知念実希人のレビュー一覧
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伝承と怪物のパニックホラー
アイヌの間で禁忌の森とされる場所で作業員が消えた。被害の大きさ、状況からヒグマに襲われたと考えられたが…。
家族が「神隠し」にあった医師が恐怖と対峙しながら禁忌の森の謎を解き明かしていくストーリー。
何度も命の危険に苛まれながらもたどり着いた真相は苦しいものでした。
しっかりとした生物学をベースにしているため、地に足がついた構成で現代が舞台でもあまり違和感は感じず、生々しい描写に時々本を閉じつつも最後まで一気に読み進められました。
モンスターも怖いけれど熊害も怖い。
なまじ実際の事件を引き合いに出しているのでリアリティがあって、読んでいて気持ちが悪くなりました。
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Posted by ブクログ
天久翼の読心カルテⅡ 淡雪の記憶
著:知念 実希人
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**〈 書籍の内容 〉**
爆破事件の鍵は、記憶を失った美女。
茅場町を皮切りに都内で多発する連続ビル爆破事件。
人々がテロに震撼する中、天久翼を含めた神酒クリニックの六人は、ある電話をきっかけに記憶を失った美女「赤羽」と出会う。
過去を失い、翼でも心が読めない謎の女性。だが、彼女こそがテロの鍵を握る人物で……。
記憶と事件が結びつく時、驚きの真実が明らかに!
現役医師によるハードボイルド医療ミステリー第2弾。
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**〈 感想 〉**
天久翼シリーズの第2弾。天久鷹央シリーズと比べて、医療そのものが中心テーマではない点が -
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主人公のひとりが新しい愛車に御満悦なシーンを先に読んでいて、何かあったんだなあとわかっていたけれども、何が起きたのかイマイチわからなくて隔靴掻痒だったけれど、この話を読んで大納得した。なるほど、彼のお人好しが起因だったのね。
主人公ふたりの絆というか、関係がしっかりしたものになっているのが、あからさまになったこの話、でも色っぽい話にはならないのが素晴らしい。
毎度毎度、主人公のひとりが不憫なので、話は面白いのにどうにも★を五つ付けるのに抵抗を感じている。果たして、彼はいつになったら報われるのであろうか……最近、ミステリと物語の面白さもさることながら、下世話にそればかりを気にしてしまっている。 -
Posted by ブクログ
トリックとか伏線とかではなく、こういう話だとコイツが犯人の可能性高いなーと思っていたのが的中したんだけれども、二時間ドラマで配役された俳優さんで犯人を当てるようなものなので邪道だよね。そう思いつつも、当たって嬉しかったりするのも事実だったりする。
それはさておいて、ミステリの醍醐味は犯人当てだけにある訳はなく、人間模様だとか背景とか、もろもろが絡み合ってナンボだよね。そういう意味でこのシリーズは、おかしな夾雑物がなくて安心感を持って読めるのがありがたい。
トリックというか謎については、前に見た海外ドラマで同じようなものがあり、多分こうじゃないかなというのが当たったので、素直に嬉しい。
そしてや -
Posted by ブクログ
ちょうどX(旧Twitter)で、チョコアレルギーの話が出ていたので、最初の謎はすぐあたりがついた。そのせいなのか気分良く読み進めることが出来たおかげで、さくさくと読みすすめることが出来た。五十路になってからどうにも集中力が欠けるようになり、一冊の本を読み進めるのが難しくなっていた私に、このシリーズは福音だ。短編集と長編がバランス良く配置されているので、良い感じに休憩を挟みつつ読書が楽しめる。
この本は短編二本に中編一本という構成で、まさに本として良い感じの構成で、リズミカルに読むことが出来た。その上、書き下ろしの中編は主人公の過去に触れているのと、彼女の尊敬する先達でタイトルにある羅針盤にあ -
Posted by ブクログ
「殺人鬼は4年前に死亡した患者のDNAと一致する!」これはミステリー好きとかホラーファン含めて誰もが興味を、そそられる!読み始めていきなり違和感がフツフツとわいてくる。多くの伏線・違和感を抱えながら物語は二転三転とコロコロ変わっていくが、それも著書の特徴であり著者の術中であると思う。
物語が「登場してこないXの犯行?」という急に宇宙人が現れるような、何でもありの世界に進むかと思えば、しっかりと伏線回収され医学的に視点からの「生まれながらの怪物」の正体が暴かれていく展開は「圧巻」であった。
アニメ化されているものの、個人的にはやっぱり小説の方が面白い!読後の爽快感?も楽しめた!
やっぱり「小説