あらすじ
「私の中で将棋は終わったわ」
スーパーコンピューター《淡路》を使って将棋の解に至ったと嘯く天衣は、その言葉を証明するかのように着々と勢力(タイトル)を拡大していく。
《淡路》との対局を繰り返した八一もまた、親友との初めてのタイトル戦に寂しさを感じていた。
「遅すぎたよ……歩夢」
最強AIが見せた未来は本物か、それとも幻か? 雛鶴あいは自分の信じる道を進むため、その未来を否定する。賭け金は――自分の未来。
「……わかった。天ちゃんに負けたら、わたしは将棋を捨てる」
あいと天衣。八一と歩夢。競い合うことを定められた光と闇の好敵手(ライバル)が遂に盤を挟む、再戦の18巻!!
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
切り開いた将棋の未来
この巻の対局は天衣v.s祭神雷・八一v.s歩夢・あいv.s天衣の3局。どれも引き込まれましたが、八一v.s歩夢の対局が一番熱かったですね。八一がスパコンとの対局で辿り着いた将棋の結論(相入玉)を否定し、最後まで抗い勝利を掴んだ歩夢が大変輝いていました。入玉による勝利宣言はゴッドコルドレンの真名に相応しいセリフです。
あいv.s天衣は予想された結果になりますが、対局後の二人のやり取りで天衣が救われた感があります。天衣が対局の原点は人間である事をこの一局から再認識し、"良きライバルであり親友"としてあいを認めた事で二人の絆が深まりました。
ラストであいの体の不調が明らかになります。命に関わるものではなさそうですが。あい・天衣ともに将棋を捨てるような展開にならないと思いますが次巻が非常に気になります。
Posted by ブクログ
スーパーコンピュータの力を借りた棋士が無双、という単純なお話にはならなくて、将棋を指すのは飽くまでも人間である、という原点に戻るかのようなストーリィでした。
ただ、この小説に登場する棋士が、人間離れしているところがあるので、スパコンを超えることが可能だという側面もありますが。
ここのところ疎遠気味であった八一とあいの関係がクローズアップされてきたのも、個人的には良い流れと感じています。
大どんでん返し
個人的には、ラストで大どんでん返しを食らった。
特に15巻の女流名跡リーグでの供御飯万智との最終対局から、「どうせ、最後にあいちゃんが勝つ」というのが読者に読める作品になっていたと思う。
もちろん、話の内容は面白かった。
今回のあいvs天衣もあいちゃんが勝利したことで、私が少し失望していた所での、ラストの衝撃でした。
あいちゃんが生き急いでいた理由も、やっと判明して最終盤どうなるのか楽しみです。
Posted by ブクログ
ラストにむけて展開加速な巻で素晴らしかったです。
2人の「あい」の関係に一つの決着がつく巻でしたが、そこが終わりではなくて、新しくはじまるような、あるいは中途半端でまだ途中にいるような帰結になっていたのが、物語の都合に振り回されない、キャラクター達の意思や行動の結果として行き着いた場所に思えて本当に素敵でした。
Posted by ブクログ
神鍋歩夢を挑戦者に迎えた帝位防衛戦、失冠。
夜叉神天衣はスーパーコンピュータ淡路の示す死亡フラグを武器に。
祭神雷は、天衣とのタイトル戦で目から血を流し倒れる。
雛鶴あいは、プロ棋士編入試験の導入を求め将棋連盟と戦う。
夜叉神天衣と雛鶴あいの公式戦。にぎり詰将棋。
人と人との遊戯であり楽しいものだという基本。