あらすじ
「棋書を出しませんか?」
休場を選択した銀子と、関東へ移籍したあい。
二人の行方を追う八一が頼ったのは、女流棋士にして記者の顔も持つ供御飯万智だった。
「え!? 俺が将棋の本を書くの!?」
意外な条件に驚く八一。しかも万智は執筆に集中するためと、旅館でカンヅメになることを提案して……。
「……着いたで? 八一くん」
急速に接近していく幼馴染の二人。
一方、タイトル初挑戦を目指すあいは、東京で意外な人物たちとの同居を開始していて!?
女流名跡リーグ遂に決着!
挑戦権を手にするのは、あいか、万智か、それとも……!?
美しき野心と矜持と恋心が正面から激突する第15巻!!
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
自らを開花させる為に
八一の元を離れ東京に来たあいは山伐刀八段の世話になる。同居する事になった鹿路庭珠代はあいの才能に嫉妬しながらも、孤独な環境で一人戦うあいに次第に心を開いていく。一方、八一は供御飯万智の依頼で自らの棋書を執筆していた。女流名跡で迎えたあいと万智との対局。狡猾な山城桜花に可能性の翼たるあいが挑む。
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【どこまで行っても強さには果てはない、夢の道半ばを走り続ける】
更なる強さを求め、関東へ移籍したあい。そして、万智の勧めで八一が本を執筆する事になる物語。
八一の元から離れていく女性陣。
闇へと堕ちる八一を救う万智のある提案。
それは棋書を出す事。
才能のある棋士は、周りの才能も引き出す。
将棋は常に客観的に物事を俯瞰する事が求められる。
あいも珠代との修業の日々で己の弱さと真正面から向き合う。
タイトルを獲る事がゴールなのでは無い。
それぞれの棋士達はまだ夢の途中で。
八一が書いた本があい達次世代の更なる躍進に繋がるのだ。
Posted by ブクログ
2021年9月刊。恋人は失踪、愛弟子は関東へ移籍し、傷心の八一へ攻勢をかけたのは……。八一初の棋書の担当編集という立場を存分に利用し、八一にグイグイ迫る万智(幼馴染み)、八一に4億円のマンションを買わせ、同棲を始める天衣(弟子)と、二人の個性の違いが際立つアプローチが鮮烈!
一方、在京の棋士・山刀伐に引き取られた、あいは、彼の弟子・珠代と同居することになるが……。
本巻は、特に女性たちの奮闘をメインに置いた巻だった。女性であるが故に、蒙らなければならない不利益の数々が、珠代の口から赤裸々に語られ、思わず「ううっ、男に生まれてすみません」と思ってしまった。
エピソードが妙に具体的なので、筆者の取材の成果だろうか? これまでも将棋界にまつわる様々な問題を取り上げてきた本作だが、「女性が棋士であるための苦悩」という一部読者には敬遠されてしまうかもしれない深刻な問題に切り込めたのも、長期シリーズゆえの余裕もあるのだろう。
将棋に関する小説を取り上げた番組で、本作を取り上げなかった某国営放送のスタッフは猛省して欲しい(苦笑)。
閑話休題。
八一の異次元の思考の一端を理解した万智が、あいに挑む女流名跡リーグ戦はかつてない緊迫感に満ちており、俄然引き込まれた。両者の戦いの結末は意外ではあったが、確かに筋が通った展開であり、納得の結末だった。
真正のロリコンであるとか、人の気持ちに無頓着とか、毀誉褒貶、色々あるが、それでも終盤、八一が見せた銀子への想いの純粋さに、赤心に心胸打たれた。また八一の棋書を手に、涙する銀子に胸打たれた。二人には幸せになって欲しい。今はただそれだけを願う。(終)
Posted by ブクログ
鹿路庭さんの過去話が印象深かったです。そして雛鶴あいの「こうこうこう」が炸裂。これはヒロインの座にカムバックといってよいのでは!?
まあ、京都でのイチャコラはあんなもんでしょう。
Posted by ブクログ
幼馴染の供御飯万智とともに旅館で棋書のお泊り執筆。
休場してる銀子と、関東へ移籍したあい。
タイトル初挑戦を目指すあいはナタギリジンとロクロバタマヨと同居。
女流名跡リーグの挑戦権を。
おもしろい
安定安心のりゅうおうのおしごと!
今回もとても面白かったです
全巻からどんな続き方をするんだろう?!と思ったのですが期待を大きく超えてきました!
各キャラのストーリーがそれだけで一冊の本が書けるほど、どころか一つのシリーズが書けるほど濃密。出番自体は極小レベルでも一番のお姫様役はやはり銀子だったのが良い。
待っていました
新刊待っていました。そして今回も笑わせられ、そして泣かされました。
関東人なので、京都や大阪の地名はすぐにはピンとこないのですが、天橋立などの調査をして執筆しているのがよくしているのが分かります。
ヒロインにあいを持ってきた1話からすれば、銀子はともかく天衣や珠代などはやられ役と思っていましたが、ヒロインランキングをやれば、毎回順位が変わると思いますね。
終わりに近づいてきたと思います。おそらく銀子が正統ルートになるとおもいますが、ここまでくればあまりにも各キャラが魅力的なので、各ヒロインエンドの話も出版してほしいです。