しらびのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
共和国で迫害されていたシン達エイティシックスが連邦に移り住んでも意味を変えて別種の迫害が続く構図が描かれた前巻。その状況はこの3巻になっても変わらないのだけど、モルフォという人類共通の強敵が現れた事で軍内部での蔑視、世間からの憐憫は他所に置かれることになるね
その代わりに顔を出すのはエイティシックスが異邦人であり、戦いに赴く事に何の躊躇もなく、そしてその死を悲しむ者が本人達含めて居ない特殊性
モルフォ撃破の為に編み出された生還が限りなく不可能に近い特攻作戦。それに反対する者が直属の上司であるグレーテくらいしか居ない状況というのはあまりに物哀しいもの
また、エルンストとは別の形で庇護者として振る舞うグレーテもエイティシックスの理解者とまで成れていない点も哀しいね
グレーテはエイティシックスに寄り添おうと、彼らの理念を戦場に体現しようと努力している。けど連邦の理想や自分の信念を持って彼らに接する限りエイティシックスを理解なんて出来ないんだよね…
シン達も別に理解を求めているわけではないし、理解が可能とは思っていない。自分達に生還不可能な任務が宛てがわれたのも不満があるわけではない。でも、ここでセオが寂しさを感じたように自分達の道行の不確かさを嘆いた点は今後において変化させなければならないとの可能性を感じさせたよ
そうして始まった大規模作戦はエイティシックスを槍の穂先としつつも、共和国に無かった連邦の覚悟を示すものになるね
戦闘の中でもエイティシックスを侮蔑している点は変わらない。それでもエイティシックスこそモルフォを討滅すると信じ、そして国を守る為に命を懸けて戦っている
迫害の状況そのものは変わらなくても、その意味合いをほんの少し変えるかもしれないもの
一方でその辺りから際立ってくるのはエイティシックスにおけるシンエイ・ノウゼンの特殊性
エイティシックスは連邦の温もりに染まらず、軍部においても異次元の強さを見せた為に白眼視された。それはエイティシックスが連邦でも浮いた存在だった事を示している
けど、軍から離れてキリヤが宿るモルフォが近づくに連れ顕わになっていくのはエイティシックスの中でもシンが浮いた存在である事実だね
亡霊の声が聞こえ続け、エイティシックスの中でも別格の強さを持つ。何も叶えられずに死ぬ筈だったエイティシックスの中で唯一目的を遂げてしまったのに、仲間から願いを託され生き続ける事が至上命題となってしまった
そうしてシンだけが抱えてしまった孤独と空虚さは仲間と共有できないもの
それに似たものを共有できるとすればそれこそキリヤだけであり、キリヤを討ち倒した後のフレデリカだけ。だから最終決戦の場に存在したのもその三者のみという事になる
シンはキリヤを撃破した先に得られる何かを全く持たないしのに、モルフォを倒せる力を持っているというのは皮肉な話。そんなシンがキリヤとの戦いの中で望んでいたかもしれない唯一は死に場所か……
辿り着いた筈なのに何処にも辿り着けない。生き残ったのに生きている気がしない
だからこそ絶望に包まれていたシンの前にあのレーナが辿り着いてくれた事に感動してしまう。この時、レーナは話し相手がシンと気付いていないから、その上で彼女が語る言葉はシンに対して格好つけるものではなく、彼女の信念として彼女の中枢に焼き付いているもの
なら、誰がそれを焼き付けたかといえばシンエイになるわけで
託されるばかりだったシンエイの前まで、唯一願いを託した相手が生きて辿り着いた。それは他の何よりもシンエイ・ノウゼンが未来へ辿り着いた証であり、生きている証となるわけだ
また、戦友には死を与える事しか出来なかった死神を前にして、シンが居たから生きていられたとレーナが断言したシーン等は本当に感動してしまいますよ……
モルフォを倒して人類が救われるわけではないし変わらずに不利のまま。希望は何処に有るとも知れぬ状況
それでもシンがようやく生きる理由や戦う理由を手にし、遂にレーナと対面を果たした。それらの誰にも侵されることのない事実はこの物語がとても尊いターニングポイントを迎えたのだと感じさせたね -
Posted by ブクログ
ヤンデレこっわぁ…。
読み終わった後に思うところとしては、コレ。
正確にはヤンデレではないんだろうけど、インパクトとしてはそんな感じになってしまいます。
何一つ間違ってないし、一途で真摯…なのだけど、どうにも背筋に冷たいものを感じてしまう。
特に、作中で描かれる棋士達の恋愛事情を読んだ後だと、それらとの対比がエグい…。どうしてこうなった。
というわけで、今巻は女流名跡戦をメインイベントとして、関わる女流棋士達の戦いを描き…と言いたいところですが、前巻の引きが強烈だったもので、そこのところを引き継ぐ勢い。真剣勝負に生きる勝負師たちの恋愛感情が描かれます。
正直、今巻は…釈迦堂先生可愛過ぎと言わざるを得ない。
将棋に全てを賭けてきた釈迦堂先生の過去と、今。なんかもう、色々切ないんです。幸せを切り捨ててきた女性って、ホントにもう…。
彼女の過去を語る人たちの言葉、彼女を想う人の言葉。そして、彼女自身の口から語られる想い…。不器用と言えば不器用だけど、そんな風にしか生きられなかった過去は確かにあって…今を縛っているのが、切ない。
それを背景として。
「ゴッドコルドレン」歩夢の戦いが熱い。
才能、研究、時代の流れ…余りにも険しいA級の戦場で、自分が信じた美学、愛したもののために戦い抜く姿が熱過ぎる。
イケメンな外見とはそぐわない、無骨で応用が利かないただ一つを信じ続ける強さ。それが彼の愛と重なるわけで…これはもう応援してしまう。頑張れ、頑張れ歩夢きゅん!
更に釈迦堂先生自身も凄い勢いで実力解放してて、凄い。
今巻に至るまでの間、釈迦堂先生自身はすでにいくつものタイトルを失冠しており、残るは女流名跡ただ一つ。もはや全盛期のピークは過ぎ、あいが勝利するのはもはや約束された結末…と思わせていたわけですが(多分皆そうですよね?)。
しかし、真の実力は……と説得力と迫力を持たせて描いているのです。正直、少年漫画的な要素ではありますが、「これでいいんだよこれで!」と思ってしまう熱さなので問題なし! うわぁ、あい負けちゃうのでは、これ…?
今巻は恋愛、真剣勝負、どちらも超ハイレベルで面白かった、超充実の1冊だったと思います。
背筋がゾクゾクしたし、ウルッときちゃったもんなぁ…。
続きは(展開的に)不安しかないけどもー(苦笑)
それにしても山刀伐先生。
…「コレ」でカッコいいって思わせるの…反則なのでは? -
購入済み
アニメの補完として
TVアニメをみて、ダイヤの死に間際のつぶやき
が知りたく、本書を購入したが残念ながら...
「愛してる、アンジュ」もっと深い言葉なのかな?
良いストリーでした。アニメを見直そう。
指揮権を継承したときのアンジュのつぶやきも
気になる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ2022年2月刊。最終章、突入!……のはず。巻頭に置かれた、レギオン戦争終結後にレーナが執筆した(と思われる)書籍の献辞に胸がざわつく。「故人に捧げてるんじゃね、これ?」と。本巻で、この献辞の伏線(?)は回収されなかったが、どうにも気にかかる。この献辞だと「シンとレーナは結ばれずに終わるのではないか?」と思えてならない。こんな不穏な献辞から、事態は急転直下。
レギオンによる衛星軌道からの奇襲攻撃で、人類側の各戦線が劇的に押し返される。だが何故か、共和国だけは、この攻撃対象から外されており……。レギオンの意図が読めないまま、連邦は共和国民の待避計画に着手するが……。
共和国の特権階級が、自分たちを最優先に避難させるよう、根回しているという描写にゲンナリ。これが最近、私がアニメ映画版を観た『銀英伝』のラインハルトの治世下ならば、鶴の一声で、特権階級の避難こそが、一番後回しにされようものを、とフラストレーションを感じてしまった。特権階級からの誓願書に翻弄されるレーナの描写はちょっと楽しかったが(苦笑)
しかし連邦軍の庇護の下、共和国市民の待避が始まると、「共和国だけが何故、奇襲攻撃を受けなかったのか?」の種明かしと共に、シリーズ屈指の地獄絵図が現出し、震撼させられた。
本来、機械知性故に、極めて合理的なはずのレギオンたちが,まさか……。しかも今後、〈羊飼い〉は機体が損傷しても、AIが流動化し、銀の蝶となって、大半が逃げ延びてしまうから、この憎しみの連鎖が止まる当てがない。今後も、このような凶行が繰り返されるのかと思うと、辛い。そして本書のラストで明かされる衝撃の真実。「本書よりも、さらに重苦しい展開が、次巻以降に待ち構えているのか?」と心底、戦慄を禁じ得ない。筆者は、登場人物たちに、どこまで試練を与えるつもりなのか? -
Posted by ブクログ
A級棋士となった神鍋歩夢は釈迦堂里奈女流名跡へ公開プロポーズ、しかし師匠は弟子の想いを受け入れず。
夜叉神天衣は登龍花蓮とダブルタイトル戦の番勝負へ。
雛鶴あいは女流名跡のタイトル戦5番勝負に。箱根、鎌倉、大阪、倉敷、岐阜。
池田晶が社長を務めるロリホームによる将棋会館建設計画。
山刀伐vs名人の戦い、九頭竜ノートの聖句暗唱合戦。
あいの最終局では、八一の心遣いが届き、敗れた釈迦堂里奈は、清滝鋼介揮毫の「俺の全盛期は明日」を見る。
そして諸々のしがらみから解放された釈迦堂里奈は歩夢と再び会話する。
雛鶴あいは次にプロ棋士を目指す。
夜叉神天衣は両親の残したスーパーコンピュータで未来の将棋を。 -
Posted by ブクログ
おもしろかった!ここ最近、ちょっとだるんでた(主観)だが、ようやく、あいが中心になって大満足。そして、表紙が誰?と思ったら、そうだった雛鶴あいちゃん、髪を切ったんだった。バックには神鍋と釈迦堂。あいの女流名跡タイトル戦、それに天衣の女流玉座タイトル戦。戦闘もののラノベを読んでいる気分になった。白玲戦(女流順位戦)的なのも立ち上がり、藤井竜王のおかげで、ちょい後手にまわってる感があるんだが、逆に現実のミラクルを小説で味付けされているのもまた面白い。りゅうおうのおしごとは、ドラゲキン主役ではなく、JSの無双ドラマであってほしい(主観)。あいちゃんの最後のセリフ、かっこいいですねぇ。
そして、感想戦が大変すばらしい。次巻、はやく読みたい。