北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
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Posted by ブクログ 2022年03月14日
調べると、1巻を読んだのがなんと、6年も前。当時、続きも読みたいと思いながら、こんなに遅くなってしまった。これはでも、2巻や3巻あたりからの盛り上がりが半端ないから、1巻で止めるのは厳禁のやつでした。反省。それにしても、主人公を取り巻くおじさんたちのカッコよさが出色で、惚れ惚れしてしまう。でも、そん...続きを読むな人に限って、早々に退場してしまったりするわけではあるけど…。ひたすらヴァイキングとしての冒険が続く訳でなく、奴隷としての第2章が続いているんだけど、こちらもなかなかに展開が読めず、刺激的。まだまだ楽しめそうです。
Posted by ブクログ 2021年12月22日
トルフィンの戦争はまだまだ続くと思っていた。
トルフィンの中でアシェラッドは大きな存在だったと再確認できた。
親を殺されたのはもちろん怒りにつながったと思う。ただ、心のどこかでアシェラッドやヴァイキングが問題ではなく、もっと上の存在や世界の構造に問題があるとわかっていたんじゃないかと思う。
でも...続きを読むその怒りをどこかに向けるしかなくアシェラッドと戦っていたのかな。
アシェラッドよ、安らかに眠れ。
Posted by ブクログ 2015年11月11日
トルフィンが夢にてアシェラッドと再会を果たした巻である。
彼の、現代的に言えばPTSDに当たるのだろうけど、その苦しみを背負って生きろと告げるアシェラッドの言葉には、少し泣かされてしまった。叱責する言葉のなんと厳しく、なんと温かなことよ。
ようやく、トルフィンは生きるようになった。これからどう...続きを読むなるのかが目を離せないところである。星五つと評価したい。
Posted by ブクログ 2015年03月29日
戦士だった頃の自分から変わろうともがくトルフィン。
しかしエイナルたちの開墾した稲は人の手によって掘り返されていた。
奉公人たちに殴られて気を失ったトルフィンは、戦士たちの果てなき戦場でアシェラッドと会う。
アシェラッドは、トルフィンが殺した名もなき人々を背負って本当の戦士になれという。
トルフィン...続きを読むの魂の叫びが木霊する。
Posted by ブクログ 2011年10月02日
自他ともに血を流さず、また身を傷つけずとも、
誰からか何らかの価値のあるものを奪わずとも
自分以外の他人を誰一人敵とすることなく
ただただ自らの命を永らえ、
明日につなぐ生きることも戦いの一つなのだと思う。
自らを敵として戦うことはもっとも苦しく辛く果てしなく困難な戦いだ。
なぜなら、手の内はおろか...続きを読む、真っ黒な腹の底の底までも
何もかも知っている相手が敵なのだから。
Posted by ブクログ 2011年07月03日
こんな展開になるとは思わなかった。主人公が成長していく姿が素晴らしい。生きている時代は現代とはだいぶ違うけど、自分とダブらせていろいろ考えます。本当の強さってなんでしょうね。
Posted by ブクログ 2011年05月24日
トルフィンほんとぐっと柔らかくなったなぁ。一度空になったお陰で本来の性質が出てきたのかな。照れたりとか反応も素直で可愛い。あんなにトゲットゲだった時期があったとは思えない程。良い方向に進んでるならほんと良かった。アシェラッドが出てきたシーンは胸が震えた。こんな所に来てまでお前ってやつはよう!トルフィ...続きを読むンがこれから先父の道を辿る第一歩を踏み出したみたいでこの先の展開が楽しみ。にしたっていじめっ子たちはムカつくなー。トルフィンはねぇ!今をときめくクヌート陛下の護衛だったこともあってトルケルも倒したことのある凄腕なんだからー!みたいなことを思わず言ってやりたくなる。トルフィンの跳んだり跳ねたりな戦闘アクションが好きだったので丸くなってくれたのは嬉しいけどそこのとこだけちょっとだけフラストレーションがたまってたり。
Posted by ブクログ 2011年04月30日
完結するまで作品を評価するのは難しいけれど・・面白かったので、感想など少し。
ついに物語の方向性が明らかになってきた。
特に最後のページは象徴的で美しい。
だが、目的を達成することは難しいだろう。
場合によっては理想のために命をかけることになる。
かつて父親が示したように。
続きが楽しみだ。
Posted by ブクログ 2011年04月29日
文句なしの★5つ。
トルフィンに自分を重ねてしまう。
弱い自分、それに気付く自分、何もできない自分。
だけどアシェラッドは言う、
それすらも引きずって行けと。
本当の戦士になれと。
読んでて訳も分からず泣きました。
Posted by ブクログ 2011年04月29日
奴隷編で目指すものが何なのか、9巻迄では掴みきれなかったが、今巻でようやく明確に示された気がした。というかこの作品の目指す先がはっきりした。
アシェラッドが物凄くいい味を出している。流石第一章の主人公である。トルフィンは本当の戦士になれるのか。
クヌートパートも気になるのだが、そちらはまだ展開が読め...続きを読むない。(というか今回はなかった)
Posted by ブクログ 2011年11月17日
これまでの10巻中、一番大事な巻かつ一番素晴らしい巻だった。
これまでずっとトルフィンが戦士として
どう強くなっていくかの物語だと思ってたけどそれは間違いで、
人間としてどう強く大きくなっていくかの物語だったということに
いまさらながら気づかされた。
8巻、9巻あたり農奴としての物語が何の意味を...続きを読む持っているのか
わかっていなかったけど、すべてはこの巻のためにあった。
ヴァルハラの夢の中で、過去の自分が行ってきた殺戮の数々を思い返すトルフィン。不戦を誓ったものの、
平和な未来はあり得ない。どういう終わりを迎えるのか?
Posted by ブクログ 2011年10月30日
トルフィンがやっと人生を取り戻したー!このまま農場マンガになってしまうかな?クヌートは出てこなかったけどどうなるのかな? 奴隷も戦士も楽じゃないけど豪農だって楽じゃない。男奴隷より女奴隷の方が楽なようで救いが無い。これから話しが展開するための世界観を理解する巻ってところかな。
Posted by ブクログ 2011年06月22日
このまんがのずっと続く戦いやら策略の話はどこかで愛とか心の話なっていくとは思っていましたが、主人公がそういった気持ちになるのに10巻かかったのか。それでも長く感じないところが密度高い漫画です。そしてどこに向かうのか楽しみになってきたのでこれからの期待値を込めて星4つをつけさせてもらいました。
Posted by ブクログ 2011年06月16日
正直奴隷編(笑)みたいに思ってたけど、ついにトルフィンがやりおった。一巻から戦いしか知らないトルフィンの脱戦い宣言。そういえばプラテネスも、最後はハチマキが一丁前に愛を語るようになったし、この作者の話のメインは人間の成長についてなんだな~、と。
Posted by ブクログ 2011年05月06日
空っぽになったトルフィンの心を農耕の民たちが少しずつ耕していく、そして、ついにトールズから、アシェラッドから引き継いだ本当の戦士になるための戦いを決意する。。。
鬱屈した9巻から未来の希望を予感させる10巻
Posted by ブクログ 2011年05月04日
どうやら戦争には戻らない展開なのかな。
あいかわらずの展開の遅さだけど、ようやく奴隷編で変化というか成長というかがちょっとだけ起きた。はやく続きが知りたい。
あれだけ壮絶な子供時代を送ったトルフィンが今後どうなっていくのかまだまだ気になるところ。
子供が大人になる過程が好きだと言う作者がどのよ...続きを読むうなカッチョイイ大人になり方を描いてくれるのか期待してます。
Posted by ブクログ 2011年04月30日
戦場で少年期を過ごした青年が「空っぽの自分」になにを取り込んでいくのか。冴え冴えとした筆致で描かれた悪夢の場面(蜘蛛の糸風)にページを繰るのが怖くなった。
Posted by ブクログ 2011年04月27日
話の流れがずいぶん変わったというのに変わらず面白いってすごいなぁ。トルフィンの成長ぶりがすごくいい。
「これから覚えていけばエエ。ひとつひとつ…」
いい言葉だ。
トルフィンの強さが別の方向に向かったし、この先の流れが全然想像できないから早く次読みたい。
Posted by ブクログ 2011年11月24日
んー、正直、どうなのよ、とは思う。
道半ばである事には違いないのだが、局所的に見ると、主人公が奴隷になってからの下りは読んでいて面映い。
今後の展開如何で、作品の評価自体が大きく変わる。
Posted by ブクログ 2011年06月27日
とうとう十巻。毎回先が読めないけれど、この先さらにどう行き着くのか良い意味でも悪い意味でもさっぱり分からない。
第一部の戦いの日々のほうが商業的には売れるのだろうけれど、奴隷編は『まっとうに生きる』ことをトルフィンが学ぶために大切な場面(なのかな)。
でも少々もの足りなく感じてしまうので、そろそろ山...続きを読む場があると良いな~
Posted by ブクログ 2011年05月14日
死んだような表情から、やっと生きているいい顔になってきた我らが主人公トルフィン。んで、お父さんとアシェラッド両方が夢に出てきて、より人格に影響を与えるのはお父さんの仇アシェラッドなんだよなぁ…
Posted by ブクログ 2011年05月02日
トルフィンが"殺戮者としての戦士"を抜け出し、"人を傷つけずに戦う"ことを決意した、というお話。
舞台は農場から一歩も外へ出ず、話の流れも停滞している感があるが、トルフィンの内面成長の物語としては大きなターニングポイントなのかな??