角野栄子のレビュー一覧
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宅急便の仕事でも経験をつみ、もう新米魔女とはいえない、19歳になったキキ。コリコの町に来てからは6年がたち、たくさんの友人知人もできた。一方、遠くの町にいるとんぼさんとは、まだちょっとすれちがい気味(ジジの恋のほうは順調そうなのだけれど)……。そんなある日、キキの魔法が弱まり、高く空を飛べなくなってしまう。おまけに、ジジとも言葉が通じにくくなって……。キキは、魔女である自分を見つめ直してゆく――。
ジジと言葉が通じなくなったり、ほうきでうまく飛べなくなったり、ジブリアニメでキキが直面した困難がついに現れた。
ジジの言葉は、ジジの心変わりが原因。ほうきは、魔法が「イヤケガサシタ」からちょっと休憩してるのかも…とお父さんからの手紙。
お父さんからも、親友のモリさんからも、とんぼさんからも優しい手紙が届く。
大切な人が困難の中で落ち込んでいるときに、こんな元気の出る手紙が書けるようになりたいな。
自分の得意分野を使って、勇気付けられるようになりたいな。 -
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ネタバレ17歳になったキキ。とんぼさんへのあわい恋心も、たしかな想いへと育ちはじめていた。遠くの学校に行っているとんぼさんも、夏休みには帰ってくる! 楽しみにしていたキキのもとに、「山にこもる」旨の手紙が。とんぼさんと会えないことに落ち着かない気持になってしまったキキは、暗い森に入りこむ。一方、とんぼさんも、キキと同じく自分を見つめ直そうとしていたのだった…。またひとつ結びつきを深めた、ふたりの恋の物語。
ついについに、キキととんぼが結ばれた!
同世代の女の子が男の子と楽しそうに遊んでいる様子を見て、心がざわついたり、いてもたってもいられず、遠い地にいるとんぼに会いに行ったり…
そしてキキのお母さんの病気!
色んな出来事を経て、少しずつ大人になっていくキキが眩しい。
日々に追われて忘れていた大事なことを、思い出させてくれた。 -
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魔女のキキがコリコの町に住むようになって、4回目の春がめぐってきました。キキは16歳になりました。そのもとへケケという12歳の女の子が転がりこんできます。ケケは不思議な力をつかって、宅急便の仕事を横取りしたり、デートの邪魔をしたりして、キキをとまどわせます。自由奔放で小生意気なケケにふりまわされながらもキキは少しずつ変わっていきます。ふたりが反発しあいながらもお互いにとってたいせつなものをもとめて成長していく姿が描かれています。
ケケに振り回されてイライラしたり、ジジが家出をしたり、とんぼさんとなかよくなっていくケケに嫉妬したり…
キキの心を乱す出来事がたくさん起こるけれど、気持ちの切り替えを必死にしながら、お仕事を頑張るキキが健気。
とんぼさんへの恋心に気づいたけれど、とんぼさんは遠くの学校へ行ってしまう…
次の巻で、キキがどんな成長をするのか、とても楽しみ。
そして、ご機嫌なキキが、「ふにふにと鼻歌を歌う」という表現が可愛くて好き! -
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ネタバレ全部読み終わると、物語の冒頭でアリコが観ていた『世界の始まりへの旅』という映画のタイトルが意味を持って来る気がする。あの世とこの世、日本とブラジルとポルトガルのあいだを、アリコの心は旅をするんだもの。みんなが明るく楽しく生を謳歌するリオ・デジャネイロにおいて、父親と二人で目立たないようにひっそりと暮らすことで、かえって目立ってしまうナオキとアリコ。ポルトガル人の母は、アリコの幼い時に亡くなっている。陽射しの強いところには影ができるように、底抜けに明るいカリオカ(リオッ子)の中にも、サンバのリズムにも、悲しみを感じ取る、おとなしく引っ込み思案で感受性の強いアリコ。子どものころの思い出で、バイーアからきた黒人の白いスカートの中で踊る、ちっちゃなアリコ。その中でママエ「アリコ!」「ママエ!」と呼び合う、アリコの原体験ともいえるシーンが鮮烈で印象的。
詳しくは書かれていないけれど、バイーアという場所はサトウキビ産業の働き手として連れてこられた黒人による、アフリカ文化が残る場所。描かれている白いレースも、画像検索すればその美しく繊細な生地を纏った、現地の女性たちの姿を見ることができる。その歴史を思うと、明るいリズミカルなダンスも哀愁を帯びて聞こえることだろう。
ナオキとたった二人のちいさな「ファミリー」が、ポルトガルでママエの家族と会うことで広がって、同時にアリコの世界もぐんっと広がるところでちょっと泣いてしまった。これが冒頭の映画のタイトル『世界の始まりの旅』の伏線だったんだ。そして、アリコはこれから、ジッドと手を取り合って新しい自分を生きることになるんだな。姉妹のナーダにも見守られながら。
ナーダのオッドアイは、何かのメタファーなのかな。この世を見る目と、あの世を見る目? 「姉妹」っていうよりも、ナーダはアリコの分身なのかもしれないな。真逆のキャラクターが自己の中に内在してる、みたいな感じ。 -
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「魔女の宅急便」でお馴染みの、角野栄子さんのエッセイ集。
もうとにかくとても素敵だった。自分に似合うもの、好きなもの、キートーンとなるものを選び、信頼し、身にまとうことは、こんなにも素敵。
ずっとお気に入りの口紅。オーダーメイドのワンピース。飴玉のようなころんとした指輪。とっておきの路地道。毎朝の搾りたてジュース。
角野栄子さんの日常を構成するそういうすべてのものが生き生きと、きらきらとしていました。
見えない世界を想像し、工夫を凝らし、一人で生きていく、それが魔法なのよという言葉。
角野栄子さんが言う通り、そうできたときに初めてきっと私の心も動いて、ただひとつ私のための確かな魔法を手に入れることができるんだと信じられました。
なんだか「西の魔女が死んだ」の魔女になるためのレッスンのようでわくわくした。
まだまだこれからの人生。ようやくその萌芽を感じ始めているまさに今から、ゆっくりゆっくり私だけの魔法を育てていきたいと思います。 -
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児童文学とかSFっていうのは。
余計なことを御破算、あるいは省略して、剥き身で中身をいきなり引きだしちゃう。と、いうような鮮烈さがあり得るなあ、と感じることがあります。
この本もまさにそうだった気がします。
(ところが、「そういう意味では余計な色んなこと」こそが面白かったりもするので、その手の本が最高だ、ということは全く無いのですが)
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読書会の課題図書。
ジブリの映画は観たことがありました。
映画を観た当時(数年前)の感想としては、「可愛らしくて、ささやかなお話であることが素敵だなあ」という感じだった記憶があります。
「崖の上のポニョ」もそうだった気がしますが、ささやかである分だけ、宮崎駿さんの演出の魅力を満喫できたような気がします。
で、この本は映画の原作です。2015年に角川文庫から新装版が出たんですが、その表紙イラストがとても魅力を感じます。
100%ORANGEさんは「いいなあ」と思っていたのですが、これも大好き。
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角野栄子さんという作家さんは、「魔女の宅急便」の人、ということしか知りませんでした。
検索してみたら、1935年東京生、だそうなので、終戦時10歳という年代ですね。2016年現在恐らく81歳くらい。
出版社勤務を経て作家さんになられたようです。
この本の内容を雑誌に連載したのが1982-83だそう。ジブリのアニメ映画が1989公開だそうで、実写映画が2014公開。(実写映画は未見です)
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魔法使い(魔女)の母と、一般人(魔法使いぢゃない)の父とを持つ、少女キキ。
この世界ではどうやら、母方の血の方が濃いのか、少女ながら「魔女」です。
とりあえず、「ほうきにまたがれば空を飛べる」という能力を持っています。あと、黒猫のジジと会話できます。それ以外は特になし。
一人前の魔女になりたいのであれば。
13歳になったら、満月の夜に両親のもとから旅立たなくてはいけません。
そして「魔女がいない町」を探し、そこで1年自活しなくてはいけない。
(でも、それを守れなかった場合の峻厳な罰則があるわけではなさそうで。全体に伸びやかで穏やかな世界観です)
「母の跡を継いで魔女になりたい」。
キキは、とある満月の夜に旅立ちます。黒猫のジジを連れて。
映画では「ルージュの伝言」を聴きながら飛んでいきますが、原作の世界ではユーミンは出てきません。
(でも、「赤いかわいいラジオを下げていく」ということになっているので、映画版の発想の源は分かるような気がしました)
映画版では、すごく強烈に素敵な場面だったので、どうしてもその残像を求めながら原作を読んでいました。少女が飛翔する、というのはもう、宮崎駿さんの作家的魂の根源と言っても良い十八番技ですものね。
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とある海が見える町に、キキは居を構え、「魔女の宅急便」を営業します。
はじめは、大都会の不人情?に戸惑い寂しかったものの。
パン屋のおばさんを筆頭にいろいろな出会い。いろいろな仕事。いろいろな失敗。
無事に一年が経ち、里帰り。
里帰りは嬉しかったのだけど、意外とすぐに、「海が見える町」のことが気になってしまいます。
そして、町に帰ります。
そう、もう実家と同じように「帰る」という気分なんですね。
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児童文学らしい?
「とりとめのなさ」というか、「ふわっとした感じ」がすごく楽しかった。
「いろいろな出来事」よりも、
「家を、親元を出る。そして仕事をしたり寂しかったり楽しかったりして、里帰りする」
という、巣立ちの物語として素直に染み入りました。じーん。
読んだ人が男性なのか女性なのか、何歳くらいなのか、子供なのか、子供がいるのか、みたいな条件によりけり、当然感想は変わってくるんだと思います。(この本に限らず、何につけ、ですが)
きっと書き手側が思ってもいなかったような感想もありえるんだろうし。
どちらかというと、読者としては女性の方が多いような気がしますが、読んだ人がどのあたりがいちばん好きだったのか、おしゃべりしてみたい一冊。
すごく短絡的ですが、「自分の子供が巣立つ頃」「巣立つ頃の少年少女たち、若者たちが、なんだか愛おしくなっちゃう年齢」になって読んだら、また何かしらヒトシオな気がします。
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ほんわかした筆致に、ずるっと引き出されちゃった、親子とか自立とか巣立ちとか思春期の一断面。
と、コトバにしても味気ないのですが。
そういう論理じみた言葉では解剖できない、未分化な新鮮さを味あわせてくれました。ぱちぱち。
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続編が「その6」まで出ているそうです。
2009年に最終話?が本になったそうで。
実に足掛け27年。
主人公は経年変化しているらしく(サザエさんワールドではないようです)。
最終話?では、キキと「とんぼくん」の子供が巣立っていくそう。
(「とんぼくん」は、第1作であるこの本で出会う少年。ああ、このふたりは家族になるんだなあ)
全部読んだらきっと、「大草原の小さな家」とか「アボンリーへの道」とか「北の国から」のような楽しみ方ができるんだろうなあ、と思います。いずれ。