相場英雄の作品一覧
「相場英雄」の「一滴の沈黙」「ガラパゴス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「相場英雄」の「一滴の沈黙」「ガラパゴス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
2005年、『デフォルト 債務不履行』でデビュー。『震える牛』、『血の轍』、『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』シリーズなどの作品を手がける。
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Posted by ブクログ
プロローグからいきなりガシッと心を鷲掴みにされます。
行確の相手は妻。公安が隠しカメラを駆使して映し出したのは、なんと妻の不倫現場。その相手は…
そこでは分からないまま、時代は現代に。
そして、元警官が殺された事件をきっかけに、その殺人犯そっちのけで、刑事部と公安部のネタの奪い合いが始まる。
何でそんなに仲が悪いのか?何で同じ警察官なのに足の引っ張り合いをしているのか?
少しずつだけど事件の進展をみせる中、2人目犠牲者が出てしまう。それも同じ元警官が。
2つの部署の関係はさらに悪化してしまう。
一体全体何が起こっているのか。
時折、話は過去になり、これまで何があったのか、登場人物たちのエピソードが挿入され、少しずつ全体像が鮮明になってくる。
この確執の元凶は何なのか?
ただただ犯人を追い詰めるミステリーではなく、刑事部と公安部、2人ずつ計4人の複雑に絡まる生き方、その人物たちの生のリアルな物語に重点を置いた作品。
その濃厚で濃密な、それでいて謎めいた話の作りにどんどんどんどんハマっていってしまう。
その謎を知りたくて止まらなくなってしまう。
前に読んだ『震える牛』も衝撃的だったけど、これも鳥肌ものです。
Posted by ブクログ
樫山順子シリーズ第2弾
覇王の轍に続く今作で完全にお気に入りのシリーズになっちゃった。
今回は地方創生という名のもとの闇を描いたものであるが、巻末の参考文献を読むまでもなく日本を壊した男こと兵頭のモデルは竹中平蔵、リエゾンのモデルはパソナということはすぐにわかったが妙にしっくり来るのはリアルの世界でもそう変わらないのかなと思ってしまう。
樫山のキャリア然としない現場至上主義と青臭くいたいという心意気と相手に寄り添う姿に今回も心打たれたし、古賀の今までの贖罪の意味もあるのだろうが終の住処を守りたいという魂の叫びにもとても引き寄せられるものがあった。
そして何よりものすごく緻密なスキームと『勝負の神様は細部に宿る』を地でいくごとくの丁寧な筆致が素晴らしい。
文中の「雇用は増えても派遣社員」という言葉は地方創生なんてまやかしなのかなと思わせられてしまう。
古賀を主役としたスピンオフを出して欲しいなと思ったら既に出てたし、読んでもいた(^_^;)
Posted by ブクログ
相場氏の小説は可視化されていない社会問題を暴いています。
食品偽造問題の「震える牛」、格差社会の有り様を浮き彫りにした「ガラパゴス」
そして本作は移民者家族との教育格差を白日のもとに晒します。
中国人は中間層も含めて本国での加熱する教育問題を避けるために、海外の大学
に進学し、その国の企業に就職する層が増加しています。
いわゆる富裕層であれば米国や欧州を目指し、中間層であれば近い日本を目指す
と言われています。
当然学費はそれなりにかかりますが今の日本は安いです。たとえ最近法改正され
た準備金3,000万円であっても払えない額らしいです。
そういう留学生は日本語はもちろんのこと、他の国へ短期留学までして多言語を
卒業するまでに身につけてしまいます。
日本の普通の学生は、そんな彼ら彼女らと就職活動で争うことになります。その
時に圧倒的な力の差を見せられた時に人はどう行動するのでしょうか。
社会派ミステリー作家による「今のニッポン」を知る一冊です。