医療体制作品一覧

  • 外科医キアラは死亡フラグを許さない ~死人だらけのシナリオは、前世の知識で書きかえます~ 1巻
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    天才外科医・桐原アキラは、突如『シンデレラの婚約』の主人公キアラ・ベルワースに転生してしまう。キアラの世界では魔術で怪我を治していたが、魔術で治せない怪我人は見捨てられていた。この国の医療体制を見直したい王子・セシルのプロポーズとバックアップを受け、魔術で治らない患者たちを外科手術で治していく。最初は相棒のような関係の王子だったが、だんだんお互い惹かれていって――。医療改革で国を救う、転生医療ファンタジー。
  • 【文庫版】ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論01
    完結
    5.0
    全5巻825~935円 (税込)
    シリーズ累計22万部突破の問題作が待望の文庫化!   コロナ禍は日本にとって「第2の敗戦」と言っても過言ではないだろう。なぜなら「失敗の本質」が先の大戦と驚くほど重なるからだ。  メディア御用達の専門家たちが振りかざした権威主義と「嘘」、恐怖を煽るだけ煽って視聴率をとりにいったメディア、ポピュリズムに走る政治家が場当たり的に発動した緊急事態宣言、世界一と自画自賛していた医療体制を既得権益を守るために自ら崩壊させた日本医師会、日本特有の同調圧力から社会の「分断」を加速させたマスク全体主義……。  日本は先進国のなかでももっとも死亡率・重症化率を抑え込んだのに、なぜ、これほどまでに大きな傷を負い、今なお復興が立ち遅れているのか……? 『ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(1998年・幻冬舎刊)をはじめ、これまで国論を二分するような数々の論争を巻き起こしてきた漫画家・小林よしのり氏が突きつける渾身の日本人論。コロナが炙り出した日本国の欺瞞を総括する! ※巻末には、ネットニュース編集者の中川淳一郎さんによる「解説」を特別収録しています。 ※12月発売の【文庫版】『コロナ論05』には、特別描き下ろし作品を収録予定です。
  • 青森ドクターヘリ 劇的救命日記2 空飛ぶ院長、医療過疎を救う!
    4.0
    ドクターヘリ、ドクターカーに続き、日本初の移動緊急手術室(ドクターカーV3)を実現した今明秀は、今も現役ヘリドクターとして患者の元へ駆け付ける、日本で唯一の“空飛ぶ院長”だ。いまや日本屈指となった八戸ERの奮闘で、ドクターヘリの年間出動回数は800件超、ドクターカーの出動件数は年間1500件超と日本で1位、2位のレベルに達し、青森県の救命救急医療体制は劇的に改善、“短命県ワースト1”の地元にとって、なくてはならない存在となっている。本書は、今院長とへき地医療に挑む若き救命救急医たちの迫真のドキュメントである。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 鴨川カレイドスコープ ~京都の医大病院を舞台にした10人の物語~
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    医学生、看護学生、医師、看護師、技術者、研究者…… 150年の歴史をもつ医科大学とその附属病院を舞台に 医療人としての多彩な選択肢(ルビ:キャリア)を描く オムニバスストーリー。 ---------------------------------------------------------- 京都・鴨川のほとりには四季折々の景色を舞台に、医療の未来を切り拓く医学生や看護学生、 研究者や医療従事者たちが織りなす数々の物語があります。 患者や熟練の看護師に叱られながらも使命感をもって実習を重ね、 やがて患者に頼られ心の拠り所となっていく看護学生。 新生児を救う現場で、生まれたばかりの命が伝えようとしているサインを汲み取りながら 成長を見守るNICU(新生児集中治療室)の専属理学療法士。 最先端の医療技術やロボット支援手術のノウハウを取得する一方で、 一児の母としての顔をもち娘の励ましの言葉によって自分を奮い立たせている外科医。 そして、地域住民が安心して暮らせる医療体制の構築に励む外科医の病院長など、 ここには患者に寄り添う優しさとさまざまな困難を乗り越える強さを併せ持った者たちが、 明日の医療を考え担う数々の風景があります。 本書では、大学病院で学び、附属病院で働いているさまざまな医療人たちにフォーカスし、 それぞれの志や思いを胸によりよき医療を志す者たちの挑戦の姿をエピソード形式で描いています。 これから医療を学ぶ人に限らず、医療従事者が将来のキャリアを考えるうえでも 多くのヒントが散りばめられている一冊です。

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  • 監獄女医(1) 地下牢の囚人
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    1巻770円 (税込)
    富士見ケ丘刑務所で囚人・久保光男が医務課長の前田医師を殺害する事件が発生した。前田の後任として赴任した女医・若宮冴子は、一般社会とはかけはなれた、医療体制や刑務所内の人間関係に当惑するが、徐々に自らの信念を所内に、そして囚人たちの間に浸透させていく。ある日、懲罰房である地下牢に入っている久保の健康診断にあたった冴子は、前田医師殺害の裏に、刑務所ぐるみの不正を嗅ぎつける。公正な裁判を求めて調査を開始した冴子だったが……。  美貌の女医・若宮冴子が謎を解き明かすミステリ小説、「監獄女医」シリーズ第1弾。 ●二条 睦(にじょう・むつみ) 1966年、広島基町高校卒業、法政大学法学部中退。法務省法務事務官・刑務官を経て小説家デビュー。ヒューマン・プリズンミステリーのパイオニア。
  • クロワッサン特別編集 新訂版 身内に介護が必要なときの手続き
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※本ムックはカラーページを含みます。お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。 2018年度介護保険制度改正に対応。 最新情報を盛り込んだ新訂版です。 まだまだ元気と思っていた大切な身内。 ところがある日突然にケガや病気で介護が必要になってしまうことがある。 その時、何の準備もなく介護難民状態になってしまったら、 介護される側もする側も不幸な事態に。 大切なのは事前に介護に関する正しい知識や情報を知っておくこと。 介護は「知識と情報」が勝負です。 正しい手続きを踏むことで、きっと介護難民を回避できるはず。 本書では「介護の準備」「在宅介護」「介護の制度・お金」「施設介護」、 各段階での必要な知識と手続きの数々を、分かりやすく整理しました。 「介護の準備」では、介護全体の流れから、 日常的に身内と接しているときに心がけること、 介護にならないようにする予防手段などを解説。 「在宅介護」では、入院から始まる介護の流れを、 在宅で受けられるサービスを中心に紹介。 ケアマネジャーとの付き合い方などもわかります。 「介護の制度・お金」では、一番気になる費用について、 知っておくべき制度や費用の目安を解説。 金銭的に破綻しないノウハウが学べます。 「施設介護」では、施設への入所という、 介護される側にとってデリケートな問題を、施設の選び方から指南。 気になるケース別のマネープランも分かりやすく解説。 実際の施設を取材。介護される身内の不安を解消する内容です。 そして今回は、前向きに老後を暮らしたい方に向けて、 元気なうちから入る「自立型」の施設も取材しました。 ホテル並みの施設と安心安全な介護・医療体制のもと、 人生のご褒美の日々を気ままに楽しく過ごせる、 安全・快適・豪華な自立型高齢者ホームライフを紹介します。 大切な身内に介護が必要と感じたら、 まずは落ち着いて本書を一読してください。 いざという時の強い味方になる一冊です。
  • コロナ政策の費用対効果
    3.0
    人と人との接触を完全に断てばコロナウイルスに感染しないが、それでは経済・社会・生活の基盤が崩壊する。それらの維持と感染源との遮断、医療体制の整備といった政策を総合的に組み立てていくにはどうすればよいか。PCR検査、緊急事態宣言、医療提供、給付金や休業補償などをめぐるコロナ政策の費用対効果を数量的に分析。より効果的に人々の命を救い、経済の犠牲を少なくする方法があったかどうかを検討し、多岐にわたる政策の当否を検証。今後あるべき政策を提言する。
  • コロナ騒動と日本の急所
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    新型コロナウイルス流行直後から、その対策について『ドクター Gの教訓【番外編】コロナ騒動』で訴えた著者が、今回、改めて〈非常時医療体制確立〉の緊急性とワクチンの安全性を問う。
  • コロナに翻弄された家
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    90歳を前にした元NHKアナウンサーの著者がコロナ渦の初期に妹2名を失った。 政府による医療体制や政策についてジャーナリストとして問題提起した手記。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • コロナ・文明・日本
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※『中央公論』2020年7月号特集の電子化です。 ※電子版では、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載されないページがございます。 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が解除された。経済活動の緩やかな再開に安堵しつつも、第二波の発生に警戒が必要となる。人類の歴史は、感染症との闘いの歴史だった。21世紀に襲来したこの新型コロナは、世界の文明を、そして日本をどう変えるのか?(電子版通巻101号) (目次より) ●21世紀の感染症と文明 近代を襲う見えない災禍と、日本人が養ってきた公徳心 山崎正和 ●近代科学と日本の課題 コロナ後をどう見通し、つけをどう払うか 村上陽一郎 ●「やった感」はもういらない! ICT、9月入学……教育格差を是正するには? 松岡亮二 ●台湾の国際政治学者に訊く ポストコロナ 米中台トライアングルのゆくえ 何思慎×〔聞き手〕本田善彦 《コロナに想う》 ●不安への答え 多和田葉子 ●聖火引継式とギリシャ難民キャンプの間で 井本直歩子 ●不安あふれる世界にクラシック音楽がもたらすもの パーヴォ・ヤルヴィ ●介護崩壊を防ぐために 鎌田 實 ●医療体制を整備し、COVID-19を克服せよ 集団免疫とワクチン・治療薬の最前線 平野俊夫 《第一波の教訓》……聞き手:川端裕人 ●〔1〕韓国、台湾から周回遅れのFAX行政 医師の心を折る〝診療以前〞の問題群 堀 成美 ●〔2〕「8割おじさん」のクラスター対策班戦記 次の大規模流行に備え、どうしても伝えたいこと 西浦 博 ●LINE調査、オンライン診療で見えてきた ビッグデータが拓く未来の医療 宮田裕章
  • 小児期発症慢性疾患患者に寄りそう 希望の移行期医療
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    1巻1,672円 (税込)
    “医療の狭間”に閉じ込められてしまう小児期発症慢性疾患患者たち—— 成人後も適切な医療を受け続けられる社会へ てんかん、知的障害、脳性麻痺、医療的ケア児…… 小児期と成人期の医師たちがチームで患者を支える 「病診連携」のあり方とは ------------------------------------------------------ 小児期発症の神経疾患や重度神経疾患をもつ患者は、1990年代までは多くの場合 有効な治療法がなかったために成人に達するまで生存できませんでした。 しかし医療技術の目覚ましい発展により、現在では思春期さらには成人期以降まで 長く生きられるようになりました。 その一方で小児期発症疾患の継続診療が必要となる場合、成人期医療への移行が ふさわしい時期になっても医療体制が整っていないために円滑な移行ができず、 患者が行き場をなくした状態に陥ってしまうケースが急増しています。 特にてんかんなどの小児神経・脳神経分野の患者の多くは生涯にわたっての 服薬や生活支援が必要になりますが、成人診療科の医師は小児期発症の 神経疾患は専門外で診療に消極的なケースが多く、成人診療科に移行したくても、 受け皿がほとんどないというのが実情です。 一方で小児科医が小児期発症の神経疾患や重度神経疾患をもつ患者を成人後も 診ていけるかというと、就職、結婚、妊娠・出産といったライフステージに 応じた支援や、生活習慣病などの成人期発症の疾患についての知識が乏しく、 必要な医療・支援に結びつかない事例があとを絶ちません。 小児科でも成人診療科でも診てもらえず、医療の狭間に取り残されて不利益を 被っているのが移行期の患者たちです。年齢・生活に見合った適切な医療を 受けられないために、就職や妊娠・出産等が制限されることもあれば、 外出中などに万一てんかん発作が起きれば、命が危険にさらされる可能性も あります。移行支援の不備は単に医療の課題というだけでなく、患者の人生や 命に関わる重大な問題でもあるというのが著者の主張です。   著者は、東京都で小児神経・脳神経内科クリニックを開業している医師です。 小児科医のなかでも小児神経学とてんかん学を専門としており、小児期発症の 神経疾患や障害を抱える多くの患者の診療をしてきました。 そこで大人になってからも通い続けられる医療機関がないことに不安を覚える 患者やその家族が多いことに問題意識をもち、移行期医療の充実を模索し続けてきました。 移行期医療のひとつのあり方として、著者は小児神経疾患を専門とするクリニックと 病院の神経科や他の成人診療科が連携して診療をする「病診連携」を提唱しています。 小児神経クリニックの医師が病院の移行期の患者を引き受け、 小児期発症の神経疾患についての診療・生活指導を行うとともに、検査・入院など 必要に応じて病院の神経科等と連携することで、スムーズな移行が可能になります。 また成人になって発症する生活習慣病やがんなどの疾患も、やはり病院や他施設の 成人診療科と連携して対応することで、クリニック・病院の医師がそれぞれ自分の 専門を活かしつつ、安心して診療にあたることができます。 従来のように一人の主治医が患者を診るのではなく、小児神経科と関係する 成人診療科の医師がチームで患者を支えていくシステムを築くという考え方です。 これにより、小児期から成人期にかけての切れ目のない患者支援につながっていくのです。 本書では小児期から成人期への移行期医療の実情を伝えつつ、 どうすれば患者を移行期医療の狭間から救い出すことができるのか、 そのために必要な支援体制をどのように築いていけばいいか、 医師側だけでなく患者・家族側が取り組める対策について解説します。 さらなる移行期医療の充実を求める医療者、医療関係者にとって、 議論を深め改善へ乗り出すきっかけとなる一冊です。

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  • 新型コロナウイルス「オミクロン株」完全対策BOOK
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1月に入って、一気に増えてきたオミクロン株の市中感染。デルタ株の「3倍の感染力」といわれていますが、一方で軽症者が増え、「それほど怖れることはない」ともいわれています。しかし、確実に死者や重症者は出ます。さらに、急拡大で、医療従事者にも感染が広がっています。今後は、医療体制も十分対応できず、多くの人が自宅や宿泊施設での療養になります。そんな時どうしたらいいのか、経口薬やワクチンは本当に効くのか。自分の身は自分で守らなければならなくなるのがオミクロン株です。本書は、そのための対策本。監修は、テレビのコメンテーターとしても活躍中の国際医療福祉大学医学部感染症学の松本哲哉教授です。一家に一冊、必携の書です。 ※紙版書籍同様に、巻末に緊急連絡先・メモ欄を収録しておりますが、電子書籍に直接ご記入いただくことはできませんので、予めご了承ください。
  • 診断治療の質を上げる ペイシェント・ベイスド・メディスン
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    1巻1,567円 (税込)
    環境的要因と遺伝的要因から最適な治療を導く。 医療の質を向上させる新たな概念「PBM」とは -------------------------------------------------------------- 1990年代にカナダで提唱された「エビデンス・ベイスド・メディスン(Evidence-based Medicine:以下EBM)」は エビデンスに基づく医療によって、より良い治療を目指そうという考え方です。 今日ではEBMは広く医療の場に普及し、医師のみならずコメディカルの間でも当然の治療法として受け入れられています。 EBMの普及によって医療の質は大きく向上しましたが、これ自体は標準化された治療方針で 患者個々の出身地や遺伝情報などの背景は考慮されていないため、 EBMだけでは最適な治療法が提供できないことがあります。 著者の病院は眼科の単科病院ではありますが、年間10万人を超す外来患者が受診しています。 著者は膨大な患者のデータから出身地や生活歴などに焦点を当てた臨床研究を行い、 その結果を利用してより良い治療を目指すという 「ペイシェント・ベイスド・メディスン(Patient Based Medicine:以下PBM)」という考えを提唱しています。 地域包括医療で地方ごとの医療体制の強化が進む中、 その地方で起こりやすい疾病と原因を医師が患者のデータから分析するPBMが、 医療の現場で一般的に受け入れられれば、医師は患者一人ひとりに適したより良い医療を提供できるようになるのです。 本書では、現役の眼科医が分かりやすく図版を豊富に使って、 一人ひとりの患者と向き合うペイシェント・ベイスド・メディスンについて解説していきます。 医師だけでなく、医学生や眼科を専門としていない医療従事者にも読んでもらいたい一冊です。

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  • 図解即戦力 病院業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※PDF版をご希望の方は Gihyo Digital Publishingも合わせてご覧ください。 社会の変容による影響は自治体病院をはじめとした地域医療の現場にも及んでおり,高齢化による社会保障費の圧迫や赤字経営となる病院の増加などの課題が多く発生しています。加えて,全国的な医師不足や高齢化社会後の医療需要の低下といった将来的懸念も生じており,医療体制は大きく変化しようとしています。 しかしながら,こうした問題を抱えてなお国家財政からの支出規模,先端技術の市場規模,労働従事者の数といった点で病院に関わる医療事業の規模は非常に大きなものであるといえます。独特な制度や慣習も多い業界ですが,本書でそのしくみと事業内容がわかります。
  • 「想定外」 をやっつけろ! ー検証・なぜ墨田区はコロナ禍第5波で重傷者を出さなかったのか
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    021年7月初めから急速に患者が拡大し、9月まで続いた新型コロナウイルスの感染拡大第5波は、それまでにない激流となって各地に押し寄せた。重症化する患者が相次ぎ、入院が必要なのに在宅での療養をよぎなくされる患者も激増。入院できないまま自宅で死亡する例も出た。もはや「医療逼迫」を超えて「医療崩壊」と言わざるをえない惨状を呈した。 東京都では、8月12日~9月14日の間、都の基準による重症者数が連日200人を超え、8月28日には過去最高の297人に達した。重症者用の病床使用率は、9月1日に96.9%となった。 救急車を呼んでも、搬送先がなかなか見つからず、長時間患者が車内で待たされるケースも増加した。救急隊が「医療機関への受入れ照会」を4回以上おこない、「現場滞在時間」30分以上に及んだ「救急搬送困難事案」を、総務省がまとめているが、東京都では7月19日から9月12日までに毎週1000件以上が報告されている。とりわけ8月9日~15日の週においては、その数は1837件にも上った(うち、コロナ疑いは870件)。 自宅療養者の死亡者も同様に増加し、9月19日付読売新聞によると、8月1日以降9月17日までの東京都で、自宅療養中に亡くなった人は44人(救急搬送後の死亡者を含む)を数えた。 そんな中、東京都墨田区のデータがひときわ目を引く。 同保健所によると6月25日~9月29日の重症者数はゼロ。大都市圏でこの時期に重症者が1人も出なかった自治体は珍しいのではないだろうか。入院待機者も8月中旬にはゼロとなり、ほかの都市部の自治体のように、本来入院が必要な患者が自宅療養をよぎなくされる、という事態はなくなった。 こうした対策が功を奏した背景には、速やかなワクチン接種や、「墨田区モデル」とも呼ばれる地域内で完結する医療体制の整備、区と医療関係者の連携、議会の対応など、いくつもの要因がある。 本書では、そうした墨田区の対策を概覧しながら、なぜワクチン接種を速く進めることができたのか、ワクチン以外にどのような対策が有効だったのかを見ていくことにする。墨田区の取り組みと知見を記録として残すことで、危機時における地方自治体のあり方を考える参考にしていただければ、と思う。
  • 脱・コロナ恐慌
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新型コロナウイルスの感染拡大によって、 世界大恐慌以来最悪の景気後退が予測されている。 迫り来る「コロナ恐慌」を、日本はいかにして乗り切るのか? そして、「コロナ後」の世界秩序はどうなるのか? (『中央公論』2020年6月号特集の電子化) <日本の選択> 経営者は「変化はチャンス」の発想を 中西宏明 ●連合会長、あいまいな政府の対応にもの申す 一過性に終わらないセーフティネットを急げ 神津里季生 ●日本経済を襲うコロナショック 需要、供給、所得を止める未曽有の複合危機 小峰隆夫 ●労働経済学×希望学×危機対応学からのヒント 異常と変化に対応しうる「働き方」へ 玄田有史 ●五輪に「ワンチーム」は可能か? 安倍さん、小池さん、山下さん、そしてバッハ会長のこと 森 喜朗 聞き手 二宮清純 ●JFA会長の闘病、生還、そして今後 私もサッカーも五輪もコロナに負けない! 田嶋幸三 <世界の変容> ●【鼎談】パックス・アメリカーナの終焉が来る? アフターコロナの地政学 鈴木一人×細谷雄一×詫摩佳代 ●トランプvs.バイデン 異例の「戦時」大統領選挙 渡辺 靖 ●ポスト・コロナの世界を予見する 国内の行政権が強まりグローバリズムは後退する 佐藤 優 ●「疫病史観」による中国の一〇〇年と新型肺炎 飯島 渉 ●感染拡大するイタリア その医療体制と国民性 日伊 国際電話で交わした夫婦の議論 ヤマザキマリ
  • 知事の虚と実
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新型コロナウイルス感染症の拡大で、都道府県知事の存在がクローズアップされている。緊急事態宣言下では休業要請などをめぐり国と地方の役割分担の曖昧さが露呈し、さまざまな論議を呼んだ。“自治体格差”を生んだ、独自の緊急事態宣言、PCR検査、警報基準設定などの施策は知事のパフォーマンスなのか、それとも地方自治の原点回帰なのか……。 ※『中央公論』2020年8月号特集の電子化です。 ※電子版では、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載されないページがございます。 (電子版通巻102号) 【目次】 《「首長格差」に迫る》 ①神奈川県 国、県、市町村の曖昧な関係を正せ 小池・吉村両知事のように国を批判すれば済むのか 黒岩祐治 ②鳥取県 目立たず、地味に一歩一歩 感染症対策にパフォーマンスはいらない 平井伸治 ○取材を終えて 国の「政治主導」、地方の「政治主導」 砂原庸介 ●地方分権改革に逆行する首長のコロナ対応 「社長」が自らを「中間管理職」に貶めるな 片山善博 ●データで読み解く感染症対策 保健・医療体制、コロナ対応の47都道府県格差 曽我謙悟 ●吉村大阪府知事の高評価は維新支持を牽引するか 善教将大 ●経済再生大臣に迫る 国と自治体の役割の違いとは? コロナ第一波の総点検 総力あげて第二波に備えよ 西村康稔×〔聞き手〕田原総一朗 ●出でよ「乱暴」なリスクテイカー 冨山和彦
  • 中国発・新型コロナウィルス感染 霊査
    4.8
    なぜ、突然起こったのか。 どうすれば感染拡大を 阻止できるのか――。 中国全土で猛威を振るう 新型悪性ウィルス。 このタイミングで 発生した理由とは。 そこに何らかの天意が 隠されているのか。 発生原因を探っていくなかで、 次々と明らかになる衝撃の真相! ◇香港デモ、蔡総統の再選――  北京政府による香港・台湾への  強硬策が懸念されていた時になぜ ◇武漢のウィルス研究所か?  それとも生物兵器か?  新型ウィルスの発生源は  生鮮市場ではなかった? ◇医療体制の不備、そして  情報統制による初動の遅れ  人命を軽視する  中国の問題点が明らかに ◇中国発の不況に備え、  日本も中国頼りから  脱却した経済構造にシフトせよ ◇習近平主席の国賓待遇について  皇居にウィルスを  持ち込むわけにはいかない ◇唯物論的な中国に対する  宇宙からのメッセージ  天変地異や天災は  何を暗示しているのか ■■ メタトロンの人物紹介 ■■ 射手座・インクルード星の宇宙人。イエス・キリストの宇宙の魂(アモール)の一部。6500年ほど前にメソポタミア地方に生まれた。光の神の一人。 ■■ R・A・ゴールの人物紹介 ■■ こぐま座アンダルシアβ星の宇宙人。宇宙防衛軍の司令官の一人であり、メシア(救世主)資格を持つ。 ■■ ヤイドロンの人物紹介 ■■ マゼラン銀河・エルダー星の宇宙人。地球霊界における高次元霊的な力を持っており、「正義の神」に相当する。現在、地上に大川隆法として下生している地球神エル・カンターレの外護的役割を担う。地球上で起こる文明の興亡や戦争、大災害等にもかかわっている。
  • DNAは苦悩する [新装版] 1
    5.0
    1~2巻528円 (税込)
    大学病院で医療体制に疑問を感じ、故郷に戻ってきた勝(かつ)。そこで待っていたのは、夫と死別した小児科医・美里(みさと)と、そのひと粒種・克己(かつみ)との運命の出会いだった。しだいに惹かれ合う勝と美里だったが……。親子の絆、男女のつながり、そして真実の愛とは何かを描く、ヒューマンラブストーリーの傑作!
  • 東京五輪の大罪 ──政府・電通・メディア・IOC
    4.8
    世界的パンデミックのなか、東京五輪・パラリンピックが強行された。1年延期されたものの新型コロナの猛威は止まる所をしらず医療体制は逼迫。再延期や中止を求める声も高まるなかでの開催だった。しかし、政府が望む支持率のアップにはつながらず、国民軽視、あからさまな既得権益層の利益優先の姿勢が明らかになった。さらにこの華やかな祭典を動かしてきた巨大広告会社「電通」による、世論誘導やメディア支配も浮き彫りになった。本書はこの問題を長年追ってきた第一人者による東京オリンピック総括である。
  • 日本の医療はなぜ弱体化したのか 再生は可能なのか
    4.0
    なぜここまで日本の医療制度、医療体制は弱体化したのか。再生は可能なのか。現場の医師や研究者が提言する。
  • 人は死ねない
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    医療未来学が描く「老い」と「死の未来」 人間と死の関係は、今まさに歴史的転換点を迎えている 寿命が延びて、死ななくなるというのは、大問題だ。 納得のいく死に方を考えるよりも、定年退職後、 30年、40年を一体どのように生きればよいのか。 生き方の根本を大改革しなければならない。 ――田原総一朗さん推薦! AI診断、ゲノム編集、手術支援ロボット、人工臓器、予防ビジネス……医療が完成形に近づき、人間が本当に120歳まで生きられる時代がすぐそこまでやってきた。しかし問題は、誰もが健康な状態で長生きできるわけではないということ。超長寿時代は、一人ひとりの人生の時間が長くなる一方で、体に致死的でない小さな不調を抱えながら生きる人が大量に増える時代でもある。そのとき世の中は?個人の生き方は? 死のあり方は? 最先端の医学研究や医療予測に詳しい著者が、未来の医療のあり方とそこに生じる問題点を提示しながら、超長寿時代の死とは何かを考えてゆく一冊。 【目次】 第1章:あらゆる病気は克服されていく――人生120年が現実味を帯びる現代 ・病気の克服が「生のあり方」を変え、「死のあり方」を変える ・人類が感染症の脅威から解放される日 ・20世紀の半ばから、たたかう相手はがん・心疾患・脳疾患に ・がんや神経難病も未来には克服される ・人工臓器も実現しつつある ・現代人の体力向上、救急医療体制の充実も「死なない」要因に ・遺伝子解析技術とセンシングで、予防医学がますます進歩する ・AI診断によって「誤診」が激減する ・人生100年、120年が現実味を帯びてきた 未来のストーリー:100歳まで生きることなどめずらしくも何ともない 第2章:健康とお金の関係はこう変わる―─経済力が「長生きの質」を決める ・「多病息災」で、今以上に医療費がかかる ・老化を治療できても医療費はかかる ・医療費が「全額自己負担」になる可能性も ・経済力が「長生きの質」を決める? ・人間拡張技術によって老化がハンディでなくなる ・「死」は「幸せな区切り」になりうる 未来のストーリー:経済力の有無で長生きの質に格差が生まれる 第3章:ゆらぐ死生観─―自分なりの「死のあり方」を持つ ・シナリオどおりに生きられると「生のあり方」が変わる ・「典型的な死のプロセス」も変わっていく ・現代医療は患者さん個人の背景まで考慮できない ・安楽死について ・医師は医師として生きている ・同調圧力、自己決定、自己決定権 ・新しい「死のあり方」に制度が追いついていない ・死生観を持つのは誰なのか ・自分なりの「死のあり方」を持ち、納得する死を迎える 未来のストーリー:100歳を超えた私の「お迎え」はいつくる? 第4章:誰が死のオーナーか─―死を取り巻く問題を考える ・「生」に自己決定権はなかったが「死の自己決定権」はある ・「脳死」の定義はあるのに「死」の定義はない日本の法律 ・延命治療は「一度始めたらやめられない」は本当か ・「人間医師」はどこまで責任を負わされるのか ・医療に関する「意思表示」が不可欠な時代に ・未来には「積極的な死」が増えてくる? ・すでに安楽死が法制化されている国や地域も ・「死なない時代」に、安楽死は「一切れのパン」となる ・死体は誰のもの? 臓器提供をめぐる問題 ・高齢者に歴史あり 未来のストーリー:安楽死が法制化された未来 第5章:未来の死を考えるための20の視点 視点1 肉体がなければ、衰えることもない 視点2 永遠の生:悪魔との取引 視点3 医師を呼ばない息子の妻への怒り 視点4 生涯独身の私は、独りで死んでいくのか 視点5 人生をともにするパートナーと同じ気持ちを共有しているか? 視点6 死の定義をあなたが決める立場ならどうする? 視点7 臓器提供が「推定同意」になる前夜の夫婦の会話 視点8 有限な貯金の使い道:高度な治療を取るか家族の団らんを取るか? 視点9 死の間際までハイテクを使えるなら、何を使う? 視点10 どんな医療制度を望むか 視点11 子どもが脳死になったらどうするか 視点12 早期定年の企業に息子が就職しようとしてら、親として反対するか 視点13 自分の死について、医師にどんな役割を担ってほしいか。またその医師は具体的に決まっているか? 視点14 死期を明確に早める新種の薬が開発された。不治の病に冒されているあたなたはどうするか 視点15 治療や延命に関する意思表示の情報を更新していなかった。どうするか 視点16 そして誰もいなくなったら、自然に任せるか 視点17 サルコを買った彼 視点18 お迎えサービス 視点19 価値のある人生なんて決められる? 命の再配分は冒瀆? 視点20 何歳まで生きたいか おわりに――死のデザインという提案 「小霜君」について――むすびにかえて
  • 【フェアの思考(6)】今後のための検証・肺炎感染「クルーズ船」に日本政府はどう対処すべきだったか?【橋下徹の「問題解決の授業」Vol.188】
    -
    1巻330円 (税込)
    橋下徹公式メールマガジン「学者やコンサルでは伝えられない橋下徹の「問題解決の授業」」を号毎に電子書籍化。 <今号の内容> ■ダイヤモンド・プリンセス号「封鎖」には医療体制強化の意思が見られなかった ■危機対応の鉄則:自分の対応範囲を極小化すべし ■僕も大阪市長時代のクルーズ船誘致で感染症対策は念頭になかった ■感染症対策・事前計画を地震対策・事前計画並みに整備せよ ■感染症対策にも自衛隊の知見を最大限に活用せよ ■「日本人を見捨てた」ウエステルダム号への政府の対応 <橋下徹メッセージ> 『独裁者』『民主主義の破壊者』と散々な言われ方をされてきた僕ですが、私人に戻った今だからこそ、皆さんにお話したいことがたくさんあります。府知事、市長在任中に、メディアで報じられたことは全体の中のほんの一部。しかも、いちいち訂正するのが間に合わないほどに好き勝手に報じられました。僕が何を考え、大阪府、大阪市の改革、そして大阪都構想を目指したのか。小さな弁護士事務所の代表から38歳で政治家に転身した僕が、いかにして数万人規模の役所組織をマネジメントしたのか。資金も組織もない中でいかにして政党を作り上げ、マネジメントしたのか。それまでの役所の常識・行動様式とぶつかり合い、いかにして前例のない大胆な改革を実行したのか。そういった本当に価値のある話は、メディアは報じてくれないんです。だから自慢話を織り交ぜながら(笑)、皆さんのビジネスに少しでもお役に立ててもらえればという気持ちで全てを話すためにメールマガジンを始めます。僕を散々に批判してくれた人たちとも、今まで以上に議論を戦わせていきたいと思っていますので、どうぞよろしく。
  • プロフェッショナル 仕事の流儀 杢尾雪絵 ユニセフ職員 いつも心に青空を
    -
    時代の最前線にいる「プロフェッショナル」はどのように発想し、斬新な仕事を切り開いているのか。どんな試行錯誤を経て、成功をつかんだのか。時代をどのように見つめ、次に進んでいこうとしているのか。NHKの人気番組 『プロフェッショナル 仕事の流儀』より、本気で「仕事」を考え、取り組もうとするすべての人にお届けする、待望の電子書籍シリーズ! ■世界の子どもを守るため 杢尾雪絵の仕事(ユニセフ職員) いつも心に青空を アフガニスタンと国境を接する中央アジアの国・タジキスタンは、政情不安により衛生状態が悪く、医療体制も不十分。5歳までに亡くなる子供の割合は日本の20倍に上るという。ユニセフ・タジキスタン事務所代表の杢尾雪絵は、そんなタジキスタンで子どもたちの命や健康を守るために活動する。「子どもは生まれながらにしてみな平等なはず。大きな犠牲になっている子どもたちを見ると憤りを覚える」という杢尾の信念はどこからくるのか。 1960年 東京都生まれ/1983年 日本女子大学家政学部住居学科卒業後、建築事務所の都市計画部門コンサルタントとなる/1987年 青年海外協力隊に応募。フィジーに赴任(~1990)/1991年 UNV(国連ボランティア)で、湾岸戦争直後のトルコ南東部クルド人難民キャンプに赴任、アメリカ・コーネル大学大学院へ留学。都市計画と開発を学ぶ/1995年 ユニセフのJPO(教育・保健プログラムオフィサー)としてモンゴル事務所に勤務/1997年 ユニセフ・コソボ事務所に赴任/1999年 コソボの戦況悪化のためマケドニアへ避難。その後、ユニセフ・モンテネグロ事務所に赴任/2001年 ユニセフ・タジキスタン事務所に事務所代表として赴任

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  • ポストコロナの政策構想 医療・財政・社会保障・産業
    3.5
    ■オリ・パラ開催・観客論争、後手に回った感染拡大防止対策、PCR検査体制・医療体制の不備、ワクチン接種をめぐる縦割り行政、中央・地方政府間の連携の悪さ、医療専門家と経済専門家との不協和音、露呈したデジタル化の遅れ。さらに日本は、生産性・経済の低迷のために、長期衰退も、もはや絵空事ではなくなった。 ■日本はコロナ対応において、どこで、何を、どう間違ったのか。危機を突破する道はどこにあるのか。カギはガバナンス(統治構造)とリスクシェアのあり方を変えることにある。 ■経済学の知見をもとに、コロナ危機に対する数々の政策を早くから提言し続けてきた経済学者が、日本社会を立て直すための包括的な政策ビジョンを提示。コロナ対策をめぐる意思決定過程を間近で見てきた著者だけにしかなしえない観察、洞察にもとづき、豊かな構想力で描き出す。
  • ポストコロナの保健医療体制を考える
    -
    1巻3,960円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 過去3 年間新型コロナのパンデミックの影響を受けて、日本の医療体制の脆弱性が図らずも浮き彫りになりました。医療体制が感染症の大流行に対応するように構築されて来なかったことに起因しているに違いないが、そもそも過去半世紀の間、急性疾患よりも慢性疾患への対応にシフトしてきた経緯があります。 しかしながら、この度のコロナ禍により現行の公衆衛生・医療体制ではパンデミックへの対応が困難であることが判明しました。国民はこれに対して強い不安を抱くようになってきており、今後再びパンデミックに襲われた場合を考えると従来改革して来た体制を大きくシフトせざるを得ないではないかと思われます。しかし、このような方向転換は必ずしも容易ではないでしょう。単に保健所や医療機関を増やすことだけでは解決できると思われないからです。なぜならば高齢化に関連する慢性生活習慣病対策と急性感染症の臨時対応の双方を両立させなければならないからです。そのうえ介護という福祉面での対応も考慮しなければならないし、このなかで適正解を得ることは今後の大きな挑戦であると言えよう。 さらに言えば、公衆衛生・医療体制の再構築のみならず、すでに進められてきた地方分権の方向と中央政府の役割についても見直さざるを得ないかも知れない。これらはいわば「この国のかたち」をどういう形にするのが望ましいのかという実にマクロ的な展望が要求される世紀のターニングポイントにさしかかったとも言えるほどの大きな課題であります。 本書では今までに日本の保健医療体制を長期間にわたって観察して来た研究者からマクロの視点で語って頂いたうえで、長い間管理者として実務に携わってきたベテラン医師等が今後の体制の構築について具体的に述べて頂いた。そして最後に現在現場で保健医療関連の仕事をされている先生方に現状を踏まえた将来の問題点を整理して頂く構成となっています。そいう意味では本書はいわば展望論であり、読者諸氏のそれぞれの立場からすれば異なる意見もあろうかと思われますが、ご感想を寄せて頂ければ幸いに存じます。
  • 真夜中のこじか 1
    完結
    5.0
    17年前、弟の命を救ってくれた医師・土門大吾に強い憧れと感謝の念を持って小児科医になった朝比奈伴美。念願通り土門小児科クリニックで働き始めるが、24時間診療のその職場はまるで戦場のような忙しさでエース医師が退職する中、院長の大吾も過労がたたって病に倒れる。院長代理として現れた土門健吾は病院を独断で夜間専門の体制に変えてしまう。当初は24時間診療にこだわる伴美だが、肝要なのは24時間の病院を作ることではなく、24時間の医療体制を作ること、そして医療の質を上げる努力を忘れないことと気づく。慢性的な医師不足で危機に瀕する日本の小児医療の現場。 未来を担う子ども達のため伴美は今日も奮闘する。
  • もしものためのペット専門医療
    -
    日本獣医師会の発表によると、1980年の犬猫の平均寿命は3~4歳でした。1990年頃には約10歳、現在では13~14歳と40年の間に10歳を寿命が延びています。ペットが長生きし、大事に飼われるのは喜ばしいことですが、高齢化による病気のリスクは高まりました。「がん」や「認知症」、「心臓病」、「関節疾患」など、高齢になるとかかりやすい、人間と同じような病気がペットにも起こるからです。(「はじめに」より抜粋) -------------------------------- 飼い主のペットに対する健康志向が高まるにつれて、動物医療に対して求められることは多様化し、専門的な知識が必要とされてきています。内科、外科、耳鼻科、眼科……と細かく診療科が分かれている人間の病院に対し、動物病院は多くの場合、1人の医師が全身すべての病気を診る「1人総合病院」状態が一般的でした。しかし、そこから脱却し、高度医療を担う施設や専門分野に特化した病院の増加、施設間で連携し紹介しあう体制づくりなど、人間のような医療体制が求められています。動物にも高度で専門的な知識を提供できれば、今まで救えなかった命を救うことができるからです。 本書では、グループ病院全体で年間3000件を超える手術を行うなど、動物の高度医療を目指す獣医師が、診断や治療の最前線を紹介し、ペットの「こんなとき、どうする?」という悩みにも、症状別に分かりやすく解説しています。

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  • ゆりかごにそっと 熊本慈恵病院「こうのとりのゆりかご」に託された母と子の命
    4.3
    日本にあるベビーボックスは「こうのとりのゆりかご」ただ一つ。 72歳の医師が「こうのとりのゆりかご」を開いて10年、 あらゆるバッシング、危機に耐え、130人の命を救ってきた。 【編集者から】 「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)を創設し、 あらゆる困難をのりこえ運営を継続してきた、熊本慈恵病院院長・蓮田太二院長の初めての単独著書です。 本書を読んでいただければ、「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)=「赤ちゃんを捨てるところ」 という見方が、まったくの誤りであることを理解していただけると思います。 365日24時間体制で、行き場を失い孤立出産に追い込まれている多くの女性の相談にのり、サポートしてきたこと。 やむなく「こうのとりのゆりかご」に置かれた赤ちゃんを、生命の危機から救うための医療体制を常に準備してきたこと。 その赤ちゃんの親が現れなかった場合には、赤ちゃんの幸福を考え、赤ちゃんを愛してくれる里親を探し、その里親のサポートをも行ってきたこと。 このすべての活動が、慈恵病院という一医療法人の献身的努力によって支えられてきました。 しかしながら、こうした活動が日本で唯一、一医療法人の献身的努力で成立しているということに、問題の深刻さがあるともいえます。 本書では、蓮田太二院長の活動を引き継ぎ、グローバルな視点でこの問題をとらえ、 また、匿名出産・内密出産の法的な問題にも取り組んでいる蓮田 健副院長の活動も紹介されています。 深刻化している子どものいじめや虐待の問題も「こうのとりのゆりかご」の延長線上にあると考えるなら、 むしろ、問題は緊急度を増しているといってもいいと思います(慈恵病院では、こども食堂も運営されています)。 ぜひ、ご一読ください!

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