少年・青年マンガ のおすすめレビュー
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ブックライブ書店員
「RPGのようにレベルアップして最強を目指していく作品が見たい!」
そんな方に読んでほしい一冊です。
本作は、韓国発のフルカラー漫画で、圧倒的な迫力のバトルシーンとスピーディーな展開が魅力です。
物語の主人公は、人類最弱とまで言われるE級ハンター・水篠旬。しかし、ある日彼だけに見える“クエストウィンドウ”が現れたことで、状況は一変します。クエストをこなし、モンスターを倒せばレベルアップ——まるでRPGゲームのような成長システムが、読者の没入感を加速させます。
特におすすめしたいのは、テンポの良さ。主人公がどんどん強くなっていく爽快感と、次の展開が気になりページをめくる手が止まらないストーリー構成は、まさに少年マンガの王道。
また、フルカラーならではの迫力ある戦闘描写も見どころのひとつ。圧倒的な作画クオリティで描かれるアクションシーンは、まるでアニメを観ているかのような臨場感を味わえます。
RPG好きの方、成長物語が好きな方、そしてとにかく熱いバトルマンガを求めている方に、自信をもっておすすめできる作品です!2025年03月12日 -
ブックライブ書店員
エリクサーの材料として、竜の鱗の隙間に根を張る龍鱗草という薬草を採りに行くため、護衛に元騎士のダーシャを雇った薬師のモイミール。エリクサー、つまり四肢の欠損や精神さえも癒すという万能の霊薬など伝説の類だと思っていたダーシャは、材料調達は困難だが作れないことはないと言うモイミールに、私でもエリクサーを手に入れられるだろうか?と尋ねる。モイミールは、普通に買えば城より高いが、すべての材料を持ってきたら、護衛のお礼に調合はタダでやると約束し、2人は材料集めに奔走することになるのだが…。
ダーシャが「元」騎士である理由やモイミールがエリクサーを欲しがる理由はもちろん、モイミールやダーシャを取り巻く人間関係、そしてそれぞれの暮らしぶりなど、お話が進むにつれていろいろなことがわかってくるし、いろいろな人が登場するので、先が気になって気になって読み進める手が止まりません。個人的には、オリジナリティあふれるモンスターが出てくるのも楽しいです! ロールプレイングゲームのクエストをクリアするように、魔法やモンスターが出てくる世界で2人が材料を1つずつ手に入れていく冒険の過程を、あなたも見守ってみませんか?2025年02月28日 -
ブックライブ書店員
この世にはありとあらゆる裏技が存在する…
そう、夏休みの宿題を最終日に一気にやる方法や、学校のトイレがすべて埋まっているときの緊急時の裏技…
ちょっとした便利情報やライフハックに関する裏技が数多く存在している…!!
しかしその他にも…ある特定条件が重なった日、且つ日付、時間、場所で、とある行動をとると時間を巻き戻せることをあなたはご存じだろうか。。
時間を戻せるなら絶対に戻したい!!と思っている私は、本作を手に取って今、裏技の世界に迷い込んでいます!!
本作は、裏技を駆使する男子高校生の黒道と羊谷が織りなす、現実と裏技の世界が交錯する世にも奇妙な物語です。
黒道が見せる「裏技」の数々は、とんでもないものからクスっと笑いを誘うものまで、多種多様にあります。
もしあなたが現実逃避を望むなら、ぜひ『バグエゴ』を手に取って、裏技の迷宮に迷い込んでみても良いかもしれません。
きっとあなたも新たな裏技を発見できるかも…。。2025年02月28日 -
ブックライブ書店員
長きにわたって数々の国を滅ぼしてきた「黒き魔竜」と呼ばれる存在が封印され、しばらく経った交易都市・ハンザルクの冒険者ギルド「銀月の狐」のドノバンは、B級冒険者でギルド有数のベテランにもかかわらず、“討伐”の依頼ではなく“輸送”ばかりを引き受けている。曰く「年のせいか重い武器を振り回す“討伐”とかきつくてさー」「“輸送”だったら丸腰でもこなせるからさぁー」。それを聞きとがめた同じギルドのB級冒険者・ヘイブンから「もしも本気でおっしゃっているのであれば」「引退してもらえないだろうか?」と諭されると、「…目標もなくなったし」「それもいいかもしれないな」とつぶやくが、そのとき、ヘイブンが仕留めてギルドに持ち込んでいたはずの魔殺熊が…!と始まる『引退したおっさん冒険者、再雇用で最強ギルドマスターになってしまう』。内容はもう、このタイトルがすべてを物語っていると思うのですが、それがわかっていてもなお、描かれるその過程がめちゃくちゃおもしろいのです!!
ハチャメチャなダメおやじっぷり、そして同じくらいハチャメチャな強さのドノバンは、どうやら何かを調べているらしいのですが、それは何なのか。新たなギルドマスターになるために向かった城塞都市・ニーベルグのギルド「赤鉄の龍」にも問題があるようだし、気になるポイントが盛りだくさんで目が離せません。表紙でふにゃけているドノバンの様子からは想像できないくらい熱いバトルファンタジー、ぜひご一読ください!2025年02月27日 -
脱サラして古本屋「十月堂」を開業した若き店主。
彼は本好きの客との会話を楽しみつつも、売れない本を処分する日々に不安を感じています。
そんな中、亡くなった老人の蔵書買い取り依頼を受け大量の本を査定することになるのですが、故人の部屋から人となりを感じ取った店主は、自身の本への愛と古本を取り巻く人生の重みを再認識するのです。
各話では様々なキャラクターが登場し、店主の目を通して本と人との関わりがオムニバス形式で描かれます。
この作品の魅力は、何と言っても登場人物たちの個性豊かなキャラクターと、それぞれの本にまつわるエピソードです。
例えば、本の中の耽美な世界に憧れる思春期の少女の揺れる想いや、本に囲まれる生活に憧れる人など、本好きなら共感できる物語が満載。
また、店主の成長や葛藤も丁寧に描かれており、彼の人間味あふれる姿に心を打たれます。
本作は本好きの人々にとって共感できる内容が詰まっており、読み終わる頃には「本探しに出かけたい」と思わせる魅力があります。
そして古本屋の独特な雰囲気や、本の香り、手触りなど、五感に訴える描写が豊富で、「十月堂」を身近に感じられます!
単なる古本屋の日常を描くだけでなく、本を通じて人々の心の交流や成長を描いた作品です。
本好きの方はもちろん、そうでない方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。
読み終わる頃には「本探しに出かけたい」と思わせる魅力があります!
巻末にカバー下も収録されているのですが、是非そこもチェックしてください!!
本好きの方はグっとくるハズ!!2025年02月20日 -
ブックライブ書店員
鉄格子の檻にとじこめられざわめく家畜は、牛や豚ではなく「人間」。
動物たちの「食料となった人間」。
この衝撃的シーンに、動揺を隠せません。
物語は、父と娘が迷い込んだ不気味な集団の食事会から始まります。
「人間が家畜」「人肉が主菜」という衝撃的な設定によって、
動物と人間の立場が逆転した世界で、普段見過ごしている問題に直面することになります。
私たち人間が動物に向けて行う飼育、観察、狩猟、解体。
愛情の向け方まで。
その世界が逆転した世界には違和感の連続です。
豚や鳥の丸焼きを目にしても、人間はそれほどの違和感は覚えないでしょう。
しかし、この立場が逆転した世界では「人間の丸焼き」が登場します。
「ちょうど焼きあがったとこだ。食ってくか?」というセリフとともに。
村のリーダーである鹿のアーネストが今まさに解体されようとする人間に向ける言葉は
「大丈夫。君の命はまったくもって無駄にはならない。」
人間が動物に投げかけるであろう言葉や思い、そして思いやりと称した言動。
登場する動物たちの言動を、本来人間が行っている言動と考えるならば…
あらためて何かを考えさせられる深いメッセージを持った物語です。2025年02月14日 -
ブックライブ書店員
「動物保護活動」「動物愛護」って、いったい何をするのか、何が動物のためになるのか、あなたは知っていますか?
動物保護活動の実態を温かく描きつつ、現実も忠実に表現されている本作。
動物虐待や悪徳ブリーダーのニュースに心を痛めている方、
自分にも何かできたらいいなとは思いつつも何から始めたらいいかわからない方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
動物の保護活動についての厳しい一面や重要性を知る初めの一歩になるのではないでしょうか。
物語は、東京でスタイリストを目指す女性が、競争に疲れ地元に戻り、一人の動物保護活動家と出会うところから始まります。
劣悪な環境で飼育されている動物たちを救うために全力を尽くす動物保護活動家と動物との出会いを通じて、自分自身を見つめ直し、成長していく物語です。
作中では主に動物保護活動の光と影を丁寧に描いており、ペットビジネスの闇や悪徳業者の存在など、現実の厳しさをリアルに伝えています。
よく、「保護動物を譲渡してもらう際に金銭を要求されるのはおかしい」とSNSなどで見かけませんか?
もちろん「保護」と称し実は単に売っているだけなどの悪徳団体もあると思います。
ただ、まっとうな団体も多いのも事実です。
保護団体もその動物を保護するにあたってどれだけの資財・私財を投じているでしょうか。
何に対して金銭が発生するのか、そのお金はどのようにして「何に」使われているのか。
悪徳団体との見分け方は?など様々な情報を得ることもできるのが魅力の一つでもあります。
また動物保護家や一般人の目線だけでなく、動物愛護センター(いわゆる保健所など)からの目線でのエピソードも取り上げられており、行政では「やりたくてもできないこと」、愛護センターで取り組んでいることは何なのかを知ることもできます。
「処分ありきで働いている人なんかいない。」それでも「向き合わないといけない時もある。」という相反する状況を経験している愛護センター職員の言葉が非常に印象的です。
作者もとある記事で「守るために働いているのに守れない」という言葉をマンガにしたとおっしゃってました。
愛玩動物としての購入のし易さ、飼育動物の放棄のしやすさ。諦めることの簡単さ。
動物保護をする難しさ、保護した動物の飼育の難しさ、動物の心のケアの難しさ、譲渡の難しさ、保護団体・センターの運営の難しさ。
動物愛護団体同士の軋轢、SNSでの誹謗中傷、「当たり前」という考えかた、殺処分0とは何なのか。
動物たちのために「自分も何かしたい!」とお考えの方は、まずは「知ること」から始めてみませんか?
動物愛護を考えるすべての人の「本来の目的」はみんな一緒のはずです。
関わるすべての人々が、動物に対する愛情をもって尊重しあって行動することで、悲惨な末路をたどる動物を一頭でも救えるのではないかと考えさせられる一冊です。2025年02月14日 -
ブックライブ書店員
とにかく描き込みがすごい…! 本格派ファンタジー!
いくつもの国がマンションのように縦に広がる世界で、最下層に住むカブは、空から落ちてきた謎の少女リゼッタと出会う。リゼッタは最上層である空の国からやってきたというが…空を見たことのない少年が空を夢見て空を目指す。大冒険ファンタジー!
正統派なボーイミーツガールの冒険譚で、とにかく世界観の描き込みが細かい…。
ページをめくった瞬間、緻密な描き込みと独特な世界観が広がり、物語に引き込まれてしまいます。
キャラクターの描写も素晴らしく、私のお気に入りは第1話のリゼッタが悪党を前に活躍するシーンです。あのシーンを見たらきっと皆さんもリゼッタが好きになること間違いなし!
はたしてカブは空を見ることができるのか? 今後が見逃せない作品です!2025年02月12日 -
ブックライブ書店員
『あさひなぐ』のこざき亜衣先生の本格歴史マンガ!
主人公ウィリアム・セシルは、のびのびとした少年であったが、衣装担当宮内官である父に連れられてヘンリー8世が王として構える王宮に向かったことで、彼の人生を急激に変えることになる存在、未来の女王エリザベス1世に出会う。
無垢な少年セシルは、どのように女王エリザベス1世に仕えることになるのか。近世イングランドのドロドロな政治事情と人と人との関係性が丁寧に描かれている作品なので、歴史が好きな方はもちろん、歴史をこれから学びたい、興味がある!という方にもぴったりです!
現代にも通ずるところのある女性・男性それぞれに特有の生きづらさ、そして、それらに立ち向かうそれぞれの立場の勇気や強さ、したたかさが感じられ、どのキャラクターも魅力的に映ること間違いなし!
セシルの、そしてそれ以外の立場から見る「正しさ」。様々な「正しさ」に向き合い、激闘するセシルを見届けてみませんか?2025年02月12日 -
語の舞台は、特殊な化石燃料「メテオリア石炭」によって爆発的な産業革命が起き蒸気機関が発展した世界。
親の借金返済のために劣悪な環境の「死の炭鉱」で働きながらも勉学に励む主人公の少年カナタは、いつかそこから出る日を夢見ていたのでした。
そんなある日「死の炭鉱の怨霊(ゴースト)」が出ると噂の新たな鉱脈の開拓作業中、突然の崩落事故に巻き込まれます。
しかしそれを招いたのは「ゴースト」ではなく謎の巨大な化物(メテオリアン)だったのです!
師匠であるゴードンを助けるべく最適な方法を考えるカナタ。しかしふたりで生き残るには今一歩足りない…と思った瞬間、救世主が現れます。
カナタを救ったのはメテオリア研究開発機構、通称「MRDO(マード)」の特機研部隊長アラヤ・クロフォード。
彼との出会いでカナタの運命が大きく動き出します…。
この物語の中で何度も出てくる言葉があります。
それは、
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生き残る者とは最も「強い」者でも、最も「賢い」者でもない。
最も変化に「適応」できた者である。
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というフレーズ。
進化論を発見した自然科学者ダーウィンの言葉をベースにしているものと思われますが、この言葉がこの物語の核となり、カナタという人間を表していると言えます。
それがよくわかる代表的なエピソードをいくつかご紹介します!
まずはカナタが死の炭鉱に来た時のこと。
有害な光や炭塵があたり一面漂っている「死の炭鉱」に何も持たない状態で送られてきた幼き日のカナタ。
そんな彼を見かねて助けてやったゴードンに世話になりっぱなしではあるものの、ただ働くだけではなく、本を読み勉強をして知識を得る努力を始めます。
お金がないから…ゴードンに迷惑がかかるから…と遠慮をするのではなく、「これ以上迷惑をかけないためにできること」を考えて行動しているのです。
正に変化を受け入れられるカナタを描いた、象徴的なエピソードと言えるでしょう。
次に、カナタの運命が大きく変化することになった開拓現場での事件。
作業中にメテオリアンに襲われたカナタ。ゴードンが襲われ、絶望的な状況で彼が取った行動は「逃げる」でも「立ちすくむ」でもなく、「立ち向かう」だったのです。
危機的な状況下でどうすれば良いかを考え、本で読んだ知識を思い出し実行した勇気と行動力は一見無謀のように思えますが、あの場では最適な行動だったのです。
さらに「MRDO」の適正試験でも彼の適応力は発揮されます。
他の試験参加者に圧倒的な能力差を見せつけられ自分の無力さを痛感しながらも、問題の本質が何かを考え、見極めて行動したカナタ。
どんな状況でも失われない適応力には目を見張るものがあります。
彼が今後どう変化・成長していくのか楽しみです!!
スチームパンクな世界×化物との能力バトルという展開が胸アツな今作、バトルマンガ好きはもちろんのこと、レトロフューチャー好きにも注目していただきたい作品です!!2025年01月30日 -
酒乱の母親に売られた少年アキオ。
売られた先の犯罪都市デトロイトでは子供は「大人から奪われる生き物」でしかありませんでした。
生き残るために、名前を捨て「蛇」という名の殺し屋になることを選んだアキオ。
奪われたものを奪い返すために、自分が大人になるために大人を殺す日々を送るのですが、やがて心に限界が訪れます。
仕事を辞めたいとボスである「師(モレ)」に相談するも、聞き入れてもらえませんでした。
そんなある日、アキオは盲目の女性リンと出会います。
子供から奪う存在であるはずの大人なのに、食べ物を与えてくれ優しく接してくれる彼女にアキオは衝撃を受けます。
アキオは彼女の目が見えるようになる手術代を稼ぐため、危険な仕事を受けるのですが…。
独特な世界観にぐっと引き込まれました。
墨を効果的に用いることでデトロイトという街自体の暗さと物語の不穏な空気を効果的に表現しています。そして、まるで映画のようなカメラワークも特徴的。
絵の上手さ・表現力・コマ割り、すべてが素晴らしいです。
もちろん画力だけでなく、物語も秀逸。
絶望的な世界であがき続けるアキオの姿には胸が詰まります。
「大人になる」これだけのことがこんなにも難しいのかと。
搾取される側がそこから脱するには、仕組み自体を壊さなければならない…。これは現代で安穏と生きる我々へのアンチテーゼなのかもしれません。
タイトルである『SMOTHER ME』を直訳するのならば「私を窒息させて」「私を包み込んで」という意味ですが、この言葉が今後の展開にどう関わってくるのか、注目です。2025年01月30日 -
ブックライブ書店員
自分には才能がない。そう思って諦めてしまったことはありますか?
アラサー会社員の黒田マコトは順風満帆な生活を送っていましたが、ある日突然糸が切れたように会社に行けなくなってしまいます。そんなとき、大学時代の文芸部の後輩にして今をときめく売れっ子小説家の黄泉野季郎と再会し、流されるようにまた小説を書くことに。
世間一般では、「書くこと」は会社に行けない現実から目を背けて逃げるための、さらなる闇に落ちていく行為なのかもしれません。書いたとしてそれが何になるかなんてわからない、お先真っ暗な道。しかし、黒田にとって「書くこと」は、どうしようもない自分に残されたたった一つの光でもあります。そんな「光」と「闇」の表現が、本作はとても秀逸でした。プライドをかなぐり捨てて夢中で小説に向き合い始めた黒田の鬼気迫る様子は思わず息を呑むほどで、あのころ捨ててしまった「何か」へのまだ諦められずにいる執着心を思い出させてくれます。
大人になってしまっても、まだなんだってできる。本作を読むと、自分にしかできない「何か」を無性に探したくなってしまうことでしょう。
日々の生活に忙殺されている大人の読者の方におすすめしたい作品です!2024年12月25日 -
ブックライブ書店員
相続の数だけ、事件がある──。
この世界には、生きている人の数だけ、死が存在する。
死の数だけ、相続が発生する。
そうして、人の欲望が渦巻く相続の数だけ、事件が生まれてしまう。
この物語は、頭脳とクセの強さが比例する主人公、元弁護士の探偵・灰江七生が、これまた個性豊かな仲間たちと共に、相続にまつわる事件を痛快に解き明かしていく、前代未聞の相続ミステリー。
大御所ミステリー作家が残した遺言や、すべての財産をマリーアントワネットに相続するなどの謎を、
コミカルに、時に大真面目に解決していく灰江。
そんな彼は、“ある理由”から弁護士会を追われているようで──?
ひとつひとつの事件だけでなく、灰江自身のストーリーも、また作品の醍醐味。
2025年のテレビドラマ化の前に、まずは原作からお楽しみあれ!2024年12月23日 -
ブックライブ書店員
ホラー胸クソサイコパス…と好きなジャンルのオンパレード。ただし本当に胸クソが胸クソ過ぎて真の胸クソでした(褒めてます)
日常にありそうなものからプチSFみのあるものもあり、ホラーの宝箱…と思っていたら……これは…!?
オムニバスが繋がりあってニヤリとさせる話になっており、特にラストの話、セリフ的にはあるあるなんですが、この本全体を見てきた今
違う景色が見えてきて思わずぞっとする話にしあがっています。2024年12月19日 -
ブックライブ書店員
主人公の月山元は吸血鬼であるが故に不老不死。年齢にして約500〜550歳、将棋経験約300年。
「新しい戦法が生まれたかと思えば消えて また新しい戦法が生まれる」
主人公の将棋に対する好奇心のすべてを表し、人類の常識をはるかに超えた圧倒的な実戦経験とそこで培った棋力で、現代のプロ棋士たちを薙ぎ倒していく。
ネット将棋で顔も見せずに猛者たちを蹂躙する爽快さは読み手を裏切らない。
とまあここまでは割とよくありがちな俺TUEEE系な訳で、これだけでも十分面白い。
一方で、私が好きなのは月山と相対する棋士たちの方。竜王戦の階段を登っていくアマチュア棋士月山に対し、迎え撃つプロ棋士たちが皆魅力的で、毎話一人ひとりのドラマに感情移入してしまう。
ちなみに私、将棋は大して詳しくありません。ルールは一応心得てますが、戦術や定跡などは全く分からず。ただ、どうでしょう、この作品を読んでからはその印象も変わり、ちゃんとやってみたいかもと思うように。
この感覚、まさに『ヒカルの碁』を読んだ時と全く同じでして、ハードルの低さも魅力の一つ。まずは1話、読んでみてください。2024年12月12日 -
ブックライブ書店員
書影が気になりすぎて読んでみたら、この展開誰も予想してないでしょ系かつ、タイトル回収もバッチりはまりすぎて
読んだ後の「満足感」がすごい。
身勝手な批評家に傷つけられた人たちが、“自分を取り戻すため”に自身を成長させて復讐を果たすーー。
彼女たちは傷ついても立ち上がってずっと前に進み続けた結果、今を掴み、仲間を得て、前より楽しく生きている。
復讐の物語ではあるが、彼女・彼たちは批評家のおかげでよりよい新しい人生を掴んだのもまた皮肉めいていて、面白い。
2024年12月12日 -
奄美群島で発見された小さな人型の生き物「蝶人(ハヴィラッチュ)」は、さまざまな開発活動の影響で絶滅危惧種となっていました。
絶滅を防ぐために人間によって保護され、管理される蝶人たち。
物語の主人公である蝶人の青年・忍野はそんな環境で生き、人間により決められた交配相手のマイという少女に想いを寄せていますが、二人の関係はなかなか進展しません。
そこで忍野は思い切った行動に出ますが、そこでマイの本当の気持ちを知ることに…。
ある日、蝶人たちが暮らす教室にカラスが襲来し、蝶人たちは次々と捕食されてゆきます。
そんな危機的状況から助けてくれたのは人間からの解放を訴える蝶人・沖たち。
人間に管理されていれば安心した世界で暮らせる…しかし、それは果たして本当に幸せなことなのか…!?
忍野の選ぶ答えとは…!?
人間によって保護されているという建前ですが、飼育されていると言える状況の蝶人たち。
生まれた時からつがいが決められ、繁殖を求められる環境で、当人たちの感情はおいてけぼりです。
ですが、絶滅させる訳にいかない…という管理する側の人間の使命感も理解できます。
実際の生き物としてはありえる話ですが、擬人化されることで読者側はなんとも言えないジャリっとした感情を抱くことでしょう。
そんな中、人間から与えられた環境なら安穏と生きられるかもしれない…という思いがありつつも、管理者である人間の「先生」からの強制的な繁殖指導に対し、「マイが笑っていないならだめだろ!」と忍野が貫く熱い想いが胸にぐっときます。
しかし、自由を選んだとしても、脆弱な蝶人たちは果たして保護管理下外で生きることができるのか!?
忍野の純愛はどうなるのか…!?
蝶人解放を訴える沖の思惑とは…!?
タイトル、絵柄からは全く想像がつかない物語がそこにありました。2024年12月11日 -
ブックライブ書店員
皆さんは、自分の家の間取り図を見たことがあるだろうか。もしそこに見覚えのない空間があったとしたら……。
知人が購入予定だというその家の間取りはとても不可解だった。
四方が壁にふさがれた謎の空間、窓のない子供部屋、寝室から丸見えの脱衣所……。
いったいなぜ、こんな家を建てたのか。この家で何があったのか。
一度、この謎に足を踏み入れたらもう出られない。その想像を絶する真実とはいったい……。
私は実家から出たことがないため、間取り図とは無縁の人生を歩んできました。そのため、間取りだけでここまで住人の生活環境がわかるのかと驚愕しました。間取りそのものもかなり奥深いですね。雨穴さんは「間取りって奥深いなーこの奥深さミステリみたいだなー」でこれを書き上げたのでしょうか? まさか、間取りとミステリがこんなにも相性がいいとは思いませんでした。
最近、一人暮らしを考え始めているので、この漫画を参考に、不可解な間取りではない家を見つけたいと思います。2024年12月02日 -
火の龍に襲われた国を救うためその身に龍を封じた英雄伝説が残る地で、龍に憧れる少女シャンリィ。
森の動物とともに野山を駆け、人と違う理に生きる不思議で美しい生物とのトラブルを解決して回っていました。
しかし初めて悪意に触れた瞬間、彼女の中の力が目覚めたのです…。
「お前の中には龍がいる」
養父であり不吉の象徴・黒犬でもある彼の言葉でシャンリィの平和な日常は崩れ、自身の力で傷つけてしまった親友を救うために、シャンリィの旅が始まります!!
4頭の龍を巡る英雄伝説に挑む、少女の運命を巡る壮大な本格ファンタジーです!!
火・地・風・水のエレメントを司る龍の存在、そしてその龍の力を得た少女!
この設定だけでもワクワクしませんか?
重厚なファンタジーである今作、その中でもおすすめポイントを3つご紹介します。
1つ目は登場人物が全員魅力的であること!
個人的に主人公感が強いキャラクターはそんなにハマらないのですが、シャンリィは主人公感がありながらも溌剌として天然っぽさが少ないので、非常に好感が持てました。
優しい心を持ちながらも運命に立ち向かう強さと純粋さは、人間だけでなく人と相容れぬ存在から愛されるのも納得です。
2つ目は絵の描き込みと素晴らしい世界観の表現力。
本格ファンタジー然とした、繊細でありつつも力強い描き込みに目を奪われます。
とくに炎自体が命を持っているかの様な、竜の力の圧倒的な描写力。
モノクロの画面でありながら色や光が見えるようです。
衣装や家屋などにも細かな装飾がされており、作者のこだわりが感じられます。
ポイント3つ目は、否応なくワクワクさせられる巧みな伏線の張り方。
龍の力は英雄の子孫である王家の一族に受け継がれるハズ。その力を持ちながら森に捨てられていたシャンリィ。彼女の本当の生い立ちとは!?
一方王宮にもシャンリィと似た瞳をもつ若き王の存在も…!?
また、龍の伝説にも違うパターンが存在することが示され…。
様々な伏線が散りばめられ、今後の展開が気になります!!
色々な土地へ行き、様々な“龍”と巡り合うだろうシャンリィの旅を末永く見守りたいです。
本格ファンタジー好き必読の物語、ご堪能あれ!!2024年11月28日 -
金髪にピアスだらけ、そして子供よりも子供っぽい小児外科医の星乃 櫻子(ほしの さくらこ)。
彼女は空間認識能力が極めて高く、そのため手術する際に自分のイメージ通りに自身の体を動かすことができます。
卓越した正確さと速さで進む彼女の手術は、さながら魔法のよう。
そんな破天荒医師 星乃が誤飲や交通事故、先天性疾患や包茎といった子供たちにふりかかる様々な病気や外傷に立ち向かう!!
数々の命の尊さや儚さが描かれる医療マンガ。一度読みだすと止まらなくなりますよね。
リアルに描かれる物語ほど、現実の無常さに読んでいてツラくなることがあります。
それが小児科という非力な子供たちを襲う病や事故などであれば余計です。
今作はそんな難しい題材を描きつつも、主人公である星乃先生の子供よりも子供らしいという天真爛漫さのおかげで物語全体が明るく前向きに描かれています。
さらに子供をとりまく大人の事情など目を覆いたくなることがありますが、この物語も例外ではなく、大人の事情に振り回される子供たちが出てきます。
ですが、星乃先生が親に対して正面から立ち向かい「怒る」という行動によって緩和されています。
正直そこまでしなくても…と思う部分はありますが、それくらい取り返しがつかない事だってあるという星乃先生の強いメッセージなのでしょう。
どんなに強い口調で話しても、治療後に親や子供から感謝を伝えられると照れてぶっきらぼうになりつつその裏で泣いてしまう彼女の姿に、人としての温かさを感じます。
また星乃先生の特殊能力にも注目です!
手術をするのに空間認識能力が必要であることは目から鱗でした。
確かに患者ごとに違う身体の状況を、内視鏡などを使って緻密に手術する上で重要な能力ですよね…!!
それを端的に表すためにクレーンゲームが得意という描写を用いており、なるほど!!と膝を叩いて皿が割れそうな勢いです。
小児科医として見る現場のリアルさを追求しつつも、目を背けたくなるようなリアルさではなく希望を感じられる物語、是非ご堪能ください。2024年11月11日
