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文藝春秋
◎愛子天皇は歴史の必然である 保阪正康 ◎【深層レポート】悠仁さま 天皇教育の波紋 本誌編集部 ◎禁断の「継体天皇」対談 万世一系か始祖王か 水谷千秋 河内春人 【高市早苗研究 第5回】 ◎高市早苗「苛烈な母への愛と畏れ」 甚野博則&本誌取材班 ◎高市・維新「関西ヤンキー連立」が呼ぶ消費税解散 新町隆史 ◎消費減税に私が反対した理由 稲田朋美 ◎「日本一悪い男」の告白 藏内勇夫 ◎「中国の新型統一戦争に屈しない」日本メディア初 台湾国防部長を直撃 峯村健司 ◎「倒産まであと30日」エヌビディアの爆走経営 杉本りうこ 【転倒・骨折を防ぐ新常識】 ◎部屋・靴・歩き方・食事 チャート・テスト付 データでわかる転倒・骨折予防術 山田実 ◎おひとりさまの「転倒サバイバル」 上野千鶴子 ◎3分に一人が…「骨折手術」最前線 梶山寿子 ◎吉川美代子/林家木久扇/冨士眞奈美/大村崑 私たちはこうして骨折から蘇った 秋山千佳 ◎辺野古ボート転覆事故 両親独占手記 支えられていたのは、ママの方でした「ともちゃん、ごめんね」 ◎プーチン、トランプと戦う赤根智子さんの素顔 鳥嶋七実 ◎トヨタ副社長「章男会長とのケンカの真相をお話しします」 井上久男 ◎オリオンビールはこうしてブランドになった 村野一 ◎怪物・尚弥と不屈・拓真 井上兄弟の育て方 井上真吾 ◎公立高校の甲子園 書かれざるカネと夢 田中仰 ◎「有明高校の夏」かくして旋風は起きた 田口元義 ◎熊本地震戦記 木村敬(知事) ◎芥川賞選考委員退任に寄せて 小川洋子 ◎【日本の顔 インタビュー】佐藤雅彦「数年に一度、大きいのがボンと来る」」 【連載】 ◎【新連載】世界と戦う「AIインテリジェンス」 伊藤錬(Sakana AI社長) ◎【新連載第3回】底線思考 「強靱国家」中国はどこでつまずくか 佐橋亮 ◎成田悠輔の聞かれちゃいけない話 16 ゲスト 筒井康隆 「AIが文学的に駄目な理由」 ◎有働由美子対談 93 石田ひかり(俳優)夫と娘に家事卒業宣言 ◎古風堂々 89 藤原正彦 ◎日本人へ 276 塩野七生 ◎ベストセラーで読む日本の近現代史157 佐藤優 ◎言霊のもちぐされ24 山田詠美 ◎ラファエルの羅針 6 柚月裕子 ◎ゴルフ春秋 20 ◎【最終回】地図を持たない旅人 大栗博司 ……ほか -
食べるたのしみ
人生には二つのたのしみがある。 一つは食べること、もう一つはおいしいものをこしらえること―― 通いつめた神戸の市場、奄美の豪快な豚料理、夏のスダチ酒とぬか漬け、なんといっても大阪のうどん……。 つくるのも食べるのも大好きな著者の、食にまつわるエッセイを精選。 「献立メモと買い物の記録」「おもてなし日記」も初収録。 Ⅰ 台所と女性/おにぎりと私/蜜柑の思い出/イチジクとうどん/すぎにし方恋しきもの/春の菓子さまざま/大阪のおかず/夏の食卓の楽しみ/思いがけぬ美味/たべる/ラーメン煮えたもご存じない/のこりもの/わたしの朝食/食事憲法/松茸の風流/とりこみ主義/「梅干し」と私/春野菜/過ぎた小さなことども/神戸 * 献立メモと買物の記録 Ⅱ 食べるたのしみ/駅 弁/ニューヨークのマグロ/中国式朝食/茫然台湾/むき身すり鉢一ぱい五文/手料理/大阪・私の好きな店/てっちりオバン/てっちりパーティ/大阪のうどん/食卓の光景/永遠の美女/トトト……/田舎の風流/オトナの酒 * おもてなし日記 〈解説〉山脇りこ -
女のイイ顔
――あの人、ええ顔になってる。うまいトシのとりかたをしてる……いいなあ。いい顔になったなあ。 過ぎゆく青春の余韻を楽しみ、「キラキラ」ではなく「グツグツ」生き、真剣に「ヨタ」り、老いてこそ好奇心旺盛に、人を楽しませ自分も楽しむ――。 「こう考えたほうが世の中生きやすいということを、小説に書いてきたつもり」という著者が、折々に綴った女性の生き方をめぐる随筆を精選。 肩の力をぬいて、みんながイイ顔になりますように! 〈巻末エッセイ〉佐藤愛子「お聖さんの幸福」 〈解説〉原田ひ香 【目次】 Ⅰ 女のイイ顔 とりあえずお昼/キラキラ生きる?/バラ色の人生/可愛い女からいい女へ/女のイイ顔/マンガになる顔/神戸の女性たち/幸福について―かるく一杯/私、これが好き―かるく一杯/女の自然 Ⅱ 結婚は楽し 恋愛の性・結婚の性/別れも楽し/おすすめ三十代結婚/「へーえ」の銀婚/ Ⅲ 老いてなおバラ色 老いる/オバンの夢/熟年と出家/「とんだりはねたり」と老いの花/「ヨタ」に生きる/乗り換えの多い旅/老いの現場報告/そのときはそのとき/九十年ひとむかし/万夫みな可憐―わが〈おっちゃん〉を見送るの記 Ⅳ 独りも楽し また、可/……(テンテン)/日本の後家/独楽/彼の口癖 Ⅴ 我が頭なでてやる 書くことに捧げた私の「夢見子」人生/人生の贈りもの/我が頭なでてやる―幸せのヒント -
百一歳。終着駅のその先へ
しつこく生きて101歳。 90代後半から2024年までの『婦人公論』でのインタビューと、単行本未収録のエッセイを総ざらい! さらに巻頭では、書斎と執筆風景を写真入りで紹介。 スーパーでの買い物から、小室眞子さんの結婚、兄サトウハチローの思い出、そしてたびたびの断筆宣言を覆して書き続けた日々……。 変わらない歯切れよさで、世相と日常を語り尽くす。 愛子センセイの最新の肉声から伝わる、今の思いとは? 「まったく何かというとああのこうのと、たいした意見でもないことをいい連ねる世の中になりましたねえ。何かしらイチャモンをつけるのが楽しくてたまらないみたいな。いちいちうるせえ、といいたくなる。いちいちうるさいのは佐藤愛子のはずだったのが、その佐藤が苦々しく思うのだから、私はもう引っ込まざるをえませんねえ」 「今は何かというとお金の話が出てくるのね。損か得かのほうへアタマが行くらしいのね。『これだって我々の税金がモトだ!』ってすぐにいう。二言目には『我々の払った税金』が問題になる」 「五十年前は古い日本人の精神性というものがまだいくらか残っていた。何が美徳か、美しい行いとは何かを子どもに教える大人がいました。でも今は美徳を教えないで、損得を教えるようになっていますね」 「『結婚してお幸せに』なんてよくいうけれど、何が幸せかなんて、そんなことはわかりませんよ。大変なことにぶつかって乗り越えていく。マイナスを糧にできる人こそが本当に幸せな人だと私は思います」 「ただ思いをめぐらせているだけで、答を求めているわけではない。すぐに忘れる。それからまた思う。……これはこれで悪くない」 -
九十歳。何がめでたい
映画化決定でふたたび話題沸騰! 2017年「年間ベストセラー総合第1位」(日販・トーハン調べ)のエッセイ集が待望の文庫化。新たに本書が売れに売れた後の「怒濤狂瀾の日々」を綴ったエッセイや、旭日小綬章を受章した際の爆笑記者会見の模様、畏友・瀬戸内寂聴さんの解説を収録しています。 小学生からお年寄りまで世代を超えてゲラゲラ笑いころげる面白さで、各界の著名人も笑って泣いて大絶賛! ◎安藤優子さん 「とにかく痛快でした。言いたいこと言って、縦横無尽に切りまくる。でも不思議なくらい温かい」 ◎瀬戸内寂聴さん 「彼女の表現にはユーモアがあって、笑わせますよね。全28編、それぞれ必ず1回か2回は、思わずゲラゲラ笑ってしまいました」 ◎辻村深月さん 「読み終えて本を閉じ、思わずにはいられなかった。九十歳、それでもやっぱりおめでたい、と」 ◎又吉直樹さん 「本を読んで、久しぶりに笑いました!」 2018年に亡くなった落語家・桂歌丸さんは「この本は年寄りの教科書。佐藤さんの“角張った生き様”は老い先短い自分がどこに向かうか考える上で、とても参考になりました」と仰っていました。 ※この作品は単行本版として配信されていた『九十歳。何がめでたい』 の文庫本版です。 -
古川柳おちぼひろい
川柳は座右におき、いつも眺めているのがいい。年を重ねるほどに、今までわからなかった句がわかるようになる。こうして面白い句を拾いあげ、掌にためるのがおちぼひろいの楽しみである。ユーモアの達人である著者が、先達の作品から秀句を拾いあげ、掌上で男心や女心の微妙な味わいを楽しんでみる、卓抜エッセイ。 -
手づくり夢絵本
小説にちりばめた、愛らしくかわいい小物類とおいしい料理。田辺聖子の夢がいっぱいのオリジナル版カラー美術館。きれいな物、おいしい物を手づくりで! ――ゆめゆめしい布の袋、お遊び小もの、ヅカ風お好み焼き、遠くへ行きたい弁当など、各分野の第一人者が実作し詳しい作り方を付けた、田辺作品に登場する手芸と料理。小箱、ペーパーレース、貝、箸枕、人形などの、田辺コレクション。すべての項目に、著者の楽しいエッセイを織り込んで贈る、オールカラーのオリジナル文庫。 -
ああ面白かったと言って死にたい 98歳 愛子の箴言集
私の人生は失敗の連続だったが、とにもかくにもその都度、全力を出して失敗してきた。失敗も全力を出せば満足に変わるのである。 今はただひとつ、せめて最期の時は肉体的に七転八倒せずに息絶えたいということだけを願っている。 愛子センセイ、もうすぐ99歳 人生が終着駅をめざして速度を落としていく…… 老いとは? 死とは? 幸福とは? 波瀾万丈の人生から紡ぎ出された感動のラストメッセージ 佐藤愛子(さとう あいこ) 1923年(大正12年)、大阪に生まれる。甲南高等女学校卒。小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。 1950年(昭和25年)、「文藝首都」同人となり本格的に創作活動を始める。1960年(昭和35年)、「文學界」に掲載された「冬館」で文壇に認められ、1969年(昭和44年)、『戦いすんで日が暮れて』で第61回直木賞を、1979年(昭和54年)、『幸福の絵』で女流文学賞を受賞。 2000年(平成12年)、佐藤家の人々の凄絶な生きかたを、ありありと描いた『血脈』で第48回菊池寛賞を、2015年(平成27年)、『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。2017年(平成29年)、旭日小綬章を受章。 ユーモア溢れる世相風刺と、人生の哀歓を描く小説およびエッセイは多くの読者の心をつかむ。 -
アニメ映画 ジョゼと虎と魚たち
「ええな、おまえは。好きな場所に行けて」 ジョゼは、ずっと車いすで生活している。外の世界は危険や悪意だらけだから、ひとりで出かけちゃダメ。そう言われてきた。 ある夜、恒夫(つねお)に出会う。彼がはじめたのは、ジョゼの言うことを聞くアルバイト!? はじめはきつく当たってしまったけれど、「海まで連れて行け」というジョゼのねがいを、恒夫はかなえてくれて――? その日から冒険がはじまった!!【小学中級から ★★】 2020年12月25日(金)全国ロードショー! 話題の映画を小説化! (C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project -
いちいちうるせえな ありがたいね
本書は、4月29日に逝去された作家・佐藤愛子センセイへの追悼の意を込めたメモリアル本です。 「いちいちうるせえな」が口ぐせで、 歯に衣着せぬユーモラスな物言いで愛されたセンセイ。 昭和二十五年の文壇デビュー以降、 センセイが新聞・雑誌・随筆に残した、膨大な箴言・憤怒・秘話の中から 選りすぐりのものを一冊に収録! また、センセイの意外な交流録も一部紹介。 綿矢りさ、瀬戸内寂聴、中村うさぎ、伊集院静などの作家陣をはじめ、 高峰秀子(昭和の大女優)、横井正一(グアムに28年間潜伏した元軍人)などと 語り合う様子も超貴重です。 「大正 → 昭和 → 平成 → 令和」と疾風の如く駆け抜けた 猛女の生き様を通して、その時代の空気感まで伝わる内容となっています。 日本一詳しい「佐藤愛子 年表」も掲載! ■目次 ・第一章 楽しむために生まれてきたんじゃない ・第二章 老後もヘチマもありませんよ ・第三章 えらい時代がきたな ・第四章 野蛮人の血 ・第五章 私の生活信条 ・第六章 泥濘の中を歩み出す ・第七章 私は元来、売文の徒なのである ・第八章 私の人生は損ばかり ・第九章 女の人生の面白さを味わう ・解説 杉山桃子(孫) ・佐藤愛子 年表 ■著者 佐藤愛子(さとう・あいこ) 1923年11月5日大阪市生まれ。甲南高等女学校卒業。 小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。 1950年『文藝首都』誌上の「青い果実」で文壇デビュー。 1969年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、 1979年『幸福の絵』で女流文学賞、 2000年『血脈』で菊池寛賞、 2015年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。 2017年、旭日小綬章を受章。 2026年4月29日永眠。 -
犬たちへの詫び状
私は自分では犬好きだと思っているが、この本を読んだ人は「犬好き? とんでもない!」といわれることだろう。さよう、私は変種の犬好きなのである(by佐藤愛子)――本書は、佐藤愛子先生の名エッセイから、犬と動物に関するものを厳選して集めました。「怒りの佐藤」に「こらーっ!」と怒鳴られ、おもらしをしたり、終始上目づかいになったりしている佐藤家の犬たち。しかし、眠りながらうなされる犬の過去を憐れみ、ご近所の苦情をものともせずのびのびと庭をかけまわれるように鎖につなぐことなく、次々生れる子犬の貰い手に手を焼きながらも去勢をためらい(しかし、ついにタマ抜きをせざるをえなかった)。ドッグフードは味気ないと犬のためにご飯を炊いて日替わりの味付けをする佐藤先生を、犬たちは愛すべき飼い主と思うのか、それとも犬の敵と思うのか…。変種の犬好きとはどんな?? 愛犬家の皆さん、ぜひ本書を読んでみてください。 -
エッセイベストセレクション
田辺聖子さんといえば、女性の心を鷲掴みにする甘やかな恋愛小説や、古典教養の世界に軽やかに誘う名随筆の数々……だけではありません。1971年から16年間の長きにわたり週刊文春に連載されたエッセイ「女の長風呂」シリーズには、男女の性の話、つまり下ネタが満載! 「女の性欲」「四十八手」「名器・名刀」などなど、今日の文豪・田辺聖子のイメージをひっくり返すようなタイトルが毎週並んでいました。もちろん、田辺エッセイに欠かせない相方「カモカのおっちゃん」も絶好調。笑い、ペーソス、下ネタ、時事ネタ……私たちがエッセイに求めるすべてがそこにはあります。おせいさんのエッセイが毎週読める、そんな贅沢な時代がたしかにあったのです。 本書は、長寿連載の中から、さらなる絶品、逸品を選り抜いたベスト・オブ・ベスト第1弾。女(男)ってこんなこと考えてるのか! と愕然としつつも、深いアフォリズムと成熟した大人の智恵が深く心に響いてきます。まさに必読。まだ読んでいない貴方が羨ましい、と申し上げるほかはありません。 -
老いてこそ上機嫌
「80だろうが、90だろうが屁とも思っておらぬ」と豪語する著者は、御年89歳。 人生を楽しく迎える気構えを表す珠玉の言葉を、200を越える作品の中から厳選した名言集。 短くて、面白い。でも深くじっくり考えさせられる言葉ばかり集められています。 たとえば、 「苦労は忘れてしまえば、元々ないのと一緒じゃ」 「一人ぐらしの哀れな老人、という偏見に対抗するためにも、最新流行の洋服を身にまとい、きちんとしていなくてはいけない」 「女と年寄りは金の要るもの、ましてや、女であって年寄り、という存在は、人一ばい金が要る。なんのために?プライドと自立を守るためである」 「よく世間には若い人には負けぬ、と力んでいる老人がいるが、私は(負けたかて、エエやないか)と不思議である」 「本当をいうと、グチを吐く人はまだ甘い環境なのである。ほんとうに、たいへんな場で生きている人は、グチも出ないのである」 「手芸の妙手だろうと、実家のしつけが上等だろうと、学歴があろうと、財閥の娘だろうと、共に楽しむ相棒としては、いっしょにいて楽しいか苦痛か、の分類しかない」 「昔のことをいうてもエエが、昔のことで責めてはいかん」 「誰や、女はかよわいもの、なんていう奴。たくましいでェ。すばやいでェ。しかもたのもしいでェ」 結婚、仕事、子育て、人間関係などに悩み苦しんでいるひとには、田辺さんの明るくユーモアにあふれ、深みのある言葉にハッとさせられるでしょう。 年金をもらって楽しく生きるということが困難な時代を生きていく私たちを元気づけてくれる一冊です。 -
王朝懶夢譚
イケメンの貴公子と恋をしたい! ドラマティック恋を求めて突き進む月冴姫とやんちゃな妖怪たちの王朝ファンタジー。 内大臣の美しい姫君・月冴姫は東宮の妃として入内を待つ身。 ある夜、屋敷の者が寝静まった頃、ひとり舞っていた月冴姫だが、ひとしきり舞い、休んでいると涙があふれて止まらない。 そこへ童子の姿をした天狗・外道丸が現れた。 入内する予定だった東宮が急死し、第二皇子が立太子されたが、御年まだ3歳。 入内まで10年あまり、恋もできず尼のような生活を送らなければならないので、毎日気分が滅入って仕方がない。 それが月冴姫の涙の理由だった。 「イケメンの貴公子と恋をしたい」と強く願う月冴姫の前に、妖怪たちが現れる。 化けるのが得意な狐の紫々、河童の猩々、鮫と人との間に生まれた人魚のような姿の鮫児……。 彼らの助けを借りながら、運命の恋に突き進んでいくヒロインの平安ファンタジー。 解説・木原敏江 -
往復書簡集 はからずも人生論
『九十歳。何がめでたい』を超える興奮の書。 ◎佐藤愛子さん曰く「人生論を書くつもりはなかったけれど、図らずも人生論になってしまいました」 ◎小島慶子さん曰く「佐藤さんが下さった最後のお手紙の一節に、私は不覚にも涙が出ました」 1923年生まれの佐藤さんと1972年生まれの小島さんが交わした空前絶後の往復書簡集。テーマは夫婦のこと、生きること、今の時代、書くこと、話すこと、戦うことなど、実に様々。「理屈の隘路にハマって呻吟している」小島さんの悩みに、時に厳しく時に優しく返事をする佐藤さん。往復書簡だからこその至言、金言が続出する大興奮間違いなしの一冊です。 <夫婦喧嘩の大義は要するに「ウップン晴らし」ですからね。「颱風一過。後は雲ひとつない、ルンルン青い空」が望ましい>(佐藤さん) <佐藤さんは私の愛が深いとおっしゃいます。そうかもしれませんが、だとしたら愛なんてロクなもんじゃないと思います>(小島さん) 読後感はルンルン青空。元気がわき出ること請け合いです。 本書は、『あなたは酢ダコが好きか嫌いか』を文庫化にあたって改題し、デザインなども一新。単行本から5年、小島さんの「文庫化にあたっての後日談」を新たに収録しています。 -
思い出の屑籠
著者が生まれてから小学校時代まで、両親、姉、時折姿を現す4人の異母兄、乳母、お手伝い、書生や居候、という大家族に囲まれた、甲子園に近い兵庫・西畑の時代を、思い出すままに綴る。『血脈』など、著者の自伝的作品では触れられることのなかった秘蔵のエピソードが満載。幼い「アイちゃん」目線で、“人生で最も幸福だった時代”の暮らしぶり、人間模様を活写する。 *目次* モダンガールが来たァ/サンタクロースはいなかった/ばあやの鼻 /嘘について/全生涯で一番の幸福/なんでこうすぐに涙が出るのか!/お遊戯会/イロハのハッチャン/そしてばあやはいなくなった/安モンはおいしい/ハナはんのハナ/長男なのに名は八郎/はじめての敵意/海の色 -
加納大尉夫人
大阪で指折りのメリヤス問屋の末娘に生まれた安代は、卒直な明るさを持つ娘であった。安代が女学校を卒業した年に、戦争が始まった。ある日、母に見せられた1枚の写真、それが海軍中尉・加納敬作であった。敬作のりりしさにあこがれた安代は、彼の妻になった。少女時代の延長のような稚なさの安代が、帝国軍人の妻らしくなりたいと努力し、緊張するほど、無邪気な失敗がくり返された。そんな妻を、敬作はいとしく思った。戦いは次第に苛烈さを加え、敬作の出征中に、安代は男の子を生んだ。そして半年の後に、敬作の戦死が伝えられた……。ほかに「猫」「山」「二人の女」を収録。 -
合本 晩鐘 【文春e-Books】
佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化! 老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。 「究極の悲劇は喜劇だよ」 辰彦はそういった。 それにしても、どうして普通じゃ滅多にないことばかり起るのか。 当時の文学仲間たちはもう誰もいない。 共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。 あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? 杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。 枯淡の境地で、杉が得た答えとは。 『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。