角野栄子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
角野栄子さんの作品が大好きで、魔法の文学館のオープンも心待ちにしています。作中のイコちゃんと同じくらいの年頃に、新宿や吉祥寺を駆け回って過ごしていたので、そんな共通点もなんだか嬉しいです。
コロナも落ち着いてきたこの頃、10代20代の方におすすめしたい作品です。戦後の厳しい時代の中で、迷いながらも自分の心に素直に行動していくイコちゃんに元気をもらえる作品です。
10〜20代のこの時期ならではのみずみずしさとフットワークの軽さについ笑顔になってしましました。その年代を過ぎてしまった私のような読者にとっては、あの頃のような好奇心と行動力が懐かしくなるのではないでしょうか。
年も重ね守るべき家族ができて、家族が人生の主役で私はわき役気分で過ごすこの頃ですが、些細なことであっても好奇心を惹かれる新しいことにトライしてみたい気持ちになりました。
また、題名ですが1948-なので、イコちゃんは今も旅行+現在進行形なのですよね。
私もいい年して精神的にはいつだって迷える旅人ですが、これからも新しい世界に踏み出すことのできる旅人でもありたく思います。 -
Posted by ブクログ
「ラストラン」「トンネルの森1945」と続く、
イコちゃんの物語。
イコは、エイコ、つまり、角野さんご自身の投影だ。
今回のイコちゃんは、終戦後の1948年、疎開先から戻り、
私立の女学校へ通う13歳からスタート.
22歳の見合い話が出る、お年頃まで描かれる。
ずっと、角野さんはどうしてブラジルへ渡ったんだろう?との
疑問が解けた。
といっても、御著作を、きちんと読めば、
どこかにお書きになっていたのだろうけれどw
イコは、英語で現在進行形を習うと、
すっかり気に入り「これでいこう」と心に決める。
でも、実際は「これから、これから」と物事を先延ばしにし、
日々モヤモヤするばかり。
さすが、御年87歳の魔女さまは
10代の自分をしっかり覚えておいでだ。
そして、それを物語の中で、イキイキした少女におとしこまれている。
すごいなぁ~
全編に通底するのは、
戦争は絶対にイヤだということ
(声高に叫ばないところがいい)
みんなが熱くなって一つのことに向かうのは危険だという感覚
(昭和の戦争に、みなが突っ走ったことを忘れてはならないよ)
魔女様は、そういったことを、
優しい言葉できちんと伝えてくれる。
そして、こちらも、答えたいと思わせてくれる。
幼い人たちを対象に、
長く書き続けていらした大ベテランの魔女様は
鮮やか。
こんなにみずみずしい小説を描ききれる
87歳の角野さんは、やっぱり魔女様。
まだまだ下っ端の弟子にしか慣れない、娘世代のわたしも、
しっかり跡を追ってまいりましょう。
物語の力と、好奇心を大切に。
そんなことを思わせてくれる
幸せな読後感でした。