金原ひとみの作品一覧
「金原ひとみ」の「GOAT meets」「YABUNONAKAーヤブノナカー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
7つのストーリーがそれぞれにいい味を出していて、絶妙な切り口のストーリーになっていておもしろい。
私の口にあった3作を選ぶなら、
原田ひ香さん「最後に、何を食べたの?」
井上荒野さん「本当の話」
寺地はるなさん「小曾根幸子の送別会」。
今(私的に)話題の原田さんのストーリーは、はじめは、頭が?の状態から、少しずつ、ヤバいことしようとしてる展開が理解できてきて、なるほど、という結末で落ち着くけど、きっと、もっともっと濃く長くしたら、すごく面白い一冊の本になるような気がする。読みたい。なんとなく、「PRIZE」に近しい心情になる気がする。ド素人的な感想です。
Posted by ブクログ
なんだか浜野さんの早口口調面白いな〜
まさかさんといい感じでおかしいのに微笑ましいなって思ってたらどんどん浜野さんの元旦那との日々やすれ違い、不妊治療、流産に対する辛さや心の葛藤、子供への渇望が出てきて過去編は読むと抉られる、苦しい気持ちになったけど。
走って走って走り切って、手に入らなくてパキンと心が折れてしまって、、それでそこから10年、同じ日々で自分の心を守ってきていたのかなとか思ったりして、、そんな10年越しに浜野さんとまさかさんは意外な形で再び出会って。
今は、つかず離れずのほどよい距離感、何かに焦らされる事もなく自分以外での不安要素も考えなくていい。
お互いにちょっと寄り添いませんか?っていう穏やかな形で寄り添え合えた浜野さんが本当に本当に良かったねって思ったし。
大恋愛とか激情とかではなくて巡り巡って、出会えた2人の距離感に読んでる自分も安心した。
過去編から終わりまで読むページが止まらなくて、眠たいし寝ないといけないのに読み切ってしまった。
辛い所も読んで浜野さんの過去を知ったからこそ今の巡り合わせがあったのかなって。
ああ、、辛かったんだな浜野さん。真面目すぎて、それ故に子供を産まないと欠落していると思ってしまう考えが自分と似ていて苦しくなる。
でも今はむしろ子供が嫌い、なんであんなに欲しかったのか。
人間はその時のホルモンや立場や環境で欲しいと思うものが変化する。
その言葉にちょっと納得して救われた気がした。
Posted by ブクログ
親父の文藝春秋をひったくって『蛇にピアス』を読んで以来、「この人は俺とは合わない」と決めつけて遠ざけていたことを、今になって全力で悔いている。伝え聞く作者のイメージと異なり予期せぬ読後感の良さに戸惑ったが、期待よりはるかに素晴らしかった。
陰キャ寄りだけど普通of普通の権化たる主人公真野。読む人によって「ここは自分より優れている、ここは劣っている」という感じ方が変わってくるような丁度いいキャラメイク。それをひっくるめて普通を極めたような存在で面白い。
それぞれ個性の塊のような同僚たちも、読んでいるとひとりひとりに愛着が湧く。
真野が普通であることもまた個性として肯定される空間は居心地がいいだろうなぁ。
マナツさんのように教養やボキャブラリーの豊かさが滲み出てしまうような人には主にしょうもないことを語らせて、それほど頭が良くなさそうな人にふと真理を突いたようなことを言わせる金原ひとみさんの天才的なバランス感覚が恐ろしい。
169ページから172ページにかけてのブリュノとマナツさんの会話。カレーの定義から比較文化論、広義の哲学、人生とは何か、自分とは何かまで転がる場面。正直ここだけ切り取って売ってもお金が取れる文章だと思う。
自分は『美味しんぼ』の24巻(まるまる1巻分カレーに費やしている)が好きなのだが、世に出た時代の差こそあれ、この会話だけで当時の美味しんぼのレベルを凌駕しているとしか言いようがない。
で、何が最も凄いかというと、この会話をそっくりカットしても物語上成立しうるということ。もう笑うしかない。
純文学よりの作品で主人公を取り巻くいつもの日常が突如異常な変化を見せる、みたいな展開がたまらなく好きな自分にとっては『フェスティヴィタDEATHシ』の集団ジャンプのシーン、『ウルトラノーマル』の最後の方など、まさに大好物。作者がノリノリでアクセルベタ踏みしている様が見えるようでゾクゾクする。
次はもっとヘビーな方向の作品を読んでみようかな。過去の作品を遡って読みたい作家がまた増えてしまった。ああ困った。