あらすじ
奨励会三段リーグ。
四段(プロ)になれる者は2人だけという苛酷な戦場。そこに史上初めて女性として参戦した銀子は、八一と交わした約束を胸に封じ、孤独な戦いを続けていた。八一もまた、新たなタイトルを目指し最強の敵と対峙する。
そんな2人を複雑な思いで見守るあいと、動き出す天衣。そして立ちはだかる奨励会員(なかま)たち。
「プロになるなんて、そんな約束をすることはできない。けど――」
大切な人の夢を踏み砕くことでしか夢を叶えられない。それが将棋の世界で生きるということ。
銀子が、創多が、鏡洲が……純粋なる者たちの熱き死闘に幕が下りる。
奨励会編堂々のフィナーレ!
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今回も、熱い物語
藤井先生の活躍により、現実が小説を追い越している感じがあるが、女性プロ棋士誕生は小説が先
著者の、伏線を回収していく見事さは素晴らしい
Posted by ブクログ
過去一分量の多い巻だった(多分)。奨励会三段戦。地獄とも呼ばれるその場で戦う鏡洲さんや椚くん、辛香さんに銀子。その将棋に涙し、その人たちのバックボーンに感動し、最後の感想戦で戦慄した。これからどうなっちゃうんだろう…
圧倒的な展開力
相変わらず読んでいると引き込まれる本巻。登場人物も多く描かれていて楽しかった反面、前回までの流れがないと読み解けないフラグも多く上下巻のような印象を受けました。
引き続き期待してます!
Posted by ブクログ
素晴らしい。ある種予定調和の展開で、ハッピーエンドなんだけど、天才と凡人の差や、年月や努力が報われないことの残酷さの方が身に染みて、八一と銀子の今後が心配に。後を追う天才もいるし、前巻ほど幸せではなかった。
すばらしかった。
毎巻とても楽しみにしていて、本編も素晴らしかったがすべて感想戦にすべてを持っていかれた。
第5巻で名人に勝った時点で隣に立てる人間はいなくなり、ソフトに変わった。
そしてこの12巻でソフトすら立つことができなくなり、あいに変わった。
魔王の隣に立ち会話が成立するのは、銀子でも歩でも名人でもなくあいであることを再確認させられる巻でした。
このやいちの視点で書かれた努力で壁を打ち破る希望にあふれた話が今後どうなるか楽しみです。
熱い
ただその裏側には才能という残酷さが潜むんだなって
改めて八一のスペック・序盤:新戦術の開発&一晩で人の戦術改良、中盤:ほぼ最善手、混沌とした盤面:最高峰、終盤力:強すぎる、総合力:名人並
……なんやこのお化け、対戦相手がかわいそうすぎる。プロの中にも天と地の差があるんだね(遠い目
三段リーグとその先
プロ棋士の誰もが戻りたくないという三段リーグ。
12巻ではその三段リーグ最終盤が描かれる。
女性初のプロ棋士を目前にした空銀子、小学生プロ棋士の可能性をもった椚創多、最後の年齢制限を迎える鏡洲飛馬、編入試験を経た辛香将司、他の誰もが四段を目指して蹴落としあう鬼の住処。
だが、小説に描かれるのは人と人との感情のぶつかり合い、星勘定だけではない物語がここにはある。
全てが終わるその時、ほとばしる感情に当てられて読者も涙するだろう。
最高でした。
読み終わった後、どうしても応援したくなり、初めて、評価しました。17年ほど、ラノベ読み続けてますが、今までで、最高の読了感でした。本当に作者さんには感謝しかないです。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
面白かった。銀子の奨励会三段リーグ最終日。いやはや、これこそノベルの醍醐味というか、体の弱い薄幸の超美少女がプロ棋士になるとか、もうファンタジーの極み。非常に良いです、興奮しました。天衣の攻め手も良い感じ。あいちゃんの見せ場が少ないので、もうちょっと出てきてほしい。
Posted by ブクログ
奨励会編終了!
八一と銀子の仲は前巻で一気に進展し、そして今巻、銀子は女性初の四段に。
鏡洲は僕も好きなキャラクターの一人で、年齢制限で退会という結末は残念ではあるが、一番しっくり来る幕引きの仕方だとも思う。(残酷だが、これで四段になってしまったら物語的には興醒めだろう。陰影をつける意味でも鏡洲には去ってもらう必要がある。)
1〜2巻に一度ぐらいの頻度で所謂「名局」「名手」が登場するが(今巻は藤井棋聖の77同飛成)、そのうちストックが尽きないのだろうかと心配になる。プロ棋士とは言え、名手名局をポンポン出せる訳じゃ無いのに。完全に余計なお世話だが。
Posted by ブクログ
白鳥先生が長いことかけて書いてくれた1冊をほんの半日で読み終えてしまう。
本当に申し訳ないと思っています。
小学生の談合が物凄く大人で末恐ろしい!
Posted by ブクログ
「もし、あいつの視点で書かれた物語なんてものがあったら、それはきっと……どんな壁でも努力で越えられるとかいう、さぞ希望に満ち溢れたお話なんでしょうね。」
天才と凡人の物語、りゅうおうのおしごと、もう12冊目。
今回は八一が帝位挑戦のタイトル戦第1戦目と、並行して銀子がプロになれるかどうかの三段リーグ最終盤。
凡人側が熱い一冊でした(凡人といっても世間一般基準では天才の集団だけど)。
それぞれの対局がクライマックスになるたびに、読んでいるほうも息苦しくなるような、圧力を感じる将棋小説です。
ライトノベルとしてはなかなかに登場人物の多い本作、それぞれに人生を賭けた将棋への情熱があり、勝ったも負けたも結果に至るまでの長い長いバックグラウンドを抱えていて、物語的重さを感じます。
そしてこういうのを読むといつも、太刀川さん(ワールドトリガー)の台詞を思い出します。曰く「気持ちの強さで勝負が決まるって言っちまったら、じゃあ負けた方の気持ちはショボかったのかって話になるだろ」と。
しばらく小学生たちが脇役だったので、この後は出番が多くなるのかな。
フィクションを全て真に受けるわけではありませんが、将棋の世界はずいぶんと「ソフト」の影響を受けている様子。
コンピュータに敵わなくなったら衰退するのかとも思っていたけど、そうなっても人間同士の戦いは続いていくし、かといってソフトウェアを無視するわけでもないというのは面白いことです。
観戦側が逐一ソフトの評価値を見ながら有利不利を論じたりするのとか。