あらすじ
ヴァイキング達が跋扈する11世紀北欧を舞台にトルフィンが本当の戦士を問う物語。父親の仇を討つために過ごした幼少期、奴隷として農場で過ごした青年期を経てトルフィンは約束の地・ヴィンランドにて平和の国の建国を目指す。小麦畑を作り順調にヴィンランド開拓を進めるトルフィン達一行。先住民族のウーヌゥ人との友好的な関係を築きつつある中、ヴィンランドに疫病が蔓延。ノルド人とウーヌゥ人との間に疑心と憎悪の感情が芽生え、互いに自分たち平和を守るため、戦争を計画する事態に発展する。ヴィンランドが「仕方ない」の魔力に飲み込まれていく中、トルフィンはウーヌゥ人の族長へヴィンランドからの撤退を宣言し、戦争回避の策を提示する。族長はこれを受け入れ、争いは一時収束するかに見えた。だが未曾有の事態を機に戦争強硬派が動き出し、交渉は決裂。ついに戦争が始まり、アルネイズ村に戦争の炎が降りかかる。ココジャナイドコカ、約束の地へ。トルフィンの夢の行方はーーー。本当の戦士を問う北欧叙事、ついに完結!
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北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
感情タグBEST3
ついに完結...!!!
幸村先生本当にお疲れ様でした!!!
最後までトルフィンたちが葛藤し続ける姿に胸を打たれました。
表紙的には25巻が大団円ハッピーエンドな雰囲気で好きなのですが、これで締めくくられたか〜という何とも言い難い味わい深さ。
終わったのめちゃくちゃ悲しいけど最後まで読めて感謝の気持ちでいっぱいです。
Posted by ブクログ
20年にわたり追い続けた物語が完結。戦争は良くない、暴力は良くないよねという「当たり前」から一歩進み、それを実際に避けることや貫きとおすことの難しさを描き切っている点が素晴らしい。加えて罪と罰という、過去何度となく語られている普遍的なテーマに挑戦しながらも、人間の愛だけは止めることができない、仲間外れにされた人が行き着く場所はあるかなど、前作プラネテスからのつながりも残しており、続けて読むとさらに考えさせられる。まさに文学的な、大人向けの漫画だったと思う。幸村先生ほんとうにお疲れ様でした!!
Posted by ブクログ
アニメで知って、原作を読んで、ハマった。
トルフィンの子供時代からスタートし、復讐、奴隷、反戦という魂の旅が感慨深い。
一人の人間がここまで変われるものなんだ。
殺人マシーンだったトルフィンが許され、信頼され、「私に敵はいません」と言えるようになるまでの変化が丁寧に描かれた名作。
トルフィンがこの後、どんな人生経験を経て、どんな境地に立って、この世を去るのかまで読みたかったけど、
次世代に希望をつないで終わったのも、それはそれでよかった。
戦争をやめられない私たち。
多くの人に読んでほしい。
1巻から29巻まで読むたびに思っていたけど、1コマ1コマの絵の完成度が高すぎるのがスゴイ。
ページ大幅増の最終巻
最終盤にしてこの展開─。最後のイベントの大半が主役が離脱した中での進行というのは個人的にはちょっと・・・。ラストはまぁ未来が窺われる感じだけど。
美麗な絵の壮大な物語でした。お疲れ様でした!
完結
おめでとうございます。最後は父親と同じように守るために戦うかと思ったけど、最後までそういう手段を使わなかったトルフィン。一貫していてよかった。
Posted by ブクログ
11世紀ヨーロッパ、戦乱と航海の果てに“戦わない勇気”へ辿り着いた物語。
主人公トルフィンは、父の仇を討つため剣を振るう少年から、戦うことを拒み、仲間と理想の地「ヴィンランド」を目指す青年へと成長する。
『キングダム』の信が「戦うことで夢を叶える」主人公だとすれば、トルフィンは「戦わないことで夢を叶える」主人公。
二人の対照的な成長は、“力”と“赦し”という人間の進化をそれぞれに描いていて、どちらも読めば補い合う関係にある。
歴史の描写も緻密で、当時の北欧・イングランド・バルト海の関係を通じて、ヨーロッパ史の入口としてもおすすめ。
中学生にもぜひ手に取ってほしい作品。
Posted by ブクログ
ハッピーエンドにはならなかった。やはり戦争は起き、多くの犠牲者が。
それでも「仕方ない」という選択肢を最後まで選ばず、戦いを避ける道を模索し続けた。
やっていたことは間違っていないのに、上手くいかない理不尽な世界。とても考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
なぜ戦いは起きてしまうのか。
なぜ戦争は始まってしまうのか。
ここまで深く考え抜いた作品は稀。
善良なリーダー、一般市民、人の皮を被った獣。
それぞれが最良を望み、選んでなお、破局がある。
コミュニケーション、技術、そしてどうしようもない運。
神ならざる人には、リスクを下げることしかできない。
作者は戦時下の現代に、嘆息と覚悟を読者に突きつける。
Posted by ブクログ
わわーーーー終わったーーーーーーー
すごい、すごいですぞーーーー
幸村先生おつかれさまでしたー
描き切ってくれてありがとうございましたーーー
結構最近から読み始めたものですが、
人間をど正面から描いていてこんなすごい漫画があったのかーーーっと思って数年
新大陸での開拓事業がいろんなことが重なって
結局ココでも殺し合いが始まってしまい
うわーうわーどうすんねんっとくらーい気持ちになり
結局未だ平和な奪い合いのない世には到達せず
でもでもまだそれでも諦めないという
うう、みーんなが0歳同士ならなにも起きないのかもしれないけど、どうやって差が出てくるもんで
その差が結局争いの種になっちゃうんだよなーーー
ああ、千年でも足りないのかも
にしてもなんもしてないのに読んだだけなのに
なにかやり切った気分になってる自分がこわい
トルフィンの成長に比べて自分の小ささに愕然としちゃうーー
Posted by ブクログ
素晴らしかった。だいぶ色んな方向に動いた壮大な物語も、本巻でいよいよ大団円。トルフィンのヴィンランドの夢は、志半ばに終わってしまったけど、不殺の大志はまっとうされたクライマックスは感動的。長期連載、お疲れさまでした&ありがとうございました。
もうちょっとエピローグが欲しい
日付が変わって最終巻が配信されたので寝る時間を少しだけ後にして読み込みましたが
結末は変えられないなかで、圧倒的な作画とスケールで描ききったことは途方もない偉業ですが
トルフィンたちやクヌートたちのその後をもう少し描いて欲しかったかなと思うのは贅沢ですかね
Posted by ブクログ
完結してくれたことに感謝。
とはいえ心から楽しめたのはバルト海までだったという気持ちもあります。
最後の戦いに主人公が関わらないまま終わってしまったのはどうなのかなと思ったり。
作者もどうすればいいのか迷っているのはずっと感じていました。
この長編で主人公の生き方が180度変化するのは面白かったです。
Posted by ブクログ
途中まではめちゃくちゃ面白かった!
ヒルダがトルフィンを許すシーンがハイライト。思わず泣けた。
しかし、ギリシャまでの道中&ギリシャでのシーンを省いたのと、肝心のヴィンランドに着いてからの短さが不満だ。
もうちょっとやってほしかったな。作者的に限界だったのか、人気的に限界だったのか。
Posted by ブクログ
全く経緯を知らずに最後まで読んで終わってたと知った作品!
ようやくたどり着いた新天地で現地の先住民との戦争状態になってしまい、トルフィンはその流れに抗おうとするが…。前巻くらいからバイキングっていうより開拓民モノになってしまってるけど…。結局サポート役に頑張ってくれていたエイナルが殺人に手を染めた上に亡くなっちゃうので、後味は悪め…。でも終わりは終わり!別にガッカリするほど酷い終わり方ではなかったので、そこは安心!
匿名
事実を元にストーリーを組んでたから、開拓失敗で終了だと思ってたけど、読了感としてはもやもやしたものが残る。
ミクラガルドの商売の様子も気になったまま。
グリーンランドは史上だとあのあと人間が全滅するのもあるし。
完結おめでとうございます。
約20年の連載お疲れ様でした。
最終巻読ませていただきましたが、私的には26巻完結でも良かった気がします。
幸村先生の次の作品も期待しています。
現実を突きつけられるEND
まるでドキュメンタリーのような終わり方。
まぁ実在の人物をモデルにしたり、史実を元にした影響もあるかもしれないけど、読者諸兄姉が本作…ひいてはトルフィン達に夢見た終わり方は見せてもらえなかった。トルフィンの常人離れした身体能力、そして人望、まさに波乱万丈な人生で、28巻までは夢が見れるかも⁉️と淡い期待を抱いていたが、叶わなかった。淡々と現実を見せつけられて終わり。
「戦争」のアンチテーゼとしての「和解」であり、「譲歩」であり、言ってしまえば泣き寝入りのような現代社会に通じるものを感じた。
「やられてもやり返すな」
「命を大切に」
命は大切だよ。でも、私は漫画にリアルを求めていなかった…。漫画の中くらい、夢を見ていたかったな。