あらすじ
「プロ棋士になります」
就位式でそう宣言したあいは、女流枠で出場した公式戦でプロを相手に連勝を続ける。しかし勝てば勝つほど周囲から人は離れていき……。
一方、世界最強のスーパーコンピューターが計算した百年後の将棋を目にし、八一は絶望する。
それでも未来の将棋に立ち向かう八一に明かされる、もう一つの秘密。
それは――
「……久しぶり。銀子ちゃん」
激闘に次ぐ激闘! 悲しき運命に直面した時、人はそれを受け容れるのか、それとも乗り越えるのか!?
未来に挑む棋士の姿を描く17巻!!
「運命よ、そこをどけ――この飛車が通る!!」
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
スパコンが分析する100年後の棋譜とはどのようなものなのか。
それは作者の頭の中にあるものであり、本当のところ、将棋というゲームの最終解決が示されるかどうかは不明です。
ただ、面白いテーマであることは間違いありません。
それにしても、AIと将棋をテーマにすることを見据えて、ヒロインの名前を「あい/天衣」にしていたのでしょうか。
最後には、スパコンで動くAIが、人間の持つ「ゆらぎ」ないし「不確実性」(時にはスパコンを超える手を打つ要因にもなる)を具備するために八一との「結婚」を果たすという展開になったりして。
あ、これじゃ攻殻機動隊だ……。
将棋の歴史が示すものとは
奨励会に入る事なくプロ棋士になる。あいは自らの将棋界の伝統を冒涜する発言により多くの仲間からの信頼を失い、対局ではこれまで以上の敵意に晒される。だが、それはどうしても成し遂げる必要があった。渦中での碓氷前竜王との対局。八一への復讐心に溢れる碓氷は、あいを完膚なきまでに打ちのめす為に己が作り上げたシステムで追い詰める。それに対しあいは将棋の歴史が積み重ねたものを信じ立ち向かうのであった。表紙の銀子は出番が少なく、彼女の活躍を期待した読者はさぞ裏切られた事だろう。
Posted by ブクログ
ありふれた言葉でも、状況や魅せ方で熱く、胸を打つものにしているのが毎回本当にすごいと思います。
ここ数巻、コンピューター将棋の話やあいちゃんの試合がメインになることで、必然的に「若さと老い」の対比が描かれること多くなってきたように感じていて。
多くのライトノベルって、若い世代の価値観の横幅の広さを楽しませてくれるけれど、「りゅうおうこおしごと!」には縦の幅もある。だから好きです。
没入感が凄い
将棋はルールがわかる程度で時勢にも詳しくはないが、本当に今の将棋界で起こっているのではないかと錯覚してしまうほど、丁寧に作り込まれていて面白い!
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白くてあっという間に読み終わってしまった。ここ最近の巻はちょっと表現や見せかたが大仰過ぎて気になるような部分もあったんだけど、この巻はテーマも主人公の行動も結構ぶっ飛んでるし、落ち着いているパートは表現もしっとりしているし、ストーリーがいくつも進行して充実していたのでそこまで気にならなかった印象。
今までスポットが当たっていなかった人物に主観視点が移って心情が分かってくるのも面白い。椚くんとか。
Posted by ブクログ
スーパーコンピュータ「淡路」で100年後の将棋を探究する九頭竜八一。
タイトルを取り3段リーグをへず編入試験を求める雛鶴あい。
女流棋戦をすべて制しようとする夜叉神天衣。
療養を続け復活しようとする空銀子、空笙子から聞かされた遺伝の心臓病。
前竜王の碓氷尊と雛鶴あいとの碓氷システム(藤井システム)復活の戦い。
29連勝をかけた椚創多(藤井聡太)と捌きのマエストロ生石との戦い。
夜叉神天衣と祭神雷との女流帝位戦。
田舎へ帰っていた鏡洲飛馬を椚創多が迎えにいく。
千日手か入玉というコンピュータ将棋の結論は予想どおり。
最終的には人間がAIを反省させるという現実に追いつけるか?
Posted by ブクログ
今回は、エンディングへの布石といった感じかな
銀子ちゃんは?
淡路はどうなる?
あいは病気?
飛馬は?
とにかく、皆に幸せが訪れることを祈りたい
Posted by ブクログ
最近はずっとソフトと将棋の関係と女流棋士界隈の話の二軸で話が展開しています。
熱い展開はあるのだけど、話の都合で急にキャラが強くなったり弱くなったりしてる感があり少し違和感。
Posted by ブクログ
面白かった!ここ最近ので一番よかった。
今作の私的肝は、やはり夜叉神グループの”淡路”。世界最強のスーパーコンピューターでディープランニングして、将棋の未来を八一と天ちゃんに見せる、その影響。これこそラノベ(今のところ)。ここ最近、リア界に追い抜かれてる感あったし、なんか痒いラブロマ中心でしんどかったが(個人的感想)、やっぱり、こういうのが面白いねぇ。小学生がプロ棋士に連勝していくとか、無双とか。一番怖かったのが八一とその兄の会話シーンでの
P280のあの台詞
「すべての棋譜が千日手と相入玉だった。」
淡路が出した100年後の未来を破るのは
やっぱり”あい”の一手、ちゅう感じにしてほしいねぇ。
どっちの”あい”でも良えんで。