知念実希人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前半恋愛小説、後半推理小説という宣伝文句納得です。
前半は僻地病院実習で研修に訪れた主人公と終末患者の触れ合いが描かれます。とある理由から外界に畏怖する女性に次第に惹かれる主人公と、死を待つ身だからと受け入れない女性の淡い恋愛が読む手を進めました。
後半、彼女の死に拭いきれない疑問をもち調査する主人公。病院側の対応からまるで世にも奇妙な物語のように展開されたり、少ない証拠から彼女の存在や真実に迫ろうとする主人公の行動から、前半からは想像もつかない展開が繰り広げられます。
ダイナミックな真実でないにしろ、前半と後半のギャップによる満足感や蓋を開けると王道なミステリーならではの読後感が素敵でした -
Posted by ブクログ
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼。通称「真夜中の解体屋』。婚約者を殺された救命医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。「彼は『真夜中の解体屋』だ」と。
医師でもある知念さんの作品ということもあり、医療現場のシーンではリアリティがあり、それが上手く物語の舞台設定に活きている印象でした。
なによりテンポ感と「魔性の少年」涼介のキャラクターが素晴らしく、一気に読み終えてしまいました。
何が謎なのか提示されるまでのテンポもよく、色々