北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
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Posted by ブクログ 2015年03月29日
戦士だった頃の自分から変わろうともがくトルフィン。
しかしエイナルたちの開墾した稲は人の手によって掘り返されていた。
奉公人たちに殴られて気を失ったトルフィンは、戦士たちの果てなき戦場でアシェラッドと会う。
アシェラッドは、トルフィンが殺した名もなき人々を背負って本当の戦士になれという。
トルフィン...続きを読むの魂の叫びが木霊する。
Posted by ブクログ 2011年04月29日
文句なしの★5つ。
トルフィンに自分を重ねてしまう。
弱い自分、それに気付く自分、何もできない自分。
だけどアシェラッドは言う、
それすらも引きずって行けと。
本当の戦士になれと。
読んでて訳も分からず泣きました。
Posted by ブクログ 2011年11月17日
これまでの10巻中、一番大事な巻かつ一番素晴らしい巻だった。
これまでずっとトルフィンが戦士として
どう強くなっていくかの物語だと思ってたけどそれは間違いで、
人間としてどう強く大きくなっていくかの物語だったということに
いまさらながら気づかされた。
8巻、9巻あたり農奴としての物語が何の意味を...続きを読む持っているのか
わかっていなかったけど、すべてはこの巻のためにあった。
ヴァルハラの夢の中で、過去の自分が行ってきた殺戮の数々を思い返すトルフィン。不戦を誓ったものの、
平和な未来はあり得ない。どういう終わりを迎えるのか?