【感想・ネタバレ】トンネルの森 1945のレビュー

あらすじ

太平洋戦争のさなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手とともに疎開する。家のそばにある、暗く大きな森のトンネルで、脱走兵が自殺した噂を耳にするが……。

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Posted by ブクログ

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読み終わってじわじわ考えるとトンネルは少女を取り巻く時代そのものなのでは??と考えるようになった..兵隊さんは少女自身の孤独や不安・こんな時代(戦争・生活)から逃げ出したいという気持ちが形として現れた者なのではないかと感じた..

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2018年06月25日

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幼くしてお母さんを亡くし、新しいお母さんがやってくるもなじめない。実の家族であるお父さんは戦争に駆り出され、悩みも不安も吐き出せない。ご飯も満足に食べられなくて、「こんなご時世だから」の一言で我慢に我慢を重ねる毎日。少女時代の角野栄子さん、通称イコちゃんの戦時中の体験が綴られた本作は、非体験者にはわからない戦争の恐ろしさ、そしてなぜ戦争は繰り返してはいけないのか、を語りかけてくれます。イコちゃんの疎開先の近くの、暗くて怖いトンネルの森の向こう側に訪れた平和を壊さないために、私たち一人一人が過去の戦争と向き合い、平和のために今何ができるのか、考える必要があるのだと思います。戦争体験者の真正な声が詰まった本作は大人、子ども関係なく、多くの方々に読まれ続けて欲しいです。

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2022年03月08日

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トンネルも脱走兵も象徴みたいなものだったんだろう。子どもにとってこんなに理不尽な話はないよなあ。戦争で疎開、独りぼっちになるかもしれない不安、継母との関係がなかなか良かった。一緒に疎開生活を送る中で同志のような気持ちが芽生えたと思うし、べたべたではないけれど、一緒に生きて行く思いが感じられた。

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2016年01月16日

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少女の目から見た戦争とあの時代を、著者自身の体験をもとに描く。母を早くに亡くし、東京で祖母と暮らしていたイコは、継母と弟と共に千葉に疎開する。何かと不便な田舎暮らし。継母とのギクシャクした関係。なじめぬ級友たち。そして、恐ろしげな「闇森」。まるで森の中の暗いトンネルを歩んでいるかのような、先の見えない苦しい日々。森の中でハーモニカを吹く兵隊さんは、そんな辛い日々を送る彼女が生み出した幻想だったのだろうか。しかしその兵隊さんに彼女は心を救われ、強さを身に付け、やがてトンネルを抜けていくのだ。

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2015年09月19日

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当たり前のことが当たり前でなくなり、皆が我慢をする戦争中。甘えたい気持ちをもてあますイコの様子に心痛みました。

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2015年08月16日

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角野さんの子供時代をベースに描いたおはなし。さらりと読めてしまうけれど、イコの毎日は、底知れぬ孤独とのたたかいだった。それを乗り越えていくイコの姿はまさに角野さんに重なる。
イコはあたらしいお母さんと一緒の疎開なので、そこにまた葛藤があるのだけれど、それでも集団疎開のこどもより恵まれていたように見える。けれど、イコの感じた孤独は、戦争の時であっても、今であっても在り続ける。ひとりの少女が体験した戦争の日々は、きっと今の子たちのこころに届くと思う。

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2016年01月17日

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