角野栄子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供のころ、キキやトンボと同じ視線で、たくさんのドキドキとちょっぴり大人な気持ちを味あわせてくれた素敵なストーリー。
空を飛んでみたい!ひとりで知らない街に行ってみたい!でもちょっと家が恋しい…。そんな沢山のドキドキ・ワクワクの欠片が溢れんばかりに詰まっていた。
大人になった今、改めて読み直してみると、ちょっぴり視点が変わっていた。キキのお母さんのコキリさんのように、あるいはパン屋のおソノさんのように、キキに「大丈夫?」「元気ないじゃない」「どうしたの?」と励ましたくなる。そして頑張るキキに心が温かくなってくる。
改めて思う、とても素敵な物語だと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ興味深かった。ファンタジーが、ファンタジーの世界からやってくるとき、その訪れ方やもてなし方を学んだ気がする。
ただ、最後の方の想像力押しのところは、理論だって、誰かの役に立ちたくて生みだされたものだから、悪用されることもあるけども、想像力が必要な物語に比べて、必ずしも重要ではない、と言い切れるものではないと思った。
どんなストーリーでも、それは語り手の、その人の姿勢が反映されているものだから、押しつけがましいと感じる話というのは、たぶんその人のその時の姿勢に、想像力が足りていなんだろうなと思う。でも、戦争を経験した著者だからこそ、その人の想像力のなさを警告することの使命を帯びているのかもしれないから、それは時代性というか、彼女のオリジナリティの部分なんだろうなと思う。
とても興味深かったのは、話を作る時に、どんどん作りなおして、書き直してもいいということ、それから片意地をはらずに気持ちのいいラインで、作っている自分が楽しめるラインをキープしながら、書くのがいいということ。
さっそく真似してみようと、著者が使っていた書くときに使うボードに似たものを買いに走ってしまった。
あとは、壁と柱の話。私も、柱の家の方が好きだなと思った。壁は苦手で、息苦しい感じがする。また、本作では壁は縦方向に(部屋として)使われていたけれど、それを横方向に(階層として)考えてみると、それはヒエラルキーというか、優劣の考え方になると思った。
自分は人と人の間に、階層(優劣)なんかない、という思想の持ち主なので、その考えをより具体的なイメージに落とし込めたのがよかった。人は越えられない壁によってわけられているのではなく、柱だけがあって、だだっぴろい家の中にいるみたいに、それぞれいる場所がちがうだけ、というイメージを作ることができた。
なんかそういうところとか、この著者と話してみたいなあと思わせる作品でもあった。たくさんの本が紹介されていて、それもよかった。ネッシーの話、あらすじだけで涙ぐんだ。主人公の名前を付けるというエピソードもよかった。参考になるというか、自分とは違うところもあれば、自分がうまくいかない理由を見つけることもあって、だけど自分なりに悩んだり、寄り道したり、それでもいいのだな、と思いたい。
いつかお茶したいな、と思った。また、誰かから、お茶したいと思ってもらえるような人になりたい。たくさん、ファンタジーに会いに行きたくなる本でした。 -
Posted by ブクログ
角野栄子さんのライフスタイル本。
貴重な写真やお手紙、ご自宅の本棚の写真などがたくさん載っていた!
結婚されたご主人とともにブラジルへ渡航し、そのまま海外をたくさんめぐったエピソードが素敵だった。
そして帰国のための二か月間は、船の上から毎日水平線を見て暮らしていたとのこと。
"それ以来わたしの心の中には、いつも水平線があって、それをはずしては、自分が考えられないようになっていました。わたしにとって水平線というのは、いつもなにかが始まるところでした。"
"本を読んでいると、ページごとに、水平線があらわれる。"
創作の話もたくさん。
"まず、日常的なことから心を自由にすること、意外に思われるでしょうが、「これから私は童話を書くんだ」と思わないこと、そして「だれにも見せない」と心に決めることです。"
角野栄子さんがどれほど書くことが好きなのか、知れてとても嬉しかった。
とにかく自由に。目の前に見えたひとつの〈風景〉や、ひとりの〈人物〉をパッとつかまえて。