北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年03月29日
イングランド西部セヴァーン川で、ウェールズ方面に親書を送るアシェラッド。
トルケルからの追っ手をかいくぐり、アシェラッドの軍はウェールズへと入る。
ここでアシェラッドの出自が明らかになる。
島国でありながら海の向こうからの侵略を受け続けたイングランドの歴史は、日本のそれとは全く異なる。
そして、ヴァ...続きを読むイキングもまた、残虐な侵略者に他ならないのだった。
スヴェン王の息子クヌート、キリスト教の神父ヴィリバルドなど、新しいキャラクターも定着しつつある。
Posted by ブクログ 2013年02月09日
奴隷に対し救済もなく主人公にそれを罵るような言葉を吐かせる。世話になった老婆の村を焼き捨てたときの主人公の表情がまったく劇的でない。掠奪のシーンを悲劇的にせず坦々と描きその横を主人公に素通りさせる。この人情話や啓蒙話に走らぬトーンが実に重厚である。
背景を描かずとも魅力的なキャラクタが余りにも多い...続きを読む。そのキャラクタの魅力が遺憾なく発揮される殺陣のシーンは、重厚なトーンとは裏腹に躍動感にあふれ胸が躍る。1巻の無刀取りじみた動作を見せた殺陣で、ぐわっと胸を掴まれた。かっこよすぎです。
Posted by ブクログ 2013年02月07日
主人公側が村を襲撃し村人を皆殺しにして略奪する部分も
きっちりと書ききっている辺りに感心した。
そういった行為が当然のように行われていた時代背景は4巻までで理解できているので、
理不尽さはあるものの受け入れてしまう。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
お母さん背負ったアシェラッドがかっこいい。
だけどヨーロッパ圏ではおんぶって概念がなかったって聞いたけど・・
トルフィン、すでに背景に。アシェラッドより確実に台詞が少ない。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
キャラの魅力が少ないとおっしゃる方は多数…でも、私の同族なら悶えるの違いない漫画。キャラの魅力あふれすぎて、1番好きなキャラはアシェラッドにしようかトールズにしようか迷いまくる。…まぁ、1番を決める必要なんてないのだけど(笑)
Posted by ブクログ 2015年10月28日
トルフィンとデンマーク王国の王子の邂逅編である。物語としては、第二王子であるクヌートを本隊へと送り届けようとしている。
今回の白眉は、アシェラッドの来歴が詳らかにされたところだろうか。彼が何を狙って動いているのかが明らかになっている。当然、彼の首を狙うトルフィンにとってもこの動向は無視できないと...続きを読むころであり、この時点での開陳は上手いところだろう。
とはいえ、物語としては連続して間に入ってしまっているので、ここでは星四つ半相当と評価している。
Posted by ブクログ 2011年04月13日
運命に翻弄される王子、そしてアシェラッドの人物像が背景が少しずつ見えてきた。それにしても、これまであまり描かれなかったが、村人を皆殺しって記録に残されていないだけで、残酷なことは結構やってるんでしょうねぇ。まぁ、神はいないからな