角野栄子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
小学1年生の子が「これ読みたい」と言ってこの本を手に持ってきた。
一見、分厚い。けっこうページ数がありそう。1年生でこの本を最後まで読めるのかな?
でもそんな心配は取り越し苦労だった。
その子はちゃんと一人で読み終えて「ケンカしたりしていた3人がなかよくお弁当を食べることができたのが、おもしろかった」と報告してきた。
本を開くと1ページあたり多くても8行。それも見開きごとに佐々木洋子さんが描く丸まっちくて表情豊かでかわいいイラストがたくさん載せられている。
私もあとから読んでみたけど、たしかによくできている。
登場人物の心理がこまかく(そしてもちろん、わかりやすく)丁寧に書かれているので、子どもでも大人でもすぐに物語のなかに入っていくことができる。
テンポも早くて、次のページをめくったら一転して予想もしない展開が…というのが随所にあって、子どもを飽きさせないで引き込み最後まで読ませる構成力を強く感じる。昔の紙芝居はみんなこうだったのかな?
絵と物語との役割分担(?)も見事。
だから最近の日本の絵本で多く見られるクドクドしい文章がなくて、物語が一歩引くかわりに絵で見せてドキドキ感やびっくり感を強調したり、逆に絵で一場面として描かれたキャラクターの心の中とかが角野さんの美しいまでに明晰な文章で、いろどり豊かにふくらまされている。
小学校低学年で「読み聞かされ、じゃなく、はじめて1人で読む本」として良いのではないでしょうか。
なお、作者の角野栄子さんの恩師が龍口直太郎さんだと知ることができたのは意外な発見だった。龍口氏の翻訳でトルーマン・カポーティ「冷血」を読んでいたから。
米文学の余剰を削ぎ落すかのごとき文体の氏による日本語化が好きなのだけど、絶版が進んでいるのが悔しい。 -
Posted by ブクログ
小学生の頃に大好きだった作品。
娘と行く図書室で30年ぶりに再会し、「お前~~~!!!元気だったか!!?」みたいな勢いでお借りして来ました。
床屋さんの鏡の裏に住むおしゃれなおばけ・コッチ。
コッチの床屋さんにやって来たやんちゃな女の子・ココちゃん。
初めは反発し合っていた二人が徐々に心を通わせていく……という王道の物語。角野栄子さんの作品だったとは(さっき知った)。
一般的なおばけのイメージとはかけ離れたコッチが楽しいのは勿論なのですが、幼い私は破天荒なココちゃんに心惹かれていたように思います。
ボサボサの髪、泥と飴でガビガビの顔、ポケットは泥団子と木の枝でパンパン……。こんな女の子、他のどのお話でも見た事がありませんでしたから。
見た目も性格も所謂「女の子らしさ」からは逸脱したココちゃん。でもそこがすごくチャーミングだったし、身なりを整えたら整えたで普通にすごいかわいいっていうダブル役満。
本当に久し振りに読んだのですが、うちの娘がこんな感じに育っても面白いかもなあ、とニヤニヤしてしまいました。 -
Posted by ブクログ
いちご色の壁紙をバックにオレンジのメガネで笑いかける女性…が角野栄子さんだったんだ!
実物の角野さんを知らない私はびっくり。
魔女の宅急便の作者、角野栄子が2001年に建てた自宅や鎌倉での生活を紹介。
絵のこと、創作のこと、料理、ファッション、旅、どれもシンプルなのに個性的。
アメ玉のようなアクセサリーは見ているだけで少女心をくすぐられ、ワクワクしてきた。
壁に絵を描いたり、顔のついた可愛いタンスが玄関にあったり、82歳とは思えないほど少女!言葉の端々にもユーモアがあって、あぁなんて遊び心のあるゆったりした方なのだろうと思った。
こうして日々自分の楽しみを見つけてワクワクしながら生きていきたい!と憧れ、ポッとあかりを灯してもらった気がした。
それにしても、魔女の宅急便の元になった12歳の頃の娘さんの絵はすごい。ここからキキ生まれたんだなぁ。
児童文学に興味がなくても、日々を楽しむヒントがいっぱいで、気軽に読めて元気がもらえる一冊。
特別収録のおいとちゃんは、可愛いお話。
息子を持つ母親としてはしんみりした。