歴史・時代小説作品一覧
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-最上義光、山形に立つ。父・義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患をいかに乗り越え、山形に君臨することができたのか!? 伊達政宗との抗争から上杉軍と激闘を繰り広げた一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟まで、義光の「負けまい、勝つまいの戦」を見よ! 山形在住の直木賞作家による渾身の歴史巨篇。 (目次より) 一章 小僧丸/二章 人質/三章 本懐/四章 御所の方/五章 四面楚歌/六章 天童合戦/七章 宿敵/八章 その君の名を/九章 出羽の大守/十章 伊達政宗/十一章 大崎内紛/十二章 お東様/十三章 奥羽仕置/十四章 三条河原/十五章 天下分け目
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-妻殺しの濡れ衣を着せられ、国を出奔した泉州岸山田藩勘定方・竹中信兵衛。真の下手人である城代家老の甥・富樫与三郎を討ち取り、追っ手から逃れるように江戸に流れて来た信兵衛が辿り着いたのは、奇しくも与三郎の落とし胤・竹太郎を預かる浅草の米問屋『佐野屋』だった。あるじの幸左衛門の厚意のもと、三津五郎と名を変え士分を捨てた信兵衛は、商人として生きようと模索をはじめる。だが、その矢先『佐野屋』を凶事が襲った。三津五郎の留守中に夜盗が佐野屋に押し込み、あるじ親子・奉公人たちの命と金を奪ったのだ。残されたのは竹太郎と妹の伊予の幼子ふたり。兄妹の仇を討つべく下手人の探索に挑む三津五郎だが、事件は町方同心も手に負えぬ混迷を深めて…。
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-室町時代末期、下克上が横行し時代が戦国に移っていく中、一人の男を世に出すために、生涯を人の影で生きて、闇に死んでいくことを決意した男がいた……。彼は、父・服部半三保長から何を学び、友や兄弟たちと何を育んできたのか。日本最高の忍者・服部半蔵の少年時代を描く。伝奇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-刀を早く抜くためには、足さばき、腰のひねり、手の返しを一体とすることが必要なのだ。走ることによって身体が不安定に揺れては出来ぬ技であろう。「つまりは……」己は動かず、相手の近寄るのを待つ。それしかない。居て仕合う。居ついて斬る。「居合い斬り、抜刀の術!」林崎甚助は、己の思いつきに快哉をあげた。(「甚助抜刀術」より) 宮本武蔵、柳生十兵衛、荒木又右衛門といった剣豪にまつわる秘話を描く。7本の短篇を収録した傑作剣豪小説集。 *甚助抜刀術 *夫婦武蔵 *死霊又右衛門 *中風越後 *千鳥助九郎 *志織円明剣 *宗次郎応じ返し ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-寛永十四年。九州は島原地方において、年貢の取立てと仕置きの厳しさに反抗した百姓一揆が起こり、また、怪しげな切支丹伴天連の預言が広まっていると噂された。細川藩が放った密偵・松井寄之と阿修羅衆のくノ一・不知火。この男女が切支丹一揆の真っ只中に潜入し、そこで見たものは……。 捕縛された隠れ切支丹が囁いた“ガラシア・オラショ”とは何を意味するのか? 天童・天草四郎との関係は? 島原の乱を斬新な発想で描いた長篇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-慶長一七年四月一三日。関門海峡に浮かぶ小島「船島」に於いて、巌流・佐々木小次郎と播州牢人・宮本武蔵の試合が行なわれた。小倉細川藩主の厳命で、勝者を藩の剣法指南役に推挙するというものだった。結果、小次郎が敗れ、九州一円から巌流の流儀が消えようとしていた。後日、遺族や弟子たちは、師・小次郎の死は、藩と武蔵の策謀だと悟るや、仇敵武蔵討つべし! と立ち上がった……。 その生涯について、不明な所が多い剣豪の中の剣豪・宮本武蔵。本書は、彼のもう一つの武蔵伝として書かれた小説で、巌流島の決闘から始まる。巌流と武蔵のその後にテーマを当て、佐々木小次郎の遺族たちの確執を軸に展開し、武蔵漂泊の三十年を一気に駆け抜ける。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-用心棒の仕事を終え、帰宅した浪人・一色彪馬──。そこで目にしたのは、血まみれで倒れていた父の姿だった。父は間もなく息絶えたが、翌日、宍戸徳兵衛と名乗る旗本の訪問を受ける。御城へ登城せよ、というのである。待っていたのは、なんと将軍・家斉であった。浪々の身である自分がなぜ?家斉は、元々名門である一色家を再興し、徳川を支えて欲しい、と懇願。京へ赴き、新しい高家として天皇家に官位をもらい、政をほしいままにする老中の企みを、朝廷と組みして探って欲しいという。葵の御紋入りの短刀を受け取り、彪馬はいざ京へ。御所では天子さまに拝謁、短刀にはもう一つ、恐れ多い御紋を刻まれる……!天下無二の拝領剣を手にした彪馬が、朝廷と幕府に仇なし、父を襲った悪を裁く!!
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-春の江戸に突如としてあらわれた、謎の娘と深編笠の侍――。怪しげなふたりに難癖をつけ、素性を探ろうとする御用聞きの千八であったが、ぬらりくらりと相手にされぬ。それどころか、その場のなりゆきで、事件の探索をともにすることになってしまった。南町奉行所同心・弓川心十郎をくわえ、奇妙な仲間となった四人であったが、この謎の男女こそ、町にくだった男装の女将軍・徳川家重と、幕府一の権力者である側用人・大岡兵庫であった。ひとりの娘として江戸の町を謳歌するあおいと、茫洋としながらも切れ者のお目付役・兵庫が、身分を隠して悪党を成敗する!『ぼんくら同心と徳川の姫』を引き継ぐ、痛快時代の新シリーズ!
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-構想20年、同じ時代に行きあわせた証しとして書き上げた、吉田喜重監督(『エロス+虐殺』『鏡の女たち』)渾身の長編小説! ドイツの闇の歴史に切り込む――。 ナチス副総統、ルドルフ・ヘス。「わたし」という主語がない奇妙な手記を通して、謎に満ちたヘスの生き様を掘り尽す。 ナチス・ドイツによる絶滅戦争=ソ連侵攻を控えた1941年5月10日、ヒトラーの代理人といわれたヘスは 単身メッサーシュミットを操り、スコットランドをめざしてミュンヘンを飛び立った。イギリスとの講和工作のために。 しかし、それを知ったヒトラーは激怒し、チャーチルはとりあわなかった。世界は破滅へ向かって動きはじめる……。 ヘスの罪と罰を辿る、大作歴史小説。
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-人情の機微をさまざまな形で作品に仕上げてきた著者が、はじめて舞台を江戸に移して描く長編時代ミステリー。主人公は、深川で仕出し専門の料理屋・立花屋を営む与七。三人の弟子を使って、四季折々の自慢の料理を供している。ある日、青物市場に買い出しに出かけた与七は、途中、元吉という少年と知り合う。少年は、付け火事件で親兄弟をすべて失った孤児だった。ちょうど下働きがほしいと思っていた与七は、元吉を連れて帰ることに。それから一月が経ち、与七について久しぶりに青物市場を訪れた元吉は、そこで付け火事件の犯人と思しき人物を見かけた。与七はさっそく、岡っ引きの正蔵親分に頼んで犯人捜しを始めるが、事件は武家を巻き込んで意外な方向へと展開してゆく……。ミステリーで味付けされたストーリーに、下町人情の隠し味が冴え、さらに江戸料理が彩りを添える。新境地を開いたエンタテインメントの佳編である。
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-舞台は17世紀初頭のアメリカ。ポカホンタスはインディアンのポウハタン族の娘。旺盛な好奇心と豊かな知性に恵まれ、自然を愛し森の木々や妖精とも会話の出来る彼女は、豊かな大自然の中を自由に駆け回って暮らしていた。 ある日、彼女の前にイギリスから新大陸開拓の為に海を越えて来た男、ジョン・スミスが現れる。通じる筈のない言葉を心で理解し、互いの名を告げ、運命の出逢いに一瞬にして恋に落ちた。 しかし、二人の前には幾多の試練が待ち受ける……。異なる人種の壁に阻まれながらも抗い続けるポカホンタスとスミスの行く末は!? 大自然の中で紡がれる伝説の物語、ここに開幕!
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-著者の言から- モダニズムを追求する年代にあって,孔子の物語を書くことは,時宜に合っていないことかもしれない。なぜ孔子を書かねばならないのかと 問われるかも知れない? 答えは,孔子が私を感動させたことにある。司馬遷の『孔子世家』を読んだ時に,彼が数々の失敗を体験しても, なお諦めようとはしないことを見て,彼は一体何を頑張り抜こうとしたのかは殆ど気にかけないで,心中一種説明しがたい感動があった。 私もいまや若くはないし,自分でもまだ孔子を尊敬しようとする年齢にも達していないとは思うけれども,少しばかり閲読しただけではあるが, 聖人となるには容易ではないことを深く知り,同時にまた,頑張り抜ければ人は皆聖人となることができることが分かった。 孔子が聖人になることができたのは,私から見れば,彼が終生一種の信念を貫き通したところにある。人類は歴史の長い夜に,信念がなけ れば,必ずや消えてしまったはずであり,信念そのものは,松明か或いは燈火のように儚いけれども,それ自体の光は,茫々たる闇夜と比べ ると,実際は微かで言うに足りないものである。しかし私が本当に信じていることは,我々人類はたまたま信念があったために,――陸上 生活をしてみたい或いは直立して歩いてみたいと思ったために――その生命はそこで初めて遺伝子が突然変異を起こし,人類となって, 少しずつ進化したのではないかということである。
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-塩の浜を血に染めた犬侍の凄絶な立ち合い! 元禄14年春、播州赤穂に向け、摂津を出港する千石船があった。船の名は蓬莱丸、乗組員は素性の知れない面々ばかりで、白い柴犬を連れた千日前伊十郎と名乗る犬侍まで乗り込んでいる。生類憐みの令のもと、お犬様を手にかければ首が飛ぶ。打擲できない犬を従えた犬侍は最強の用心棒だった。 息が詰まるようなご時世に、将軍交代を望む声が出始める。候補は二人、紀伊國屋文左衛門が推す紀伊藩主綱教と大坂の豪商・三代目鴻池善右衛門がよしとする甲府藩主綱重だ。一方、伊十郎と二人、赤穂に先乗りした蓬莱丸の炊・権左は、次席家老・大野九郎兵衛に体よくあしらわれていたが、伊十郎の人柄に魅了された筆頭家老・大石内蔵助の妻りくのとりなしで、ようやく二家老の信頼を取り付ける。 胸襟を開いた大石によれば、松の廊下の刃傷事件の背後で糸を引いていたのは犬侍だという。塩受け取りの当日、潮が満ち始めた塩田の浜に甲斐犬を従えた犬侍・黒虎毛が立ち塞がる。身構える柴犬シロ。得意の石つぶてを握りしめる権左。ついに、伊十郎の龍王剣音無しの秘太刀が虚空に舞った。
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-将軍の警護を任とする書院番。その書院番の中でも最高峰の役目を果たすのが、書院番同心である。将軍の有事に際しては先駆けの役を果たし、斬り捨て御免で剣を揮う。時は天保15年(1844)。老中水野忠邦ら幕閣達によって、経費削減のため役人が大幅減員された。職を失い幕府を恨む元役人達。そして不満が頂点に達した時、奸臣に操られた暗殺集団が幕府に牙を剥く。火に包まれる江戸城本丸……暴徒を扇動した凶漢が将軍の命を狙う、その時、書院番同心加納左馬ノ助の剛剣・直心影流が唸る! 傑作長篇時代小説・書院番殺法帖シリーズ、第1弾。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-土の龍と書いても所詮はもぐら。だがいつの日か、雲を呼び風を起こして真の龍とならん。武士の世を終わらせ、技能者の世に……。信玄の遺志を継ぎ、土龍組の旗印に結集した金掘り衆が、雇われて城を陥してゆく。 軍師・竹中半兵衛に招聘されて羽柴秀吉の許へ参じた謎の集団・もぐら組、その活躍を描いた長篇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-殺生方は斬り捨て御免の殺生勝手。いつ、いかなる時、何を斬ろうとお咎めなし……。時は元禄、人々は五代将軍綱吉が下知した生類憐れみの令に困惑していた。将軍家の狩猟全般を取り仕切ってきた殺生方のお役目も、犬や猫などを殺生した者の取締りへと変節を余儀なくされた。父の跡を継ぎ、殺生方与力になった若宮隼人。その行く手に殺生方ゆえの苦難が待ち受けていようとは、心踊る隼人には思いもよらぬ話であった。 傑作長篇時代小説・殺生方控シリーズ、第2弾。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-いつ、いかなる時、何を殺生しようがお咎めを受けるいわれはござらぬ……。殺生お構いなし斬り捨て勝手の殺生方に、新たな奉行がお目見えした。織部多聞、人呼んで“かぶきの多聞”。徳川の世も三代目にあたり盤石に見えたが、現世を憂える軍学者・由比正雪一党の企みによって、不穏な事件が相次いでいた。多聞もいつしか事件に巻き込まれていく。反骨のかぶき奉行が揮う剛剣……柳生流兜割りが悪を断つ! 傑作長篇時代小説・殺生方控シリーズ、第1弾。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-美濃の国を手に入れたことで、信長の天下統一の野望は膨らむ。そして西へ行くのである。京都へ向かうだけではなかったのが、時代の寵児、奇才といわれた所以である。南蛮文化を学び、取り入れ、西洋の為政者たちの例に新しい治世を夢見ていたのかもしれない。ローマの皇帝シーザー、暴君ネロの声を聴き、さらにキリストの磔刑像も。信長は彼らを「南蛮人」と揶揄するのではなく、日本の堕落した仏教徒の姿と比較にならない高邁な志を、宣教師たちとの交流に感じ取っていた。信長の夢は世界を駆け巡り、際限なく拡がって行く。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。 ●第一章:信長元服す ●第二章:信秀、美濃との戦い ●第三章:一族の相剋と桶狭間合戦 ●第四章:天下布武への野望 ●第五章:ルイス・フロイスとの邂逅 ●第六章:殉教と一揆 ●第七章:形勢は目まぐるしく ●第八章:安土城築城の夢 ●第九章:風雲急を告げる 「天下布武への野望」……美濃から京へと西へ向かった信長は、その先に南蛮を見る。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。岐阜築城450年記念出版された本の電子版。
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-大坂の廻船問屋「浪花屋」の船が、 瀬戸内海で天狗の面を被った海賊に襲われた。 諸国悪党取締出役の飛川角之進は、 将軍家斉から命を受け、真相を探るため、 補佐役の春日野左近とともに海路で備後福山藩へ。 柳生新陰流の遣い手で、将棋の腕前は敵無しの角之進。 旗本の三男坊として育ったため、市井で生きようと 料理を習い、見世を構えていたが、 出自ゆえに大名になったこともある。 少々風変わりな経歴を持つ、快男児が悪事を成敗する。 第一章 結ばれた縁 第二章 出航 第三章 鞆の浦にて 第四章 天狗の棲み処 第五章 黒旗の海賊 第六章 死闘 第七章 帰船 第八章 蟹雑炊とふぐ雑炊 第九章 あまから屋となには屋 第十章 江戸の土 終章 大川の水
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-「鬼役」の坂岡真、渾身の新シリーズ発進! 火盗改の駆け出し侍が、個性豊かでアクの強い仲間たちと江戸の巨悪に敢然と立ち向かう。 九代将軍徳川家重の治世。越後新発田藩の浪人の息子・伊刈運四郎は、直参旗本・坂巻讃岐守に中小姓として召かかえられるが、出仕初日から御先手筒(鉄砲)組二十四番の手伝いを命じられる。 筒組二十四番は火付盗賊改の助役代理を命じられていて、運四郎も火盗改の見習いになってしまったのだった。 初仕事は、口から鯖の尾鰭が飛び出した血腥い屍骸の検分――。 火盗改本役の弓組二番は優秀な人材が集められたエリート集団。 かたや、筒組二十四番は出世とは無縁な外れ者ばかり。 博打にのめり込んでいる者、金勘定にやたら細かい者、記憶力だけは抜群に良い者、変装に長けた者などなど、個性的でアクの強い連中がいがみ合うが、顔に大きな刀傷がある供頭・杉腰小平太がまとめ上げて、難事件に立ち向かう。
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-「若君、藤丸様の護衛役を命ずる!」──白馬藩九万九九九九石の納戸頭・南条家の部屋住みであった大輔は、国家老から大役に抜擢された。側室・お嘉世の方と手を組み、御家乗っ取りを企む奥用人・仙波頼母が、藤丸を亡き者にするため、魔忍者軍団〈斗狩衆〉を雇ったからだった。剣は強いが女嫌い、堅物で単純直情の大輔は、斗狩衆の女忍に襲われるが、巨根絶倫であることが幸いして危機を逃れる。しかし、守るべき藤丸君には、将軍家に御目見得もできない、ある重大な“秘密”があった。そしてついに、剣難女難に立ち向かう大輔と江戸へ向かう藤丸に、斗狩衆の頭領・幻夜斎が襲いかかる!果たして正義の剣は、邪法に勝てるのか──!?書下ろし番外篇「妄龍の夜」を収録した痛快時代傑作!!
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-時は文政。上野のお山のふもとに、江戸の豪商・彦右衛門の寮があった。だが、とても金持ちの別荘には見えず、怪しげな男たちが寄り集まっては、日々、だらだらと遊び暮らしていた。そんな連中のなかで、ひときわ目を引く若侍がいた。名を明智春馬といい、なんと、かの明智光秀の血をひくという由緒正しき武人であった。彦右衛門は、この春馬を棟梁とし、老中・水野出羽の悪政に対抗するいわば江戸の梁山泊を、寮に築こうとしていたのだ。いったんは棟梁の役目を断るものの、弱い庶民を見捨てられぬのが性分。春馬は江戸の町を守るため、個性ゆたかな仲間とともに、権力者と対峙していくのだが……。期待の新シリーズ、第一弾!
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-薩摩藩の名君、島津斉彬亡き後、その志を継ぎ、維新回天の想いを胸に、暗躍する一人の男がいた。その男の名は、伊牟田尚平。 清河八郎らと倒幕集団「虎尾の会」を首謀し、父から授けられた忍術を武器に、弱腰の江戸幕府と日本国の尊厳を踏みにじる西洋列強に敢然と立ち向かった若き志士の軌跡を追う。 大久保利通、西郷隆盛、小松帯刀ら時代の寵児を影で操った男の正体が、今明らかになる。 「奪い合う近代文化から、与え合う太陽文化へ。 こんな夢に向かって駆け抜けた、西郷隆盛、伊牟田尚平、清河八郎――。 自らの犠牲を省みず、世の中のために命を賭けた志士たち。彼らの生き様を、現代を生きる若者はどのように読むのでしょうか」(筆者談)
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-鬼平殺しから半年、禁裏御膳役宗家・一条惣太郎は江戸に留まり、東洲斎写楽を世に出した蔦屋耕書堂に料理人“惣太”として寄食していた。折りしも御府内では〈写楽党〉と名乗る賊が出没し、長谷川半蔵亡き無法の江戸に、大名家の御金蔵を狙って各地から流れ込んだ盗賊たちを煽動していた。蔦屋と〈写楽党〉の関係を疑う火盗改めの監視のなか、事件は起こった。蔦屋の番頭が能面の剣士に襲われ惨死、さらに惣太郎の恩人である忠三の娘・おけいが何者かに攫われたのだ。「敵は〈吉原写楽党〉」写楽失踪の裏を知る蔦屋重三郎に、事件の背景を知らされた惣太郎。だが、おけいを救うべく、吉原に乗り込んだ惣太郎の前には、さらなる戦慄の難敵が……。写楽失踪の陰に潜む野望に憤怒の閻魔刀が炸裂する! ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-鬼の平蔵こと長谷川平蔵が殺された! 下手人や殺害理由もわからぬまま、かつての同僚や部下、恩ある町民たちは悲嘆にくれた。故あって流浪の料理人となった禁裏御膳役宗家・一条惣太郎は、“惣太”と名乗り、江戸に流れ着く。だが彼は過去に平蔵とも面識があり、下手人と疑われ捕らえられてしまう。火盗改めの厳しい責めのなか、惣太郎を救ってくれたのは、平蔵の元部下であり今は本所深川の料理屋〈ね子〉の店主、忠三であった。己の潔白を示し、平蔵や忠三の恩義に報いるため、惣太郎は鬼平殺しの下手人探しに奔走する。凄腕の料理人として容疑者の屋敷に潜り込み、独自の捜査を続けるうち、ある意外な事実が浮かび上がった……。怒りに燃えた惣太郎の閻魔刀が鞘走る! ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-江戸市中に奇矯な行動をとる女たちが増えた。しかも、次々とその股間から子蜘蛛を産み落とすのだ。旗本子弟からなる尚義組と、美剣士・乾蓬莱之亮(いぬいほうらいのすけ)は、女を襲う蜘蛛の仕業と看破。童女のような謎の少女・おねむと共に、理性を失った民と戦うが、その背後には恐ろしき物の怪の策謀があった。艶然たる風水師と化し戦うおねむも、ついにその罠に落ち、自失状態に陥る……。伝奇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-老中・松平定信の密命を帯びて、山左と十二人の風の者が街道を疾る。立ちはだかるは、伊賀忍びの一橋臥煙衆(ひとつばしがえんしゅう)と、謎の忍者集団・忍部衆(おしべしゅう)。陰なる力を自在に操る幻術忍法と、くノ一の妖しいまでの策謀が、山左たちの運命を翻弄する。新忍法を編み出し対抗する山左たちに命脈はあるのか!? 苛烈な権力闘争の尖兵として、儚き忠義心と自負心の狭間に生きる忍者の興亡を、斬新に描く。伝奇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
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-南町奉行を兄に持つ鎮目藤三郎は、部屋住みの三男坊。しかるべき家に婿の口を見つけるべく奔走することもせず、勝手気ままな暮らしを送る藤三郎は、兄からうつけ者の烙印を押されていた。ところがある日、親友の片貝孫四郎が辻斬りに惨殺され、許婚だったその妹の多希も凌辱の果てに自害するという事件が起こった。悲嘆に暮れる藤三郎だが、十字剣の使い手・時蔵とともに、親友を斬った下手人を討ち果たし、仇討ちを成し遂げる。己の出世に腐心し民を顧みない兄に愛想をつかした藤三郎は、表の法では裁けない悪を闇に葬る「裏」町奉行となることを決意。ついに、許婚を手にかけた老中の息子たちを追いつめた……。必殺の剣に、藤三郎の怒りが宿る!
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-人気シリーズ「暴れ旗本八代目」に続く第2章。瓢箪息子と呼ばれた大河内右京が大目付に就任。その活躍を描く待望の第3巻。 《長篇書下し》 新章に入った「暴れ旗本」シリーズの第3巻! 老中首座・松平定信にも正義を貫く、三河以来の直参旗本で、大目付の大河内右京。“ひょうたん息子”と呼ばれていた頃から、市井に混じり、庶民の生活をよく知る彼ならではの目線で、身分の上下に関わらず、世にはびこる諸悪を正義感と信念で、叩っ斬る! そして、地方で起きつつある事件にも……。 本作品は「暴れ旗本御用斬り 虎狼吼える」を加筆修正した新装版です。
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-悪は必ずしも悪ならず。 思いがけない事件の結末が胸を打つ! 消息を絶っていた盗賊「桐山の藤兵衛一味」。 再び動き始めたのはなぜか。 時代に翻弄される人々への、十兵衛の深い眼差しが胸を打つ。 ドラマ化もされたヒットシリーズ『八州廻り桑山十兵衛』。 松戸近辺に住む強欲な百姓一家殺害事件で、 十兵衛は、一時期世間を騒がした盗賊たちが再び動き始めたのではないかと疑い始める。 十兵衛の前に現れては捜査を攪乱する謎の美女、 さらに事件の背景には盗賊たちの人生を変えたある悲劇。 時代に翻弄される女と男に対する十兵衛の深い目線が胸にささる、 人気シリーズ第10弾にして最後の作品! ※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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-「風太郎忍法帖」の中で、現在入手不可能の、驚天動地・抱腹絶倒の忍法で読者を魅了すること請け合いの、傑作短編集。古来伝わる睡魔をもって襲う忍者に対抗すべくあみだされた半睡浮遊剣、仮睡自在剣、夢界生動剣。そこに生じた思いもよらない陥穽を描く「忍法甲州路」のほか、忍法陰陽変を用いて男根女陰を交換する「転の忍法帖」、筑摩一族の忍びの活躍を描く「忍者六道銭」など収録。
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-いくら惚れっぽくても、悪は許しませんっ! 年若い女大家おはんは長らく借り手がなかった法華長屋に店子が決まって胸をなでおろした。越してきたのは室町一丁目の呉服商・京屋の仕事を専門に請け負う仕立屋三人。その京屋、半年前に身代限りになったが、又兵衛という旦那が買い取ったのだとか。すらっとした男前の才蔵を頭株に、脇を固めるように浅黒い与市、下がり目の小六がこざっぱりした形で、よろしくと頭を下げたから、おはんにすれば、まさに渡りに船だった。だが、この三人、実はお広敷伊賀者という歴とした武士で、又兵衛はその番頭を務める旗本だった。時あたかも江戸では不穏な動きがつづき、大奥の一切を取り仕切る年寄・今和泉と御目付神保中務が世情の安寧を願って白羽の矢を立てたのは、女人に目がないが、酸いも甘いも噛み分けた直心影流の達人・名取又兵衛だった。顔の広い又兵衛が早速、京屋に目を付け、大番頭にしっかり者の紋蔵を据えて百人からの陣容を、あっという間に整えたが、妙な男が紛れ込む。自らを三木助と名乗り、前の京屋の五番番頭だというのだが、これがとんでもない男で……。江戸の長屋は恋あり、剣あり、笑いあり!これぞ著者最高の書き下ろし“大笑い時代小説”新シリーズ第1弾。
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-悪は鉄炮で撃つ! 火盗改のニューヒーロー登場 組頭・三宅正照率いる先手鉄炮組は臨時の増役で 市中の悪党どもを捕らえる火盗改を仰せつかった。 三宅組与力・宇佐見伸介は慣れない捕り物に向けて 手探りで準備を進める。 そんななか、堂塔の火事に紛れて寺宝が持ち去られる 事件が頻発する。 町奉行や寺社奉行との軋轢や確執を乗り越えて、 正義を全うする侍たちの活躍を描く時代ヒーロー小説。 誰も見たことのない新たなる火盗改の登場! 町奉行が「表舞台の千両役者」ならば火盗改は「乞食芝居」と言われた。 江戸市中にあって、いわば「貧乏くじ」の火盗改だったが、町奉行や寺社奉行との軋轢、労多くして功少ない苦闘の末に正義を全うする火盗改の活躍を描く。 目次 第一章 初めての十手 第二章 三宅組始動 第三章 燃える堂塔 第四章 大岡越前守 第五章 三斎の茶杓 あとがき
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-五万石の藩主の跡取りである大藤信春は、父の命令で領内を視察し見聞を広めるため、身分を下級武士・藤井信助とあらためて庄屋の家に居候する。まだ無垢の信助だったが、積極的でお転婆な庄屋の娘・千香に誘われ、お互い初めて情交の快感を知ったことから、彼の運命は思わぬ方向に……。 ロシア人との混血で金髪と神秘的な青い瞳の安奈が持つ不思議な力に導かれ、千香の母の優や、藩で一番の剣の遣い手である女武芸者・小鶴たちとも情交を重ねる信助。それぞれの吐息や肌の匂いを堪能し、次期藩主として成長を遂げた信助は、ついに正室を迎えることになって……。傑作長編時代小説。
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-鮮烈の密教小説誕生! 信長の骨、光秀の首―― 霊山に眠る謎の扉が、いま開く。 天正八年、高野山大門がノブナガ配下「黒母衣衆」により火をつけられ炎上する。 高野客僧・木食応其は、比叡山の二の舞になるのを避けるべく、密教秘術を使いこなす修験者ナビキらにノブナガ軍との戦いの準備を始めさせる。 一方、高野の地には、折檻状をつきつけられ、織田家筆頭家老の座を追われた佐久間信盛が流れてくる。 ノブナガの佐久間への非情な仕打ちを知ったミツヒデは、自らの心に溢れ出た主君への不信を次第に抑えられなくなっていく――。 霊山・高野に滾る静かな鼓動。 それはやがてノブナガの野望を打ち砕く“あの事件”を引き起こす。 誰にも描けなかった戦国秘話がここに。 鮮烈の密教小説誕生!!
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-歴史読本の知的興奮、理屈だけではなく剣豪小説のスリリングな展開、探偵小説の謎解き、伝奇小説の自在さを併せ持った、知的エンターテインメント歴史小説誕生! 司馬遼太郎、池波正太郎、隆慶一郎、山田風太郎ほかの達成をアウフヘーベン。哲学者・鷲田小彌太が満を持して書き下ろす本格歴史大河小説。これまで見たことのない幕末明治の歴史風景が広がる。 薩長でも佐幕でもない諭吉という視点から眺めると、「尊王攘夷」「開国」「長州征伐」「大政奉還」「文明開化」「西洋事情」「慶應義塾」……が、まったく違った物語に見えてくる。 「竜馬暗殺」については、驚きの新説を展開!
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-名作一気読み。史料の徹底的な吟味によってよみがえる孔明の「志」! 後漢の光和四年(一八一)、琅邪の諸葛家に次男が誕生した。名は亮。四歳のとき、黄巾の乱が起こった。宦官と士大夫が抗争を繰り返した後漢王朝は衰微し、中国は未曾有の動乱期に入ったのである。父を亡くした孔明は叔父にひきとられ、襄陽で青年期を迎えた。覇を競いあった群雄の多くは滅び、袁紹を破った曹操が北方の大勢力となった。万民の幸福を希求し、天下の形成を冷静に分析する「臥竜」孔明の草廬を、荊州の劉表に身を寄せる劉備が訪れる……。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた諸葛孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。
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-享和元年と元号が変わり、世の中は何となく浮かれた様子になりつつあった。そんな折、桜の散った江戸に、青羽二重の袖を翻した若侍が現れる。この謎の若侍、名前を問われて辺りを見回し、そこが浅草奥山だと知ると、奥山右京之介と名乗った。颯爽とした容姿に無垢な笑顔ながら、人を食ったような性格に、人々啞然。そんな右京之介は、ひょんなことから掏摸の弥太と、浪人矢島平四郎に出会い、思わぬ奇策を弄して江戸に蔓延る悪を断っていく助太刀稼業を始めるのだが……。累計25万部のベストセラー、痛快無比の傑作時代小説「右京之介」シリーズの原点がいよいよ登場!
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-かつては老中として政治の実権を握り、寛政の改革を推し進めた稀代の傑物・松平定信。かの名君・徳川吉宗の孫にあたり、将軍候補にもあがった雲上人ではあるものの、贅沢をいましめ、質実剛健をよしとする、風変わりな貴人である。政敵によって老中職を追われ、失意のまま引退するかと思われた定信であったが、なんと第二の人生として選んだ職務は、奉行所の町方同心。政治家であったころから、いつかは庶民の目線で悪を取り締まりたい、と願っていた定信にとって、同心はまさに夢の職業だったのだ。かみそりのごとき鋭利な知性で探索に乗りだす、新人同心・松平守之介の活躍やいかに!?痛快・新シリーズ開幕!
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-十年前、九代将軍徳川家重の御側御用取次役・田ノ倉恒行の謀略によって、丹波から陸奥の僻地へ国替えを命ぜられた井川但馬守友介。老中首座をも目前にする田ノ倉の権勢を貶めるべく、その機会を虎視眈々と狙う井川友介は藩主の座を甥の友永に譲り、朧月寒山と名を変えて市井に下っていた。寒山が目をつけたのは、田ノ倉と商家との賄賂の流れ。無限新影流の遣い手・花村右京ノ介ら四人の側衆とともに商家の裏を探る寒山だが、町家のなかにも金に目のくらんだ悪党どもが蠢いていることを知り……。世間知らずのご隠居大名が、剣客・お庭番・御典医・くの一を引き連れ、世直し始末に挑む!書下ろし長編時代小説。
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-勝海舟を妻たみの視点で描くシリーズ第1作。 辰巳芸者のおたみは、贔屓にしてくれている函館の豪商渋田利右衛門の席で幼馴染みの勝麟太郎と再会する。麟太郎は、野犬に襲われたおたみを命懸けで助けたことがあった。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと言ってくる。無理な話と諦めていたおたみの所に、ある日麟太郎の父小吉がやってきた。小吉には気に入られ姑のお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言を挙げ、溜池のあばら屋に所帯を持った。新婚生活はしばらくすると薪を買う金もなくなり、天井板をはがして使うようになった。 麟太郎は、蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を1年借り受け、2部写本を作る作業を始めた。1冊を自分の学問用に、1冊は高額で売ることで家計が潤うのだが、毎月500枚を移すという難作業を、おたみも協力することで成し遂げることができた。 一家は3人の子どもに恵まれ、小吉の死後は母親お信と麟太郎の妹お順が同居してきた。 麟太郎は大砲作りを指導したあと、幕府に取り立てられ、海軍伝習所に勤め、さらには咸臨丸に乗船してアメリカに行くことに。麟太郎は、夢に向かって突き進んでいた。