角野栄子のレビュー一覧
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おソノさんの来し方、引退した町長さんの思い出話、砂漠の村でのヨモギさんの話、など。
今のおソノさんの度量の広さは、こんな人生を歩んできたからなんですねぇ。突然やってきたキキをすんなり離れに住まわせてしまうなんて、あまりにもお人よしすぎると思っていましたが、こういう過去があるなら、納得です。親から離れて心細そうにしている女の子を、どうしても放っておけなかったんでしょうね。
若き日のおソノさんも良かったのですが、一番泣かされたのはヨモギさんの幼なじみのトゲコちゃん。「魔女の宅急便」シリーズ、色々不思議な出来事はありましたが、サボテンが歩いて喋るってのは、今までにないぶっとんだ設定ではないでしょうか? でも、いいんです。もう、トゲコちゃん、いじらしいったら。 -
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キキは19歳になりました。
変わらずコリコの街で宅急便やさんをしています。とんぼさんも変わらず学校に通っていて離れ離れです。
ライちゃんという新米魔女と出会ったり、不思議なお届けものを届けたりと、変わらない日常の中で少しだけ変化がある毎日を過ごしていました。しかし、ある日ジジがキキとうまくはなせなくなったのです。サヤオさんという芸術家の白猫に恋をしてしまったようです。
ジブリ映画のとんぼさんはサヤオさんをモデルにしているのかも。原作のとんぼさんは真面目そうなのに、なんで映画版はチャラメガネなんだろうと思っていましたが、サヤオが登場した瞬間、あ!チャラチャラしてる!と思いました。
サヤオさんのマジックアワーについての言葉はぐっときました。そして同じようなことをとんぼさんも言っていて、キキはどっち転んでもおかしくなかったんだろうなーなんて想像を膨らませて楽しみました。とんぼさんよかったね、キキがとんぼさんを選んでくれて。
とても好きな表現でジンときたので引用します。覚えておきたいので。
「〜子どもって夕方よく泣くんだよね。あの空はおわりと始まりの色。悲しみと、ときめきがいっしょになっている色なんだ。〜子どものころ、うれしいのなかには、悲しいもある。生きていくにはそこを何度も通り抜けなければならないって、どこかで感じていたんじゃないかな。子どもにはその両方が見えてるのかもしれないね。だから泣きたくなる」(サヤオさん)
「〜赤ちゃんって文句なくかわいいけどね、でもそれだけじゃない。もう知っているんだよ。生きるのはよろこびだけど、そのなかには哀しみもあるって。でもその哀しみのなかにも、よろこびがあるんだよね。」(とんぼさんの手紙)
これを読む子ども(小学校高学年くらいかな)にとってはきっと、さくっと読み滑ってしまう表現だと思います。文面通りの理解はできても、身体中にジーンと響き渡るような感動はまず覚えないだろうな。それでいい、そうでないといけないんだけど。ノスタルジーババアは感涙してしまいましたよ。
『魔女の宅急便』は1986年から。5巻は2007年に出ています。およそ20年、と思うとやはり、大人向けのメッセージももちろん含まれているんだろうな〜。
ジブリ映画は1989年でした。てことは、ジブリ映画のとんぼさんがサヤオさんに似ているんじゃなくて、逆ですね。同じとんぼさんから派生したキャラクターだから見た目は違うくても、根本的な考え方や感じ方は似ている…のかな?これは勝手な考察ですけど。 -
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キキはもう17歳。
17歳の夏は一度きりなのに、仲良しのトンボさんは遠くの学校のそばにある山に篭りっきりで帰ってこない。時々手紙が来るだけで、キキも意地になって会いに飛んでいかないままの夏休み。キキの元には、お友達のモリさんの弟ヤアくんが夏の間やってきました。
サブタイトルは「キキの恋」。キキの恋は決して爽やかなものではなくて、思春期特有の自意識過剰と独りよがりさが表されていて、読んでいてモヤモヤイラっとするところもしばしば。じれったいなーもう!て感じ。
山奥に住んでいるザザさんのお話は特に、もどかしくて嫌な気持ちにまでなりました。
キキの恋の終着にはっとしましたが、それ以上にヤアくんとノノちゃんのエピソードにキュンとしました。素直で健全で迷いがない。恋ってそういうものであってほしいけど、大人になればなるほどややこしくて、そんな二人が眩しい。 -
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キキがコリコの街に来て4度目の春がやってきました。キキはもう16歳。魔女の宅急便の仕事とくしゃみの薬を必要な人にお分けする仕事をしています。
ある日、順調に暮らしていたキキの所に、ケケという変わった女の子の居候がやってきました(それも強引に)。キキと同じ真っ黒のワンピースを着ています。彼女は魔女?分かりません。神出鬼没でなにやら秘密を抱えていそうなケケに振り回されて、キキの安定した気持ちはどんどん不安定なものに変わっていきます。キキのケケに対する気持ちとは裏腹に、コリコの街の人達はケケを受け入れます。もちろんトンボさんも…。
3巻目にしてこんなにもどかしいお話とは!
ケケという強引な女の子の出現は、読み手の私の気持ちもすっかり搔き回しました。どんいりした展開がどうなるの?!と読み進めずにはいられませんでした。本当に、ほぼ丸々一冊、どんよりした展開でした。ここまで限界まで落としに落とすのか、と逆に感心してしまいました。さて、どん底まで落ちていったキキが見つけた答えとは…?落ちに落ちて開けた姿は一層清々しく映りました。 -
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里帰りからまたコリコの街へ帰ってきたキキ。魔女の宅急便2年目です。
2年目ともなれば、街の人達に宅急便の仕事は浸透してきているようです。日々様々なお届け物の仕事が舞い込んできます。そんな中、あるお届け物をきっかけにキキは自分の仕事、魔女である自分について疑問を持ってしまいます…。
ジブリ映画の続きだ〜!とワクワクした気持ちで読みました。宅急便2年目になると、要領を得ているというか、怠慢というか、少し気を抜いてしまっている場面もありました。そして自分の存在意義すら見直すような出来事があり、と気持ちの揺れ動く様がとても丁寧に描かれていました
恋のお話も少しずつ動いていっているな〜と感じられて、楽しく読めました。
2年目の終わりにまた里帰りをし、そこで新しい仕事(魔法)に関して家族と話している場面。キキが感極まって目尻に涙が溜まるという描写に共感。気持ちが入りすぎると話しながら涙出るよねー。
あとそこの挿絵でお父さんとトンボさんがそっくり過ぎてニヤリとしました。
原作では(映画でもそうかな?)トンボのことを「トンボさん」て言っててなんかいい♡ -
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いつのまにか6巻まで出ていたこのシリーズ、あらためて1巻から最後まで一気に読んでみた。角野栄子さんは、こどものための本を書くことができる、数少ない作家のお一人。安心して読み進む。
大人になったキキは結婚し、双子の母親になる。そして、その子供たちが13歳になり、それぞれの旅立ちを迎える・・・。
13歳の子どもにはもちろん、13歳のこどもを持つ母親にも、是非読んでもらいたい。こどもの自立を見守るキキの視線、母親としてのいらだちも、すべてありのままに書かれている。そして、彼らは悩みながら、いろいろな大人たちに見守られながら、自分を探していく。旅立ちのラストはおもいのほか感動してしまった。これまでの5冊とはまるで異なる。ぜひ、このシリーズの最後まで読んでほしい。