北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年11月05日
物語は大きな転機を迎える。たった一つ握り締めていたものが壊れてしまって、トルフィンはすべてを失った。ここから物語がどう展開するのかが見えず、さすがとしか言えない展開である。
それにしても、見事な死に様であった。自分の命をどう扱うのか、それがこの物語における一つのテーマだとは思うが、彼ほどの存在の...続きを読む死を確かに描ききっている。
クヌート王子は身内を立て続けに失っていて、そこが心配されるところだが、物語はなるようになるのだろう。
今回も星五つで評価したい。
Posted by ブクログ 2015年03月29日
アシェラッドの策略により、クヌート王子の暗殺は未遂に終わる。
これにより「スヴェン王がクヌート王子を暗殺しようとしている」という噂がまことしやかに流れる。
スヴェン王はクヌートにマーシアの統治を任せ、ウェールズへの侵攻を宣言する。
スヴェン王はアシェラッドに、クヌートかウェールズのどちらを取るか選べ...続きを読むというが……。
父殺しアシェラッドとトルフィンの物語がここで終わる。それは壮絶という言葉では到底足りぬ物語だった。
Posted by ブクログ 2013年07月10日
血筋とか、生まれとか、育ちというのは、多かれ少なかれ、重かれ軽かれ、その人間に宿命を与える。背負わせる。
『どう生きるか』以上に、『どう死ぬか』、死に方にこそ人間の価値があらわれるのだと、アシェラッドの最期を見て思った。
彼は、おのれの宿命を腹の内に抱えながらも、周囲からすると自由奔放、欲望のままに...続きを読む生きたように見える。
しかしそれは戦乱の時代を生き抜くため、作り上げたかりそめの地位であり、虎視眈々と、自分が真に成すべきことの機会を狙っていたのだ。
人は、おのれの宿命から目を背けることはできない。
アシェラッドは、まさに死の瀬戸際で、その宿命にケリをつけた。
全てを成し遂げることはできなかったが、彼の死に様は、主人公トルファンやクヌート王の未来に、大きな意味を持つはずだ。
宿命は言い換えれば『業』であり、『性質』であり、易しく言い換えれば『性格』だったり『その人らしさ』だったりする。
それらの赴くまま生きるか、隠して生きるか、上手くバランスを取りながらやっていくのか、人それぞれだろう。
だが、隠したとしても、命尽きかけたとき、必ずそれは顔を出すのだと思われる。
だからこそ、死が身近に存在する幕末や戦乱の時代の人物は、打ち上げ花火のように魅力的なのだ。
アシェラッドが凄いのは、そのある種、自己を昇華させることができる『死の誘惑』に惑わされることなく、最期の最期まで耐え忍び、熟成させたことである。
まさに策士。『大局を見る』というやつだ。
久しぶりに、ページをめくる指が震える漫画である。
行く末が愉しみだ。
Posted by ブクログ 2010年06月15日
3部開始とでも言いたいような物語全体の流れの中でもかなり大きな転換エピソードを迎えた巻。アシェラッドは善人ではないんだけど悪人の英雄とでもいいたいような魅力があってこの巻はアシェラッドと王子の回と言いたい所。再び大きく運命を転換した主人公の今後が気になる
続きが気になりすぎて床を転げ回りたい漫画。
...続きを読む
ヴィンランドサガはデーン人(ヴァイキング)中心の物語なんだけど、昔見たトンデモ映画だった「ベオウルフ」の雰囲気に世界感ビジュアルが今回すごく被った。参考にされてるのかも。ベオウルフはデンマークに伝わる古い叙事詩らしいですし。
Posted by ブクログ 2010年04月06日
あまりの急展開にリアルに「( ゚д゚)ポカーン」だった。ラストであんなになっちゃったトルフィンが、これからどうやって父・トールズのように、真の戦士、愛とは何かということを悟るのか、気になるし楽しみ。
Posted by ブクログ 2009年11月10日
アシェラッド 好きじゃないけど、ちょっと今回は同情してしまったかな。最後まで理知的で冷静な男だったと思います。
トルフィンの存在が薄い巻になりましたね(笑)。
Posted by ブクログ 2009年10月24日
アシェラッドまさかの死亡!もっとクヌートの参謀としてあれこれ画策するかと思っていたので、この場面での死亡は驚きました。クヌートを王にするという決意と故郷を思う気持ちが想像を超えてましたね。アシェラッドの王殺害からの話は大きい誌面で読みたかったです。
Posted by ブクログ 2019年09月04日
不毛の地に立つ樅の木は枯れる
樹皮も葉もそれを保護しない
誰にも愛されぬ人もこれと同じだ
どうして長生きしなければならぬのか
―――――オーディンの箴言より
Posted by ブクログ 2011年05月03日
アシェラッドの悪巧みしてる悪党顔がその後の決心へ続いていくところが盛り上がりすぎて、生き様を見せつけられた。トルフィンがアシェラッドの生き様を今後生かす事が出来るのか。簡単にはできないんだろうけど、先は長そうだなぁ…
Posted by ブクログ 2010年08月04日
スヴェン王の策略とアシェラッドの機転で今までのストーリーが一変する。
まぁそうするしかなかったんだろうけど…色々と惜しい話だった。
後半は農夫の話。海賊からどんどん遠ざかっていく。
Posted by ブクログ 2010年08月02日
1-9巻所持。
いや・・・ね・・・。
内容はね、本当に最高だったんですよ。
でもね・・・。帯!!!!!
ちょっとまて!
ネタバレもええとこやろ!!
とぶちギレた、去年の9月ごろ。
いや~でもね、アシェラッドの死ほど、衝撃を受けたことはないです。
そして、仇としていたアシェラッドを失ったトルフィ...続きを読むンは生きる気力を失う?のか?
しかしいいわ。やっぱおもしろい。
ホント思うのは幸村先生ならではのテイストですね。
それは『愛』とは。
これが大前提に置かれている気がします。
『プラネテス』といい、この作品といい、ホンマすごすぎるよ。幸村先生。
Posted by ブクログ 2009年11月14日
え? あの人が?! ここでいなくなるとですか!
っと、相変らず飽きさせない展開です
次の巻からどういう話になるんだか予想もつきません(ちょろっと出てはいましたがそれでも)
Posted by ブクログ 2009年10月07日
意外な展開!
ここまでひっぱってきて主人公の目的をとっぱらってしまうとは!
作者は単なる復讐物語から脱皮させたく思ったのだろうか。
いったいトルフィンを何処に連れて行こうというのか。
これからクヌーズ1世と北海帝国成立に向けての戦争が始まっていくと期待していたのになんだかガッカリ。
Posted by ブクログ 2012年01月24日
(1~8巻の感想)
11世紀初頭。ヴァイキングと呼ばれる男達の生き様を描いたマンガ。
スケールはでかいはずなんだけどイマイチそれを感じにくいのは、主人公の目的が復讐一辺倒という狭い視野の中にのみ生きているからか。
この8巻で新章が始まり、はたして物語がどう動くのか。うむむ
Posted by ブクログ 2010年01月04日
殺伐としたヴァイオレンスなヴァイキングのマンガ8冊目。
デーン王に近づいたところまではうまくいったが、
ついにアシュラッドが死んでしまって、
王子は前に進んだが、トルフィンは宙に浮いてしまったところまで。
んー。
人には幸せを希求して欲しいものだが、な。