【感想・ネタバレ】トンネルの森 1945のレビュー

あらすじ

太平洋戦争のさなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手とともに疎開する。家のそばにある、暗く大きな森のトンネルで、脱走兵が自殺した噂を耳にするが……。

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Posted by ブクログ

国際アンデルセン賞作家賞受賞作品。

角野栄子さん自身の戦争体験から書かれたもの。

戦後70年以上がたち、戦争を知らない世代が政治を行っている時代。
辛いだろう記憶をこうして後世に伝えようとしてくださる人がいることに感謝したい気持ち。
そして、それをより多くの人に届けなければ、とも思います。

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2023年11月16日

Posted by ブクログ

良かったです。角野栄子さんにハマっていて、その一環としてなんとなく手に取った本でしたが、何度も目頭が熱くなりました。
戦争とは比べ物にはなりませんが、コロナが蔓延したときに、「少し前までは、密な映画館で映画見たり、みんなで会食したり…世界がまったく変わってしまった。」と不安に思ったり、悲しい気持ちに押しつぶされそうになったりしたので、イコちゃんの平和だった頃がまるで嘘みたい、と思う気持ちな少しだけわかりました。

イコちゃんの気持ちもとても共感できるけど、継母の気持ちも分かるような気がしました。継母が悪い人でなくて良かった。
イコちゃんのお父さんと結婚して、イコちゃんを本当の娘のように育てる決意でいたんだろうけど、自分に余裕がないと、血の繋がらない子どもにそんなに優しくはできないよね。でも、振袖を試着するシーンは本当に心温まって、継母なりの愛情を感じました。

脱走兵については結局何もわからないまま。飢餓で死んじゃったんだろうか。オバケだったんだろうか。わからない。けど、脱走兵の存在があったから、トンネルの森はイコちゃんにとって孤独の中で特別の存在であり、友達になれたのかな。

戦争で家族が離れ離れになったり、生き別れたり、孤児になったり…本当に辛い時代があったんですね。
今の平和に感謝するととともに、海の向こうでは戦争が続いている。1日でも早い平和を願います。
色々なことを考えさせてくれる本でした。

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2023年11月10日

Posted by ブクログ

#トンネルの森1945
#角野栄子
#角川書店
イコちゃんという少女からみた戦争がえがかれている。子どもの思考や行動ってこうなんだろうなと、共感。子どもが子どもの面倒見たり、いつも空腹に苦しんでいたり、大切な家族を失ったり、苦しい毎日。願わくば映像化して多くの人に知ってもらいたい作品。

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2023年01月02日

Posted by ブクログ

素晴らしい本だった。
私は今のかわいらしい角野さんしか知らなかったけど、小さな栄子さんが実際に体験したことだと思うと胸が締め付けられました。
こういうことを教えてくれる人もどんどん減っているし国も教えるつもりが無いし、今こそ意識して戦争のことを知らなければと思わされました。
全学校に置いてほしい。
大人にもたくさん読んでほしい。
最近続編が出たようなのでそれも読もうと思います。

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2022年11月08日

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先日、テレビ番組で知った角野栄子さん。
オシャレで、自分の芯をしっかり持ちつつ、自由な姿に感銘を受けた。

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2021年01月04日

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角野さんは私の母と同世代
母が話してくれた疎開と、いこちゃんの疎開が合わさった感じでした。

恐いときに呪文の様に何度も発する事、今でもあるあるです。

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2020年10月06日

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ネタバレ

読み終わってじわじわ考えるとトンネルは少女を取り巻く時代そのものなのでは??と考えるようになった..兵隊さんは少女自身の孤独や不安・こんな時代(戦争・生活)から逃げ出したいという気持ちが形として現れた者なのではないかと感じた..

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2018年06月25日

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小学生のイコはお母さんが亡くなって新しいお母さんと産まれたばかりの弟と疎開
お祖母さんと住んでた時もあったけど、お祖母さんは戦争の空襲で犠牲に…
疎開先では、今まで住んでいた東京とは喋り方も違うしなかなか馴染めない
田舎の言葉を真似て、友達になろうとするも
東京の言葉の方がいいと言われる
それでも郷に入れば郷に従え精神で田舎の言葉を真似る

東京に残してきた父親も空襲にあい
記憶喪失に

家の近所にある大きな暗い森は
脱走兵が自殺した場所と言われ
いつも通る時は、怖い思いを
なぜかハーモニカの音が聞こえたり不思議な場所

小さな子でも
昔はよかったと思う戦時中

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2023年11月04日

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前から読みたかった本。受験をする小学生におすすめしてた本だったんだけど、かなりいい内容だった。戦争ものだけど主人公が小さな女の子だから暗くなりすぎず。

でも、リアルに書かれていてかなり怖かった。というか森の中の兵隊さんが私的には一番ホラーだったな。

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2023年03月09日

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ネタバレ

幼くしてお母さんを亡くし、新しいお母さんがやってくるもなじめない。実の家族であるお父さんは戦争に駆り出され、悩みも不安も吐き出せない。ご飯も満足に食べられなくて、「こんなご時世だから」の一言で我慢に我慢を重ねる毎日。少女時代の角野栄子さん、通称イコちゃんの戦時中の体験が綴られた本作は、非体験者にはわからない戦争の恐ろしさ、そしてなぜ戦争は繰り返してはいけないのか、を語りかけてくれます。イコちゃんの疎開先の近くの、暗くて怖いトンネルの森の向こう側に訪れた平和を壊さないために、私たち一人一人が過去の戦争と向き合い、平和のために今何ができるのか、考える必要があるのだと思います。戦争体験者の真正な声が詰まった本作は大人、子ども関係なく、多くの方々に読まれ続けて欲しいです。

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2022年03月08日

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角野英子さんがアンデルセン賞を受賞された!
すごいな、やったね
涼やかで温かいオーラに包まれた角野英子さん
おめでとうございます

これは子どもの時の戦争体験
淡々とした文章だけど心に迫って来る
子どもの時のこんなにも孤独な体験が
核になっておられるのでしょうか

≪ 片方の 下駄に想いが 込められて ≫

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2018年04月15日

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これは、フィクション…でいいんだよね…?

ほんのりと、“となりのトトロと火垂るの墓同時上映”と思いました。

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2016年10月15日

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ネタバレ

トンネルも脱走兵も象徴みたいなものだったんだろう。子どもにとってこんなに理不尽な話はないよなあ。戦争で疎開、独りぼっちになるかもしれない不安、継母との関係がなかなか良かった。一緒に疎開生活を送る中で同志のような気持ちが芽生えたと思うし、べたべたではないけれど、一緒に生きて行く思いが感じられた。

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2016年01月16日

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ネタバレ

少女の目から見た戦争とあの時代を、著者自身の体験をもとに描く。母を早くに亡くし、東京で祖母と暮らしていたイコは、継母と弟と共に千葉に疎開する。何かと不便な田舎暮らし。継母とのギクシャクした関係。なじめぬ級友たち。そして、恐ろしげな「闇森」。まるで森の中の暗いトンネルを歩んでいるかのような、先の見えない苦しい日々。森の中でハーモニカを吹く兵隊さんは、そんな辛い日々を送る彼女が生み出した幻想だったのだろうか。しかしその兵隊さんに彼女は心を救われ、強さを身に付け、やがてトンネルを抜けていくのだ。

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2015年09月19日

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ネタバレ

当たり前のことが当たり前でなくなり、皆が我慢をする戦争中。甘えたい気持ちをもてあますイコの様子に心痛みました。

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2015年08月16日

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読まなければいけない話だと思い手に取りました。
ただただ胸が痛い。イコちゃんはまだ救われたほうなのかもしれない。今後こんなことが二度と起きませんように。

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2023年06月22日

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戦争下の東京と疎開先での暮らしを、小学校四年生の主人公の目線で綴った作品。暗い森の様子や、継母との関係など、本当に子供目線で描いていて凄かったです、

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2023年01月23日

Posted by ブクログ

角野さんは、どんな読者を想像していたんだろう
何かを遺すつもりで言葉をつづったんだろうな

表紙からして戦争物ってわかるから読むつもりはなかった
悲しくなってつらくなるのがわかるから
でも、角野さんの本を何冊か読むうちにルーツを知りたくなったんですよね
ラストランが自伝のようで印象が良かったからかな

辛かった時代を振り返って伝えようなんて
相当時間が過ぎてないと出来ないと思う
いろんなところで活躍されている語り部さんがいるけど自分はできそうもない
忘れる事で平穏を保っているから

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2020年01月31日

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子どもの目から見た、等身大の戦争。著者の戦争体験に基づいている。「どうしてこんなことになってしまったのだろう。私の周りは、だれひとりとして、幸せな人はいない。誰かが死に、誰かが行方不明。誰かが怪我をしている。そして、みんなお腹をすかせている。戦争が始まった時は、みんながみんな、希望に満ち溢れていたのに」

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2018年05月19日

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戦争の悲しみを疎開して待つ方の立場で描いている.田舎に行ってみんなと仲良くなろうと言葉を真似するところ,暗い森を抜ける様子がいじらしかった.森に潜んでいるという兵隊さん,それも悲しいことだ.

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2018年04月08日

Posted by ブクログ

イコちゃんが光子さんに振袖を着せてもらっているところは、二人が家族になれたような、今までもセイゾウさんと離れている間一緒に暮らしていたから家族なんだけど、ぐっと距離が縮まった出来事だったと思います。だからこそ、母として娘への思いがつまった物を売らなくては生きていくことができない時代なんて嫌だ。最後のセイゾウさんの言葉を、あの時代に生きていた人は、心の中ではどれだけ待ち望んでいたんだろう。

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2017年02月06日

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ネタバレ

角野さんの子供時代をベースに描いたおはなし。さらりと読めてしまうけれど、イコの毎日は、底知れぬ孤独とのたたかいだった。それを乗り越えていくイコの姿はまさに角野さんに重なる。
イコはあたらしいお母さんと一緒の疎開なので、そこにまた葛藤があるのだけれど、それでも集団疎開のこどもより恵まれていたように見える。けれど、イコの感じた孤独は、戦争の時であっても、今であっても在り続ける。ひとりの少女が体験した戦争の日々は、きっと今の子たちのこころに届くと思う。

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2016年01月17日

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