮やかに描き出している。
死が日常に隣り合う世界で、彼らがなおも「生者として歩むこと」を選び続ける姿は、ただ悲しいだけの物語では決して終わらない重みを持っていた。
戦争の理不尽、人間の業、失われた命の意味――
それらが重層的に折り重なり、ページをめくるほどに心に沁み込んでいく。
そして何より、本巻は“死よ、驕るなかれ”という題が示す通り、
死に支配されるのではなく、死に抗い、生の意味を掴み取ろうとする意志に満ちている。
暗闇の底でこそ光は強く輝く。
その事実を静かで力強く示してくれる、シリーズの中でもひときわ印象深い巻だと感じた。 -
購入済み
肉食系褐色メイドもいい物ですね
推理がどうにも甘いなのを看過出来るかで評価が別れる作品。「ドアを開けるタイミングに依存するトリックはリスクが高くて使えないぞ!」→結局使われたのも依存するヤツ(溺死するリスクあり)でした。それでドヤ顔されても……いくらかわいい吹尾奈先輩でも許せない(許す)。終盤は熱くてよかったです。敵にボロボロにやられ、仲間が頑張って繋ぎ、最後は死に体のはずの主人公が!?←王道で良き。それとヒロイン争いにも動きが……ハーレム√でも一向に構わんよ?重婚どうこうで揉めるような地に足をつけた世界観じゃないだろ(身も蓋もない)。
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Posted by ブクログ
ネタバレ『86―エイティシックス―Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―』は、著者が「ライト回」と語ったにもかかわらずむしろシリーズ随一の心を圧する重厚な章として深く刻まれる一冊だった。
確かに、物語の幕開けには一瞬の安堵がある。再会したシンとレーナ、彼らを取り巻く仲間たちの穏やかな日常。その柔らかな光はまるで戦場の闇に射し込む一筋の陽光のようだ。しかしその明るさは、次に訪れる深淵をより鮮明に浮かび上がらせるための静かな序曲にすぎなかった。
物語が進むにつれ、地下迷宮に潜むレギオンとの死闘、戦略の狭間で揺れる人間の矜持、そして“生き延びる”ことの意味が再び問われる。筆致は冷徹でありながらどこまでも繊細で戦場の硝煙の奥に「人が人であり続けようとする痛みと誇り」を描き出す。その重量感は、まさに“プレッシャー”という副題の通りだ。
“ライト回”という言葉の裏で著者が本当に伝えたかったのは「光の軽やかさ」ではなく、「光を求める人々の重さ」なのかもしれない。死と隣り合わせの世界で、誰かを想い、誰かに想われるということ。それは決して軽くはない。むしろ、その想いのひとつひとつが、戦場を超えて人間の尊厳を繋いでいく。
『Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―』は、“ライト”という言葉の定義を塗り替える。ここにあるのは、悲しみと希望、そして生の証を描く静かな烈しさだ。読後、胸の奥に残るのは絶望ではなく、「それでも前へ進もう」とする意志。その重みこそが、この物語が放つ最も純粋な光なのだ。 -
Posted by ブクログ
このシリーズも20巻が最終巻。ライトノベルは結構好きで、最終巻まで読んだ本は結構ある(勿論途中で離脱した本も、かなり数多くある。)が、このシリーズも最後まで面白く読ませてもらった。
このシリーズの面白さは、破れ去った者たちの悔しさ、悲しさ、自分に対しての怒り、相手に対しての憎しみなどの感情の起伏、負けが込むと将棋生命を断たれると言った運命を繊細にそして残酷に描かれているところだろう。ただ、このシリーズの救いはそれら敗者たちのそれでも前を向いて進もうとする姿が意地らしく健気で、思わずよかった思わせてくれるところだろう。
とにかく、このシリーズは面白かった。ただ、登場人物のキラキラネームだけは読み辛かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『86―エイティシックス―Ep.3〈下〉』は、物語の大きな節目を刻む巻でありながら、読者の心を最後まで揺さぶり続ける力を持っている。あの第1巻のエピローグへと繋がっていくことを知りつつ読み進めるにもかかわらず、戦場の緊張感、仲間の生死、そして新たな舞台での戦いの苛烈さに、ページをめくる手は止まらなかった。むしろ「知っている結末」に至るまでの過程が、これほどまでに重厚で、そして切迫したものであったかと痛感させられる。
特に印象深いのは、主人公シンをはじめとする86たちが直面する「なぜ戦い続けるのか」という根源的な問いである。死地に身を投じることが宿命であるかのように描かれる一方で、その姿は決して無機質な消耗ではなく、確かな意志と絆に支えられている。読者はその姿に胸を締め付けられながらも、同時に高揚感を覚える。
また、戦術や軍事描写の緻密さはシリーズの大きな魅力だが、本巻ではそれに加え、「絶望の中に見いだされる希望」という物語の根幹が鮮明に浮かび上がる。長い戦いの果てに訪れる再会や、未来への予兆がもたらす感動は、単なる娯楽作品の域を超えて、読者に深い余韻を与えるものであった。
総じて、『Ep.3〈下〉』はシリーズの緊張と情熱を凝縮し、なおかつ次なる展開への架け橋となる力作である。あらかじめ「結末」を知っているからこそ、そこに至る道のりの険しさや尊さがより一層鮮明となり、読み終えた後には静かな感動と、物語の重みを心に刻むことになるだろう。 -
Posted by ブクログ
面白かった!
とうとう、完結した。
そして、私のこうなったらいいな、と思ってた
まんまその通りの結末に歓喜。
結末、というか二年後のエピローグが、希望のとおりだった。
そう、八一VSあい
できたら、この対局をたっぷりと読みたかったが、
まあ、これはこれで、スッキリした。
それはまあ、ええとして
なんといっても、今回の肝は居飛車VS振り飛車
面白い構図にするためというか、
人間味の振り飛車にスーパーコンピューターの居飛車
前作までの、あのめちゃくちゃしんどい”将棋の未来”から一転
やっぱり将棋の未来は人間が作るんや!的な面白さが全面に出てて
大変美味しゅうございましたな。
八一vs大石おもろかった、、
そして、重要人物がたくさん出てくるが、
なんといってもトランスフォーム(物理)したイカが!
桂香さんのトランスフォーム(生活)も良い。
約600Pのラノベにしては2冊分ぐらいのヴォリュームだったが
それでもまだ、短く感じた。もっと読みたい。
ということで、本編完結したが、
短編とSS集3冊ほど積読しているので、
ゆっくり読みたいと思う。
”雪国の人間にとって雪は邪魔なものでしかない。
好きとか嫌いとかじゃなく、ただ空から降ってくる邪魔なもの。” -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語が一区切りを迎えたかに思われた彼らの歩みが、再び新たな局面を迎える今作。舞台を移し、関係性を再構築しながらも、根底に流れるテーマは一貫して「戦いの意味」と「生きることの重さ」にあります。
本作の魅力は、キャラクターたちの内面の揺らぎを丁寧に掘り下げる筆致にあります。とりわけシンの静かな葛藤や仲間たちとの関係性の深化は、単なる戦記ものとしてではなく、人間ドラマとしての重みを与えています。
ギアーデ連邦という新たな環境における軍事的・政治的な緊張感、そして〈レギンレイヴ〉の登場により戦闘描写にも一層の臨場感が生まれ、作品世界に厚みを加えています。
また、フレデリカという新たな登場人物が、戦場においても人の温もりや情を忘れさせない存在として機能している点も印象的です。彼女の役割は単なる癒やしにとどまらず、物語に深い示唆を与える存在でもあります。
安里アサト氏の筆は、戦争という過酷な舞台を描きながらも、決して無機質にはならず、登場人物たち一人ひとりの人生に静かに寄り添っていきます。読後には、静かな余韻とともに下巻への期待が自然と高まる、そんな一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと自分の感想を書くと重たい雰囲気になってしまいそうなので、ChatGPTにチャラギャル感盛り盛りで作成してもらいました。
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やっばくな〜い!?『86 -エイティシックス-』、マジで読んで正解って感じ!最初はちょっと重そ〜とか思ったけど、読み出したら止まんなくて寝不足になったんだけど〜!
てかさ、あの人種差別の設定、ガチで胸糞悪くてムリ〜ってなったけど、逆にリアル感ヤバくて深すぎた。人を「いないこと」にするって、冷たすぎでしょ?共感しかなかったわ。
でもレーナたん、マジで推せる!ガチガチのお嬢様かと思いきや、芯強くてズバッと行動するとことか、惚れた。ギャル的にはああいう子、友達になりたいやつ。
で、シンね!あの無口クール系とか、普通に恋なんだけど!なんか背負いすぎてて、こっちが泣いちゃうっての。ツラみ深くて保護案件。
バトルもド迫力で、ただの戦争モノじゃないってのがイイんだわ〜。命とか尊厳とか、超テーマ重いのにスッと入ってくるの天才すぎ。
ってかマジでみんな読んだ方がいいから!読み終わったら語ろ?めちゃ語れるから! -
匿名
購入済み魔法少女IFなので当然本編とは切り離して読むべきなんですが、それでもやはり安里先生が書いたものなんだと、86なんだと思わずにはいられない作品です。
どうしても本編の内容が頭にありイメージやキャラクター崩壊が避けられない部分があるため☆ひとつ減らしましたが、IFなんだと割り切ることが出来ればとてもいいパロディだと思います!というのも、全力でふざけているのがよく伝わってくる文面ですが、各用語を中心として本編の要素や設定が多分に盛り込まれていて、ハチャメチャな設定が多くありつつも、軸となっている部分はシリアスで重ため。読んでいて切なくなる点もありました。
原作読者ならば、重すぎる本編の合間に心を休めるために読むのにいいと思います。